夜の手持ち撮影が普通に楽しい、超高感度デジタル一眼カメラ「α7S」
35mmフルサイズイメージセンサーを搭載したミラーレスカメラとして
去年2013年の年末に登場した”α7”。
35mmフルサイズセンサーに、有効約3640万画素の高解像度と
光学ローパスフィルターレスを搭載したのがα7Rと、
有効約2,430万画素と2つのAFを併用する「ファストハイブリッドAF」を持つα7の
2機種とは別に、
あえて画素数を少なくする事で超高感度を全面ウリにしたα7Sが登場!
暗がりでの撮影に何度となく苦戦しつづけて来たけれど、
α7Sを使ったらどんな写真が撮れるかな?
というその興味がつきなくて、うれしがって開封してみる。
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●デジタル一眼カメラ「α7S」の本体とアクセサリーを確認。
α7Sは、キットレンズのないボディ単体モデルのみしか存在せず。
外箱はα7シリーズと同じく
α伝統のブラックを基調にサイドがシナバーカラーになったパッケージ。
開けて驚いたのは、
α7S本体以外の付属品が従来のαシリーズと違っていた事。
まず、いきなりリチャージャブルバッテリーパック 「NP-FW50」が2コ入ってて、
最初、本気で間違って入ってるんじゃないかと思ってしまったけれど、
取説にも2コ付属と書いてあったので間違いない。
というか、確かにα7シリーズはバッテリー消費激しくて、
予備バッテリー必須だと思っていたので、これはまじめにありがたい。
それから、だいたい普通はUSBケーブルとACアダプターが同梱されているだけが当たり前くらいなのに、
別途買うと6,000円くらいするバッテリーチャージャー「BC-TRW」が付属。
本体で充電するよりも早くて、充電状況がLEDで確認できるいいヤツ。
これだと2コあるバッテリーを本体とチャージャーで同時に充電もできるね。
・”α7”の予備バッテリーを充電するのに便利なバッテリーチャージャー「BC-TRW」
他には、ACアダプター「AC-UUD11」とマイクロUSBケーブル。
ケーブルプロテクター、ショルダーストラップ、、ボディキャップ、
アクセサリーシューキャップ、アイピースカップ、取扱説明書
といった付属品が入っている。
って、おや?
なんだこのケーブルプロテクターなるものは?
これは、どうやらα7SにHDMIを接続して撮影する時に
万が一抜けてしまうのを防ぐためのものらしい。
HDMIケーブルを接続した状態で
モニターのヨコにケーブルプロテクターを取り付け、
最後にロックをカチっとかけて完了。
本体のカバーは開けた状態で装着されてるから、
マイク端子、ヘッドホン端子、マルチ/microUSB端子も
常時接続しておく事もできる。
これ、なかなかいいな。
α7Sは、4K(XAVC S) の動画をHDMIから出力できるだけに、
α7R、α7にはない必須オプションになるんだろう。
なんだか、本体を使う前に
周辺機器でちょっぴり驚かされてしまった。
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背面のモニターには
モニター保護セミハードシート「PCK-LM16」を貼っておく。
素材はポリカーボネートのセミハードタイプで、
少し厚みもあってかなりしっかりしていて
貼り付ける時にスミの位置決めと、ホコリ混入だけ気をつければ
わりと簡単に作業できる。
特にα7Sは、暗がりで使う事も多いだろうから
もしかしたら画面を不意に突いてしまう事も十分ありえるし、
いつの間にか余計なコキズが入るのも悲しいので
液晶保護シートは貼っておいたほうが良いかと。
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●超高感度撮影とサイレント撮影の威力の元。
α7Sのセンサーうんちく。
APS-Cサイズのイメージセンサーの約2.3倍の面積を持つ
35mmフルサイズCMOSセンサー。
なにしろ大きくて、この35mmフルサイズのイメージセンサーを持っている
デジタル一眼カメラは他メーカーをあわせてもとても少ない。
この大きなセンサーのアドバンテージは、物理的に面積がとても広いので
1画素あたりの光を受ける量が大きくなる。
α7Rは、その広さを活かす形で
有効約3640万画素という圧倒的な情報量を武器にしていたけれど、
α7Sは、
高画素とは真逆方向に進んで、有効約1220万画素のセンサーとすることで、
レンズからの光をたくさん取り込んで大幅な高感度と低ノイズに貢献する。
さらに技術的には、
集光効率をさらに高める「ギャップレスオンチップレンズ構造」や
高集光プロセス技術、受光面積を広げるワイドフォトダイオード設計、といった合わせ技で、
常用でもISO感度100~102400、拡張で下限50、上限409600という
今までに見たこともない数値のISO感度を上げて
超高感度と低ノイズの画像を残せるのが最大のウリ。
そして、「BIONZ X」の高速処理により、
自然な描写のできるディテールリプロダクション技術、
エリアごとのノイズリダクションで質感描写を高めて高画質化にも貢献。
まぁこれは、実際に撮影してみるのが一番かな。
