Windows7となった「VAIO Zシリーズ」最高スペックをベンチマークテスト。
1年前の8月に登場したVAIO typeZも、
4世代目「VGN-Z93シリーズ」を迎え、
敬称も世界で統一するため“VAIO Zシリーズ”となった。
とはいえ、
夏モデルの「VGN-Z92シリーズ」とは
内部的なハードウェアの変更はなく、
OSがVistaからWindows7へと変更になった事と
それにともなって
プリインストールされるアプリケーションに一部変更があったという
あくまでもソフトウェア的な変化にとどまっている。
それでも
OSが変わったインパクトは強くて
もともとパフォーマンスの高いZシリーズだけに
動作の機敏さは良好。
強いて言うと一番気になるのが
画面の上に常駐する「VAIO Gate」で、
マウスポインタを近づけると、
にゅっとたくさんアプリの並ぶランチャーが現れて
即好みのアプリを起動できるというツール。
別段ものすごい機能ではないのだけど
プログラムからアプリを開くよりも早く
ショートカットのように画面を汚さないで
サクっと起動できるクイック感と
にゅるにゅると動くなめらか感に今までにない新鮮味を感じる。
と
前置きはこのくらいにして
やはり“VAIO Zシリーズ”に期待するのは
モバイルできるハイパフォーマンスだと思うので
Windows7となって何か変化はあるのか?
改めてどの程度の処理能力を持っているのかを知るために
片っ端からベンチマークテスト含めてテストしてみる。
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<VAIO Zシリーズのスペック>
今回のテストに使うZシリーズのスペックは以下。
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」
OS:Windows 7 Home Premium 64bit
CPU:Core 2 Duo T9900 (3.06 GHz)
メモリー:8GB(DDR3 1066/4GB×2)
SSD: 約512GB(SSD 256GBX2) RAID 0
ディスプレイ:13.1型ワイド(1600×900)クリアソリッド液晶
チップセット:モバイル Intel GM45 Express
グラフィック:
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
「VGN-Z92シリーズ」のハードウェア構成と変わらないものの
CPUとメモリー、SSDは最大。
CPUの最上位はCore2 Duo T9900(3.06 GHz)。
動作周波数が高く、キャッシュは6MB、TDPは35Wとなる。
メモリーの仕様は、DDR3。
稼動電圧を1.5Vに抑えながら1066MHzという高い帯域で動作が可能で
2枚のメモリーによりデュアルチャンネル動作するので
大きいデータもスムーズにやりとりできて、
大容量でもパフォーマンスを発揮できるメモリー。
OSが64bitなので
32bitOSの3GBという認識限界を超えて
8GBという大きなメモリーを搭載してもその全てが利用でき
メインメモリーが増える事で
グラフィックに割り当てられる容量も増す。
・初期型typeZは、物理的に8GBのメモリー容量を認識できるか?
