”静寂”というベクトルと”ワイヤレスでも良い音”というベクトルをあわせもって、”快適さ”を具現化してくれるヘッドホンワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン「WH-1000XM3」。
Bluetooth対応ワイヤレスヘッドホンで業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現したオーバーヘッドタイプの「MDR-1000Xシリーズ」も新しく登場した「WH-1000XM3」で3世代目を迎える。
最初に「MDR-1000X」を装着したときの感動はかなりのもので、たった2年くらいでこれからまだ進化する要素なんてあるの?と言いたくなるところだけれど、2世代目の「WH-1000XM2」すらも置き去りにして、進化した「WH-1000XM3」をレビューしてみる。
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●ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WH-1000XM3」
ワイヤレスでも圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングして高音質再生が楽しめたり、高いノイズキャンセリング性能といざという時に外音を拾える便利さがもあいまってヒットアイテムとなった「MDR-1000X」。
今では、”1000X”がブランドネームに躍進して、”ワイヤレス・イヤホン”の”WI-1000X”、”ワイヤレス・フリー”の”WF-1000X”、”ワイヤレス・ヘッドホン”の”WH-1000X”と3種類のバリエーションに増加。
”1000X”に3世代目の”M3”ということで今回のモデルは「WH-1000XM3」となる。
「WH-1000XM3」ができる使い分けパターンとしては、以下の4通り。
1.ワイヤレス(Bluetooth)+デジタルノイズキャンセリング
2.ワイヤレス(Bluetooth)
3.付属ヘッドホンケーブル(約1.5m)を使ったデジタルノイズキャンセリング
4.付属ヘッドホンケーブル(約1.5m)を使った通常ヘッドホン
まずは変わっていなさそうで地味に進化させてより装着性が高まったヘッドホンの基本構造。
装着性の低反撥ウレタンフォームを立体的に縫製したイヤーパッドとイヤーパッドが内側に倒れ込む構造なので、耳に吸い付くように柔らかくピッタリフィット。
よりイヤーパッドの柔軟性が高まったことで耳周りの側頭部と接する面積も「WH-1000XM2」より約2割増えたことで圧力が分散されるため、より疲れにくく快適に装着性できるように改善。
耳全体が覆われるということは、中からの音漏れもなく気密性の高さから低域もしっかりと出る、ノイズキャンセリング性能も高まるという基本的な向上。
可動部分には、複数のシリコンリングを仕込んで、使っているときに軋んだ音がしたりカタカタといった音がしないように配慮。
ヘッドバンド部は細身でありつつも頭頂部にあたるクッションはよりフィットしやすい形状に改良して、長時間リスニングしても痛くなりにくくなっていたり、「WH-1000XM2」と比べて本体を約20g軽量化(約255g)したことで、長時間使う場合でもより快適な装着性を上げている。
ハウジング部は、折りたためるスイーベル機構になっていて、横向きにしてフラットにする事ができて持ち運び時にはさらに省スペースにできる。
今回見た目に一番変わったのは、SONYロゴと、外部マイクの周辺に縁取られているカラーで、ブラックモデルにはレッドで、プラチナシルバーモデルにはカッパーがアクセントに。
パッと見た感じ判別がつきにくいデザインでも、ここをみれば見ひと目で最新モデルだとわかる。
物理ボタンの形状も、ドライバ本体に埋め込まれていたものから、小さくなりつつも指で触っても判別のしやすいものに変更。
ヘッドホンを装着したままでも、どっちが電源でどっちがNC/アンビエントモード切り替えのボタンかわかる。
このおかげで、上下気にしなくて良くて差し込みやすく、スマホを代表するようにUSB type-Cの機器が増えてきていることもあって共用できるのは良い。
10分の充電で5時間利用できるクイックシャージ機能がかなり便利。。
連続再生時間は、ワイヤレス接続で最大30時間(ノイズキャンセリング機能ON時)の長時間使用ができる。
