フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」をソニーストアで触ってきたレビュー。(その2)
フルサイズ対応の GMaster 単焦点レンズ FE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」をソニーストアで触ってきたレビュー。(その1)
の続き。
のレンズ性能が、他のソニーフルサイズ35mm単焦点レンズとどう異なるのか?
短時間ではあったけれど、ソニーストア福岡天神の店内で と「SEL35F14Z」、「SEL35F18F」、「SEL35F28Z」とで撮ってみた画像を比べてみた。
・焦点距離35mm フルサイズ対応の大口径広角単焦点レンズ Gマスター(TM) 『FE 35mm F1.4 GM』 発売| プレスリリース | ソニー
・SEL35F14GM | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
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目次
●FE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」の絞りによるボケ味の変化を確認。
の絞り羽根は、G Masterレンズのほとんどのモデルに備わる11枚羽根の円形絞り。
Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」は、9枚羽絞り。
枚数が多くなることで高い円形比率で、少し絞った場合でもその丸いカタチを保てるのが特徴。
もちろん、球面収差を最適化した光学設計や製造時の球面収差調整が行われていたうえで、やわらかなボケ味ができる。
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/200 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
その絞りの変化を参考までに撮影。
フォーカスは手前下にある造花にあわせて、そのままF2.8 / F4 / F5.6 / F8 / F11 / F16と絞ったさいの画像。
絞り値:F2.8 | 絞り値:F4 |
絞り値:F8 | 絞り値:F8 |
絞り値:F11 | 絞り値:F16 |
軽く絞った状態(F2.8)では、ほとんど光芒は出ず、やらわかな丸い玉ぼけを維持しつつ、絞っていくことで徐々に光芒がより鋭くくっきりと出てくる。
F16まで絞ると、かなりハッキリとした光芒になるのがわかる。
11枚羽(奇数)なので、周囲に向かってのびる光芒は22本。このあたりは好みのわかれるところ。
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●近接撮影が非常に得意なFE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」。
ただ近づけるというだけでなく、ソニーフルサイズ35mm単焦点レンズの4本(「SEL35F14Z」、 、「SEL35F18F」、「SEL35F28Z」)の中で、最も最大撮影倍率が大きい。
実際、上図くらいまでよれるため、テーブルフォトも飯テロ撮影も非常にやりやすい。
最短撮影距離:0.27m(AF時)/0.25m(MF時)
最大撮影倍率:0.23倍(AF時)/0.26倍(MF時)
レンズ : 焦点距離:35mm
最短撮影距離:0.27m(AF時)
最大撮影倍率:0.23倍(AF時)
中央の花粉(造花)の位置にフォーカスをあわせて撮影。
AF(オートフォーカス)で寄れる最短撮影距離は、27cm。
被写体がいちばん大きく映る最大撮影倍率は、0.23倍。
レンズ : 焦点距離:35mm
最短撮影距離:0.25m(MF時)
最大撮影倍率:0.26倍(MF時)
MF(マニュアルフォーカス)にすると、さらに2cm近づけて、最短撮影距離は25cm。
この2cmの差がさらに大きくて、最大撮影倍率は、0.26倍にもなる。
マクロレンズには及ばないけれど、ここまで大きく撮れるなら、花やアクセサリーなどの物撮りも十分楽しめる。
レンズ : Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」 焦点距離:35mm
最短撮影距離:0.3m
最大撮影倍率:0.18倍
の近接撮影がどれほど凄いかがこれだけだとわかりにくいので、他のソニー35mm単焦点レンズでも撮影してみた。
「SEL35F14Z」の、最短撮影距離は30cm、最大撮影倍率は018倍。
撮影した写真をみると比較すると、同じ35mmの焦点距離でもこんなに違ってくる。
レンズ : Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA 「SEL35F28Z」 焦点距離:35mm
最短撮影距離:0.35m
最大撮影倍率:0.12倍
「SEL35F28Z」の、最短撮影距離は35cm、最大撮影倍率は0.12倍。
一番コンパクトでα7Cとの組み合わせにも最高のレンズではあるのだけど、近接撮影はあまり得意ではないことと、ボケ味が若干うるさく感じられるのが惜しいところ。
レンズ : FE 35mm F1.8 「SEL35F18F」 焦点距離:35mm
最短撮影距離:0.22m
最大撮影倍率:0.24倍
「SEL35F18F」の、最短撮影距離は22cm、最大撮影倍率は0.24倍。
近接撮影はとても得意なレンズで、AF撮影なら最大撮影倍率は
を凌ぐ。収差もあるものの、価格的なアドバンテージもあり、手軽にオールマイティに撮るなら「SEL35F18F」はとても優秀。
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●FE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」とDistagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」の撮影比較。
そしてもっとも気になるのは、Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」との比較。
何しろ、ソニーの焦点距離35mm、開放F値1.4の大口径レンズといえば、ZEISS Distagon T*を冠する 「SEL35F14Z」だったし、まさか同じポジションにG Masterレンズを投入してくるとは考えが及びもしなかった。
しかも「SEL35F14Z」が欲しいと思いつつも、レンズの全長が長かったり重量級だったり、収差が気になるところもあったため、余計に
Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」 | |
Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」ともに、α7R IVに接続して、ほぼ同じ構図になるように心がけて撮影。(三脚は使用していません。)
、どちらも、シャッター速度:1/160 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動。
右の画像が、Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」。
一見すると、どちらもフォーカス面の解像感は高いし、大口径レンズならではの前後に大きなボケ味がみてとれる。
中心部に近いあたりのフォーカス面を拡大して見てみると、どちらも開放絞りF1.4でも枝葉の細々ところまで非常によく解像しているのがわかる。
