ウォークマン最高峰モデル「NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3」実機レビュー(その2)。新しいSoCで快適操作、ストリーミングでも使えるDSDリマスタリングと、さらなる高みを目指した音質。
ソニーから、ウォークマンWM1シリーズの最新モデル「NW-WM1ZM3」と「NW-WM1AM3」が登場。
発売日は2026年11月27日(金)、ソニーストア販売価格はNW-WM1ZM3が654,500円(税込)、NW-WM1AM3が346,500円(税込)。
無酸素銅のシャーシや電源まわり、先読み型ノイズシェーパーなど、音のための中身に続いて、その2では、ストリーミングの使い勝手や新しいSoCで変わった操作感、電池の持ち、そしてMDR-Z1Rで聴いた感想についてレビューしている。
・NW-WM1ZM3 | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | ソニー
・NW-WM1AM3 | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | ソニー
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●ストリーミングでも使いやすくなった「NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3」
ストリーミングアプリでもDSDリマスタリング
PCM音源を11.2MHzのDSDに変換して再生する「DSDリマスタリング」は、これまで本体の「W.ミュージック」で再生するときだけ使える機能だった。
今回はFPGAに手を入れたことで、有線接続時ならSpotifyやQobuz、Amazon Musicのようなストリーミングアプリの音にも適用できるようになった。
以前と違って最近はすっかり日常の大半をストリーミングで聴くのが当たり前になってしまった。
もちろん思い入れのあるアルバムだけはハイレゾ音源をダウンロードで買う事はあっても、昔ほど出るものを片っ端から買うなんて事はない。
そう考えるとストリーミングでもDSDリマスタリングで高音質に聴けるというだけで、このウォークマンの価値があると言ってもいい。
「DSEE Ultimate」も、有線接続ならすべての音楽アプリ、BluetoothならLDACで使える。
W.ミュージック以外の音楽アプリの音は、48kHzに変換して出力される。
ハイレゾストリーミング用の設定をオンにすると192kHz固定になって、音源に合わせてサンプリング周波数が切り替わることはない。
新しいSoCで、ストリーミングの操作もようやく快適に
OSはAndroid 16になり(OSアップデート予定)、SoCも新しくなった。
基板を見せてもらったところ、SoCは3機種共通でQualcommの「QCS6690」。
8コア(プライムコア1基・ゴールド・シルバーの構成)で最大2.9GHz、メモリーも8GB(LPDDR5X)に増えている。
2019年の「NW-ZX500シリーズ」から、これまでのAndroidウォークマンのSoCを並べると以下のような表になる。
2019年のNW-ZX500はNXP「i.MX 8M Mini」で4コア・最大1.8GHz。
2023年のNW-ZX707はQualcomm「QCS4290」で8コア・最大2GHz。
非常に大きいのは、コアが増えた事に加えて製造プロセスが11nmから4nmに進んだこと。
製造プロセスが細かくなるほど、同じ処理をより少ない電力でこなせるようになる。
また、メモリーについてもNW-ZX707までずっと4GBのままだったものが新モデルでは、ついに8GBへと容量が大きくなった。
さらにメモリーの規格についても高速なモバイル向けメモリーのLPDDR5Xとなっている。
SoCとしては2030年まで供給され、Androidのアップデートにも8年対応するとされている。
(ウォークマン自体のアップデートを約束するものではない)。
SoCとメモリーについて詳しくは以下記事を参照。
新型ウォークマン「NW-WM1ZM3/NW-WM1AM3/NW-ZX900」の搭載メモリーは8GB!歴代ウォークマンのメモリー約4GBから倍増。
もちろんスマホのハイエンド機に載っているような処理性能の高いチップをそのまま持ってきたわけではない。
処理性能が高いほど電圧の揺れも大きくなるので、Androidを動かすのに十分な性能をもたせつつも、電源が安定していて音に良いものを、性能と音質の両面から選んだらしい。
今までのウォークマンは動きがモサモサしていて、楽曲が増えれば増えるほど緩慢になってしまっていた。
ストリーミング系のアプリも重くて、せっかくの音楽を聴こうという気持ちも削がれてしまう。
前モデルの中で唯一マシだったのはNW-ZX707くらい。
これは、「NW-WM1ZM3」と「WM1M2シリーズ」で、電源オフからの起動時間を比べたもの。
電源オフからの起動は、前モデルのNW-WM1ZM2では54秒かかっていたものが、NW-WM1ZM3では31.5秒で立ち上がる。
起動したあとの操作も、ホーム画面の操作やアプリの起動など、前モデルより明らかに快適。
こちらは、「NW-WM1ZM3」で起動から操作までを撮影したもの。
今回は実際に触ってみると明らかに操作のレスポンスが機敏になっているし、好きなコンテンツを思い通りに探せる。
もちろん今時のハイエンドなスマホ(Xperia 1 VIII)のほうがもっとサクサクではあるけれど、QCS6690のスペックはXperia 10 VIIIのSoCと同等以上。
初見で新しいウォークマンを触った瞬間に「速っ!」と声が出てしまったほどで、当たり前ができることに妙に感動してしまった。