ストレージは、
なんと最大で1枚256GBという大きな容量のSSDを
2枚使用してRAID 0構成とする事で
超高速レスポンスと、512GBという大容量を搭載できる。
中身はSamsung製のSSDで信頼性も高い。
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<SSD RAID 0 512GB(256GBx2)のパフォーマンス>
まずは体感速度に非常に影響の高い
ストレージだけのパフォーマンスを計測。
●CrystalDiskMark2.2
『100MB』 『1000MB』
512GBという大容量になっても
シーケンシャルの最大読み込みスピードは260MB/s、
最大の書き込みスピードも230MB/sというかなり速度で
ランダムアクセスも
512Kは大きく落ちる事もなく、
4Kランダムでもこのくらい出ていれば引っかかり感を感じる事はまずない。
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●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)
『Read 64K』 『Read 512K』
『Read 8MB』 『Random Access Read』
『File Benchmark』
HD Tune Proでの読み込みベンチマークでは、
一部に多少に乱れがあるものの
非常に広大な容量の中としてみればとても安定した速度を維持していて
平均値を見ても
64Kで149MB/s、512Kで276MB/s、8MBで299MB/sという
非常に高い位置で推移している。
ランダムアクセスのテストはものすごく優秀で
ファイルのベンチマークテストでも
のきなみ高速な値を示している。
厳密なスピードの差をとれば
おそらく容量の少ない128GB(64GBx2)が速いかもしれないけれど
その差は劇的なものではないので
動画編集や大量なデータを貯め込んで置きたい場合にも
SSDで512GBという容量が選択できるのは非常に心強い。
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<PC基本性能ベンチマークテスト>
次にPCとしてのベンチマークテスト。
Zシリーズには、ハイブリッドグラフィックスという
2つのGPUを切り替えられる機能があるので、
[SPEEDモード]時には、
外部GPUの「NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)」を使うと同時に
PCの性能を最大限に引き出すために、
VAIOの電源設定を【高パフォーマンス】へ、
[STAMINAモード]の時には、
チップセット内蔵の「Intel GMA 4500MHD」を使うと同時に
バッテリー消費を考慮するデフォルトの【省電力】、
の設定のままで計測した。
●Windows エクスペリエンス インデックス
Windows 7の「パフォーマンスの評価」
プロセッサ:6.6
メモリ:6.6
グラフィックス:4.3 (4.1)
ゲーム用グラフィックス:5.5 (3.4)
プライマリハードディスク:7.8
(カッコ内はSTAMINAモード時)
「Windows エクスペリエンス インデックス」を見る限りでは、
CPUの評価は、T9900 (3.02GHz)が6.6、
1066MHzのデュアルチャンネル動作するメモリーで6.6
プライマリハードディスクは、
SSDのRAID 0は最高評価に限りなく近い7.8。
グラフィックは
内蔵GPUでも4.1もあるのでWindows7上で一般的な作業をするには
[STAMINAモード]で十分だと言える。
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●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。
[ALU]や[FPU]といったCPU演算評価や
[MEM]のメモリー評価、[HDD]のストレージ評価は、
[SPEEDモード]と[STAMINAモード]での影響はなく
グラフィックが切り替わった事での
[GDI]や[D2D]、[OGL]といったグラフィックス評価が
大きく変化したのが見てとれる。
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●CINEBENCH R10
主にCPUの演算能力と、グラフィック性能を
計測するベンチマークソフト。
CPUの性能を純粋に知れるソフトで、
レンダリング処理を1コアと2コアそれぞれで評価。
CPUのパワーが全てのベンチマーク結果で
実際にバイクの画像をレンダリングする処理が
どの程度のスピードでこなされているかというのがリアルタイムに見える。
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●PCMark Vantage Advanced Edition
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフトの最新版。
より実用的なベンチマークを細かくチェック。
64bitに対応。
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
1回の計測に数十分を要するベンチマークソフトで、
出てくる評価項目も80項目くらいあって
さすがに詳細データまでは載せ切れないので割愛。
7つの代表項目のスコアを見ても
[SPEEDモード]のほうがパフォーマンスを発揮。
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<Windowsの起動と終了、休止と復帰>
実際のWindowsの起動や終了、
休止から復帰をストップウォッチで計測。
『Windows 7起動』
画面切り替わり壁紙出現 ・・・約39秒
サイドバーガジェット表示 ・・・約45秒
常駐アプリ全表示 ・・・約48秒
IE8に「Yahoo!Japan」を表示 ・・・約52秒
『終了』・・・約13秒
『休止』・・・約15秒
『復帰』・・・約29秒
Windowsの起動と終了は、
VistaマシンでもZシリーズは既に相当に早かったので
その違いというのは感じられなかったものの、
非常に改善されていたのは
休止状態への移行だとか、復帰動作。
Z92シリーズ(Vistaモデル)で休止状態にしようとすると
約47秒かかっていたり
復帰にも約35秒程度かかっていた事を思うと
随分と早くなったなという印象を持った。
チップセットもグラフィックもまるっきり同じで、
