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一体化して姿を変えてしまった「VAIO typeR」はどうなの?(その1)


デスクトップVAIOとしてフラッグシップとなる“R”の文字を冠する
VAIO typeRも10年目を迎える。

そして、時代の流れなのかこのVAIO typeRもボディと本体が一体化。

・ソニー、「デスクトップ型」PCは開発打ち切り「一体型」に完全シフト:ITmedia

ノートPCの性能が大幅に向上したり
省スペースPCというものがトレンドになった事もあって
昔からあったモニターと本体が別々のセパレートタイプのPCは激減。

今となっては、自作をするか、
もしくは一部のメーカーでしか販売されていないものになりつつあって
長らく続いてきたVAIO typeRも、
ついに大きい方向転換を迫られる事になった。

セパレートの良さは、
最新で最大パフォーマンスを出せる構成だったり
後からPCのパーツを自分で増設したり変更できる自由度の高さで、
そういったモデルが姿を消してしまう事はかなりショッキングな出来事で
メーカーの都合も理解できなくはないけど、
自分としてはやはり寂しい。

そんな葛藤を抱きつつも
進化してるであろう部分を前向きに受け止めて見てみる。

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かつて、
高性能CPUや大画面モニターといったものを搭載した
いわゆるPCのハイエンドというものは
デスクトップセパレートと呼ばれるタイプだった。

それが近年のPCパーツの性能の向上もあって
最先端といわれる性能も一体型としたスタイリッシュなボディに
収められる事ができた。
それが今回の新VAIO typeRなのだと。

そして、VAIO typeAと同様に、
トップからエンドというわけ方ではなく、
動画編集向けの「Video edition」と、
写真加工向けの「Photo edition」の、
嗜好によるラインナップに分けて展開をはかる。

と、ソニーは主張する。

なんて事を言いながら、
VAIO typeRを良く見てみると、
VAIO typeAのようにエディション違いで液晶の作りが異なるといった明確な差はなく、
基本ベースは全く同じで、
VAIOオーナーメードにいたっては、
結局1つのベースから自分好みで仕上げていくだけなのでたいした変わりはない。

どっちかというと、
VAIO typeR masterが残ってる時点で、
セパレートエディションか一体型エディションで
いいんじゃないの?
みたいな皮肉を言いたくもなる。

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<スリム化するためのシグマデザイン>


見た目のデザインは、
VAIO typeLと同じ画面一体型となったスリムデザイン。

それはもうVAIO typeR masterとは明らかに違って、
スリム化した事で、実質的な設置スペースは大幅に少なくてすむ。

一体化した事を生かして
「画」や「音」に対して最適な環境を計算、
独自にチューニングを施す事ができるというメリットも発生する。

当然、今までは大きなきょう体とする事で
内部スペースをしっかり取れてたものから、
スリムになって中身が凝縮される分
PCの内部に発生する熱をいかに外に逃がす事も考えなきゃいけない。


これは、
本体の下側の部分に吸気口を開けて、そこから空気を吸い込み
PC内の熱を上から排気するという吹きぬけ構造とした。

普通、ノートPCにそんなにボコボコ穴をあけようものなら
強度は弱くなるし音もうるさくなるし、いろんな問題が出るけれど
しっかりと空間を確保できるデスクトップという大きさだからできる。

内部には入ってきた空気が下にもどらないような
空気を整えるリブを持つアンチサーキュレーション構造になっていて
結果としてデザイン性を損なう事もなく、
低空気インピーダンスを実現した。

それから、
機能美を追求したデザインとして「シグマデザイン」を採用。
どこがシグマなのかというと、
本体側面のカドを上から見ると
そこがΣ(シグマ)という文字を描いているからという意味で付いた名前。


