小さくても写真もハイビジョン動画も撮れるサイバーショット「DSC-T90」
・高機能がみんなに使いやすいサイバーショット「DSC-W270」
に続いて、“Tシリーズ”をレビュー。
新型サイバーショット“Tシリーズ”には、
小型タイプの「DSC-T90」と、
本体サイズがひとまわり大きい「DSC-T900」の2種類があって、
今回は、小さい「DSC-T90」。
-----------------
<スリムでコンパクト、デザインとカラーで指名買い?>
カラーバリエーションは、
ホワイト、ブラック、ブラウン、ピンク、ブルーの5色。
前モデルにあったグリーンが落ちて、ブルーが登場。
単純にカラーが違うだけでなく、それぞれに特徴があって、
ホワイトは、全身オフホワイトに、
キメの細かいラメがちりばめられたボディ、
ブラックは、本体ベース部分はつや消しで、
スライドカバーにのみツヤを持たせたそのギャップが楽しめる。
ブラウン、ピンク、ブルーは、
本体ベースには金属的な質感を、
そしてスライドカバーには、横に流れるヘアライン加工にプラスして
その上からクリアな光沢処理を施したツヤと質感が特徴的。
上記の画像ではその質感が出てきてないので、
これは現物を見てみたほうがわかりやすいけれど、
どれもその薄くてコンパクトなボディと相まって
その質感には所有欲が非常に満たされる。
「DSC-T90」のソニースタイルでの販売価格は、
37,800円(税込)。
(「DSC-T900」は、44,800円(税込)。)
本体に付属品として付いてくるのは、
・マルチ端子専用USB・AVケーブル、
・リチャージャブルバッテリーパック
・バッテリーチャージャー
・リストストラップ
・ペイントペン
・CD-ROM、取説
本体底面のフタをスライドして開いて、
バッテリー「NP-BD1」と、
メモリースティックDuoを挿入する。
薄型形状のバッテリーとメモステの厚さが内部でギリギリで、
そのすぐ後ろに液晶ディスプレイがある事を考えると
相当に中身がビッチリと詰まってるのがよくわかる。
付属のバッテリー「NP-BD1」では
バッテリー残量を3段階表示しかしないけれど
別売のバッテリー「NP-FD1」を用意すれば、
分単位で表示するようになる。
満充電にかかる時間は約220分、
静止画の撮影枚数は公称で約220枚。
DSC-T900とDSC-T90の
デジタルカメラとしての基本性能は同じで、
有効画素数は1210万画素で
カールツァイスの「バリオ・テッサー」を搭載。
光学ズームは4倍で、
焦点距離は35mmフィルム換算で、35~140mm(F値:F3.5~4.6)。
広角が35mmなので、狭い場所での撮影では苦労するけれど
レンズが飛び出さないシフトレンズと
光学手ブレ補正をこの小さいボディの中に収めているあたりは
さすがTシリーズといったところか。
レンズカバーを指でスっとスライドすると
レンズが現れて電源が起動して
約1.4秒でシャッターが切れるという使い心地は良好。
(撮影間隔は、1.8秒。)
-----------------
<ただタッチするだけでカメラを操作できる気分>
本体サイズは、
横幅93.6mm×高さ57.2mm×奥行15.0mm。
レンズカバーを計算に入れなければ、最薄部で13.9mm。
物理的なボタンとしてあるのは、
上部に、電源ボタンとシャッターボタン、ズームレバー。
そして斜めにカットされたやや後方に
再生ボタンと、全部で4つだけ。
その他の細かな操作は、
3型ワイド液晶がタッチパネルになっているので、
その液晶画面を直接指でタッチして操作するスタイルになる。
撮影の画像サイズは、
画面左下の[MENU]をタッチして、左の列に表示されるうちの
「画像サイズ」アイコンから好みを選択すれば良い。
最大サイズは、
4:3では、12M(4000×3000)、
ハイビジョンテレビの横の画面までいっぱいに表示したい場合は
9M(4000x2248)を選ぶ。
もともとDSC-T90の液晶画面は、16:9のワイド画面なので、
4:3の画像を選んだ時には左右が黒い帯が出ていたけど、
ハイビジョン用の9Mを選ぶとちょうど画面がピッタリになる。
じゃあ、見た目に9M(4000x2248)で使ったほうが良いのかというと
画像サイズの解像度を見てもわかるとおり、
横の解像度がのびているわけではなくて、
元画像4:3の12M(4000×3000)から
ワイドにするために縦の解像度を切っているだけ。
上画像は実際に同じ位置からそれぞれの画像サイズで
被写体を撮影したもので、
見ると本来レンズに映ってる部分の
下側の752ドット分がカットされているのがわかる。
広角35mmで撮れる画角自体は変わらないので
余すところなく最大解像度で撮りたいと思えば
12Mで撮ったほうが良いという事にもなるけど、
もしも構図に余力があれば9Mも使い道があるかもしれない。
撮影モードには、
全部カメラまかせにできる「おまかせオート」、
自分で設定をいじりながら撮影したい「プログラムオート」、
