VAIO typeT(TTシリーズ)の本体を分解(後編)
・VAIO typeT(TTシリーズ)の本体を分解(前編)の続き。
【CAUTION!注意!】
本体を分解して故障させると、
ソニースタイルの保証、メーカー保証対象外のため
有償修理、もしくは修理不能となる可能性があります。
この記事を読んで同様の事をして、
万が一生じた損害は全て自己責任となり、
当方やメーカーは一切その責を負いません。
その事を承知いただいた場合のみ
以下どぞ。
一部を除き、サムネイル画像をクリックすると
大きめの画像で確認できる。
-----------------------
<typeT(TTシリーズ)のメイン基盤>
メイン基盤やストレージ、光学ドライブが
びっしりと敷き詰められたVAIO typeT(TTシリーズ)の本体内部。
あいかわらず、本体の器の大半をしめているのが光学ドライブで、
その横に1.8インチサイズのストレージの場所、
そして残りのスペースにメインのマザーボードを収める。
この限られたメイン基盤の面積の中に
最新のチップセット「モバイル インテル GS45 Express チップセット」
を搭載させて、
結果としてBDを再生できるまでになっている。
そのマザーボードの上に、のっかっているのは
なんと2枚のメインメモリーのうちの1枚。
てっきり、オンボードで固定されるものかと思ったら、
きちんと、メモリースロットを持っていて
メモリーの付けはずしもできるようになっていた。
もう1枚のメモリーは、
本体の底面のカバーをはずした場所にあって、
後からでも、メモリーを増設や交換する事が出来る。
けれどもVAIOのHPには、
この内側にあるメモリーのほうは交換できない
というような書き方がされていたけど、
こうやって本体を分解さえすれば
内部のメモリーも交換は可能という事になる。
これが、VAIO typeT(TTシリーズ)から取り外した2枚のメモリー。
使われているのは、PC3-6400(DDR3-800) の
240ピンDDR3 SDRAM DIMMのメモリーモジュール。
消費電力は抑えつつも高速な転送速度、
それにこのサイズのPCでもデュアルチャンネルとなった事での
パフォーマンスの向上が期待できる。
この図は、マザーボードを極力横から見た状態で、
マザーボードの1枚板の上の面に1枚のメモリースロット、
そして下の面にもう1枚のメモリースロットを配置。
マザーボードの基盤の厚さプラス
メモリースロットが上下2つ分の厚さを必要として、
その結果として下側のメモリースロットの厚さ分を確保するために、
本体の底面は、膨らむ結果となった。
とは言いつつも
メモリーのためだけの膨らんだ空間ではなくて、
マザーボードの下の面に、
CPUやグラフィックチップがくっついていて、
その空間を利用する事で排熱効率を高めているという事らしい。
-----------------------
<狭いスペースで可能になるSSDのストライピング>
ストレージは、本体の左手前、
パームレストのあたりというのが定番。
今回のモデルは、SSD2枚を利用したストライピングのタイプ。
金属のアームで固定されていて、
本体の底面からのネジで固定されている部分はすでにはずれているので
残り1箇所のネジさえはずせば取り出しできるようになる。
ここで、
SSDにつながったフラットケーブルは、非常に特殊な形をしていて、
まずはストライピングとなる2つの反対向きになったSSDと
両サイドからシリアルATAで接続して、
そしてさらに、
ちょうど真横にある光学ドライブにシリアルATAコネクタで接続、
最終的にマザーボードとつながるという
非常に効率の良いつなぎ方になっている。
このフラットケーブルを見ると
最初からSSDを2つ接続する事を前提につくられたもののようで、
SSDのシングルや、2.5インチHDD単体モデルの場合には、
同じフラットケーブルが採用されているかどうかは不明。
カスタマイズによって
このフラットケーブルの形状は違っている可能性が高い。
はずす時の注意点とすれば、
マザーボードとつながる接続部分の端子が非常にデリケートで、
小さなカバーを起こす時に無理に力をかけると
割れてしまう可能性があるので慎重に。
1つのSSDに対して3つの小さなネジで固定されていて
両面はずしてやればSSDを取り出せる。
SSDは、Samsung製の「MMCQE28GFMUP-MVA」。
“MM”で始まる製品型番なので「MLCチップ」を採用、
容量は128GBでそれが2枚構成となるので合計で256GB。
今までは、
VAIO typeTのような小さなサイズの本体には、
1.8インチのHDD程度しか積めなかったために
そこが足をひっぱる原因になっていた。
けれどSSDの登場で高速化したのはもちろん、
こういった薄い1枚板のSSDだからこそ
限られたスペースで、ストライピング構成を作る事ができて
超高速なモバイルPCが作れるという事になる。
-----------------------
<極小ボディに搭載できるブルーレイディスクドライブ>
全体を眺めていると、本体の半分を占有してるんじゃないか?
