新VAIO typeZは、初代typeZをどこまで上回れるのか?
VAIO typeZの発売されてもうすぐ1年になるけれど、
初代のVGN-Z90シリーズ(以下Z90)と、
2009年夏モデルのVGN-Z92シリーズ(以下Z92)で、
どれくらいパフォーマンスが変わったのか?
それぞれ上位スペックにした状態で比較してみる。
-------------------
<2つのVAIO typeZのスペック>
最新モデルのZ92と、初代のZ90それぞれの
VAIOオーナーメードで最上位に位置するスペックを比較。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
OS:Windows Vista Home Premium 64bit
CPU:Core 2 Duo T9900 (3.06 GHz)
メモリー:8GB(DDR3 1066/4GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
Samsung製SSD(MLCタイプ)「MMCRE64GFMXP-MVB」
ディスプレイ:13.1型ワイド(1600×900)クリアソリッド液晶
チップセット:モバイル Intel GM45 Express
グラフィック:
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
OS:Windows Vista Home Premium 32bit
CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 1066/2GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
Samsung製SSD(SLCタイプ)「MCBQE64GFMPP-MVA」
ディスプレイ:13.1型ワイド(1600×900)クリアソリッド液晶
チップセット:モバイル Intel GM45 Express
グラフィック:
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
基本的にチップセットやGPUは変わっていない。
CPUの動作周波数、メモリーの搭載容量、
同じRAID 0構成でも採用しているSSDが変化している事と、
OS(Windows Vista)が、32bitから64bitへ変わった
というのが変化した部分。
ちなみに、Windows Vistaは、
最新バージョンのServicePack2(以下SP2)がリリースされたので
どちらにもSP2まで適用している。
-・-・-・-・-・-・-
CPU最上位となるのが、
Core 2 DuoのT9600(2.80 GHz)から
T9900(3.06 GHz)へと刷新。
見たままに動作周波数が上がっている以外は同じで、
キャッシュは6MB、TDPは35Wとなる。
TDPが35Wと高く、
動作周波数も大きくなればなるほど、
それだけ熱を持つ事にもなるので、
きょう体の中が狭いモバイルという扱いのtypeZでは、
そのあたりの排熱が気になる部分でもある。
メモリーの仕様は、DDR3。
稼動電圧を1.5Vに抑えながら1066MHzという高い帯域で動作が可能で
2枚のメモリーによりデュアルチャンネル動作するので
大きいデータもスムーズにやりとりできて、
大容量でもパフォーマンスを発揮できるメモリー。
そして、
Windows Vistaが64bitであれば、
32bitOS限界とされる3GBの認識枠を超えられるようになって
8GBという大きなメモリーを搭載しても
その全てが利用できるようになる。
また、メインメモリーが増える事により
グラフィックに割り当てられる容量が増えている事も確認している。
・初期型typeZは、物理的に8GBのメモリー容量を認識できるか?
ストレージは、
一見すると全く同じ128GB(64GBx2)のRAID 0構成。
けれど、その使われているSSDが、
Samsung製「MCBQE64GFMPP-MVA」から
Samsung製「MMCRE64GFMXP-MVB」へと変更されている。
SLCタイプからMLCタイプへと変わっているので、
一瞬、え?と思ってしまうけど、
処理性能としては大きく上がっている。
・VAIO typeZに搭載されるSSDx2(RAID 0)が異常に高速な件。
この違いがtypeZ自信へのパフォーマンスに
どういった違いが出るのか?
