究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(ディスプレイ編)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(プロローグ)
の続き。
本体のサイズ、
それもフットプリント(タテxヨコの大きさ)を決定するのに
一番の影響を与えるのは
実は、液晶ディスプレイのサイズ。
特に最近のノートPCの液晶画面を見ると
液晶画面のベゼルが薄くなったものが多く
いかに画面の大きさに合わせて
本体を収めるかがアプローチの一つになる。
それを踏まえて考えると、
先代のVAIO typeS(以下SZシリーズ)や新VAIO typeSは
16:10の13.3型なのに対して
VAIO typeZでは、
16:9の13.1型という画面構成になって
画面がほんの少し小さくなった。
(左がtypeZとtypeS、右がtypeZとSZシリーズを重ねたもの。)
これが本体の大きさに反映すると
SZシリーズ
縦23.4cmx横31.5cm(面積:737.1c?)
VAIO typeZ
縦21.0cmx横31.4cm(面積:659.4c?)
となって、
面積比では約10%も小型化している。
別の言い方をすれば
横幅は同じままで、
縦がそのまま2.4cmほど狭まったとも言える。
中身を作る側からすれば
77.7c?もの面積を失ったわけで、
さらに狭くなった場所に、
既存のパーツのありとあらゆるものを詰め込まなきゃいけないので
それはそれは大変な作業になる。
そんな苦労は裏腹に
持ち運ぶ側からすれば、
ボディサイズが小さくなる事はとてもありがたいわけだけど。
フットプリントの大きさを順に並べると
tyepT < typeZ < typeS
という並びになって、
まるでtypeZという新しいカテゴリーが出来たような気分にもなる。
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<作業効率を落とさない1600x900の超高解像度>
液晶の画面サイズは、
13.3型から13.1型へと0.2インチほど小型化しても
解像度は劇的に上がる。
1366×768というtypeTと同じ解像度に加えて、
sonystyleのVAIOオーナーメードでは
なんと1600×900という超高解像度を選択が可能。
この超解像度が、まずtypeZの魅力の一つ。
自分の環境を例に出すと
仕事場にあるデスクトップPCのディスプレイには、
24インチ、それも1920×1200の解像度で
複数のアプリを同時に開きながら
左右にウィンドウを並べて仕事するのが毎日の日課。
それが、
外出する場合、出張に行く事になると、
軽量コンパクトなtypeTでも
11.1型で1366×768という解像度の中で作業をするか、
パフォーマンス十分なSZシリーズでも
13.3インチと画面は大きくなっても
解像度は1280×800と、むしろ横解像度は減ってしまって
いつものなれた超高解像度から、
突然、狭い作業領域で仕事をする事になる。
こうなると間違いなく作業効率が落ちてしまって
いつも使ってるデスクトップの環境とは違う違和感から
自分のはやる気持ちに追いつかないイライラがつのったりもする。
だからもう
1600×900という解像度を搭載できるとなれば、
外出先でも、
デスクトップを使う時のモチベーションを極力落とさずに
快適に仕事ができる。
解像度の高さは、
仕事効率と直結してるだけに、
非常に心強い。
ブラウザを2つ立ち上げても
左右それぞれ読み取れる状態で開けるのも
高い解像度ならではの能力になる。
ちなみに、画像は1366x768のtypeZでExcel画面を
フルスクリーンで表示したもの。
デフォルトの状態で横軸はAからRまで、
縦軸は1から34までの領域が見える。
【訂正】
上記は1600×900ではなく、
1366×768のものでしたm(__)m
よく考えたらこんなに狭くないですね。。
現時点では1600×900解像度の画像がないけど
わかり次第アップ予定。
また、参考までに
先行して16:9で出ていたtypeTと対比して
1インチの幅の中に
どれだけのドットを表示できるかを表すdpiに換算すると、
11.1型ワイド(1366x768)=141dpi
13.1型ワイド(1600x900)=140dpi
と、
この2機種は、他のモデルにはない
キメの細かさを持つという事もわかる。
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<外でも見やすい、傷のつきにくいクリアソリッド液晶>
液晶は、新たな局面を迎えて
「クリアブラック液晶」から「クリアソリッド液晶」へと