と思えるほどの光学ドライブ。
これも、4箇所のネジで本体に固定されているけれど、
上側の2ヶ所は既に本体底面からのネジと連動していて
既にはずれているので、
実質手前2ヶ所のネジを取ってしまえば、
光学ドライブは簡単に切り離せる。
このブルーレイディスクドライブは、Panasonic製の「UJ232A」。
VAIO typeZやVAIO typeSに採用されているブルーレイディスクと同じ
密閉式でスリムタイプのドライブ。
BD性能だけ上げれば
BD-ROMの読み込みで約2倍、
書き出しがBD-RE、BD-Rともに2層で1倍速、1層で2倍速。
もちろんDVDやCDの読み出し書き出しにも対応。
シリアルATAコネクタ1系統。
イジェクトトレイのベゼル部分に、
本体のシルバーのサイドラインとなるパーツが装着されていて
取り付けられると本体と綺麗に一体化する。
こういったドライブが、
単体で販売されていれば、光学ドライブの換装もできそうな気もするけど
だいたいメーカーにしか出荷されていないパーツも多くて入手困難で
デスクトップの5インチベイ規格のように
後から載せ換えというのは非常に難しい。
出先で録画したブルーレイディスクを高画質のまま見たい
というような必要性を感じているのであれば、
最初に搭載してしまったほうが後悔する事もない。
-----------------------
<その他 etc>
ストレージと光学ドライブのユニットをとりはずした
残りの本体側を見ると、
実質的にVAIO typeT(TTシリーズ)の中に残るパーツは、
たったのこれだけなのか?と思ってしまうほど少ない。
1.8インチのストレージとか、
12cmのディスクを回転させるドライブ
といった具合に、規定で大きさが決まってるので
そのスペースは確実に消費されてしまって、
こういった残されたパーツを
小型化していくしかないというのがノートPCのつらい部分ではある。
VAIO typeT(TTシリーズ)と以前のTZと根本的に違う部分は、
液晶ディスプレイのヒンジ周り。
シリンダーカバーがキーボード天板とは別のパーツ構成になっていて
分解するには、
左右にあるシリンダーカバーを取りはずさなくて良くなった分、
その難易度が随分と下がっている気がする。
たぶん、こうしたほうが
液晶ディスプレイの頻繁な開け閉めを繰り返しても
本体から液晶ディスプレイに伝わる配線が
万が一ひっかかってしまう可能性もなくす事ができるのだろう。
マザーボードは、本体の左奥側に配置されていて、
そこからいろんな役割を持つパーツにフラットケーブルで
つながれている。
特に左側面に端子類やスロット系が集まっていて
左奥にHDMI端子、
左手前にUSB端子やi.Link端子、
メモリースティック、SDカードのスロット用のユニットなど、
中身を見ると計算された配置関係なのがよくわかる。
マザーボードと隣接したファンも左側面に位置していて
このファンで、内部に貯まる熱を外へ逃がすようにもなっている。
それと、
光学ドライブで隠れる奥の位置に、
ワンセグのチューナーが見える。
ちょうどこの位置から、
本体の右側面に同軸のコネクタ、
液晶ディスプレイのベゼルの右側面にあるアンテナへと
配線が伝わっているのも見てとれる。
-----------------------
VAIO typeT(TTシリーズ)の中身はこんな感じかな。
TZシリーズのシリンダーはずしのように
ものすごく苦労するようなパーツがない、というか
ただ上下に分割するだけで
そのひっかかり具合も強烈なものでもなくて
非常にバラしやすかったというのがVAIO typeZと共通の感想。
ただし、
ネジ点数が結構多い事と
微妙に長さ違うものが多いので、
元にもどす時に間違えないように注意。
そうすれば、
後から、メモリーやHDD、SSDといったパーツの
交換は自力でも出来そうだ。
こういった作業(というか保証が切れる)がしたくない場合には、
ソニーが専用で用意した
「SSDアップグレードサービス」を利用したほうが
手っ取り早かったりもする。
・ハイパフォーマンスとハイクオリティを手に入れたVAIO typeT(その1)
・ハイパフォーマンスとハイクオリティを手に入れたVAIO typeT(その2)
・SSDとBDドライブを搭載した新「VAIO typeT」
・VAIO typeZとVAIO typeTの「SSDアップグレードサービス」
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VAIO typeT(TTシリーズ)の本体を分解(後編)
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【CAUTION!注意!】
本体を分解して故障させると、
ソニースタイルの保証、メーカー保証対象外のため
有償修理、もしくは修理不能となる可能性があります。
