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ウォークマン最高峰モデル「NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3」実機レビュー(その1)。無酸素銅の削り出しリアシャーシ、デジタルとアナログで分けた電源、先読み型ノイズシェーパー。

ソニーから、ウォークマンWM1シリーズの最新モデル「NW-WM1ZM3」と「NW-WM1AM3」が登場。

発売日は2026年11月27日(金)、ソニーストア販売価格はNW-WM1ZM3が654,500円(税込)、NW-WM1AM3が346,500円(税込)。

今回、発売前に新しいウォークマンを試聴することができた。

さらにウォークマンの音質設計リーダーを務める佐藤浩明さんを始めとする開発陣に、今回のウォークマンを作った想いを聞くことができた。

・NW-WM1ZM3 | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | ソニー
・NW-WM1AM3 | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | ソニー

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●WM1シリーズの第3世代モデルとなる「NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3」

左からNW-WM1ZM3、前モデルのNW-WM1ZM2、初代NW-WM1Zの背面

WM1シリーズは、2016年の初代NW-WM1Z / NW-WM1A、2022年の第2世代NW-WM1ZM2 / NW-WM1AM2に続いて、今回が第3世代となる。

ここ最近起きていることと言えば、オーディオカテゴリーに新モデルが出ないどころか次々と販売終了していくこと。

今年に至っては往年のフラッグシップを誇ったウォークマンやヘッドホンの姿も消えていって、まさかソニーからポータブルオーディオがなくなってしまうんじゃ?と本気で心配していた。

それだけに、今回、新型のフラッグシップモデルとハイエンドモデルのウォークマンが一挙に登場してくれて、嬉しいよりもホッとしてしまった。

NW-WM1ZM3、NW-WM1AM3、NW-ZX900の3機種

これまではWM1シリーズが先に登場して、その後にZXシリーズに技術が降りてくるという流れだったけれど、今回はWM1シリーズとZXシリーズが同時に登場。

WM1シリーズは引き続き無酸素銅の筐体を使ったNW-WM1ZM3と、アルミの筐体を使ったNW-WM1AM3の2機種構成。

“Signature Series”の冠が付くのはNW-WM1ZM3。

ただ、両者には価格差はあるけれど、上位モデルと下位モデルというよりは性質の違う2つの音から好きなほうを選んでねと説明された。

NW-WM1AM3の背面と天面

音質は、どのモデルも前モデルからグレードが1つ上がったくらいの進化。

およその目安として、NW-WM1AM3は前モデルのNW-WM1ZM2と同等のパフォーマンスに達していて、NW-WM1ZM3はさらにそこから頭ひとつ抜けた、さらなる高みとなったフラッグシップ。

見た目は一回り大きくなって、中身はシャーシ、基板、電源、信号処理と、ほぼすべて見直されている。

オーディオの基本とも言える物量と電源の見直しという、超オーソドックスな手法で音を進化させている。

5.5型ディスプレイになって一回り大きく、重くなった本体

NW-WM1ZM3(左)とNW-WM1ZM2(右)の正面。5.5型と5.0型のディスプレイ

ディスプレイは5.0型(1280×720)から5.5型のフルHD(1920×1080)へと巨大化。

一般的に製品を開発する場合には、先に最終目的となる完成品のサイズを決めて、その中に収まるように基板を設計するというのがセオリー。

ところが今回のウォークマンに関してはその逆で、先に音にとって理想的な基板を作ることありきで、そこから形として収まるように筐体の大きさを決めたらしい。

良く言えば、設計上の制約を取り払った結果として画面も本体もこのサイズになった。

  NW-WM1ZM2 / NW-WM1AM2 NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3
ソニーストア価格(発売時・税込) 396,000円 / 159,500円 654,500円 / 346,500円
ディスプレイ 5.0型(1280×720) 5.5型(1920×1080)
最大外形寸法(幅×高さ×奥行き) 約80.5×142.5×21.0mm / 約80.5×142.5×20.8mm 約86×157.6×23.2mm
質量 約490g / 約299g 約670g / 約425g
OS Android 11 Android 16
メモリー容量 256GB / 128GB 256GB / 128GB
電池持続時間(ダウンロード/ストリーミング)※ 最大約40時間/最大約18時間 最大約35時間/最大約31時間

