超広角 G Masterズームレンズ FE 12-24mm F2.8 GM 「SEL1224GM」をソニーストアで触ってきたレビュー。(その1)
Eマウント専用のフルサイズ対応レンズに、 が海外先行して発表され、その翌日7月8日に国内でも正式に発表。
発売日は8月7日とまだ少し先だけれど、ソニーストア 直営店で先行展示されたので、 の実機を触ってきた。
・星景、スポーツなど高解像で描写する小型軽量の大口径超広角ズームレンズGマスター(TM) 『FE 12-24mm F2.8 GM』発売| プレスリリース | ソニー
メーカー希望小売価格円380,920円+税、発売日は8月7日。
ソニーストアでの先行予約開始は、7月14日(火)10時から。
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● のサイズ感を知る。
35mmフルサイズ対応α Eマウントレンズとして、ズーム全域開放F値2.8の明るさで、超広角12mmの大口径超広角ズームレンズGマスター
Eマウント専用レンズとして55本目、フルサイズ対応レンズとして36本目。
焦点距離12mmから24mmというと、GレンズのFE 12-24mm F4 G「SEL1224G」を先に発売。
そして今回、同じ焦点距離でありながら高い解像性能と自然で美しいぼけ描写を持つG Masterレンズとして が登場。
焦点距離全域で、F4の「SEL1224G」とF2.8の から選べるラインナップになる。
超広角ズームレンズ、明るい大口径レンズという2つのフレーズから想像していたよりも大きくない。
表現がまどろっこしいというか、さすがに小さいというには語弊がありそうだけど、各社が出しているレンズか比較するとこう表現したくなる。
というのも、超広角ズームレンズといえば設計が複雑で、そのうえ大口径レンズともなると、物理的構造を考えてもサイズは大きくてしかも超重量になる傾向がある。
<参考例>
・SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM ・・・ 1,180g
・TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di VC USD ・・・ 1,100~1,110g
・Canon EF11-24mm F4L USM ・・・ 1,180g
は実際に手にしてみると、片手でしっかりと握れるサイズ感と質量。
では、先に発売された「SEL1224G」とはどれくらい見た目が違うのか?
「SEL1224G」を2つ並べて比較してみると、さすがにその大きさの違いがわかる。
と鏡筒の最大径や全長は、
が一回り大きい。
最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.14倍
焦点距離イメージ:12-24mm
絞り羽根:9枚
大きさ:最大径φ97.6 mm、全長137 mm 質量:約847g
FE 12-24mm F4 G「SEL1224G」
最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.14倍
焦点距離イメージ:12-24mm
絞り羽根:7枚
大きさ:最大径φ87 mm、全長117.4 mm 質量:約565g
レンズ単体比較とは位置が逆になってしまっているけれど、 と「SEL1224G」それぞれをフルサイズαボディに装着した状態。
の外形寸法も97.6 x 137 mm で、数値からするとインパクトは大きいけれど、実際に径が太くなるのは前玉のフード周辺あたりのみで、それより以降のフォーカスリングやズームリングのあたりは径は細くなっている。
そのこともあってか、”なかなか小さいじゃないか?”と脳が都合の良いほうに判断する。
さて、これでまた一つ増えたソニーのプレミアムモデルとも言うべきG Masterレンズ。
せっかくなので、の大口径F2.8のG Masterズームレンズのラインナップを並べてみた。
左から順番に「SEL70200GM」、「SEL2470GM」、「SEL1635GM」、 。
見事に12mmから200mmまでが勢揃い。
実際に出撃させる場合には、「SEL2470GM」と とで振り分けて使うなんてのもいいかもしれない。
FE 70-200 mm F2.8 GM OSS 「SEL70200GM」
最短撮影距離: 0.96m
最大撮影倍率: 0.25倍
焦点距離イメージ: 70-200 フィルター径: φ77mm
絞り羽(枚): 11枚
大きさ:最大径φ88 x 200 mm 質量:約1,480g
FE 24-70mm F2.8 GM 「SEL2470GM」
最短撮影距離:0.38m
最大撮影倍率:0.24倍
焦点距離イメージ:24-70mm フィルター径:φ82mm
絞り羽根:9枚
大きさ:最大径φ87.6 mm、全長136 mm 質量:約886g
FE 16-35mm F2.8 GM「SEL1635GM」
最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.19倍
焦点距離イメージ:16-35mm フィルター径:φ82mm
絞り羽根:11枚
大きさ:最大径φ88.5 mm、全長121.6 mm 質量:約680g