よりモバイル用途に向いた液晶へと派生進化をしている。
もともと「クリアブラック液晶」は、
コントラストが非常に高くて
光の拡散を抑えて明るい光を伝える事で
黒が引き締まり鮮明な映像を映し出すというのが特徴で
動画を見るには最適。
ただし、
逆にそのコントラストの高さの追求が災いして
外に持ち出すと、
映りこみが見えやすいという弱点があった。
それを考慮して作り出されたのが
「クリアソリッド液晶」で、
液晶から反射した光をある程度拡散するようになったために
人の目には液晶画面への映りこみが減ったように見えるようになる。
たまたまライティングが当たった状態のtypeZの液晶画面を
撮影したのが上記画像なんだけど、
ライティングがモヤっとボケて、
映り込みが緩和されてるようにも見えるし
見る人によっては、
なんだかスッキリしない画面だな、と思うかもしれない印象はあった。
これは、
クリアブラック液晶のスカっとした見え方が好きな人もいるだろうし、
映り込みが減ったクリアソリッド液晶のほうが
普段使いには良いと思う人もいるだろうし、
好みはわかれるところかもしれない。
それと、typeZの液晶には
液晶画面をひっかいてしまったり、擦れてしまって
表面に細かい傷が付いてしまうのを防ぐための
ハードコーティング処理を施してある。
この
ハードコーティングの度合いには、
きちんと実証実験までされていて、
“表面硬度”という値でそれを示す事もできて
どうやって測定するかというと
規定で用意された専用の「鉛筆引っかき値試験用鉛筆」というのを使って
500gの加重をかけて擦っても傷がつかない鉛筆硬度の最大値を
“表面硬度”で表せる。
一番、液晶画面の表面硬度が硬いのは、
VAIO typeGのハードコーティングの5Hという値で、
「クリアソリッド液晶」は、それに次ぐ4Hとなる。
それに続いて
「クリアブラック液晶」や「タッチパッド」といった液晶が3H、
通常の「ノーマルビュー」が2H、
という硬度の順になるらしい。
好き好んで、液晶画面にとがったモノをブスっと刺す人はいないだろうけど
外に持って出るとどんな以外な事と遭遇するかわからないから、
液晶に傷が付きにくくなってるのは、
普段使いにはありがたい性能だと思う事にする。
こんな
“映りこみを抑える処理”と“ハードコーティング処理”
という2つの要素を加えて
まさに外に持ち出す事を前提に配慮がされているのが
「クリアソリッド液晶」という事になる。
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<リアルな色再現性へのこだわり>
たぶん、typeZの画面を見て一番最初に驚くのは、
上記のような機能的な要素よりも
液晶画面の色再現性の高さかもしれない。
何となく綺麗?というレベルではなくて
今までとは明らかに違うコントラストと色純度を目にして
おぉ!と気持ちが高ぶるほどの感動がある。
ソニー都合の話をすれば、
今までは、液晶の色再現能力にはxy色度図を採用していて、
その色再現率72%以上の液晶をピュアカラーと呼んでいたけれど、
今回からは色の基準を、
人の目に写る色の変化をより忠実に表しているu’v’色度図へ変更。
既にBRAVIAやハンディカムなどのAV機器での表現と同じ基準にする事で
VAIOまでを含めて、ハイビジョンというテーマを
一つに訴求していきたいという意向のようらしい。
「クリアソリッド液晶」は、
そのピュアカラーと比べてより厳しい基準となる
u’v’色度図による色再現領域の中でも
NTSC比で100%以上の色純度を確保。
(ソニーではこれをリッチカラーと呼ぶ。)
SZシリーズと比べれば、なんと2倍にも及んでいて
typeZに映像を映し出した画像を見ると
特に人の肌色がよりリアルに、
全体的にも色鮮やかになっているのが体感できる。
今まで、
次々とtypeTやtypeF(FZシリーズ)の液晶画面が綺麗になっていく中で
SZシリーズだけ変わらず、
そのまま置いてきぼりをくってたような状態だったものが
ここに来てようやくBRAVIA並みの色再現性を手に入れる事ができた。
画角も16:9と
ハイビジョン放送と同じアスペクト比だからこそ
従来の16:10の画面だと上下に黒い帯が出ていたものも
16:9のデジタル放送は画面いっぱいに表示できるというメリットも生まれる。
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結果としてみれば
リッチカラーと16:9という画角、1600×900という超高解像度は、
ハイビジョン画質を堪能するのにまさに最適だったり、
映り込みを抑えたり、ハードコーティング処理で傷を付きにくいといった