を、ベンチマークで計測してみる。
さらに、
typeZは、ハイブリッドグラフィックスという
2つのGPUを切り替えられる能力があるので、
この際に、
[SPEEDモード]時には、PCの性能を最大限に引き出すために、
VAIOの電源設定を【高パフォーマンス】に、
[STAMINAモード]の時は、バッテリー消費を考慮する
デフォルトの【省電力】、
という設定にして、
それらを含めたパフォーマンスの変化も調べて記述しておく。
-------------------
<PC基本性能ベンチマークテスト>
●Windows エクスペリエンス インデックス
Windows Vistaの簡易ベンチの「パフォーマンスの評価」
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
プロセッサ:5.7
メモリ:5.9
グラフィックス:4.4 (4.1)
ゲーム用グラフィックス:5.1 (3.8)
プライマリハードディスク:5.9
(カッコ内はSTAMINAモード時)
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
プロセッサ:5.6
メモリ:5.9
グラフィックス:4.4 (4.1)
ゲーム用グラフィックス:5.1 (3.8)
プライマリハードディスク:5.9
(カッコ内はSTAMINAモード時)
「Windows エクスペリエンス インデックス」を見る限りでは、
CPUの評価が
T9900 (3.02GHz)が5.7と、
T9600 (2.80GHz)が5.6をわずかに0.1上回っただけにとどまった。
メモリーとプライマリハードディスクは、
すでに最高評価の5.9にぶつかってしまってるので
それ以上の差は読み切れない。
-・-・-・-・-・-・-・-
●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
[ALU]や[FPU]といったCPU演算評価を見ると、
T9900 (3.02GHz)がT9600 (2.80GHz)よりも
スコアが約10%増しになっている。
メモリー評価の[MEM]は特に大きな差はなく
[HDD]評価は、
Z92に搭載された新しいSamsung製のSSDのほうがスコアが高い。
また、
[SPEEDモード]と[STAMINAモード]では、
CPUやメモリー、HDDの評価への大きな変化はなく
グラフィックが切り替わった事で
[GDI]や[D2D]、[OGL]といったグラフィックス評価が
上下した事だけが顕著に現れた。
まだ、この時点では
スペックが変わった事での大きな恩恵は見えてこない。
-・-・-・-・-・-・-・-
●CINEBENCH R10
主にCPUの演算能力と、グラフィック性能を
計測するベンチマークソフト。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
CPUの性能を純粋に知れるソフトで、
レンダリング処理を1コアと2コアそれぞれで評価してくれる。
ここはさすがにCPUのパワーが物を言うところで、
1コア、2コアともに
T9900 (3.02GHz)のスコアのほうがT9600 (2.80GHz)よりも
約20%程度高い。
というか、
これは数値を見るよりも実際に目の前で
バイクの画像をレンダリングする処理がリアルタイムに見らるので、
2台をよーいドンで処理させると、
かなりの速度差でT9900 (3.02GHz)が
仕事をこなしていくのが見てとれた。
-・-・-・-・-・-・-・-
そして、ここからは、
Futuremarkのベンチマークテストを数種類。
●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
マルチコア/スレッドに対応。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
System Test Suite(PCMarks) :8790 8050
HDD_XP Startup(MB/s) : 94.81 88.28
Physics and 3D(FPS) :237.69 118.87
TransParent Windows(Windows/s) :5453.97 3314.8
3D_Pixel Shader(FPS) :64.1 50.2
Web Page Rendering(Pages/s) :3.33 3.02
File Decryption(MB/s) :82.4 80.27
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS): 891.78 477.56
HDD_General Usage(MB/s) :49.52 56.59
Audio Compression(kB/s) : 2038.16 2232.86
Video Encoding(KB/s) : 677.73 691.05
Text Edit(Pages/s) : 116.52 158.55
Image Decompression(MPixeles/s) :32.68 42.57
File Compression(MB/s) :8.09 6.65
File Encryption(MB/s) :35.35 41.2
HDD Virus Scan(MB/s) : 83.54 94.97
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s):9.82 9.61
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
System Test Suite(PCMarks) :7848 7159
HDD_XP Startup(MB/s) : 61.64 58.76
Physics and 3D(FPS) :225.91 114.3
TransParent Windows(Windows/s) :4330.78 3857.33
3D_Pixel Shader(FPS) :63.16 49.13
Web Page Rendering(Pages/s) :2.77 3.28
File Decryption(MB/s) :77.64 65.83
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS): 874.07 501.24
HDD_General Usage(MB/s) :48.88 45.88