メモリーは4GBと8GBとの容量の違いは影響はなさそうだし
OSは64bit機でも、ベンチマークのアプリ自体が32bitなので
パフォーマンスの向上は見込めなくて、
純粋にCPUの動作周波数の差くらいかないのだけれど
ひとまず興味本位で計測してみる。
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<3Dゲーム系ベンチスコア>
残すは3Dゲーム系のベンチマーク。
今回は以下のもので
[SPEEDモード]と[STAMINAモード]それぞれで計測。
・3DMark06 Build 1.1.0
・Vana’diel Bench3
・三國志 Online
・モンスターハンターフロンティアオンライン
・デビルメイクライ4
・ラストレムナント
かなり無謀なベンチマークも混ざっているけれど
一応参考という事で。
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●3DMark06 Build 1.1.0(Basic版)
基本的に3Dグラフィック性能を測るベンチマークソフト。
DirectX 9.0c、マルチコアに対応。
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
CPU Score :2313 1040
SM 2.0 Score : 851 283
SM 2.0 Score : 805 441
CPU Score : 2758 2636
[SPEEDモード]と[STAMINA]では
グラフィック性能の差から約2倍ものスコアの差となる。
CPUの演算処理能力に若干依存する部分もあるものの
こういたところで外部GPUの能力が多く発揮する。
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●Vana’diel Bench3
(FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークテスト3)
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低解像度モード SCORE:平均 9079 平均 3646
・高解像度モード SCORE:平均 5642 平均 2050
DirectXは8.1までの対応止まりの、
今となっては古参のベンチマークソフトだけれど
昔からの指標となるのでお約束でテスト。
もう数値を参考にというしかなくて、
いつでもどこでも出張中でもFFXIは楽しめる。
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●三國志 Online
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低グラフィック計測 3668“戦神” 1219“隊長”
・標準計測 2200“隊長” 800“兵卒”
ゲーム内の合戦を表示して動作を確認する。
DirectX 9.0c以上が必須。
「低グラフィック」、「標準」、「高グラフィック」の
3段階による計測ができるけど、
「高グラフィック」のみtypeZでもタテの解像度が足りないので、
計測ができない。
大量のキャラクターを同時に同じ場所に集まるので
混雑した時にGPUの処理能力が問われる。
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●モンスターハンターフロンティアオンライン
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
解像度(1280×768) SCORE: 平均 908 平均 586
解像度(1600×900) SCORE: 平均 619 平均 418
モンスターハンターフロンティアを動作させるための
ハードウェアとソフトウェの性能をはかるベンチマーク。
DirectX 9.0c以上が必須。
映像はかなりの高画質で
GPU依存度が高いものの
MHFはもともと低スペックのPCでも動作するようになっているので
解像度なりを調整すれば十分に遊べる。
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●デビルメイクライ4
[テスト条件]
・解像度:1600×900
・32bit
・DirectX 10.0
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
Rank:D Rank:D
SCENE1: 16.24 10.14
SCENE2: 11.46 8.11
SCENE3: 19.06 14.66
SCENE4: 11.36 6.93
超高負荷なアクション系の3Dゲーム。
グラフィックの細かいキャラクターとの戦闘シーンを
動作させたベンチマークで
ビデオメモリーには512MBが推奨とされていて
ノートPCでそもそもやる事自体がかなり厳しい。
[SPEEDモード]にしてもレベルの評価“D”で
「悪魔達をスタイリッシュに狩るのは難しい状態です。」
という状態。
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●The Last Remnant Benchmark
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
解像度(1280×768) SCORE: 13.79 7.41
解像度(1600×900) SCORE: 10.26 5.47
アクションRPG系の3Dゲーム。
美麗なグラフィックでの戦闘シーンがあるために
GPUにかかる負荷が高い。
ベンチマーク用のデモ映像を見ても
どころどころに絵が飛んでしまっていて
このゲームの最低ラインともいえる25fpsを随分と下回っているので
ちょっと無理、というか無謀だった。
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グラフィック系は
確かに強力なGPUとまではいかないにしても
普段は[STAMINAモード]で使っていて
ちょっとGPUの力が必要だなと思った時に
スイッチひとつで再起動なしに切り替えられるのは
Zシリーズの魅力のひとつ。
Windows7化したひとまずのベンチマークを出してみて
Vistaベースのものとはそう変わってはいないけれど
これから購入する人の参考になれば。
<参考(VGN-Z92シリーズのベンチマーク結果)>
・VAIO typeZに搭載されるSSDx2(RAID 0)が異常に高速な件。
・新VAIO typeZは、初代typeZをどこまで上回れるのか?