この記事を読んで同様の事をして、
万が一生じた損害は全て自己責任となり、
当方やメーカーは一切その責を負いません。
その事を承知いただいた場合のみ
以下どぞ。
一部を除き、サムネイル画像をクリックすると
大きめの画像で確認できる。
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<typeT(TTシリーズ)のメイン基盤>
メイン基盤やストレージ、光学ドライブが
びっしりと敷き詰められたVAIO typeT(TTシリーズ)の本体内部。
あいかわらず、本体の器の大半をしめているのが光学ドライブで、
その横に1.8インチサイズのストレージの場所、
そして残りのスペースにメインのマザーボードを収める。
この限られたメイン基盤の面積の中に
最新のチップセット「モバイル インテル GS45 Express チップセット」
を搭載させて、
結果としてBDを再生できるまでになっている。
そのマザーボードの上に、のっかっているのは
なんと2枚のメインメモリーのうちの1枚。
てっきり、オンボードで固定されるものかと思ったら、
きちんと、メモリースロットを持っていて
メモリーの付けはずしもできるようになっていた。
もう1枚のメモリーは、
本体の底面のカバーをはずした場所にあって、
後からでも、メモリーを増設や交換する事が出来る。
けれどもVAIOのHPには、
この内側にあるメモリーのほうは交換できない
というような書き方がされていたけど、
こうやって本体を分解さえすれば
内部のメモリーも交換は可能という事になる。
これが、VAIO typeT(TTシリーズ)から取り外した2枚のメモリー。
使われているのは、PC3-6400(DDR3-800) の
240ピンDDR3 SDRAM DIMMのメモリーモジュール。
消費電力は抑えつつも高速な転送速度、
それにこのサイズのPCでもデュアルチャンネルとなった事での
パフォーマンスの向上が期待できる。
この図は、マザーボードを極力横から見た状態で、
マザーボードの1枚板の上の面に1枚のメモリースロット、
そして下の面にもう1枚のメモリースロットを配置。
マザーボードの基盤の厚さプラス
メモリースロットが上下2つ分の厚さを必要として、
その結果として下側のメモリースロットの厚さ分を確保するために、
本体の底面は、膨らむ結果となった。
とは言いつつも
メモリーのためだけの膨らんだ空間ではなくて、
マザーボードの下の面に、
CPUやグラフィックチップがくっついていて、
その空間を利用する事で排熱効率を高めているという事らしい。
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<狭いスペースで可能になるSSDのストライピング>
ストレージは、本体の左手前、
パームレストのあたりというのが定番。
今回のモデルは、SSD2枚を利用したストライピングのタイプ。
金属のアームで固定されていて、
本体の底面からのネジで固定されている部分はすでにはずれているので
残り1箇所のネジさえはずせば取り出しできるようになる。
ここで、
SSDにつながったフラットケーブルは、非常に特殊な形をしていて、
まずはストライピングとなる2つの反対向きになったSSDと
両サイドからシリアルATAで接続して、
そしてさらに、
ちょうど真横にある光学ドライブにシリアルATAコネクタで接続、
最終的にマザーボードとつながるという
非常に効率の良いつなぎ方になっている。
このフラットケーブルを見ると
最初からSSDを2つ接続する事を前提につくられたもののようで、
SSDのシングルや、2.5インチHDD単体モデルの場合には、
同じフラットケーブルが採用されているかどうかは不明。
カスタマイズによって
このフラットケーブルの形状は違っている可能性が高い。
はずす時の注意点とすれば、
マザーボードとつながる接続部分の端子が非常にデリケートで、
小さなカバーを起こす時に無理に力をかけると
割れてしまう可能性があるので慎重に。
1つのSSDに対して3つの小さなネジで固定されていて
両面はずしてやればSSDを取り出せる。
SSDは、Samsung製の「MMCQE28GFMUP-MVA」。
“MM”で始まる製品型番なので「MLCチップ」を採用、
容量は128GBでそれが2枚構成となるので合計で256GB。
今までは、
VAIO typeTのような小さなサイズの本体には、
1.8インチのHDD程度しか積めなかったために
そこが足をひっぱる原因になっていた。
けれどSSDの登場で高速化したのはもちろん、
こういった薄い1枚板のSSDだからこそ
限られたスペースで、ストライピング構成を作る事ができて
超高速なモバイルPCが作れるという事になる。
-----------------------
<極小ボディに搭載できるブルーレイディスクドライブ>
全体を眺めていると、本体の半分を占有してるんじゃないか?
