VAIO typeZ最上位CPUのパフォーマンスとその発熱具合
・新VAIO typeZは、初代typeZをどこまで上回れるのか?
の続き。
VAIO typeZの
初代VGN-Z90シリーズと、
2009年夏モデルのVGN-Z92シリーズの
3Dゲームでのベンチマークも比較。
チップセットもグラフィックもまるっきり同じで、
メモリーは4GBと8GBとの容量の違いは影響はなさそうだし
OSは64bit機でも、ベンチマークのアプリ自体が32bitなので
パフォーマンスの向上は見込めなくて、
純粋にCPUの動作周波数の差くらいかないのだけれど
ひとまず興味本位で計測してみる。
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<4つの3Dゲーム系ベンチスコア>
前回、3DMark06のテストはしているので、
そのほかに以下4つの3Dゲーム系のベンチマーク。
・Vana’diel Bench3
・三國志 Online
・モンスターハンターフロンティアオンライン
・デビルメイクライ4
typeZには、
グラフィックの切り替えがあるので、
基本ベンチマークを計測したのと同じく、
VAIOの電源設定を、
[SPEEDモード]時には、
PCの性能を最大限に引き出すために【高パフォーマンス】に、
[STAMINAモード]の時は、
バッテリー消費を考慮するデフォルトの【省電力】、
という設定としている。
●Vana’diel Bench3
(FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークテスト3)
DirectXは8.1までの対応止まりの、
今となっては古参のベンチマークソフトだけれど
昔からの指標となるのでお約束でテスト。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低解像度モード SCORE:平均 8439 平均 3891
・高解像度モード SCORE:平均 5094 平均 2505
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低解像度モード SCORE:平均 8234 平均 3885
・高解像度モード SCORE:平均 4934 平均 2558
CPUの動作周波数の差が
ほんの少しだけスコアに反映された感じで、
ベンチマークを延々とループさせてると、
スコアはのびる事はなく
徐々に下がる傾向にあった。
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●三國志 Online
ゲーム内の合戦を表示して動作を確認。
大量のキャラクターを同時に表示させる。
DirectX 9.0c以上が必須。
「低グラフィック」、「標準」、「高グラフィック」の
3段階による計測ができるけど、
「高グラフィック」のみtypeZでもタテの解像度が足りないので、
計測ができない。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低グラフィック計測 3478“戦神” 1329“隊長”
・標準計測 2080“隊長” 812“兵卒”
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低グラフィック計測 3407“戦神” 1217“兵卒”
・標準計測 2036“猛将” 718“兵卒”
このテストのスコアからは、
CPU性能の差はあまり見てとれない。
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●モンスターハンターフロンティアオンライン
モンスターハンターフロンティアを動作させるための
ハードウェアとソフトウェの性能をはかるベンチマーク。
最近できたゲームだけに、映像はかなりの高画質。
DirectX 9.0c以上が必須。
MHFはもともと低スペックのPCでも動作するし、
超高解像度でのプレイも可能だけど、
それなりのハイスペックなハードが必要となる。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
解像度(1280×768) SCORE: 平均 939 平均 567
解像度(1600×900) SCORE: 平均 619 平均 387
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
解像度(1280×768) SCORE: 平均 939 平均 565
解像度(1600×900) SCORE: 平均 627 平均 387
GPU依存度が高いので、
スコアには少しの動作周波数の差ではまるっきり差は出ず。
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●デビルメイクライ4
超高負荷なアクション系の3Dゲーム。
グラフィックの細かいキャラクターとの戦闘シーンを
動作させたベンチマークで
ビデオメモリーには512MBが推奨とされていて
ノートPCではかなり厳しい。