最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.14倍
焦点距離イメージ:12-24mm
絞り羽根:9枚
大きさ:最大径φ97.6 mm、全長137 mm 質量:約847g
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● のハード周りをチェック。
は、ズーム全域開放F値2.8で12mmから24mmをカバー。
高画質と小型・軽量を実現し、風景・星空・建築物などの撮影シーンに最適な大口径超広角ズームレンズ。
広角を活かしてアクティブなスポーツ撮影といったシーンでも活躍させられる。
G Masterレンズとして出てきたからには、単なる大口径レンズというだけではなくて高い設計基準がウリ。
各レンズの諸収差が良好な状態になるように、最先端技術を用いた光学設計と、製造工程におけるレンズ1本ごとの徹底した調整を行うことで、高い解像性能と美しいぼけを両立する。
直径97.6mmに収まる巨大なレンズは、αレンズの中でも最大径となる大口径超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ。
当然ながら大きく前にせり出していて(通称”出目金レンズ”)、一般のレンズのようにフィルターを取り付けるなんてことができない。
レンズ最前面にはフッ素コーティングを施してあり、レンズ表面に指紋、ほこり、水滴、油、泥などが付きにくいとされているけれど、怖いものは怖い。
ワイド保証は必須ではないかと思われる。
その最前面の1枚を含めて合計で3枚のXAレンズを採用して、さらに別の非球面レンズ1枚を組み合わせることで、非点収差、コマ収差、像面湾曲を徹底的に抑制して、画面周辺部までの高い解像性能と輪線ぼけを抑えた美しいぼけ味を両立させている。
加えて、解像度を最大限に保ちながら色収差を最小限に抑えるED(特殊低分散)ガラス3枚とスーパーEDガラス2枚を合わせることで、軸上色収差を補正して、色にじみを最小限に抑え、全体的な解像度を最大限に高め、優れた画質を確保。
G Masterレンズとしてもかなり高額となっているけれど、納得の構造。
は、前玉の巨大な面積と大きくカーブしたレンズをはじめとして、複雑な設計なうえにこれら複数のレンズを高精度に組み上げて、クオリティを保つ基準をクリアさせるのがどれだけ大変か?想像するだけでゾッとする。
は、これもまたαレンズ初の市販のシートタイプのフィルターが装着可能なリヤフィルターホルダーを搭載。
αボディと接合する後玉の後ろ部分に、切り欠きを設けて、ここに標準のシートタイプのND、色補正などのフィルターを挿入するというやりかた。
前玉が出目金レンズなこともあって一般のフィルターは装着できないし、巨大な角型フィルターともなると物凄く高価になってしまう。
コストを考えても納得の解決策。
付属品として、シートフィルター用のカッティングテンプレートがついてくる。
半透明の樹脂製プレートで、この切り欠きにあわせてカットすれば、ぴったりハメ込める。
ただしシートフィルターにも後玉にも指紋やホコリを付けないようにセッティングする必要があるので、屋外でする作業としては限界があるかもしれない。
あとピンセット使うなら間違っても後玉をヒットしないように注意。
フレアやゴーストの原因となる軸外光を効果的に遮断するという役割と、レンズを守るための仕様で、一般のレンズのようにレンズフードを取り外して逆さまに付けるといったことはできない。
付属するレンズキャップにしても、フードを覆うタイプ。
どの角度からでもフードにかぶせるとカチっとロック。
簡単に取り付けできるので、撮影が終わったらすぐにレンズキャップをつけてレンズを保護するというクセをつけたい。
レ ンズに備わる物理スイッチは、AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)の切り替える[フォーカスモードスイッチ]と、コンティニュアスAF時にピント位置を固定できる「フォーカスホールドボタン」。
「フォーカスホールドボタン」は、カメラ本体のメニューからカスタマイズして、好みの機能を割り当てて使うことができる。
(例:構図確認のためのグリッドライン表示や、天候や表現に合わせて色調を調整できるホワイトバランスなどを割り振ることが可能。)
マニュアル時でも精緻なピント合わせができるリニア・レスポンスMFを備えたフォーカスリングを搭載。
防塵・防滴に配慮した設計とは言いながら、あくまでも配慮なので無茶は禁物。
レンズ側に光学式手ブレ補正機構はないので、ボディに依存する。
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● を撮影テストしてみる。
早速ソニーストア福岡天神の屋内で を使って撮影テスト。
ざっくり言えば、G Masterレンズシリーズの「SEL2470GM」、「SEL1635GM」をEマウントボディと合わせたのと近い感覚。
直径でいえばレンズフードを装着した「SEL1635GM」よりも少し短く、前玉部分より後ろの鏡筒は絞られているので、取り回しは思っている以上に楽だと感じる。
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:24mm
シャッター速度:1/60 絞り値:F2.8 露出補正:±0.0 ISO:160 ホワイトバランス:自動