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それから、撮影するときの武器になるのが、「サイレント撮影」。
デジタル一眼カメラでは必ずと言っていいほどに
シャッターボタンを押すと、”カシャッ”という音がなるのだけど、
それを消して撮影できるのがα7Sのもうひとつの大きいウリ。
メニューボタンからカスタム設定に進んで「サイレント撮影」をONにする。
もうひとつ、シャッター音が消えても、操作する電子音がピコピコいうので、
無音にしたいときは、
設定の「電子音」をOFFにしておく事も忘れずに。
これで、無音シャッターの出来上がり。
実際にこれでシャッターボタンを押すと、
あっれ?本当に押したかな?と思えるくらいにまるで無音。
ものすごく不思議な気分だけど無音。
一応、この「サイレント撮影」をするには条件があって、
モードダイヤルが、P/A/S/Mでのみ使えるという事と、
「サイレント撮影」がONになっている時は、
フラッシュ撮影、オートHDR、ピクチャーエフェクト、
ピクチャープロファイル、長秒時NR、電子先幕シャッター
プレミアムオート画像抽出、バルブ撮影、マルチショットNR
これだけのものは使えないので注意。
原理は、電子シャッターを使って露光することで無音撮影が可能になるようで
あの撮影する時の、
静まり返った公共の場所でのプレッシャーとか、
ハンディカムと同時撮影してて、自らのシャッター音が入っちゃったりとか、
仕方がないけど困るわーと思ってたシーンでものすごくお役立ち!
ただし、ただし、取説にも
『サイレント撮影機能は、被写体のプライバシーや肖像権に十分ご配慮の上、
お客様自身の責任においてお使いください。』
と書いてあるとおり、
あくでも自己責任の上で扱う必要があることには注意すべき。
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●超高感度撮影ができるデジタル一眼カメラ「α7S」を体感する。
という事で、速攻チャリンコに乗って、
近所でα7Sの試し撮り。
「マニュアル撮影」で、
F値を4.0、シャッタースピードを1/60秒に固定して、
シンプルにISO感度だけを変更して撮影。
撮影日 : 2014/06/19
カメラ : α7S
レンズ : Vario-Tessar T* ズームレンズ(Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS)
「SEL2470Z」 焦点距離:24mm
シャッター速度:1/60 絞り値:F.4.0
何がなにやら真っ暗な画像。
日中ならISO感度はここより低く設定しても
明るく撮れるけれど、さすがに夜間撮影ともなると、
肉眼では見えていても、カメラには写り込まない暗さ。
一般的なデジタル一眼カメラの最大ISO3200。
明らかに光量不足。
α7R、α7のISO最大値と同じ値だけど、
実際にこんな画像ではなくて、もっとノイズのあるザラザラな画像だという事を考えると
これは相当に綺麗。
今回のテスト結果をみた場合に限っては、
ISO51200くらいまでが、ノイズがほぼ目立たずに
撮影できる限界ギリギリのラインのような感じ。
ISO64000あたりから、ザラザラとしたノイズが見え始めてくるので
ここはシャッタースピードを少し落とすなどして
ISO感度に頼るのは抑えたほうがいいかも。
さすがにノイズが目立つ。
というかここまでの明るさは必要ないのだけれど
一応実験結果として。
<参考>
・α7Sで試し撮り(その1)
・α7Sで試し撮り(その2)
ちなみに、
とった画像のSDカードをPCに差しこんで詳細データみてみたら、
ISO感度が512000までは正常に記録されてるけれど、
ISO65535以上になると識別できていなくて、全てISO65535となっていた。
ので、カメラ側で正しいISO感度を確認して、
Google+の説明文に追記している。
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今回はあえて、最大のISO感度409600まで上げて撮影テストしてみたけれど、
ほぼ納得できる画質はISO51200くらい。
というか、もう既に感覚がマヒしそうになっているけれど、
こんな大きなISO感度で今まで撮ったことがなくて
何が凄いかというと、夜の撮影なのに
シャッタースピードが当たり前に1/60秒とか1/125秒とか余裕で早くシャッターをきれて
一番の失敗原因だった『ブレ』を気にせずに、フツーに撮影できていた事。
もちろんもっとシャッタースピードを落として、ISO感度もなるべく下げて
という撮り方もできるけれど、
こんなに軽い気持ちで夜の撮影が出来るってのは相当に楽しい!
これから、
いろんな夜の静止画も動画もいろいろ撮ってみよう。
・35mmフルサイズを片手で持ち歩けちゃうEマウントカメラ”α7”(その1)
・35mmフルサイズを片手で持ち歩けちゃうEマウントカメラ”α7”(その2)
・35mmフルサイズを片手で持ち歩けちゃうEマウントカメラ”α7”(その3)
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