「VAIO A12」は、納得の2 in 1 PCになりえるのか実用として使えるかを考える。(前編)
VAIO ZもVAIO Z Canvasも姿はなくなったまま後継出てこないし、去年出たVAIO S13/11もモデルチェンジしたけど法人向けまっしぐらだし、モンモンとした月日が流れたけれども、ようやく出てきた新筐体オールラウンダー
代表的なMicrosoftのSurfaceを筆頭に「タブレット+キーボード」でスタイルを選んで使えるよという2 in 1 PCはすっかり世の中に浸透してきつつあって、もしくはiPad Proみたくタブレットからスタートして、キーボードカバーをあわせてPC市場とオーバーラップしていたりと群雄割拠。
そこにVAIOがあらためて参戦したわけだけれども、思った以上になかなか良くできているのでそのあたりを書いてみる。
・今までの2 in 1 PCに満足しているかい?まるでクラムシェルPCの快適さそのままに、合体分離ギミックが秀逸な「VAIO A12」登場。
・「VAIO A12」は、納得の2 in 1 PCになりえるのか実用として使えるかを考える。(前編)
・「VAIO A12」は、納得の2 in 1 PCになりえるのか実用として使えるかを考える。(後編)
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●素のタブレットとして考えると、SONY/VAIO通じてひさびさの登場。
2 in 1の心臓部となるのは、ラップトップPCのようにキーボードの下じゃなくて、ディスプレイ側にすべてが詰まったタブレット部分。
ディスプレイサイズは、12.5型(16:9、1920x1080)で、高輝度・広視野角・ハイコントラストのIPS液晶を採用。
周囲は狭ベゼルとはいかないものの今はなきVAIO Tap11やXperiaタブレット系を彷彿させる7.4mmの極薄の厚みと、単体重量で607g~622gという軽さ。
参考までに、Surface Pro 6(2018年10月発売)はというと、12.3型(3:2、2736x1824)で厚みは8.5mm、約775g~792gなので、ディスプレイサイズはほぼ同じながら、1.1mm薄くて最軽量値で約168gも軽い。
高解像度なところは、Surface Pro 6のほうが正直羨ましいけれども。
今となっては、Xperiaタブレットもないし、ぽっかり空いたSONYのタブレット枠を思えば、タブレットとしてはこれはこれで魅力的である。
ディスプレイ面は、AGCの強化ガラスDragontrail PROを採用していて、かなり無茶しても傷がつくようなシロモノではない。
といっても何があるかわからないというか、だいたい割れるのは正面よりも落としてカドからヒビがというケースのほうが多い。
対策として、ディスプレイの4スミはガラスにそったフチじゃなくて、カドだけ肉厚の樹脂で保護。
ベゼル上部にwebカメラ、両サイドにステレオスピーカーも内蔵する。
Windows Hello対応の生体認証方式を備えて、ひとつは内蔵カメラでユーザーの顔を認識する顔認証もできる。
タブレットにある端子類は全部左側に集中して、電源ボタン、音量ボタン、指紋センサー、SIMカードスロット、USB type-C端子、ヘッドホン端子。
もうやっとUSB type-C端子がまともに装備されて、USB3.0、ディスプレイポート、パワーデリバリーに対応してるので、対応しているドッキングステーションを使えば、ディスプレイからキーボード、マウス、外付けHDD、有線LAN、電源といったものを合理的に接続することもできる。
ここまでやってくれたんだったら前VAIO S11みたいにThunderbolt3まで対応してくれたら外部GPUも利用できたのにという欲もあるけれども。
ちなみに、USB type-C端子から一般の5V充電にも対応していて、充電スピードは早くないもののいざという時に助かる。
そして当たり前についてくれる国内3キャリアに対応するSIMフリーLTE。
これは個人的には超必須で、ないと買いたくないくらい。なので、絶対に付ける。
指紋センサーは、センサー部に指を置くと解除、スリープからの復帰にも対応する。
ディスプレイは当然タッチパネル対応で、デジタイザースタイラスペンにも対応。
デジタイザースタイラスペンは、VAIO ZもVAIO Z Canvasで採用されていたN-trig社製から、「VAIO A12」ではワコム社製へと変更。
ぶっちゃけ、N-trig社がMicrosoftに買収されて独占状態となってしまったというのが理由だろうけれど、ぶっちゃけワコム社製になったほうが良かったんじゃないかと思われる。
筆圧4096階調と優れた追従性の自然な書き心地というのが魅力。
ペン先の触れた位置と、実際に線が描画される位置がズレなくするため、液晶パネルとカバーガラスの間に特殊な光学樹脂を充填するダイレクトボンディング加工を採用して、視差をなくして書き込むことができるというのがウリ。
実際にペンを持ってダイレクトに書き込んでみると、追従性はストレスなくて良かったけれど、さすがにツルツルのガラス面に書いてる感が拭えないので、保護シートを貼ったほうが間違いなく書き心地は上がる。
このあたりはVAIO ZやVAIO Z Canvasのときと一緒。
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●VAIO A12のスペック構成、インテルCore Yプロセッサーを採用した理由は?