極力迷わないように使えるアイコンを少なくする「EASY」、
いろんなシチュエーションに応じて
撮りたいモードを自分で決める各種のモードがある。
標準で使うであろうと思われるのは
新しく加わった「おまかせオート」で、
これは
いままでの「オート」撮影がさらに進化した形で、
撮る人がどんな状況で撮るかを気にしなくても、
カメラを人の顔に向けたら自動的に『人物』モードになったり
風景に向けたら『風景』、近づくと『接写』といった具合に
自分でいちいちモードを変えなくても
カメラ側で判断して手助けしてくれながら写真が撮れてしまう便利モード。
他にも、
「ソフトスナップ」「風景」「人物+夜景」とか、
「スノー」「ビーチ」「花火」「料理」などと
シーンに合わせた撮影モードが選べて
慣れてきたら、
撮りたい雰囲気にあわせて変更してみるとおもしろい。
例えば、「料理」にして撮ってみると
色味が明るくなって柔らかい雰囲気にして撮れたり、
「スノー」にして撮れば
暗くなりがちな写真を明るく撮れたりといった具合。
(上画像は、「料理」にして撮ってみたもの。)
もちろん
自分である程度いじりたいと思えば、
「プログラムオート」すれば、
ピントや露出、感度、明るさを調整しながら撮影もできる。
-・-・-・-・-・-
タッチパネルならではというところでは
どの撮影モードで撮影していても、
画面をタッチして直感的な操作感ができるのも
意外と簡単でおもしろい。
写真に撮りたい構図を作ると
普通は自動的に真ん中にピントがあってしまうけど、
液晶画面に映っている画面のピントを合わせたい場所にタッチすると、
そこにピントが合って
思ったとおりの構図とピントの写真を簡単に撮れる。
近づいて撮りたいなと思って
被写体に近づいていくとある程度は接写モードが効いてるけど
近づきすぎるとボケてしまう。
そこで、画面左にある「マクロ」ボタンをタッチして
「拡大鏡」にすれば、
1cmまで寄ってもキチっとピントを合わせられる。
もちろん
他のカメラでも出来て当たり前の機能のものを
タッチパネルを絡ませる事で
使う側にウケやすくしてるのがポイント。
カメラを駆使するぞ!と気負わずに、
ただ、画面をポチポチとタッチして
なんだか使えちゃったという感覚がいいのかも。
-----------------
<ハイビジョン動画(720p)撮影>
そして、
新たに720p(1280×720)という
ハイビジョンクラスの動画が録画が出来るようになったのは
非常に大きい進化点。
ビットレートはファインにすれば9Mbps、
スタンダードで6Mbpsの選択できるので
メモリースティックの容量次第で変更すればOK。
撮影モードは、通常撮影の[オート]、
暗い場所でも明るく撮れる[高感度]モード、
水中パックを付けて使う時用の[水中]モードから選択できるし、
[MENU]から
明るさやホワイトバランス、フォーカス、露出といった項目を
静止画同様に変更できるし、
もちろん手ブレ補正も効く。
そして、
同じハイビジョン動画が撮影できる「DSC-W270」との
決定的な違いは、
録画しながらでもズームが使えるという事。
これが“Tシリーズ”の最大のメリットで、
ビデオカメラと同じ感覚で使えてしまう。
あえて、
「DSC-T90」の不満点をあげると、
本体がコンパクトな事もあって、
ズームレバーがものすごく小さくて
ゆっくりとしたズームが出来ないのかと思ったら
どんなにゆっくりレバーを倒しても
ズームの動きを遅くできなくて、
これはどうやらビデオカメラみたいにスローズームが搭載されてないようだ。
実際に動画を撮りながらズームをすると、
広角から望遠にかなり早くビヨンと動いてしまって
撮った動画がうるさい感じになってしまうのは残念。
それと、
これは「DSC-W270」と同様で
撮影したハイビジョン動画をハイビジョンテレビで見たいと思った場合、
付属の「マルチ端子専用USB・AVケーブル」では
普通画質でしか出力できないので、
別売の、HD出力アダプターケーブル(VMC-MHD2かVMC-MHC2)を
用意しないといけなくてちょっと不便。
実は、
「DSC-T90」のこういった細々とした若干の不満点は、
フラッグシップの「DSC-T900」ではもっと使い勝手が良かったりするので、
その辺はまた後述予定。
-----------------
ハイビジョン動画を撮りながらズームができると言いながら、
早いズームしかできなくて
ちょっと実用向きではないなという印象が残ってしまうけど、
ズームできないよりはマシ。
「DSC-T90」は、とにかくポケットにを入れて、
いつもどおりに出かけて
いつものように写真を撮りながら、
「今この場面を動画で綺麗なまま残したい!」と思った時には
そのままハイビジョン画質ですぐに撮れる。
いつもの動作に
いつも一緒に持っていけるというのが
何よりも小さい事のメリットだから
「大切な記録を残せるカメラを持ち歩ける。」
というのはものすごく魅力的。