そのコンセプトとしては、
“モニターノイズレス”と“アクセシビリティ”の両立。

正面から画面を見ると、
画面の周りの額は非常に狭くディスプレイとしか見えないシンプルなもの。

他に目に入るものとしては、
液晶下のSONYロゴ、電源が入っているかどうかの認識ができるように
画面右下に緑色にひかる小さなランプくらいのもので
動画や画像の編集作業に没頭できるための“モニターノイズレス”

かといって使い勝手が悪くては意味がないので、
何かを接続したいと思った時には、モニターを少しだけ回転させると、
シグマの形に側面の半面に角度が付いているおかげで
スロット類が確認できて
すぐにアクセスできるという“アクセシビリティ”も兼ね備える。


また、背面にもリアカバーを設ける事で
後ろから見てもスッキリとしたデザイン。

リアカバーをはずすと現れる背面のケーブル類も、
下方向から差込む端子は1つもなく、
全て横から差し込むようにして、接続のしやすさを配慮している。

本体素材には
アルミのヘアライン加工やセットアルマイト処理をするなどして
複雑な形状の金属パーツの構成から、
非常に高級感のあるボディデザインとして
フラッグシップとしての存在感を出している。


キーボードとマウスは、
VAIO typeLで使われているものを流用してブラックにしたもので
若干手抜きくさい。

一応、形状はともかく、キーボードにはショートカットボタン、
マウスは5ボタンが備わっているけど
専用のものを用意してもよかったのでは?と思ってみたり。

VAIOオーナーメードでは
ワイヤードタイプも選択可能で、
これは従来のVAIO typeR masterと同じキーボードとレーザーマウスを選ぶ事もできる。


JOGコントローラも、追加で選択は可能だけど
これはUSB接続の有線しかないので、
ワイヤレスのキーボードやマウスと組み合わせtても
これまではワイヤレスにはならない。

モニターの台座には、
滑らないにディンプル加工をしてあって、
使わない時には、キーボードをモニターの下に配置する事もできる。

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<P43チップセットに載る最新スペック>


チップセットは、
デスクトップ用の「インテル P43 Express チップセット」で
FSBは1333MHzのシステムバス速度に対応。

45nmプロセスのデスクトップ用CPUを、
デュアルコアもしくはクアッドコアから選択可能。

チップセットやCPUがノート用じゃない事が
かろうじてVAIO typeRの存在意義になっているような。。


メモリーはデフォルトで4GBを搭載。

メモリースロット自体は4スロット用意していて
マザーの構造上、
触れない場所の2スロットに最初から4GB(2GBx2)が取り付けられている。

そして、残りの2スロットは、本体の背面からアクセスが可能で、
32bitOSに物理メモリを4GB以上積んでも意味はないけれど、
これは将来的に64bit化した場合でも
さらに増設が出来る事を見越して配置したと。

ただ、
このメモリースロットが、ノート用で
しかもDDR2の転送レートは800MHz。

デスクトップ用のメモリーは物理的に差せないし
VAIO typeZでせっかくがんばって載せたDDR3もあっさりスルー。
この辺がなんだか微妙。。


HDDは3.5インチのものが2基のみ搭載可能で、
1基は上部に、もう1基は背面下に装着される。

HDDを2基搭載した場合は、
分散して記録して高速な読み書きができる「RAID 0」と、
同じデータをもう一方のHDDに記録して安全性を最優先させる「RAID 1」
のどちらかを選べる。

どっちのHDDも簡単にアクセスが可能で、
自力で交換するのも比較的簡単にできる。

VAIO typeR masterでは、最大で6基まで搭載できた事を考えるとかなり物足りない気がするけれど
一応、e-SATAを利用すれば、外にHDDを拡張できなくはない。

でも、これまたe-SATA端子の位置が思いっきりモニターの左横に、
メモリー系の端子とともに並んでいて
ケーブルを接続すると横からビーンと飛び出して、
おそらくおもいっきり視界に入ってきて
“モニターノイズレス”じゃなくなる・・・