「VAIO A12」に採用されたのは、第8世代 インテルCore Yプロセッサー。
VAIO S13/11に採用されている第8世代 インテルUプロセッサー(TDP15W)ではなくて、低消費電力チップセットのYプロセッサー(TDP 5W)。
当然、写真や動画の編集やレンダリングをするならUプロセッサーのほうがパフォーマンスを出せるはずなので、ゴリゴリ使う派なら「VAIO A12」にもインテルCore Uプロセッサーをのっけて欲しかったところ。
けれどそうすると、プロセッサーを安定して動作させるためにファン機構を含むしっかりした冷却システムが必要になって、それにともなって確実に本体が巨大化、重量化してしてしまうのはお約束。
2 in 1の”タブレット”とした時に、まずはファンレス構造で駆動部分をなくしたことでノイズがないことや壊れやすい可能性のあるパーツがなくなるという信頼性、そして、バッテリーライフや薄く軽量を目指したうえで Yプロセッサーが選ばれたのだと思われる。
ちなみに、プロセッサーの上に張り付いてる金属の板は、シールドと放熱機構を兼用したファンレスを実現するユニット。
アルミとステンレスの2種類の金属の組み合わせで出来ていて、つなぎ目の部分はそのまま貼り付けると段差ができてしまうので、あえて段差を設けてツライチにしているという巧妙な作りをしている。
最近では、Mac Book AirもクラムシェルPCでもインテルCore Yプロセッサーを採用している(しかも冷却ファン付き)と考えると、軽量薄型のタブレット型で収めてイージーに使える&クラムシェルPC化できる「VAIO A12」はかなりよく出来ているのである。
ストレージは、SATA型SSDが128GB、256GB。第3世代ハイスピードSSD(PCIe)が256GB、512GB、1TBから容量を選択できる。
分解画像をみてもわかるとおり、メモリーは直付けのオンボードなので後から変更できない。
SSDのインターフェースはM.2なので、やろうと思えば分解して購入後でも変えられなくもない。
が、もともと高速SSDがカスタマイズできることと、分解リスクと手間を考えると、相当物好きじゃないとあまりおすすめできないので最初からズバリ好みを選んだほうが良さげ。
中身の半分近くがバッテリーで出来上がっているのを見ると、このサイズに抑えたのは結構凄いことだと思える。
ちなみに、分解したことがある人はわかると思うけれども、よくありがちなのが、開くときにひっかかったツメが割れてしまうというアレ…。
もうツメがわれるとゾッとするというか、結局ガワのパーツまるごとかえないと直らなくて断念してそのまま使い続けなきゃいけないとか悲しいことになったりする場合もある。
ところが、「VAIO A12」は、最初からツメを別パーツにして、万が一割れてしまってもそこだけを差し替えれば元通りにまたハメ直せるという構造になっている。
なんというか目の付け所がシャー…VAIOって感じで、嬉しいところだったりもする。
ところでこのツメパーツが個人的に手に入るかどうかは不明。
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VAIOのPCとしては久々の新モデルだけに、ついついVAIO ZやVAIO Z Canvasの影を追いかけてしまうけれど、そこは全くのベツモノ(TDP28WやTDP45Wのバケモノ級)のカテゴリーなので、そっちはそっちで今後出してくれれば良い。
「VAIO A12」を最初からタブレットとしての姿として見ると納得いくスペックではある。
実はソレよりももったいない気がするのが、「VAIO A12」の最小構成が、単体じゃなくて拡張クレードル有りきになっていること。
素のタブレット本体からスタートでギリギリ税別で10万円を切るかかくで出して、キーボードユニットや拡張クレードル含めてアクセサリーをカスタマイズとしたほうが戦略的に良かったんじゃないか?とツッコミいれたくなる。
「VAIO A12」の最大の魅力は、クラムシェルPC化できるキーボードユニットにありきなので結局モリモリになるだろうけれども、最初のインパクトくらい狙えばいいのに。
さてそのタブレットとキーボードユニットの合体&分離ギミックと、計算しつくされたクラムシェルPC化したスタイルについては次回。
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VAIO® A12 タブレット+キーボードユニット(ワイヤレス機能あり)+拡張クレードル+デジタイザースタイラス(ペン)
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ダマされちゃいけない、MONSTER PCの名を持つ安曇野産「VAIO Z」の真実。
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