スマートフォン(AndroidやiPhone)とbluetothで接続するペアリングも、NFCを備えたXperiaやウォークマンとならとっても簡単。
ネックバンド部分の右外側にNFCマークがあるので機器同士を近づければあっという間にペアリング完了。
それ以降も、NFCを近づけるだけで、切断も再接続もワンタッチ。
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●強烈なノイズキャンセリングと周囲の音が聞こえる便利機能。
ワイヤレスで接続するBluetoothの対応コーデックは、SBC、AAC、aptX、 LDAC(エルダック)、aptX HD(48kHz/24bit)に対応
そこに加えて、抜群のデジタルノイズキャンセリング機能。
ヘッドホンの外側と内側に配置した2つのセンサー(マイク)で集音した騒音と、音楽信号をすべてデジタル化して、DNC(デジタルノイズキャンセリング)ソフトウェアエンジンで、「フィードフォワード」、「フィードバック」の2つの方式で騒音を打ち消す効果のある逆位相の音を高精度に作り出すというのが「デュアルノイズセンサーテクノロジー」
ヘッドホンが周囲の騒音を分析して、3つのノイズキャンセリングモードの中から一番適したモードを自動で選択して、ノイキャンの威力は今まで以上に効果を発揮。
ノイキャン特有の耳が圧迫されてるイヤな感じもなく、この静けさを手に入れてしまうと、他のノイズキャンセリングではまず満足できなくなる。
ちなみに2代目の「WH-1000XM2」から気圧センサーが追加され、周囲の気圧の変化に合わせてノイズキャンセリング機能を最適化する機能が加わっている。
「WH-1000XM3」が強烈に凄い進化点は、「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1」を搭載したこと。
従来モデル(「WH-1000XM2」)比で約4倍の処理能力を持っていて、リアルタイムに解析しなければいけないノイズキャンセリングの精度をこの処理能力のおかげで劇的に大きく上げているというのがミソ。
実際に装着したら本当に驚いたこの静寂。
いかに普段から、雑音を耳にしながら生活しているのがわかるあというか、装着してその静けさを味わったあとにヘッドホンをはずして聞こえてくる、空調の音、車の走行音、人や動物の声。
決して無音というわけではないけれど、意識していた音もそうではない音もかき消してしまって、いともかんたんに静寂を手に入れられてしまうのは凄い。
ということは、無理して再生音のボリュームを上げて雑音を紛れさせるという事をしなくても、小さい音量でもきちんと音のニュアンスを聴き取れるし、ベストな状態で音楽を楽しむことができる。
ノイズキャンセリングの効力は強烈で、周囲の雑音がすっかり消えてしまいすぎて逆に困る時もある。
「あっ外の音を聞きたい」という時には、わざわざヘッドホンをはずさなくても、右側のハウジングに大きくタッチするだけで、一時的に聴いている音楽の音量が小さくなって周囲の音をひろってヘッドホン内に流れてくる。(クイックアテンションモード)
とっさのときにとても有効。
ヘッドホンの右側のハウジングは指先でタッチして、音楽再生/一時停止/曲送り/曲戻し、音量調節、ハンズフリー通話/終話といったコントロールもできる。
ボタン配置を覚える必要もないし、不自然な動作にもならなくて使いやすい。
iPhoneの「Siri」や、Androidの「Google Now」といった音声アシスタント機能の起動もできるので、スマートフォンを取り出さずにヘッドホン側の操作と音声操作だけで、電話をかけたり音楽を再生、情報検索といった使い方もできる。
「WH-1000XM2」から備わった、スマホ専用のアプリ「Headphones Connect」。
「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」の、外音取り込みのレベル(22段階)を変えることで、強烈に効果のあるノイズキャンセリングの効き具合を調整して、周囲の音を全てアプリで細かく調整できる。
便利なのは、 シチュエーションがかわることを想定してノイズキャンセリング効果を自動的に調整してくれる「アダプティックサウンドコントロール」。
あらかじめ止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンから、それぞれ外音取り込みのレベルとボイスフォーカスのオンオフを好みで設定しておくことで、スマホの加速度センサーを利用して、自分の行動ごとに自動的に切り替えてくれる。