Audio Compression(kB/s) : 1851.64 1794.68
Video Encoding(KB/s) : 624.39 656.92
Text Edit(Pages/s) : 137.56 142.35
Image Decompression(MPixeles/s) :35.44 35.01
File Compression(MB/s) :6.17 6.63
File Encryption(MB/s) :37.71 49.14
HDD Virus Scan(MB/s) : 43.77 94.97
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s):9.55 9.48
詳細評価を見てみると、
CPUの処理速度からくるスコアの高さ(緑色)と
SSDの速さからくるスコアの高さ(オレンジ色)の差が出ていて、
結果としてトータルスコアの差になっているのがわかる。
3D系に依存するスコアは、
[SPEEDモード]のほうが当然良くなる。
-・-・-・-・-・-・-・-
●PCMark Vantage Advanced Edition
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフトの最新版。
より実用的なベンチマークを細かくチェック。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
1回の計測に数十分を要するベンチマークソフトで、
出てくる評価項目も80項目くらいあって
さすがに詳細データまでは載せ切れないので割愛。
7つの代表項目のスコアを見ても
それぞれにおいてZ92がZ90よりも全てにおいてしっかりと
上回る成績を出していて、
トータルスコアを見ても非常に良好な性能を発揮しているのがわかる。
実際にベンチマーク測定中も
まさにリアルな処理を目の前で見られるわけだけど、
比べてみても、Z92の処理がかなりスムーズに進んでいく過程も見れた。
-・-・-・-・-・-・-・-
●3DMark06 Build 1.1.0(Basic版)
基本的に3Dグラフィック性能を測るベンチマークソフト。
DirectX 9.0c、マルチコアに対応。
グラフィック性能を測るソフトだけど
CPU演算項目があるので、一応やってみた。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
CPU Score :2716 2602
CPU1-Red Vally(FPS): 0.88 0.84
CPU1-Red Vally(FPS): 1.34 1.29
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
CPU Score :2525 2381
CPU1-Red Vally(FPS): 0.8 0.77
CPU1-Red Vally(FPS): 1.28 1.18
もともとグラフィックの性能を測るベンチマークソフトなので
トータルスコアでは、大きな差は出ないものの、
CPUに若干依存する部分もあるので、
こういったCPU演算処理能力を知れる評価もある。
-------------------
<Windowsの起動と終了、休止と復帰>
実際のWindowsの起動や終了、休止と復帰の
速度をストップウォッチで計測したらどんなものかも掲載。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
『Windows Vista起動』
Windows Vistaロゴ表示 ・・・約32秒
画面切り替わり壁紙出現 ・・・約43秒
サイドバーガジェット表示 ・・・約45秒
IE8に「Yahoo!Japan」を表示 ・・・約52秒
『終了』・・・約12秒
『休止』・・・約47秒
『復帰』・・・約35秒
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
『Windows Vista起動』
Windows Vistaロゴ表示 ・・・約40秒
画面切り替わり壁紙出現 ・・・約48秒
サイドバーガジェット表示 ・・・約53秒
IE8に「Yahoo!Japan」を表示 ・・・約64秒
『終了』・・・約32秒
『休止』・・・約44秒
『復帰』・・・約33秒
Z92のおそらくSSDのシーケンシャルリードの速さが
そのまま現れているのが、Windows Vistaの起動で、
RAID構成がありながらも初期動作も速く、
何しろWindows画面が映りだしてからが異常な描写の速度で
サイドバーも常駐アプリもあっという間に出てきて、
即座にネットワークにつながって
一番早いときでは起動からわずか50秒で
インターネットに接続できてしまった。
それから、Windowsの終了もものすごく早くて
だいたい10秒ちょっとあればすぐに電源が切れる。
今までどんなに早いSSDでも終了するのに30秒はかかっていたので
これも相当な驚きだった。
で、全てが万能かというとそうでもなくて、
休止状態への移行だとか、復帰動作は、
Z90よりも1~2秒くらい遅い印象で、
SSDの特徴がそれぞれ出てる感じだった。
でも、これなら
休止と復旧を利用せずに
起動と終了の速さを積極的に活用したほうが快適と言える。
-------------------
Z90でもかなり速いのに、
2台並べて使ってみると
Z92はもっと速いのが本当によくわかる。
一般的な使い方で
一番体感的に最も影響するのはSSDだと思われるけど、
CPUやメモリーをこれだけ強化できるからこそ
負荷のかかる作業が、少しでも楽にこなせるのだろうし
それぞれのボトルネックをさらに高い位置へと引き上げたのが
今現在のZ92のポジションなんだろう。
で、
スペック重視なら最高峰でOKなんだけども、
やっぱりT9000シリーズは負荷をかけると発熱が早いのか
ちょっとしたベンチマークをとっていると
CPUファンが常に回ってしまうのは気になってしまう部分でもある。
次は、3D系ベンチマークをとりつつ、
その発熱あたりを書いてみる予定。
【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】
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新VAIO typeZは、初代typeZをどこまで上回れるのか?