あとひとつ自分が気になっていたモバイル通信について。
ハイエンドモデルの1モデルくらいにはモバイル通信を載せたモデルがあっても良いのでは?と伝えたところ、これは絶対に載せない方針だと言われた。
理由ははっきりとしていて、通信を最優先するとS-Masterへの影響を抑えきれずに音が悪くなってしまうため。
Wi-Fiですら新しいSoCはもともとアンテナを複数使う前提の設計だったところを、あえてアンテナ1本の構成に作り直したほど。
実際にモバイル通信を載せることも考えた事はあったらしいけれど、音質が大きく下がる要因になる事は否めず載せるという選択肢はなくなった。
まぁ外出先ではスマホのテザリングも容易なのでモバイル通信の代わりにはなる。
Bluetoothは、LDAC、aptX、aptX HD、AACに加えて、aptX Adaptive、LC3(LE Audio)にも対応。
パソコンやスマートフォンとつなぐUSB DAC機能も、前モデルと同じように使える。
UIは前モデルから大きくは変わっていないので、NW-WM1ZM2 / NW-WM1AM2から買い替えてもそのままの感覚で操作できる。
ホーム画面は好みに合わせてカスタマイズできて、音楽を聴くうえで欠かせないアルバムアートも以前より大きくきれいに表示されるようになった。
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そのうえで「アナログの趣を宿すUI設計」として新しい画面も加わっていて、再生中の画面をカセットテープ風に表示する「カセットテープUI」のほか、0から120までの目盛りが付いたダイヤル型の音量画面も用意されている。
W.ミュージックの再生画面には音量のアイコンがあって、ワンタップで音量画面を呼び出せる。
スリープからの復帰は、スマートフォンと同じダブルタップにも対応。
電池を少し使うので初期設定はオフで、ジェスチャーの設定からオンにできる。
オフラインデータはMicroSDに、ストリーミング再生の電池持ちは約7割アップ
本体のストレージは、NW-WM1ZM3が256GB(実使用可能領域は約207GB)、NW-WM1AM3が128GB(実使用可能領域は約91GB)。
内蔵メモリーはある程度余裕があるとはいえ、大量のハイレゾ音源を溜め込んで聴くには正直物足りない。
本体が快適になったこともあって、アプリケーションも今まで以上に入れたくもなってしまう。
そうすると必要となってくるのが外部ストレージとして使えるMicroSDカード。
ストリーミングの音楽や動画をオフラインでも楽しみたいと思えば、データをダウンロードする事も増えるはずなので、大容量のMicroSDカードを準備しておくと良い。
電池の持ちも改善。
特にストリーミングサービスのアプリでオフライン再生したときは、前モデルの約18時間から約31時間と約7割伸びている。
一方で、W.ミュージックでMP3(128kbps)を再生したときは約40時間から約35時間と少し短くなっている(いずれもバランス接続時)。
NW-ZX900は両方とも伸びているので、短くなったのはWM1シリーズのW.ミュージック再生だけ。
電池の設定には、フル充電の手前で充電を止めて電池の寿命を延ばす「いたわり充電」もある。
MDR-Z1Rで聴いてみた
NW-WM1ZM3をMDR-Z1Rとバランス接続でつないで試聴してみた。
いや、圧倒的な高音質で、すべてにおいて突き抜けていた。
先にNW-ZX900を聴いた時点ですでに十分にいい音で、これで何の不満もないなと納得してしまっていたところにNW-WM1ZM3を聴いてみたら、結構というかかなり驚いた。
ボーカルや楽器がそれぞれ分かれて聴こえる鮮明さが数段上がった感覚で、演奏している様子が頭の中に映像として浮かび上がってくるくらいの解像度の高さ。
うまく表現できないけれど、自宅の、それもハイエンドなオーディオ環境をまるごと持ち出しているかのような音場で、繊細な音まで聴き取れるのが実に楽しい。
確かに値段を考えると、おいそれとは手を出しづらいところではあるけれど、それでもこの金属の塊を持って音楽を聴きたくなる気持ちは理解できる。
佐藤さんの言葉を借りるなら、「低域はしっかり締まったまま量が増えて、スタジオの壁が見えるくらいに音場が広がって、音の空間が”丸から四角になった”イメージです。」との事だった。
Just ear にもWM1ZM3用の新しいチューニング