例えば、
・仕事している時は集中したいからノイズキャンセリングは全開(止まっている時)
・通勤中に歩いてるときは状況がわからないと困るから外音取込は10程度(歩いている時)
・急いで走っているときは危ないから外音取込は20(走っている時)
・電車に乗っているときはノイズはいらないけど車内アナウンスは聴きたいからボイスフォーカスをONに(乗り物にのっている時)
という具合に自分の都合をあらかじめ設定しておけば、あとはその状況になれば自動で変更してくれる。
周囲のガヤガヤはうっとおしい、けれど必要な情報を聞き逃すのは困る、という贅沢な欲求を調整の手間いらずでやってくれる。
音楽がきこえてくる方向を擬似的に変更できる「サウンドポジションコントロール」や、「サラウンド(VPT)」、「イコライザー」といった音質調整。
試験信号音をながして、頭の形や髪型、メガネの有無、装着したズレといった個人差を検出してノイズキャンセリングをベストな状態にあわせてくれる 「パーソナルNCオプティマイザー」。
「音質モード(音質優先モード/接続優先モード)」の切り替えや、バッテリーの持ちに影響する「DSEE HX」のオンオフ、「NC/AMBIENT」ボタンの機能を変更といったこともこのスマホアプリからコントロールできる。
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●コンパクトながらもオーバーヘッドタイプだからこその装着感と大きなドライバーの音質。
ヘッドホンの本体部分は、高域再生が可能な40mmHDドライバーユニット、軽量CCAWボイスコイルを採用。
高域再生が可能な40mmHDドライバーユニット、軽量CCAWボイスコイルを採用して、振動板材料として理想的な特性を持つLCP(液晶ポリマー)にアルミニウム薄膜をコーティングした「アルミニウムコートLCP振動板」を採用。
再生周波数帯域は、4Hz-40,000Hz。
ここまでは従来モデルと同じで音質は変わっていないかと思ったら、ここでも音質にも大きく寄与する「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1」。
ポータブルオーディオ向けとして最高クラスのS/N比と低歪率をあわせ持ったD/A変換回路や、ヘッドホンアンプを内蔵していて、さらには32bitのオーディオ信号処理を行うことで、圧倒的なクリアな音楽再生ができる。
今まで、ソニーといえばフルデジタルアンプ「S-Master HX」と言っても過言ではなかったのに、「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1」推し。
具体的に数値でも現れていて、「WH-1000XM3」の感度は、104.5dB/mW(有線接続、電源ON時)、101dB/mW(有線接続、電源OFF時)。
「MDR-1000X」と「WH-1000XM2」は、103dB/mW(有線接続、電源ON時)、98dB/mW(有線接続、電源OFF時)。
あくまでも有線接続での比較とはいえ、数値としても性能の差がはっきりと出てきている。
常日頃から持ち歩くのは間違いなくスマートフォンで、そうすると必然的に音楽を聴くことも多くなる。
専用の音楽プレーヤー(ウォークマン)を使うならバランス接続というさらなる音質への高みを目指す楽しみ方もあるけれど、日常ある再生機からより良い音で聴けるかを具現化してくれるのが「WH-1000XM3」
ワイヤレス化の波は一挙におしよせてきて、最近のスマートリモコンにはもう有線接続できるステレオミニプラグがない。
そうすると、ワイヤレスでいかに良い音で聴けるか。
「WH-1000XM3」のBluetoothの対応コーデックは、汎用性の高いSBC、AAC、aptXから、より転送ロスが少なくて高音質でヘッドホンに届くLDAC(エルダック)、aptX HD(48kHz/24bit)に対応してワイヤレスの音楽再生環境の幅が広い。
しかも、圧縮音源でもアップスケーリングしてサンプリング周波数とビットレートを最大96kHz/24bitまでアップスケーリングする「DSEE HX」と、強烈にアップグレードした「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1」の恩恵もあって、スマートフォンに不足しがちな量感や音のディティールを補ってあまりある良質な音で楽しめる。