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:16mm
シャッター速度:1/60 絞り値:F2.8 露出補正:±0.0 ISO:160 ホワイトバランス:自動
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:12mm
シャッター速度:1/60 絞り値:F2.8 露出補正:±0.0 ISO:160 ホワイトバランス:自動
まず、焦点距離24mm/16mm/12mmと段階的に撮影。
屋内を俯瞰で撮影した場合、焦点距離24mmでは撮りきれない全体像をより広角にすることで収めることができるのか。
見ると、もはやヒトの目では見える範囲を大幅に超えていて、焦点距離16mmでも入り切らない部分までも広い画角で映し出せるのが焦点距離12mmの世界。
遠近感のあるダイナミックな映像になるので、周辺部にいくにつれて超広角レンズ特有の遠近感が強調されていることもわかる。
まだ全体的にひいて撮影しているので、この程度の効果だけれど、被写体によるとあっという間に世界観が変わる。
※撮影データは、補正せず撮影時のJPEGデータのままでリサイズのみ。
カメラ側のレンズ補正は「周辺光量補正」、「倍率色収差補正」、「歪曲収差補正」ともにオート。
被写体によれる最短撮影距離も最大撮影倍率も、 と「SEL1224G」ともに同じ。
ということは、同じシチュエーションであれば撮れる画角は同じということになる。
最短撮影距離が28cmときくとあまりよれなさそうに思えるけれど、レンズ全長からすると結構な至近距離になる。
最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.14倍
FE 12-24mm F4 G「SEL1224G」
最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.14倍
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:12mm
シャッター速度:1/80 絞り値:F2.8 露出補正:-0.7 ISO:100 ホワイトバランス:自動
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:12mm
シャッター速度:1/80 絞り値:F2.8 露出補正:-0.7 ISO:100 ホワイトバランス:自動
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:12mm
シャッター速度:1/80 絞り値:F2.8 露出補正:-0.7 ISO:100 ホワイトバランス:自動
あくまでもソニーストア店内での撮影に限られていて、
のわかりやすい特性は何かと考えた結果、被写体によってしかも絞り開放(F2.8)でいろいろと撮影してみた。超広角レンズのため、被写体にかなりよっていてもその周囲の景色を巻き込んだ画になるのがおもしろい。
そして強烈なまでに現れる遠近感(パースペクティブ)。
近く手間にあるものはより大きく強調されて、1枚めの犬のおもちゃや2枚めのaiboは立体感がまさに出ている。
3枚めの紫陽花は、左に近づいて撮ったこともあって大きく強調されながら、フォーカスは中央にあわせていたので手前にボケができることで画面中央から周辺に向かって大きく流れていくような画になった。
絞ることで、周辺部も解像していくので、撮影のバリエーションを考えるとなかなかに楽しそう。
あまりにもスムーズに動作していたので忘れてしまいそうになるけれど、撮影テストをしている限りはオートフォーカスは俊敏でストレス皆無。
なにしろFE 135mm F1.8 GM 「SEL135F18GM」に備わってAFの速さを味わったXD(extreme dynamic)リニアモーターをなんとフォーカスレンズ群ごとに2基ずつ、合計4基も搭載。
大口径フォーカスレンズ郡が前後移動していることも気づかないくらいフォーカス駆動時のモーター音も静かで俊敏かつ正確にAFがシュッとくる。
インナーフォーカスなこともあって、フォーカシングしても全長も変わらず何とも撮りやすい。
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焦点距離12mm-24mmの超広角レンズとしては、先行してGレンズの「SEL1224G」が出ていて。
既に12mmの世界観を撮れるし、絞って撮影することの多い風景撮影であれば絞り開放F4で何の問題もないし、そのぶんレンズ自体も軽いし、価格的にもオサイフに優しい。
普通に使っているぶんには「SEL1224G」でも全くもって困らない。
けれどそこはG Masterレンズというカテゴリーの魔力。
当然ながらズーム全域開放F値2.8という明るい大口径レンズのアドバンテージもあれば、高い解像性能とやわからく自然なボケ味、超高速で高精度なAFまで持ち合わせている
。真っ暗闇の中で夜空に広がる広大なエリアに散りばめられた星をとらえる星景撮影や、激しいスポーツの一瞬の動きを切り取って迫力ある表現を狙いたいという場合など、それぞれに現場でのシビアなシチュエーションにおかれた極限状態で撮る必要がある。