VAIO typeZの発売されてもうすぐ1年になるけれど、
初代のVGN-Z90シリーズ(以下Z90)と、
2009年夏モデルのVGN-Z92シリーズ(以下Z92)で、
どれくらいパフォーマンスが変わったのか?
それぞれ上位スペックにした状態で比較してみる。
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<2つのVAIO typeZのスペック>
最新モデルのZ92と、初代のZ90それぞれの
VAIOオーナーメードで最上位に位置するスペックを比較。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
OS:Windows Vista Home Premium 64bit
CPU:Core 2 Duo T9900 (3.06 GHz)
メモリー:8GB(DDR3 1066/4GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
Samsung製SSD(MLCタイプ)「MMCRE64GFMXP-MVB」
ディスプレイ:13.1型ワイド(1600×900)クリアソリッド液晶
チップセット:モバイル Intel GM45 Express
グラフィック:
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
OS:Windows Vista Home Premium 32bit
CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 1066/2GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
Samsung製SSD(SLCタイプ)「MCBQE64GFMPP-MVA」
ディスプレイ:13.1型ワイド(1600×900)クリアソリッド液晶
チップセット:モバイル Intel GM45 Express
グラフィック:
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
基本的にチップセットやGPUは変わっていない。
CPUの動作周波数、メモリーの搭載容量、
同じRAID 0構成でも採用しているSSDが変化している事と、
OS(Windows Vista)が、32bitから64bitへ変わった
というのが変化した部分。
ちなみに、Windows Vistaは、
最新バージョンのServicePack2(以下SP2)がリリースされたので
どちらにもSP2まで適用している。
-・-・-・-・-・-・-
CPU最上位となるのが、
Core 2 DuoのT9600(2.80 GHz)から
T9900(3.06 GHz)へと刷新。
見たままに動作周波数が上がっている以外は同じで、
キャッシュは6MB、TDPは35Wとなる。
TDPが35Wと高く、
動作周波数も大きくなればなるほど、
それだけ熱を持つ事にもなるので、
きょう体の中が狭いモバイルという扱いのtypeZでは、
そのあたりの排熱が気になる部分でもある。
メモリーの仕様は、DDR3。
稼動電圧を1.5Vに抑えながら1066MHzという高い帯域で動作が可能で
2枚のメモリーによりデュアルチャンネル動作するので
大きいデータもスムーズにやりとりできて、
大容量でもパフォーマンスを発揮できるメモリー。
そして、
Windows Vistaが64bitであれば、
32bitOS限界とされる3GBの認識枠を超えられるようになって
8GBという大きなメモリーを搭載しても
その全てが利用できるようになる。
また、メインメモリーが増える事により
グラフィックに割り当てられる容量が増えている事も確認している。
・初期型typeZは、物理的に8GBのメモリー容量を認識できるか?