と思えるほどの光学ドライブ。
これも、4箇所のネジで本体に固定されているけれど、
上側の2ヶ所は既に本体底面からのネジと連動していて
既にはずれているので、
実質手前2ヶ所のネジを取ってしまえば、
光学ドライブは簡単に切り離せる。
このブルーレイディスクドライブは、Panasonic製の「UJ232A」。
VAIO typeZやVAIO typeSに採用されているブルーレイディスクと同じ
密閉式でスリムタイプのドライブ。
BD性能だけ上げれば
BD-ROMの読み込みで約2倍、
書き出しがBD-RE、BD-Rともに2層で1倍速、1層で2倍速。
もちろんDVDやCDの読み出し書き出しにも対応。
シリアルATAコネクタ1系統。
イジェクトトレイのベゼル部分に、
本体のシルバーのサイドラインとなるパーツが装着されていて
取り付けられると本体と綺麗に一体化する。
こういったドライブが、
単体で販売されていれば、光学ドライブの換装もできそうな気もするけど
だいたいメーカーにしか出荷されていないパーツも多くて入手困難で
デスクトップの5インチベイ規格のように
後から載せ換えというのは非常に難しい。
出先で録画したブルーレイディスクを高画質のまま見たい
というような必要性を感じているのであれば、
最初に搭載してしまったほうが後悔する事もない。
-----------------------
<その他 etc>
ストレージと光学ドライブのユニットをとりはずした
残りの本体側を見ると、
実質的にVAIO typeT(TTシリーズ)の中に残るパーツは、
たったのこれだけなのか?と思ってしまうほど少ない。
1.8インチのストレージとか、
12cmのディスクを回転させるドライブ
といった具合に、規定で大きさが決まってるので
そのスペースは確実に消費されてしまって、
こういった残されたパーツを
小型化していくしかないというのがノートPCのつらい部分ではある。
VAIO typeT(TTシリーズ)と以前のTZと根本的に違う部分は、
液晶ディスプレイのヒンジ周り。
シリンダーカバーがキーボード天板とは別のパーツ構成になっていて
分解するには、
左右にあるシリンダーカバーを取りはずさなくて良くなった分、
その難易度が随分と下がっている気がする。
たぶん、こうしたほうが
液晶ディスプレイの頻繁な開け閉めを繰り返しても
本体から液晶ディスプレイに伝わる配線が
万が一ひっかかってしまう可能性もなくす事ができるのだろう。
マザーボードは、本体の左奥側に配置されていて、
そこからいろんな役割を持つパーツにフラットケーブルで
つながれている。
特に左側面に端子類やスロット系が集まっていて
左奥にHDMI端子、
左手前にUSB端子やi.Link端子、
メモリースティック、SDカードのスロット用のユニットなど、
中身を見ると計算された配置関係なのがよくわかる。
マザーボードと隣接したファンも左側面に位置していて
このファンで、内部に貯まる熱を外へ逃がすようにもなっている。
それと、
光学ドライブで隠れる奥の位置に、
ワンセグのチューナーが見える。
ちょうどこの位置から、
本体の右側面に同軸のコネクタ、
液晶ディスプレイのベゼルの右側面にあるアンテナへと
配線が伝わっているのも見てとれる。
-----------------------
VAIO typeT(TTシリーズ)の中身はこんな感じかな。
TZシリーズのシリンダーはずしのように
ものすごく苦労するようなパーツがない、というか
ただ上下に分割するだけで
そのひっかかり具合も強烈なものでもなくて
非常にバラしやすかったというのがVAIO typeZと共通の感想。
ただし、
ネジ点数が結構多い事と
微妙に長さ違うものが多いので、
元にもどす時に間違えないように注意。
そうすれば、
後から、メモリーやHDD、SSDといったパーツの
交換は自力でも出来そうだ。
こういった作業(というか保証が切れる)がしたくない場合には、
ソニーが専用で用意した
「SSDアップグレードサービス」を利用したほうが
手っ取り早かったりもする。
・ハイパフォーマンスとハイクオリティを手に入れたVAIO typeT(その1)
・ハイパフォーマンスとハイクオリティを手に入れたVAIO typeT(その2)
・SSDとBDドライブを搭載した新「VAIO typeT」
・VAIO typeZとVAIO typeTの「SSDアップグレードサービス」
【VAIO typeT特集ページ】