※バランス接続時。ダウンロードはW.ミュージックでMP3(128kbps)を再生、ストリーミングはオフラインモードで再生したとき。

質量はNW-WM1ZM3が約670g、NW-WM1AM3が約425g。

NW-WM1ZM3は前モデルから約180gも増えている。NW-WM1AM3も約126g増加。

前モデルのNW-WM1AM2は約299gで、本体の大きさのわりに軽いと思っていたけれど、NW-WM1AM3は見た目どおりの重さになったという感覚。

NW-WM1ZM3は持った瞬間に手にズンと重さが伝わってくるし、サイズ的にもかつてのようにポケットに入れて持ち運べるようなものではなくなった。

増えた重さのほとんどは、リアシャーシ(背面側の筐体)によるもの。

ウォークマンのユーザーアンケートでは、価格が上がって重くなったり多少持ち歩きにくくなったとしても、より良い音で聴きたいという声が多かったらしい。

今はもうスマホで音楽を楽しむ人が圧倒的に多いのは間違いない。

だとしてもあえてウォークマンを選びたいと思う人達にとっては、より良い音質という条件が他の何よりも優先される。

左からNW-WM1ZM3、NW-WM1ZM2、NW-WM1Zの天面。ヘッドホン端子と厚みの比較

スマホにポータブルアンプという組み合わせだと取り回しが大変になる事を考えれば、全てが1つの塊に集約されたプレーヤーのほうが不安なく扱える。

ちなみに、カセットタイプの「WM-D6C」のほうが重いので、ウォークマン史上最重量にはならないらしい。

ZX1の頃からの構想にあったという無酸素銅の削り出しリアシャーシ

NW-WM1ZM3のリアシャーシの素材になる無酸素銅のブロック

NW-WM1ZM3のメインシャーシは、前モデルと同じく純度99.99%(4N)の無酸素銅を削り出して金メッキを施したもの。

純度は同じだけれど、素材の銅は前モデルの押し出し材から、より密度の高い鍛造材に変わっている。

サイズも大きくなったので質量が増えて、その結果として、高域の伸びと引き締まった力強い低域につながっている。

金メッキを施した無酸素銅の削り出しリアシャーシの内側

さらに、前モデルではアルミの削り出しだったリアシャーシから、純度99.96%の無酸素銅を削り出して金メッキを施したものになった。

メインとリアが同じ銅になったことで、音質として透明感や力強さ、微細な音の再現性が上がっている。

前モデルの筐体でリアシャーシだけ無酸素銅に替えて試したときも、音がすごく良くなったらしい。

リアシャーシだけ純度が99.96%なのは、削り出しに向いた素材を選んだため。

99.99%にすると音がかなり変わるようで、99.96%で試した結果が良かったのでこちらを採用したという事のようだ。

NW-WM1AM3のアルミブロックからシャーシが完成するまでの工程見本と、金メッキ無酸素銅のリアシャーシ

NW-WM1AM3のメインシャーシは、アルミのブロックを削り出してコーティング処理したもの。

そこに金メッキを施した無酸素銅のリアシャーシ(プレス成型)を新しく組み合わせていて、伸びのある透明感と力強さにつなげている。

  NW-WM1ZM3 NW-WM1AM3
メインシャーシ 4N(99.99%)無酸素銅・切削・金メッキ アルミニウム・切削
リアシャーシ 金メッキ無酸素銅・切削 金メッキ無酸素銅・プレス成型
ダイレクト締結 ○ ○
金メッキビス ○ -
内部配線(φ4.4mm端子まで) KIMBER KABLE OFCケーブル

ウォークマンはシャーシをグランド(基準電位)として使っているので、シャーシの電気抵抗を下げることがそのまま音に表れる、というのがソニー開発陣のポリシー。

リアシャーシを銅の削り出しにするというコンセプトは、2013年のNW-ZX1の頃からあったものの、当時はまだ実現できるものではなくて、10年以上かかってやっと具現化できたと。