ストレージは、
一見すると全く同じ128GB(64GBx2)のRAID 0構成。
けれど、その使われているSSDが、
Samsung製「MCBQE64GFMPP-MVA」から
Samsung製「MMCRE64GFMXP-MVB」へと変更されている。
SLCタイプからMLCタイプへと変わっているので、
一瞬、え?と思ってしまうけど、
処理性能としては大きく上がっている。
・VAIO typeZに搭載されるSSDx2(RAID 0)が異常に高速な件。
この違いがtypeZ自信へのパフォーマンスに
どういった違いが出るのか?
を、ベンチマークで計測してみる。
さらに、
typeZは、ハイブリッドグラフィックスという
2つのGPUを切り替えられる能力があるので、
この際に、
[SPEEDモード]時には、PCの性能を最大限に引き出すために、
VAIOの電源設定を【高パフォーマンス】に、
[STAMINAモード]の時は、バッテリー消費を考慮する
デフォルトの【省電力】、
という設定にして、
それらを含めたパフォーマンスの変化も調べて記述しておく。
-------------------
<PC基本性能ベンチマークテスト>
●Windows エクスペリエンス インデックス
Windows Vistaの簡易ベンチの「パフォーマンスの評価」
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
プロセッサ:5.7
メモリ:5.9
グラフィックス:4.4 (4.1)
ゲーム用グラフィックス:5.1 (3.8)
プライマリハードディスク:5.9
(カッコ内はSTAMINAモード時)
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
プロセッサ:5.6
メモリ:5.9
グラフィックス:4.4 (4.1)
ゲーム用グラフィックス:5.1 (3.8)
プライマリハードディスク:5.9
(カッコ内はSTAMINAモード時)
「Windows エクスペリエンス インデックス」を見る限りでは、
CPUの評価が
T9900 (3.02GHz)が5.7と、
T9600 (2.80GHz)が5.6をわずかに0.1上回っただけにとどまった。
メモリーとプライマリハードディスクは、
すでに最高評価の5.9にぶつかってしまってるので
それ以上の差は読み切れない。
-・-・-・-・-・-・-・-
●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
[ALU]や[FPU]といったCPU演算評価を見ると、
T9900 (3.02GHz)がT9600 (2.80GHz)よりも
スコアが約10%増しになっている。
メモリー評価の[MEM]は特に大きな差はなく
[HDD]評価は、
Z92に搭載された新しいSamsung製のSSDのほうがスコアが高い。
また、
[SPEEDモード]と[STAMINAモード]では、
CPUやメモリー、HDDの評価への大きな変化はなく
グラフィックが切り替わった事で
[GDI]や[D2D]、[OGL]といったグラフィックス評価が
上下した事だけが顕著に現れた。
まだ、この時点では
スペックが変わった事での大きな恩恵は見えてこない。
-・-・-・-・-・-・-・-
●CINEBENCH R10
主にCPUの演算能力と、グラフィック性能を
計測するベンチマークソフト。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
CPUの性能を純粋に知れるソフトで、
レンダリング処理を1コアと2コアそれぞれで評価してくれる。
ここはさすがにCPUのパワーが物を言うところで、
1コア、2コアともに
T9900 (3.02GHz)のスコアのほうがT9600 (2.80GHz)よりも
約20%程度高い。
というか、
これは数値を見るよりも実際に目の前で
バイクの画像をレンダリングする処理がリアルタイムに見らるので、
2台をよーいドンで処理させると、
かなりの速度差でT9900 (3.02GHz)が
仕事をこなしていくのが見てとれた。
-・-・-・-・-・-・-・-
そして、ここからは、
Futuremarkのベンチマークテストを数種類。
●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
マルチコア/スレッドに対応。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
System Test Suite(PCMarks) :8790 8050
HDD_XP Startup(MB/s) : 94.81 88.28
Physics and 3D(FPS) :237.69 118.87
TransParent Windows(Windows/s) :5453.97 3314.8
3D_Pixel Shader(FPS) :64.1 50.2
Web Page Rendering(Pages/s) :3.33 3.02
File Decryption(MB/s) :82.4 80.27