3基目以降につなぐHDDへの接続を考えてるんなら、
背面に装備するのが普通じゃないだろうか?
という突っ込みも一応いれておく。

さらに、VAIO typeAのような、SSD RAID&大容量HDDなんていう
イレギュラーなサプライズは一切ない。


そして、
メモリーはまだ我慢できるとしてグラフィックまでがノート用の
VAIO typeAと全く同じ「NVIDIA GeForce 9600M GT GPU」。
専用グラフィックメモリーは512MB。

ノート用とはいえ「9600M GT GPU」は、そこそこ優秀なグラフィックで
PureVideo HDテクノロジーによって、
負荷のかかるブルーレイディスクも滑らかに再生するし、
基本的な、ハイビジョン動画の再生といった部分では
おそらく問題なく動作させる事も出来る。

ただ、
大きい許容量のあるきょう体と電源を持った
デスクトップに搭載するようなグラフィックボードが、
搭載できないという事実だけは変わらない。

これが一体化となったVAIO typeRの最大のデメリット。

3Dゲームをする場合、今の時点では間違いなく、
NVIDIAのGX280やGX260、RADEONのHD4870やHD4850でなければ
出せないパフォーマンスが存在する。

やるWindowsゲームにもよるけれども、
画面グリグリ、背景もろとも高解像度で動きまくりな
グラフィック超依存ゲームなんかをやろうと思うと
かなり無理があるので、その辺は割り切りが必要。

将来的に、ノートサイズのグラフィックでも
より強力なものがNVIDIAなんかから出てくれば
解決できる時が来るかもしれないけど。


一応、VAIO typeR「VGC-RT50」のWindows Vistaの評価。

プロセッサ        5.9
メモリ          5.9
グラフィックス      5.9
ゲーム用グラフィックス  5.5
プライマリハードディスク 5.9

CPUは、クアッドコアのCore 2 Quad Q9400(2.66 GHz)だけに
当然のように5.9。

メモリはDDR2(800MHz)だけど、
容量が4GBという事もあって5.9。

そして、グラフィックスとゲーム用グラフィックスは、
VAIO typeAと同じで、「GeForce 9600M GT GPU」の性能のまま5.9と5.3。

プライマリハードディスクは、
7200回転/分の3.5インチHDDをRAID 0構成なので5.9。

この評価自体が頭打ちしてるものだけに
最新のデスクトップならオール5.9はザラ。

やっぱりこうして見ると、
フラッグシップと自負するなら、
グラフィック性能がもっと欲しいと思うのが心情。

ちなみに、
半年前から自分がいじり倒してるVAIO typeR masterでさえオール5.9は到達してしまっていて
おそらく、別のベンチマークテストをしても新VAIO typeRにひけをとらないくらいのパフォーマンスは持ってるんじゃないかと・・・

スペックでどうのこうの言うのは古いのかなー?
とか自問自答しながら
長くなったので(その2)へ続く。

【いじりまくりのVAIO typeR master】
・45nmプロセスCPUを搭載したVAIO typeR masterのパフォーマンス比較!
・VAIO typeR masterのグラフィックボードを変えてみる(交換作業編)
・VAIO typeR masterのグラフィックボードを変えてみる(ベンチマークテスト編)
・VAIO typeR masterに9600GTのグラボを載せてみる。
・45nm版デュアルコアと45nm版クアッドコア比較(その1)
・45nm版デュアルコアと45nm版クアッドコア比較(その2)
・45nm版デュアルコアと45nm版クアッドコア比較(その3)
・VAIO typeR masterをRAID 0設定にして高速化する(その1)
・VAIO typeR masterをRAID 0設定にして高速化する(その2)
・VAIO typeR masterをRAID 0設定にして高速化する(その3)
・VAIO typeR masterにグラボ「Radeon HD4870」を載せる!(その1)
・VAIO typeR masterにグラボ「Radeon HD4870」を載せる!(その2)

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