<画像はMDR-1000XとCreative Bluetooth Audio bluetooth USB transceiver 「PS4 BT-W2」。>
「WH-1000XM2」から「WH-1000XM3」になったことで、シンプルにノイズキャンセリングの聴きっぷりが強烈に良くなって、さらに音質まで高めてくれたということになる。
こうなると、bluetoothで接続できれば再生する機器が何でもよくて、「WH-1000XM3」が最大限まで音質を良くしてくれるならなんでもつないでしまいたい。
<参考>
・PlayStation 4からの音声を、Bluetoothで飛ばしてワイヤレスヘッドセット「MDR-1000X」をフル活用したい。
・テレビからのアナログ音声をBluetoothに変換して、家でもワイヤレスヘッドセット「MDR-1000X」を活用しよう。
・ホームシアターシステムにつないだ機器もテレビの音も、ワイヤレスヘッドセット「MDR-1000X」を連携させてたっぷり堪能しよう。
持ち運び用のキャリングケースが付属してるのだけど、これがまたコンパクトでおしゃれ。
ヘッドホン以外にも、航空機用プラグアダプター専用ポケットや有線ケーブルとかも入れるポケットもあるので、まるまる一式を持ち運べばカバンにもスッポリと収まる。
付属しているステレオミニプラグをつなげば有線接続としても使えるのはもちろんのこと、航空機用アダプターも付属しているのでワイヤレス機器を使えない飛行機内でも有線ヘッドホンとして使える。
有線接続できると、万が一のバッテリー切れにも使えたり、より良い音で聴きたいといったときにも使えて汎用性があるのも良い。
オーバーヘッドタイプのヘッドホンは室内で使うものだし、外に持ち運ぶのは億劫になりがちなのに、性能の高さとコンパクトさと可搬性があわせもって異常なほどにいつでも持ち運びたくなる。
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●心地よい音って何?がこれほどわかりやすいヘッドホンはない「WH-1000XM3」。
ふつうたった1年くらいのモデルチェンジでよっぽどのガジェットでないと買い換える気はおきないけれど、「WH-1000XM2」から「WH-1000XM3」への進化っぷりが凄い。
「WH-1000XM2」が劣っているとかではなくて、一度ワイヤレスでこのノイズキャンセリングと高音質を知ってしまったからこそ、さらに高みへ連れていってくれる「WH-1000XM3」がたまらなく魅力的に感じてしまう。
おそらく初めて使ったひとなら「MDR-1000X」、「WH-1000XM2」どっちを使っても快適だと思うはず。
ただ知ってしまったら、良いほうを味わってしまったら頭から離れなくなってしまう。
前向きに欲しいぞと思えば「WH-1000XM3」を一度現物で体験してみると良い。
”音”という視覚的に現せない世界で、ここまでわかりやすく、静寂というベクトルとワイヤレスでも良い音というベクトルをあわせもって、ほら良いでしょ!を示してくれるヘッドホンはないんじゃないかと。
弱点はずっとつけてると暑いよということだけ。
いや、それすら許容しても強烈に欲しくなるヘッドホン。
・ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WH-1000XM3」をソニーストアで触ってきたレビュー。ノイキャンの静寂っぷりと音質の心地よさがツボにハマる。
・ワイヤレスと至高のノイズキャンセリングと高音質を堪能できるワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン「WH-1000XM3」登場。前モデル比で約4倍の処理能力の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1」を搭載。
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●ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WH-1000XM3」
ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセットWH-1000XM3
ソニーストア販売価格:39,880円(税別)
●長期保証<3年ベーシック>付
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