せっかく出てきたソニーの頂点を極めるポータブルオーディオプレーヤー(ウォークマン)。
なのに、それを活かせるフラッグシップモデルのヘッドホンが不在(販売終了)という受け皿のない問題。
これについては、十分重く受け止めているとの事だったので、これから先にあらためて出してくれることを期待するとして。
ソニーのカスタムイヤホン「Just ear」からNW-WM1ZM3向けに新しくチューニングされた音質調整モデル「Just ear『NW-WM1ZM3』音質調整モデル」が2026年12月上旬に発売予定。

Just earのウォークマンモデルは、初代WM1からZX、DMP-Z1、WM1ZM2と、そのときどきのモデルに合わせて作られてきて、今回も新しいウォークマンに合わせて作るべきだという声が社内で上がり登場に至る。
新しいウォークマンは低域の充実感が増したので、当初はイヤホン側の低域を控えめにする案だったものの、最終的には逆にイヤホン側も低域を出す方向に。
それでも駆動力のあるNW-WM1ZM3で聴くと、ボワつくことなく自然に伸びる音で聴けるとのこと。
試聴機はソニーストアの直営5店舗で聴ける。
すでにJust earを持っている人は、音だけを新しいチューニングに変えるサービスの対象にもなる予定。
●持ち出せる究極のポータブル音楽プレーヤーをひたすら目指したウォークマン
NW-WM1ZM3は、素材と部品に物量を注ぎ込んだ結果として、そのぶん重さも価格も前モデルから大きく上がってしまった。
さらに、メモリーやストレージの高騰も価格を押し上げている。
ただこれに関して言えばスマートフォンも軒並み値上がりしているので、ウォークマンに限った話でもない。
それに海外の新しいウォークマンの価格を円に換算してみると、NW-WM1ZM3は90万円超、NW-WM1AM3は47万円ほどで、いかに国内の価格が抑えられているかがわかる。
そして今回、話を聞けておもしろかったのは、終始、開発の人たちがまるで子どもが夢中になるように嬉々として話をしていたこと。
いい音をみんなに届けたいという想いで作っていることが改めて伝わってきた。
高みを極めた事で手に入れるハードルは上がっているとは言え、聴いてみるとボーカルや楽器の鮮明さを感じられる事は間違いなく、音楽をこよなく愛する人にとっては手にするだけの価値があるはず。
前モデルを使っているユーザーはもちろん、ストリーミングを中心に聴いていて今までのWM1シリーズの操作感に物足りなさを感じていた人にとっても、待望のモデルとも言える。
最終的には自身で音を聴いて納得するのが一番だと思うので、ぜひソニーストアで手にとって試聴してみてほしい。
●ウォークマンWM1シリーズ ラインナップ

ウォークマンWM1シリーズ「NW-WM1ZM3」
【256GB】
カラー:ゴールド
発売日:2026年11月27日(金)
ソニーストア販売価格:654,500円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
・ウォークマンWM1シリーズ「NW-WM1ZM3」ソニーストア直接購入リンク

ウォークマンWM1シリーズ「NW-WM1AM3」
【128GB】
カラー:ブラック
発売日:2026年11月27日(金)
ソニーストア販売価格:346,500円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
・ウォークマンWM1シリーズ「NW-WM1AM3」ソニーストア直接購入リンク
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