フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」をソニーストアで触ってきたレビュー。(その1)
出てきたらぜひ欲しいと思っていたレンズ、それが35mmと50mmのG Masterレンズ。
その念願かなってついに発表されたEマウント専用フルサイズ対応レンズ
。F1.2とか超大口径レンズになって巨大化するかもしれないという懸念をよそに、最高の機動性を誇るFE 24mm F1.4 GM 「SEL24F14GM」に限りなく近い佇まいで登場。
まさに欲しいのど真ん中を撃ち抜かれて、先行展示されたソニーストア 直営店で触ってきた。
の実機を、・焦点距離35mm フルサイズ対応の大口径広角単焦点レンズ Gマスター(TM) 『FE 35mm F1.4 GM』 発売| プレスリリース | ソニー
・SEL35F14GM | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
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目次
● の絶妙なサイズ感。
G Masterレンズ=デカイ重い。を払拭したレンズといえば、FE 24mm F1.4 GM 「SEL24F14GM」。
その「SEL24F14GM」に限りなく近いテイストで、そっくりそのまま35mmの単焦点レンズになったのが、 という感じ。
開放絞りF1.4の大口径単焦点レンズでありながらも、小型・軽量で、実サイズは、最大径76mm×長さ96mm、質量は524g。
自分のような大人の男性の手であれば、片手で余裕で持てるサイズ感。
世の中にはもっとコンパクトな単焦点レンズはたくさんあるけれど、日頃ヘビー級なG Masterレンズばかりを目にして慣れきっていただけに、反動で小さいし、軽いと思える。
<参考>
・持ち出したい意欲を後押ししてくれる、写真を撮るのが純粋に楽しくなる、開放F1.4の大口径広角単焦点レンズ Gマスター FE 24mm F1.4 GM 「SEL24F14GM」。
レンズの直径は0.6mmと誤差レベルで変わらないし、ほんの少し全長が長くなった(約3.6mm)という感じ。
焦点距離イメージ:35mm フィルター径:φ67mm
開放絞り : F1.4
レンズ構成 : 10群14枚
絞り羽根 : 11枚
大きさ: 最大径φ76 mm、全長96 mm 質量:約524g
FE 24mm F1.4 GM 「SEL24F14GM」
焦点距離イメージ:24mm フィルター径:φ67mm
開放絞り : F1.4
レンズ構成 : 10群13枚
絞り羽根 : 11枚
大きさ: 最大径φ75.4 mm、全長92.4 mm 質量:約445g
あまりにもそっくりなのでじっくり見比べてみると、ほんの少しの違いに気づく。
どちらもフィルター径は67mmと同じものの、前玉は「SEL24F14GM」 のほうが少し大きくて、後玉は のほうが大きい。
というか後玉は、もうマウント部分ギリギリに迫っていて不意に触らないように注意しよう。
「SEL24F14GM」は花形バネヨット式で、 は丸形バヨネット式。
コレがついていると一挙に見分けがつきやすくなる。
装着するとカチっと音を立ててロックされ、不意にあたって外れてしまうのを防ぐタイプ。
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●ソニー純正フルサイズ 35mm単焦点レンズを比較。
少ない少ないと言われ続けて、いつの間にか増え続けたEマウントレンズも59本。
フルサイズ対応レンズとして39本あるし、G Masterレンズとしては12本。
フルサイズの35mm単焦点レンズにいたっては、とうとう4本も揃ってしまった。
ということで、実際に並べてみたかったソニーフルサイズ35mm単焦点レンズの4本。
左から順番に「SEL35F14Z」、 、「SEL35F18F」、「SEL35F28Z」。
見事に個性的な4本のラインナップになったという感じ。
Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」
サイズ : 78.5 x 112.0 mm
重量 : 630 g
フィルター径 : 72mm
サイズ : 76 x 96 mm
重量 : 524 g
フィルター径 : 67mm
FE 35mm F1.8 「SEL35F18F」
サイズ : 65.6 x 73 mm
重量 : 280 g
フィルター径 : 55mm
Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA 「SEL35F28Z」
サイズ : 61.5 x 36.5 mm
重量 : 120 g
フィルター径 : 49mm
そしてもっとも気になるのが、今まで焦点距離35mm、開放F値1.4のレンズとして君臨していたDistagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」との比較。
35mmの単焦点レンズで大口径レンズといえば、ZEISS Distagon T*をひっさげた 「SEL35F14Z」というところもあったのだけど、ネックとなっていたのはレンズの全長。
いやこれはこれでステイタスといったほうが良いのだけれど、ボディに装着した状態での大きさがカメラバッグを大きく専有してしまうのはつきまとう悩み。
そんなモヤモヤを抱えていただけに、コンパクトな
はめちゃくちゃ魅力的にうつる。---------------------
● のハード周りをチェック。
レ ンズに備わる物理スイッチは、AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)の切り替える[フォーカスモードスイッチ]と、コンティニュアスAF時にピント位置を固定できる「フォーカスホールドボタン」。
「フォーカスホールドボタン」は、カメラ本体のメニューからカスタマイズして、好みの機能を割り当てて使うことができる。
(例:構図確認のためのグリッドライン表示や、天候や表現に合わせて色調を調整できるホワイトバランスなどを割り振ることが可能。)
コレひとつあるだけで、使い勝手が大きくかわるほど。
右手でグリップしながら、レンズにそえた左手で「絞りリング」を意のままに操れてとても有用。
目視だけじゃなくて、カチカチとF値を変化させたときの配分を触感としてわかるので、撮影により集中できる。
もちろん、クリックはオンオフ可能で、動画撮影時にクリック音が邪魔になるようであればOFFにしてシームレスに可変もできる。