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS): 891.78 477.56
HDD_General Usage(MB/s) :49.52 56.59
Audio Compression(kB/s) : 2038.16 2232.86
Video Encoding(KB/s) : 677.73 691.05
Text Edit(Pages/s) : 116.52 158.55
Image Decompression(MPixeles/s) :32.68 42.57
File Compression(MB/s) :8.09 6.65
File Encryption(MB/s) :35.35 41.2
HDD Virus Scan(MB/s) : 83.54 94.97
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s):9.82 9.61
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
System Test Suite(PCMarks) :7848 7159
HDD_XP Startup(MB/s) : 61.64 58.76
Physics and 3D(FPS) :225.91 114.3
TransParent Windows(Windows/s) :4330.78 3857.33
3D_Pixel Shader(FPS) :63.16 49.13
Web Page Rendering(Pages/s) :2.77 3.28
File Decryption(MB/s) :77.64 65.83
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS): 874.07 501.24
HDD_General Usage(MB/s) :48.88 45.88
Audio Compression(kB/s) : 1851.64 1794.68
Video Encoding(KB/s) : 624.39 656.92
Text Edit(Pages/s) : 137.56 142.35
Image Decompression(MPixeles/s) :35.44 35.01
File Compression(MB/s) :6.17 6.63
File Encryption(MB/s) :37.71 49.14
HDD Virus Scan(MB/s) : 43.77 94.97
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s):9.55 9.48
詳細評価を見てみると、
CPUの処理速度からくるスコアの高さ(緑色)と
SSDの速さからくるスコアの高さ(オレンジ色)の差が出ていて、
結果としてトータルスコアの差になっているのがわかる。
3D系に依存するスコアは、
[SPEEDモード]のほうが当然良くなる。
-・-・-・-・-・-・-・-
●PCMark Vantage Advanced Edition
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフトの最新版。
より実用的なベンチマークを細かくチェック。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
1回の計測に数十分を要するベンチマークソフトで、
出てくる評価項目も80項目くらいあって
さすがに詳細データまでは載せ切れないので割愛。
7つの代表項目のスコアを見ても
それぞれにおいてZ92がZ90よりも全てにおいてしっかりと
上回る成績を出していて、
トータルスコアを見ても非常に良好な性能を発揮しているのがわかる。
実際にベンチマーク測定中も
まさにリアルな処理を目の前で見られるわけだけど、
比べてみても、Z92の処理がかなりスムーズに進んでいく過程も見れた。
-・-・-・-・-・-・-・-
●3DMark06 Build 1.1.0(Basic版)
基本的に3Dグラフィック性能を測るベンチマークソフト。
DirectX 9.0c、マルチコアに対応。
グラフィック性能を測るソフトだけど
CPU演算項目があるので、一応やってみた。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
CPU Score :2716 2602
CPU1-Red Vally(FPS): 0.88 0.84
CPU1-Red Vally(FPS): 1.34 1.29
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
CPU Score :2525 2381
CPU1-Red Vally(FPS): 0.8 0.77
CPU1-Red Vally(FPS): 1.28 1.18
もともとグラフィックの性能を測るベンチマークソフトなので
トータルスコアでは、大きな差は出ないものの、
CPUに若干依存する部分もあるので、
こういったCPU演算処理能力を知れる評価もある。