[テスト条件]
・解像度:1600×900
・32bit
・DirectX 10.0
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
Rank:D
SCENE1: 12.64
SCENE2: 9.00
SCENE3: 14.84
SCENE4: 7.80
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
Rank:D
SCENE1: 12.36
SCENE2: 8.75
SCENE3: 15.06
SCENE4: 7.62
どっちもレベルの評価“D”で
「悪魔達をスタイリッシュに狩るのは難しい状態です。」
という状態。
スコアもほぼ同じ。
という事で、
CPUの動作周波数のほんの少しの差では、
3Dゲームベンチにはほぼ影響が出てこないという結果に。
(当たり前だけど。)
で、
それを踏まえつつ、
次に、こういった負荷がかかった場合のtypeZの発熱具合を調べてみる。
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<typeZに高負荷をかけた場合の温度>
新旧のtypeZに搭載した最上位のCPUとなる
Core 2 DuoのT9600(2.80 GHz)とT9900(3.06 GHz)は、
どちらもTDPが35Wと、
他のCPU(他は25W)よりも消費電力が高め。
そもそも
このCPUは、typeAやtypeFに搭載される最上位のものと全く同じで
その中でも
持ち運びを重視したコンパクトなボディの中に収めている事からも
3DベンチマークのようにPCのパワーをフルに引き出そうとすると
内部の熱を逃がすために冷却ファンが必死に回りまくる。
これから夏になるにつれて
その発熱というのは結構気にかかる部分なので
VGN-Z90シリーズと、
VGN-Z92シリーズの
それぞれの発熱量を
[SPEEDモード]時の
GPU「NVIDIA GeForce 9300M GS」と
VAIOの電源プラン【高パフォーマンス】との組み合わせで
最大限に動作している時の状態と、
[STAMINAモード]の
「Intel GMA 4500MHD」と【省電力】との組み合わせで
極力セーブした時の状態で、
アイドル中の温度と3DMark06を繰り返して負荷をかけた場合の温度を比較してみる。
まずは、実際の本体の持つ温度を計測。
温度の計測方法は、非接触型の温度計を使って
キーボードやパームレスト、
冷却ファンの廃熱窓や底面、メモリーといった
11箇所を手作業で計測。
計測中にも誤差があるので
あくまでもおおよその数値という事で。
SPEED(高パフォーマンス)| STAMINA(省電力)
アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
1) 31.5 34.7 | 31.2 31.7
2) 27.5 32.8 | 28.5 28.5
3) 38.0 51.7 | 38.5 38.8
4) 28.0 30.7 | 28.1 28.9
5) 47.6 57.2 | 42.2 48.9
6) 30.1 32.6 | 31.0 30.7
7) 28.2 31.3 | 27.3 28.9
8) 39.3 46.3 | 37.5 38.6
9) 26.6 31.3 | 27.6 28.7
10) 34.5 34.7 | 33.8 35.5
11) 44.6 50.8 | 45.3 49.6
SPEED(高パフォーマンス)| STAMINA(省電力)
アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
1) 30.9 34.3 | 30.7 31.7
2) 30.1 30.2 | 30.2 30.2
3) 38.1 49.9 | 36.7 38.8
4) 30.9 30.8 | 30.1 30.9
5) 46.4 56.8 | 42.5 48.8
6) 30.6 32.5 | 31.0 31.2
7) 30.8 30.8 | 28.9 29.6
8) 38.7 45.3 | 36.0 38.1
9) 30.7 30.8 | 28.5 30.4
10) 34.5 34.5 | 34.4 35.5
11) 46.4 50.4 | 47.6 59.0
どちらとも
3DMark06を走らせるとしばらくして
ほぼ同タイミングで、冷却ファンが勢いよく回りだして
横の廃熱口から生暖かい風がビューっと出てくる。
実際の温度にしても、
廃熱口の部分が一番熱が高くなっていて
特に[SPEEDモード]時に連続負荷をかけ続けると50度を軽く超える。
それにともなって
冷却ファンのちょうどその上のキーボード横の金属部分には
熱が伝わっていて、直接指で触れると確実に熱いと感じるようになる。
底面では、
冷却ファンの位置の真下あたりが暖かくなってくるので、
長時間ひざの上で使うと
低温やけどになってしまうかもしれないので注意が必要。
メモリーは直接計った温度は高めではあるけれど
実際にはカバーが付いているので、
そこからは熱は伝わってはこない。