これがマニュアルフォーカス時のにお役立ち。
リング回転角度にリニアなフォーカス移動する機構になっていて、微妙なニュアンスをダイレクトに反映してくれるおかげで、精緻なピント合わせができる。
ボタンやリングまわりはしっかり密閉されていてアウトドアでも気軽に撮影が楽しめる防塵・防滴に配慮した設計。
とは言いながら、あくまでも”配慮”なので無茶は禁物。
レンズ最前面にはフッ素コーティングも施されていて、汚れ成分の付着を防止してくれる。
そして何気に、
から採用された最先端のレンズコーティング技術である「ナノARコーティング II」が施されているというのも魅力でもある。
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●まずはシンプルに で撮影テスト。
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/320 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
早速ソニーストア福岡天神の屋内を撮影してみた。
を使って、超小さいというわけではないにしても、レンズとボディ含めてのトータルのサイズ感がよくまとまっていて、気負いなく撮れる感覚が楽しい。
さて何から撮ろうかなと目の前にあった花にフォーカスをあわせてみると、思っていた以上に近づいていける。
撮りたいと思ったのに近づけないことはワリとストレスになることが多いだけに、近接撮影の余力があるだけでかなり自由度が広がる。
最短撮影距離:0.27m(AF時)/0.25m(MF時)
最大撮影倍率:0.23倍(AF時)/0.26倍(MF時)
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/1600 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
カメラ : α7SIII(ILCE-7SM3)
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/320 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
※モデルとなっていただいたスタイリストさんに掲載許可いただきました。
ボディのセンサー部から25cm(MF時)までなので、レンズの先からすると被写体からはかなり近づいている事になる。
普通こういった撮り方はしないはずだけれど、顔を斜めから撮ったときのフォーカス面の解像度の高さと、絞り開放F1.4の大きなボケ味につながるつなぎ目がとても滑らかなこと。
極端な境目が出来ると不自然に見えてしまうのだけど、前後のトロけ具合が見事。
カメラ : α7SIII(ILCE-7SM3)
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/160 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
※撮影時のみマスクを外していただきました。
撮影してわかるのが、オートフォーカスの機敏さ。
FE 135mm F1.8 GM 「SEL135F18GM」など、最新のG Masterレンズにのみ備わるXD(extreme dynamic)リニアモーターを2基搭載していて、大口径フォーカスレンズ郡が大きく移動するような前後に移動したシチュエーションでもレスポンスはすごく良いし、かつ正確。
フォーカス駆動時のモーター音も静かで振動も皆無で、ここもノーストレス。
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/320 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/800 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
室内だと撮るシチュエーションが限られて、かなり撮り方としては適当すぎるのだけど、手前に被写体をおいて背景の点光源の位置を動かしてみた。
端っこにいくとレモン型(口径食)になるけど、(中央あたりで楕円に見えるのはスポットライトのカバーのため)、偽色や年輪ボケはずいぶんと抑えられていてフラットな点光源。
複雑な背景でもザワザワしないしボケ味は柔らかい。
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/8000 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
ソニーストア福岡天神の出入り口から少し出たところから、道路を挟んだ目の前にある建物を撮影。
何も考えなしに、開放絞りF1.4で撮影したもの。普通は失敗写真。
開放でも中央付近が解像するのは当たり前なので、周辺部に注目。
α7R IVの元データが6000万画素ということもあるけれど、その性能を活かし切るこの質感。
壁面のザラザラした質感、ガラス窓からのぞくブラインドや棚にあるオブジェまでまぁキレイに解像している。
スミにたまたま移っていたビルの屋上あたり。
さすがに若干の解像度落ちはあるにしても、格子も破綻せずに日陰のくらい部分ですら見分けられるし、壁面の汚れもしっかり認識。
何度も言うけど、ほぼ考えなしに撮った画像。
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/100 絞り値:F11 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
向きを90度変えて、ソニーストア福岡天神のお店のガラスの壁面に浮かぶSONYロゴごしにみえる、ドン・キホーテと「ドンペン」くん。
こちらは絞って撮影しているので、カリカリの解像度。ガラスの反射っぷりが凄い。
あいにく、太陽が建物の影に隠れていてストリートがまるまる日陰になっていて、青空だけが明るいという状態。
太陽光が差し込んでいれば、逆光耐性も試せたのだけど、残念。
共通して撮っていて、周辺減光があるのは少し気になった。
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● のコンパクトさは機動性の証。
小ささがウリのα7Cはまさに機動性抜群ではあるけれど、おかげであまり大きいレンズを装着したくない。
けれど、α7Cに装着しても違和感がない。