そこから背景の大きなボケ味につながるのだけど、複雑に絡み合った境目あたりで、Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」では色収差が少し目立つし、ざわついてみえる。
一方で、
は、溶け込み具合が非常に滑らかで、その違いに気づく。
また、周辺部にある点光源を拡大。(斜めを向いたスポット光)
これは実は拡大するまでもなくすぐに気付かされるところで、Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」では光源の周囲がハッキリと色がつくパープルフリンジが発生している。
さらに点光源の中に年輪ボケまでもはっきりと見える。
一般に少し絞ると解消されると言われているけれど取り切れなかったり、結局絞ってしまっては表現は変わってしまう。
以前から指摘されていた部分ではあったのだけど、やはり明確にわかってしまった。
同じシチュエーションで、
で撮った画像を見ると、全くゼロではないけれど明らかに綺麗かつ癖のないフラットな点光源だということがわかる。この差はかなり大きい。
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●FE 35mm F1.4 GM 「SEL35F14GM」のAF性能を動画で確認。
撮影して非常にストレスなく撮影できる要因として、高速かつ高精度なオートフォーカス。
FE 135mm F1.8 GM 「SEL135F18GM」など、最新のG Masterレンズにのみ備わるXD(extreme dynamic)リニアモーターを2基搭載していて、大口径フォーカスレンズ郡が大きく移動するような前後に移動したシチュエーションでも反応はとても速い。
そうじゃないレンズを使ったときのギャップは本当によくわかる。
これは手持ちで動画撮影したサンプル。
リアルタイム瞳AFで被写体を追いかけた場合でも、ただ食いつくだけじゃなくてその挙動はとてもスムーズ。
α7SIIIの「手ブレ補正アクティブモード」もさすが純正との相性の良さか、ガッツリ効いてくれるし、フォーカス駆動時のモーター音も静かで振動も皆無で、動画撮影時にも駆動音が邪魔をしない。
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ソニー純正レンズでは、35mm単焦点レンズでは今までは、Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA「SEL35F14Z」だった。
けれど、すっかり最近はソニーの勢いそのままにG Masterレンズのラインナップが拡充してくると、どうしても期待してしまっていた35mm単焦点レンズのGMaster。
それがついに本当に出てきた。
しかも、超巨大路線ではなくて、持ち出したくなるサイズと質量におさめてきた
。まだ触りきれていないけれど、解像度の高さはもちろん滑らかなボケ味と収差の少なさという納得感を得られたし、何しろ最大撮影倍率の大きさやフォーカスのレスポンスも良好で、これは手にしたら間違いなく絶対持ち出したいレンズ筆頭になるのは間違いない。
発売日がめちゃくちゃ楽しみで、早く自分のものとして使いたい。
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●
焦点距離イメージ(mm):35 / 52.5 mm(APS-Cサイズ時)
開放絞り : F1.4
最小絞り : F16
レンズ構成 : 10群14枚
絞り羽根 : 11枚
円形絞り : ○
最短撮影距離:0.27 m (AF)、0.25 m (MF)
最大撮影倍率:0.23倍 (AF) 、0.26倍 (MF)
フィルター径 : 67mm
サイズ : 76 x 96 mm
重量 : 524 g
ソニーストアでの先行予約開始は、1月19日(火)10時から。
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● 作例
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/125秒 絞り値:F1.4
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/60秒 絞り値:F1.4
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/1.6秒 絞り値:F8
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Daylight
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/50秒 絞り値:F1.4
露出補正:±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/100秒 絞り値:F8
露出補正:+0.3EV ISO:100 ホワイトバランス:Daylight
Sony | Photo Gallery
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/40秒 絞り値:F1.4
露出補正:+1.3EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:8秒 絞り値:F1.4
ISO:3200
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/5秒 絞り値:F2.8
ISO:100
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/60秒 絞り値:F1.4
ISO:100
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:1/100秒 絞り値:F1.4
ISO:100
撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:35mm シャッター速度:0.6秒 絞り値:F1.4
ISO:100
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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入の際、ショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。
ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
街の中心にある銀座四丁目交差点に面したGINZA PLACE(銀座プレイス)4階~6階。
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」A4出口直結
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 札幌
地下鉄「大通駅」12番出口から徒歩1分。4丁目交差点すぐ
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 名古屋
名古屋市営地下鉄栄駅サカエチカ8番出口。丸栄百貨店南隣
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 大阪
大阪駅/梅田駅から徒歩5分程度。ハービスエント4階
営業時間:11:00~20:00
ソニーストア 福岡天神
西鉄福岡(天神)駅南口から徒歩5分。西鉄天神CLASS
営業時間:11:00~20:00