その時にはそのレンズの性能が大きく寄与するのは、自分が言わずとも手練のフォトグラファーなら周知の事実。
道具の性能が、一瞬の一枚を切り抜く手助けになる。
ということで、焦点距離全域でF4の「SEL1224G」とF2.8の から選べるようになったことでより自分に向いているほうをチョイスできるようになった。
次回、参考になるかわからないけれど、レンズをかえて同じ場所を比較撮影してみた画像をチェックしてみたい。
・超広角 G Masterズームレンズ FE 12-24mm F2.8 GM 「SEL1224GM」をソニーストアで触ってきたレビュー。(その2)レンズの撮り比べ画像掲載。
ソニーストアでの先行予約開始は、7月14日(火)10時から。
基本、レンズはマイスターと呼ばれる職人の手によって手磨きで作られているもの。
あの超巨大なレンズをG Masterレンズという非常に厳しい基準をクリアして量産するというのは、どう考えても非常に難しいと思われる。
カメラボディのようにデバイスから構成されたものが生産ラインにのって出来上がるのとは違うので、仮にひと月に生産できる数は限りがある。
そう考えると、今までの比較にならないほどに出荷数は少ないと予想され、すぐに手に入らなくなるなんてことにもなりかねないため、欲しいと決めた人は迷わず購入しよう。
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●FE 12-24mm F2.8 GM 「SEL1224GM」
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●FE 12-24mm F2.8 GM 「SEL1224GM」作例
Sony | 撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:12mm シャッター速度:1/1000秒 絞り値:F2.8
露出補正:±0.0EV ISO:1600 ホワイトバランス:Manual
Sony | 撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:12mm シャッター速度:1/2500秒 絞り値:F2.8
露出補正:-0.8EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | 撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:12mm シャッター速度:1/5秒 絞り値:F5.6
露出補正:±0.0EV ISO:400 ホワイトバランス:Manual
Sony | 撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:13mm シャッター速度:8秒 絞り値:F2.8
露出補正 +0.5 EV ISO:3200 ホワイトバランス:Manual
Sony | 撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:12mm シャッター速度:5秒 絞り値:F8
露出補正 ±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Auto
Sony | 撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:12mm シャッター速度:1/125秒 絞り値:F8
露出補正 +0.3 EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
Sony | 撮影サンプル
レンズ :
焦点距離:12mm シャッター速度:6秒 絞り値:F8
露出補正 ±0.0EV ISO:100 ホワイトバランス:Manual
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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入の際、ショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。
ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
街の中心にある銀座四丁目交差点に面したGINZA PLACE(銀座プレイス)4階~6階。
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」A4出口直結
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 札幌
地下鉄「大通駅」12番出口から徒歩1分。4丁目交差点すぐ
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 名古屋
名古屋市営地下鉄栄駅サカエチカ8番出口。丸栄百貨店南隣
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 大阪
大阪駅/梅田駅から徒歩5分程度。ハービスエント4階
営業時間:11:00~20:00
ソニーストア 福岡天神
西鉄福岡(天神)駅南口から徒歩5分。西鉄天神CLASS
営業時間:11:00~20:00