・VAIO typeZ最上位CPUのパフォーマンスとその発熱具合
【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】
6件のコメント
くんこくさーん(汗)
先日書き込みした際に何か書き忘れたなぁと振り返っていました。
今日ようやく思い出せたので再度書き込みします。
記事についてのコメントじゃなくてすいません。
現在愛用しているtypeCがYoutube等を利用する際軽い動画を
見るのにもかなり時間を要しもっさりしている感じです。
以前は極端に重い動画もサクサクだったのですが、ここ1カ月
そんな状態が続いています。
パソコンに詳しいツレに聞くとハードディスクがカリカリ
言ってるから多分原因はそこだなと言われました。
音楽データ等は外付けのHDに移してCドライブには4割ほどしか
データを入れてないのですがもう寿命がきたのでしょうか?
念の為、HDの現在のスピードを載せておきます。
12月に帰省した際に詳しく診断してもらおうと思っているのですが、
それまでにこちらでできることがありましたらご教授お願いします。
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CrystalDiskMark 2.2 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
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Sequential Read : 32.943 MB/s
Sequential Write : 30.737 MB/s
Random Read 512KB : 17.218 MB/s
Random Write 512KB : 19.120 MB/s
Random Read 4KB : 0.292 MB/s
Random Write 4KB : 0.848 MB/s
Test Size : 100 MB
Date : 2009/10/31 21:09:51
こんばんは^^
なかなか、Z購入に踏み切れないでもう1年です。
このモデルこそ購入の気持ち満々でいたのですが、
忙しさにかまけて、ふと気がつくともう1か月待ちの状態・・・。
また、色々情報を集めながらタイミングを計ることになりそうです。
ところで、「7」はSSDに最適化されていて、HDDかSSDかを
自動で認識してデフラグなんかを停止してくれるようですね。
でも、ZのようなLAIDでも自動認識してるのでしょうか?
もし認識していないようなら、くんこくさんが前に紹介されていた
「いたわりメンテ」をしていくことになるのでしょうか?
↑
RAIDでした^^;
>typeCさん
うーんど動画がもっさりしてるんですよね?
HDDの速度的なものが動画とは直接関係する事はないように思うのですが、他の動作はいかがでしょう?
でも、HDDがカリカリ言うとなるとちょっと心配ですね。
今度帰省されたときにでも持ってきてみてくださいね。
>Raptorさん
そうですねー、買うタイミングというのはいつも難しいですものねw
えっとですね、
Windows7になってSSDに最適化されてるかと思ったんですが
このあたりはまだそうなってないみたいですね、
このZに限らずですが、OSとSSDファームとの整合性みたいなのは
まだまだこれからなのかもしれませんね。
ですが、SSD的な進化具合と大容量化を含めて
以前までにシビアに気にするような事はないにしても
OS上で気付く点はちょっといじってあげるといいかもしれませんねw
onlineゲームの秘密ツールがあります。
ゲームアップデートに超~~効率的な道具.
自動でほぼ全てを行います。
製品は自主開発,自社サポートですので安心出来る。
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(www.automouse.jp)