持ち運ぶがゆえの負の要素を防ぐ処理だったりと、
液晶画面だけをとっても、
モバイルする事、映像を堪能する事が両立させたのが
VAIO typeZの液晶という事になる。
後述するけれども
0.2インチの縮小と薄ガラスLCDを採用して、液晶ディスプレイだけでも
SZシリーズより60gも軽くなっていたり
省電力化による長時間のバッテリーライフにも貢献していたりと
表面には現れない努力もまだまだ隠されている。
究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その1)
に続く。
<Infomation>
VAIO typeZの先行予約販売は8月上旬を予定。
発売初日が8月9日(土)を予定しつつも
非常に注目度も高く、オーダーが集中する気配が見え始めた事もあり、
オーダーするタイミングによっては
納期が随分と変わりそうな雰囲気が出てきたので
販売にかかわる最新情報を、以下のメール登録をしておく事をお勧め。
【typeZメール登録】
・インテルCentrino2の秘密
・Reason of Z
・typeZ & typeS徹底比較
8件のコメント
この液晶はナナオクラスですね。
いや、ナナオを超えたと言ってもいいでしょう。
しかし、この価値を分かってくれる人はどれだけいるのだろう。
こんなに優れたモノが人々の羨望の的にならない理由が分からない。
どうして、こんなに優れたモノを作り出すことが出来るソニーを
毛嫌いし、高いなどとのたまう人間がいるのか分からない。
そう思いませんか、くんこくさん!
type Z オーナーメード ワイヤレスWAN内臓 購入予定なので参考になります A2502使用しているのでSIMカードありますが ワイヤレスWANの設定方法教えてほしいです XPからVistaに変わるし… 差し替えるだけで使えますか?何か設定があるのですか? お願いします
手作りのメインマシンも大分古くなったので(Windows2000 !!)、買い換えを考えています。Type-L22型が良いかなと思ってましたが、持ち運べるメインマシンとして魅力的なZが出て、俄然欲しくなりました。色が綺麗なのはとても重要だと思います。
もっともっと情報お願いします。
>deutchさん
このディスプレイは本当に良く出来てますねw
というか、
ノートPCを持って仕事をする事も多々あるので
やっぱり不満とか、こうだったらいいのにと思う事はあって
今回のtypeZの液晶は、
モバイルながらの超解像度と、その色再現性のクオリティは
素直にこりゃいい!と喜べますからね。
もちろん、みなさん価値観は違うので難しいところもありますが
少なくとも個人的にはツボですねw
>パタリロさん
ワイヤレスWAN、いいですねー。
自分もA2502を持っていますw
SIMカードですが、
ワイヤレスWAN搭載のtypeZに簡単に挿せてしまいます!
それに、設定はありますけど、
あのドコモの専用ソフトを使うのは変わりませんし
ウィザードにしたがっていくだけの超簡単設定ですからご安心をw
>ひろしさん
ありがとうございますw
そうですねー、typeLもいいですけど、
typeZは、モバイルのくせして
すでに性能からしてtypeLをはるかに超えてますし、
本気でメインマシンで使えますからね(笑)
もちろん、自宅で別モニター、マウス、キーボードを揃えれば
まさにデスクトップとしても使えますし、
BRAVIAのようなテレビにHDMIケーブルで接続しちゃえば
いつだってリビングの大画面をPCとしても使えますし
typeZの可能性は大きいですw
といって煽ってしまって申し訳ないですが
自分が欲しくなっちゃってるのでごめんなさい(^^ゞ
まだまだ書きたい事が山ほどあるので
今しばらくお待ちくださいねw
あまり評判が良くなかったSonyの液晶が、これでやっと(スペック的には)他社と張り合えますね。
モバイルで言えば、他社にはこれだけのものがないだけに、この液晶だけでも買いかもしれません(バグやエラッタが多くては困りますが)。
SZ用にも作ってくれ~!
ハードウェアーアップグレードやってくくれ~!
液晶だけは、交換が効かんのよ・・・(泣
SZの色域のあまりの狭さには、本当に泣けてくる・・・
>とおりすがりさん
いっつもVAIOしか使ってないので、その辺が疎くて申し訳ないのですが、
typeTの画面がそこそこ綺麗だったので、SZシリーズの画面見ると、あれ?って思う事はありますね。
自分的には、SZシリーズって出てきた当初からパフォーマンスは結構なっとくの速さがあったと思うのですが、なにせあの解像度の低さから、作業がしにくいなーとずっと思ってたので、typeZの1600x900が最高にいいなーって思います。