は、実にコンパクトで軽いということもあって、これ以上大きくなると、トップヘビーになってグリップもしづらくなるので、大口径レンズを付けてガツガツ持ち歩ける最適解と言えるかもしれない。
イコール、APS-Cボディに装着しても持ちやすさを維持できつつ、35mm判換算で52.5mm相当の大口径標準単焦点レンズとして使うのもアリ。
もしもAPS-Cボディしか持っていなくても、コレを買って将来的にフルサイズボディに移行してそのまま活かすなんてことも考えられる。
それから、最近デジタル一眼カメラでも盛り上がっている動画撮影にも結構使える。
レンズをあわせてのトータル重量が大きくなると、長時間ボディとレンズを支えるのは苦しいのでなるべくコンパクトかつ軽量は必須。
動画撮りは、「SEL24F14GM」のほうが画角的に扱いやすいし、さすがに35mmで自撮りには向いてないけれど、人物目線に近い画角のムービーを作るには最適。
やフォーカシングも静かで全長変化がないインターナルフォーカシング機構だったりと、ジンバルに装着してもバランスは取りやすい。
ビデオブロガーにとってもなかなか魅力的なんじゃないかと思える。
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広角レンズの苦手意識を一変してくれた、FE 24mm F1.4 GM 「SEL24F14GM」は相当なお気に入りで、まさにその焦点距離35mm版が登場と言った感じ。
大口径レンズでしかもG Masterレンズなのにコンパクトで軽いし、実際に撮ってみるとAFの速さといい最短撮影距離の短さといい、フォーカスのレスポンスといいまず使っていてストレスになるものがまずないに等しい。
しかもα7R IVで開放撮った画像を見ても周辺部まで解像しているし、柔らかいボケ味といい、パープルフリンジや年輪ボケのないキレイな点光源の玉ボケもイイ。
出た瞬間から欲しい度マックスなだけに褒めてばっかりになっているけれど、待望中の待望レンズ。
作例は少ないけれど、次回、「SEL35F14Z」、「SEL35F18F」、「SEL35F28Z」と撮り比べた画像を比較してみよう。
・フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」をソニーストアで触ってきたレビュー。(その2)
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●
焦点距離イメージ(mm):35 / 52.5 mm(APS-Cサイズ時)
開放絞り : F1.4
最小絞り : F16
レンズ構成 : 10群14枚
絞り羽根 : 11枚
円形絞り : ○
最短撮影距離:0.27 m (AF)、0.25 m (MF)
最大撮影倍率:0.23倍 (AF) 、0.26倍 (MF)
フィルター径 : 67mm
サイズ : 76 x 96 mm
重量 : 524 g
ソニーストアでの先行予約開始は、1月19日(火)10時から。
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● 作例
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/125秒 絞り値:F1.4
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/60秒 絞り値:F1.4
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/1.6秒 絞り値:F8
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Daylight
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/50秒 絞り値:F1.4
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/100秒 絞り値:F8
露出補正:+0.3EV ISO:100 ホワイトバランス:Daylight
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/40秒 絞り値:F1.4
露出補正:+1.3EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:8秒 絞り値:F1.4
ISO:3200
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/5秒 絞り値:F2.8
ISO:100
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/60秒 絞り値:F1.4
ISO:100
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/100秒 絞り値:F1.4
ISO:100
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:0.6秒 絞り値:F1.4
ISO:100
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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入の際、ショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。
ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
街の中心にある銀座四丁目交差点に面したGINZA PLACE(銀座プレイス)4階~6階。
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」A4出口直結
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 札幌
地下鉄「大通駅」12番出口から徒歩1分。4丁目交差点すぐ
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 名古屋
名古屋市営地下鉄栄駅サカエチカ8番出口。丸栄百貨店南隣
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 大阪
大阪駅/梅田駅から徒歩5分程度。ハービスエント4階
営業時間:11:00~20:00
ソニーストア 福岡天神
西鉄福岡(天神)駅南口から徒歩5分。西鉄天神CLASS
営業時間:11:00~20:00