そもそもメインもリアも銅を使ってそこに金メッキまで施すとかお金のかけ方がいい意味でおかしいというか、音のためには妥協しないという気概が凄い。

NW-WM1ZM3(左)とNW-WM1ZM2(右)の背面

ただひとつの問題として、下地のメッキを挟まずに銅へ直接金メッキをかけると音が良くなるかわりに時間がたつと色が変わるという性質がある。

これだとボディとして魅せることができないため、背面はラバーの一枚板のカバーで覆うというデザインにしている。

前モデル(WM1M2)のリアシャーシはアルミ素材で、アルマイト処理なので色が変わらず、外装を見せるデザインとなっていた。

NW-WM1ZM3の背面カバー、金メッキのリアシャーシ、本体を並べたところ

リアシャーシが重くなるほど抵抗値が下がり、低域が沈み込んで高域も伸びるという傾向がはっきり出たらしい。

前モデル(WM1M2)では高域が伸びすぎて調整に苦労したけれど、今回はそれがまったくなかったと。

仮に同じ規格の金属だとしても仕入れ先が違うと音が変わってしまうため、試作のたびに聴き比べて決めたり、基板が新しくなるたびに約200時間のエージングをしてから評価し直しをしている。

無酸素銅のブロックからNW-WM1ZM3のシャーシが完成するまでの工程見本

開発者の人たちも「測定器では数値にできない世界で、怪しいことを言っていると思います。」と断りを入れつつも、それでも本当に音が違うんです!と力説していた。

確かにもうここまで来ると、カメラや車と同じで自分の拘りや感性にどこまで投資するのかという領域になる。

ダイレクト締結と金メッキビス

リアシャーシを外したNW-WM1ZM3の内部

一般的な携帯機器の場合、サイズやコスト、組み立て時間を抑える効率化のために、前側の筐体と基板と背面側の筐体をあわせてビスでまとめて締めるというのが普通。

一方でNW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3は、基板用とリアシャーシ用のネジ受けをあえて別々にわけて、それぞれ直接ビスで締結している。

グランドの間に異なる素材が挟まらなければ、基準電位がより安定するからという理由。

普通ならビスを何本減らせるか?に注力するのに、逆張りでビスの数は増加。

NW-WM1ZM3に使われている金メッキビス

さらにNW-WM1ZM3だけの変態仕様として、銅メッキを下地にした金メッキのビスを採用。

ビスとシャーシが接する面の抵抗を少しでも下げたいがために。

ちゃんと設計の段階で通常のビスと聴き比べたら音がまるで違ったので採用が決まったらしい。

それも全部のビスに使うのではなくて、聴いて差が出た箇所を選んで使ったと。

DMP-Z1の考え方を引き継いだ電源まわり

2018年に発売されたデジタルミュージックプレーヤーDMP-Z1は、デジタル回路用とアナログ回路用で電池を分けて、最高のオーディオプレーヤーとして知られている。

・ “究極のヘッドホンリスニング”を追求した 音のためのこだわりすべてを詰め込んだ『DMP-Z1』-Engineer Interview-

ただ、ウォークマンで同じことをやれるわけもない。

そこで今回は大容量の固体高分子コンデンサーを2基積んで、デジタル回路とオーディオ回路にそれぞれ独立して配置。

前モデル(WM1M2)はコンデンサー1基で、電池だけでは追いつかない瞬間的な電力を補っていた。

今回はコンデンサーを2基としたことで、デジタル側で一気に電流が流れてもオーディオ側に影響が及ばなくなり、聴感上も力強い低音と明瞭なボーカルにつながっている。

オーディオ電源の引き回しも、ふつうは基板上のパターンで電気を運ぶところを、わざわざ太いOFC(無酸素銅)ケーブルを外に出して手はんだで取り付けて、バッテリーの大元からオーディオ回路の根元まで直結。

基板を通さないので、いちばんきれいな状態の電源を届けられる。

オーディオブロックのバイパスコンデンサーには、ソニー専用に開発して音質チューニングを施した「FTCAP3」、S-Masterの電源には超低ノイズLDOレギュレータを使っている。

基板も新しいSoCに合わせて作り直されていて、アナログとデジタル・電源をさらに分離したレイアウトになった。

プリント基板は、ビアを銅メッキで埋めるフィルドビア構造。レーダーのような高周波機器で使われる技術で、本来はオーディオとは関係ないはずなのに、聴いてみたら音が変わったので取り入れたらしい。