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<Windowsの起動と終了、休止と復帰>
実際のWindowsの起動や終了、休止と復帰の
速度をストップウォッチで計測したらどんなものかも掲載。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
『Windows Vista起動』
Windows Vistaロゴ表示 ・・・約32秒
画面切り替わり壁紙出現 ・・・約43秒
サイドバーガジェット表示 ・・・約45秒
IE8に「Yahoo!Japan」を表示 ・・・約52秒
『終了』・・・約12秒
『休止』・・・約47秒
『復帰』・・・約35秒
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
『Windows Vista起動』
Windows Vistaロゴ表示 ・・・約40秒
画面切り替わり壁紙出現 ・・・約48秒
サイドバーガジェット表示 ・・・約53秒
IE8に「Yahoo!Japan」を表示 ・・・約64秒
『終了』・・・約32秒
『休止』・・・約44秒
『復帰』・・・約33秒
Z92のおそらくSSDのシーケンシャルリードの速さが
そのまま現れているのが、Windows Vistaの起動で、
RAID構成がありながらも初期動作も速く、
何しろWindows画面が映りだしてからが異常な描写の速度で
サイドバーも常駐アプリもあっという間に出てきて、
即座にネットワークにつながって
一番早いときでは起動からわずか50秒で
インターネットに接続できてしまった。
それから、Windowsの終了もものすごく早くて
だいたい10秒ちょっとあればすぐに電源が切れる。
今までどんなに早いSSDでも終了するのに30秒はかかっていたので
これも相当な驚きだった。
で、全てが万能かというとそうでもなくて、
休止状態への移行だとか、復帰動作は、
Z90よりも1~2秒くらい遅い印象で、
SSDの特徴がそれぞれ出てる感じだった。
でも、これなら
休止と復旧を利用せずに
起動と終了の速さを積極的に活用したほうが快適と言える。
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Z90でもかなり速いのに、
2台並べて使ってみると
Z92はもっと速いのが本当によくわかる。
一般的な使い方で
一番体感的に最も影響するのはSSDだと思われるけど、
CPUやメモリーをこれだけ強化できるからこそ
負荷のかかる作業が、少しでも楽にこなせるのだろうし
それぞれのボトルネックをさらに高い位置へと引き上げたのが
今現在のZ92のポジションなんだろう。
で、
スペック重視なら最高峰でOKなんだけども、
やっぱりT9000シリーズは負荷をかけると発熱が早いのか
ちょっとしたベンチマークをとっていると
CPUファンが常に回ってしまうのは気になってしまう部分でもある。
次は、3D系ベンチマークをとりつつ、
その発熱あたりを書いてみる予定。
【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】
8件のコメント
発熱処理に変化はあるんですかねぇ。
気になります。
>HJKさん
typeZは、T9600の時からそうでしたが、T9900も同じように、負荷をかけるとファンがビューっと回りまくりますね。
昼間はそこまでじゃないんですけど、夜中にやってると結構気になったりします(^_^;)
この辺も3Dベンチとりながら調べてみますw
>kunkokuさん
返答ありがとうございます。
楽しみにしてますね(毎回なんですが)。
こんばんは^^
いよいよ,真剣に悩み出しました。
やっぱり,かなり早くなっているみたいですね。
パームレストは,シルバーで行こうと思っていますが,
起動と終了の時間を見ながら,ふと疑問・・・
ultimateとBusiness,HomePremiumとでは
結構違いがあるのでしょうか?
特に,ultimateは起動が遅いってイメージがあるのですが・・・
もし,ご存じでしたら御教示ください^^
やはりSSDはかなり違っていますね。
Windows7の拡張されたエクスペリエンス インデックスでの評価もみてみたいなと思ったりしてます
Corei5の足音が近づいてきていますけれども、次期Zはどうなるんでしょうかね
>HJKさん
はいwありがとうございますww
>Raptorさん
パームレストは、ブラックとシルバーそれぞれに質感とかイメージとかの良さがありますからねw
えっと、このtypeZの起動時間を見てもわかるとおり、
HDDとはまるで違って、データの読み出しはものすっごく速いですから、読み出すデータ量に差があってとしても、おそらくそれは気にならないレベルだと思いますw
>nyaaさん
ですねーw
5.9で頭打ちしてるという事はその先の評価を得られるという事ですものねw
えぇ、機会があればこいつをWindows7化してみますね!
Corei5がくるとなると、チップセットからごっそり変わっちゃうと思うのですが、SZの後期型のように中身を載せ代えてくるのか?それとも?というあたりもまた気になりますねw