また、
2つのCPUの差をこの温度測定で感じる事はほとんどなく。
T9900になって周波数が高くなったから
さらに熱が上昇したという様子は見られなかった。
それよりも
[SPEEDモード]よりも[STAMINAモード]にする事で
熱の上昇は食い止められているという印象が強かった。
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それから、次は
ソフトウェアの「CoreTemp」を利用して
CPUの温度の推移を見てみる。
SPEED(高パフォーマンス)| STAMINA(省電力)
アイドル状態 61℃ 60℃ | 44℃ 43℃
高負荷時 75℃ 75℃ | 61℃ 60℃
SPEED(高パフォーマンス)| STAMINA(省電力)
アイドル状態 62℃ 63℃ | 47℃ 45℃
高負荷時 79℃ 78℃ | 61℃ 62℃
SPEEDモード(高パフォーマンス)にしていると、
アイドル時でもCPU温度は、ある程度高いところを維持していて、
ちょっとした動作でもすぐに温度上昇がみられ、
冷却ファンもすぐに回りだす傾向にある。
まして、
3DMark06のような負荷のかかるソフトを動作させると
一挙にCPU温度は上がっていき
プリントスクリーンに画像としては納められなかったけれど
ピーク時では、80℃以上になっているのも確認した。
(こうなると冷却ファンは当分回りっぱなしになる。)
STAMINAモード(省電力)にすると
アイドル時では、かなり制御されて
CPU温度は随分と低くなるものの、
3DMarkを動かすと温度はドーンと上昇する。
ただ、それでもSTAMINAモード(省電力)のほうが
CPU温度はおしなべて10度くらい低く、
その分冷却ファンが激しく回る機会は
SPEEDモード(高パフォーマンス)よりも随分減っているのがわかる。
T9900とT9600のCPUというものの差では、
実際に横にならべて数値を目で追った限りでは、
なぜか動作周波数が高いT9900のほうが
T9600よりも
温度は少ない時で2~3℃、多きときには5~6℃低く推移していた。
これが本来の姿であるかどうかは置いといて
そういう事があったというひとつの事例として。
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最上位のCPUを搭載したとして
何にもおいてパフォーマンスを優先する場合には、
SPEEDモード(高パフォーマンス)で使うのが最良だろうし、
逆に
夜に静かにweb閲覧したいという場合には、
冷却ファンが動かないように
STAMINAモード(省電力)にして負荷を抑え気味にする
という使い方もあるかもしれない。
もしくは、
そこまで最上位のCPUパワーにこだわらなければ、
T9600と同じ動作周波数を持ちながらも
TDPが28WになるCore 2 Duo P9700(2.80GHz)は
非常に魅力的に映る。
このCPUは機会があればまたテストしてみる予定。
<オマケ>
今回の熱のテストは、日中に行っていて
この時期にしては結構汗ばむほどの気温だった。
で、
すべての計測が終わった後にエアコンを入れたんだけど
室温がちょっぴり下がった状態で、
もう一度typeZでベンチマークをまわしながら温度を計ってみたら
本体の温度上昇が2~3度ほど低く抑えられていた。
外装温度なので当然なのかもしれないけど
これからさらに夏場になって暑くなると
さらに熱上昇してしまう可能性もあるので
typeZに限らず、PCに負荷のかかる作業をさせる場合には
その部屋の温度にも注意をしておいたほうがいいかもしれない。
【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】
4件のコメント
早速拝見させていただきました。
誤差の範囲なのかもしれませんが
周波数も上がっていてなおかつ測定環境も考慮すると
冷却性能のほうはアップしているのかもしれませんね。
CPUの選択は一番迷うところですので非常に参考になりました。
パフォーマンスか省電力性(発熱含む)か悩みますね。うーん。
25W版のほうの比較も期待しつつ気長に待ちます…(←おい)
P9700のTDPは28Wではないでしょうか?
Intelの公式ページを見るとそうなっていました。
それにしてもT9900の高速っぷりはすごいですね。
>HJKさん
大幅ではないですけれど、ちょっぴりパフォーマンスがあがってかつ発熱量からすると、もしかしたら改善されてるのかもしれませんねw
確たる証拠としてはつかみづらいですけど(^^ゞ
すみません、bestrawberryさんにご指摘いただいたとおり、P9700はTDPは28Wでした(汗
えぇ、もちろん試す機会があったら速攻やってみますねw
>bestrawberryさん
す、すみませんm(__)m
P9700だけは28Wでしたね(汗
訂正させていただきました。
T9900のパフォーマンスはなかなかのものなんですが、やっぱりフルに使うとファンはぶんぶん回りますね(^^ゞ
後はP9700のバランスがどんなものかが気になるので、できたららこっちもやってみたいと思いますw