NW-WM1ZM3のメイン基板

デジタル回路の部分は、無酸素銅の削り出しブロックで覆ってデジタル側のグランドも強化している。

このブロックは前モデルより質量が約34%増えていて、ノイズをさらに減らして、より明瞭で輪郭のはっきりした音につなげている。

S-Master HXはデジタルアンプで電源をスイッチングしているので、電源を良くすると音が変わるというのがアナログアンプとの違いになる。

4N導線を巻いたコイルと太いキンバーケーブル

NW-WM1ZM3のローパスフィルターに使われる大型コイル

デジタルアンプの出力には、最後に必ずローパスフィルターが入る。

NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3は、そのコイルの巻き線に高純度の4N導線を使った大型のバランスローパスフィルターを採用。

10年ほど前から使いたかった部品がようやく3代目で採用できたと。

この4Nのコイルは値段がかなり高く、最初はNW-WM1ZM3だけに入れるつもりだったらしい。

ところがNW-ZX900の音が良くなりすぎたので、NW-WM1AM3にも入れないと、という話になったエピソードもあった。

巻き線には平たい導線(平角線)を使っていて、抵抗と歪みを抑えることで、全帯域の明瞭さと細かな音の再現性を上げている。

NW-WM1ZM3の内部配線は、DMP-Z1と同じくバランス出力の端子の出口まで、太いKIMBER KABLE(キンバーケーブル)を使っている。

NW-WM1AM3は、ここにはOFCケーブルを使っているという違いがある。

リフロー部に金を含む新世代の無鉛はんだ、クロックに金蒸着の超低位相ノイズ水晶発振器(44.1kHz系と48kHz系の2個)を使っているのは2機種共通。

S-Master HXに加わった「先読み型ノイズシェーパー」

NW-WM1ZM3のノイズシェーパー設定画面

フルデジタルアンプ「S-Master HX」には、新しく「先読み型ノイズシェーパー」が加わった。

S-Masterが新しくなったと言ってもいいくらいの進化。ノイズシェーパーは、デジタルからアナログに変換するときに出る量子化ノイズを、耳に聞こえる帯域の外へ追い出す処理のこと。

先読み型は、その量子化ノイズを先読みして計算することで、急な音の立ち上がりにも追従し、低音の迫力とクリアさを出せるようになっている。

もともとはWH-1000XM6で採用された技術で、ウォークマンでは前モデルからDSDリマスタリング用に積んでいるFPGAを拡張して実現した。

設定は音質設定のいちばん上にある「ノイズシェーパー設定」から選択。

初期値の「ノーマル」はS-Masterの中にある従来のノイズシェーパーで、これに先読み型の「ライト」「バランス」「ディープ」の3タイプを加えた4択になる。

ライトからバランス、ディープと上げるにつれて段階的に処理が強まり、音の解像感が上がっていくイメージ。

切り替えるとかなり音が変わるので、開発側のおすすめしている「バランス」をメインとして、使うヘッドホンやイヤホンに合わせて好みで選ぶと良い。

ハードウェアで処理しているので、動画を見るときも映像と音がずれずに使える。

注意点として先読み型を選んだ場合、アラームや通知音などAndroidのシステム音が鳴らなくなる。

理由としては、S-Masterの中では音楽とAndroidの音を混ぜて出しているけれど、先読み型の経路にはその混ぜる仕組みがないためらしい。

■その2では、ストリーミングでも使えるDSDリマスタリングや新しいSoCで快適になった操作感、電池の持ち、そしてMDR-Z1Rで聴いた音とJust earについて続く。

・ウォークマン最高峰モデル「NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3」実機レビュー(その2)。新しいSoCで快適操作、ストリーミングでも使えるDSDリマスタリングと、さらなる高みを目指した音質。

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●ウォークマンWM1シリーズ ラインナップ

ウォークマン Signature Series「NW-WM1ZM3」
ウォークマンWM1シリーズ「NW-WM1ZM3」
【256GB】
カラー:ゴールド
発売日:2026年11月27日(金)
ソニーストア販売価格:654,500円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF

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ウォークマン WM1シリーズ「NW-WM1AM3」
ウォークマンWM1シリーズ「NW-WM1AM3」
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カラー:ブラック
発売日:2026年11月27日(金)
ソニーストア販売価格:346,500円(税込)
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●ソニーストア割引クーポン10%OFF
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