ソニーが基本的に好き!

VAIO typeZに、Intel製1.8インチSSD「X18-M」をRAID 0で動作させてみる。

iconicon
以前、
VAIO typeZiconの1.8インチSSDを搭載したモデルの
SSDを換装しようとして失敗の続き。

・2.5インチSSDを2コ使って、VAIO typeZでRAID0にチャレンジ(失敗編)

VAIO typeZiconVAIO typeTiconの内部の仕様として、
VAIOオーナーメードでHDDを選択した場合は、
内部には、「2.5インチHDD」と
それを接続する“SATA”のインターフェースとなるのに対して、
SSD、もしくはSSD RAIDを選択した場合は、
「1.8インチSSD」が内蔵され、
それをつなくインターフェースは、“MicroSATA”となっていて
お互いに互換性がない。

そのため、
VAIO typeZiconVAIO typeTiconのSSD搭載モデルを、
これから換装しようとすると
2.5インチのSSDではなく、
1.8インチのSSDを用意する必要がある。

今まで
去年から今年の頭にかけては、
1.8インチのSSDというのがあまり世の中で流通していないなかったのだけど
最近になってようやく
Intel製やSamsung製、PhotoFast製の1.8インチSSDが登場し始めたので、
自分のお気に入りのIntel製SSDを入手してみた。

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<Intel製MLCタイプの1.8インチSSD「X18-M」>


Intel製の1.8インチSSDで型番は「SSDSA1MH080G101」、
通称「X18-M」。
MLCタイプのフラッシュメモリを採用していて
インターフェースは当然MicroSATA。

公称値で、
読み込み最大250MB/s、書き込み最大70MB/s
というのは、2.5インチタイプの「X25-M」の性能と同等。

リードレイテンシは85μs、
消費電力がアクティブ時0.15W、アイドル時0.06W。

このモデルは50nmプロセスで作られたもので
つい最近、34nmプロセスとなったタイプも発表されている。

・Intelから34nmプロセスとなった新しいSSD「X25-M、X18-M」発表!


確認のために
VAIO typeZiconに搭載されているSamsung製のSSDと比べてみる。

当たり前の事ではあるけど
タテとヨコのサイズは、ほぼ狂いなく同サイズ。

内蔵されていたSamsung製SSDは、
基盤剥き出しタイプなのでより薄くて軽いのが印象的で
Intel製SSD「X18-M」は、
ケースに覆われている分だけほんの少し重くなる以外の差はない。


MicroSATA規格では、
信号をやりとりする7ピンのコネクタ、
電源をやりとりする9ピンのコネクタの
2つから構成されている。

SSDを搭載したVAIO typeZiconの接続ケーブルは、
7ピン+9ピンのメスになっていて、
Intel製SSD「X18-M」のコネクタ形状は、
7ピン+9ピンのオスになっているので
何の問題もなくスムーズに接続ができる。


2枚の「X18-M」を交互にクロスさせる状態で
接続すれば、
サイズ的にも綺麗に本体のストレージスペースに余裕で収まる。

ただし、
もともと使われていたSSD用の金属アームとは
接続する事はできないので、
もしも本気で使おうと思うと、
何らかしらの方法で、SSDが内部で動いたりしないように
内部で固定してあげる必要がある。

今回はひとまずつながったところまでで
そのままSSDのスピードのテストを続行する。

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<素の状態で「X18-M」のベンチマークテスト>

早速、VAIO typeZiconをリカバリーしてベンチマークを測定!
と行きたいところだけど、
それでは「X18-M」の性能全てのデータを取れないので、
まずは、
「X18-M」を1枚の状態と、
2枚を使ってのRAID 0設定にした状態それぞれで
デスクトップPC(VAIO typeR master)からのみ計測できる
書き込みテストを含めてHD Tune Proでベンチマークを調べてみる。

これで、OSが入る前の
データの何も入っていないブランク状態の
ある意味純粋な性能がわかる。

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●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)

・Intel製「X18-M」SSDSA1MH080G101 x1

  『Read 64K』            『Read 512K』

  『Read 8MB』            『Random Access Read』

・Intel製「X18-M」SSDSA1MH080G101 x2(RAID 0)

  『Read 64K』            『Read 512K』

  『Read 8MB』            『Random Access Read』

まずは、「X18-M」単体。
読み込みにおいては、64Kのみが220MB/sで
512KB、8MBでは、公称値の250MB/sを示していて
かつ非常に安定的なグラフなのが特徴。

「X18-M」x2(RAID 0)では
64KBでは230MB/sと意外と振るわなかったものの
512KB、8MBでは、440~470MB/sという劇速っぷりを発揮。

ランダムテストも非常に高速で、
512byte、4KB、64KBといった小さいブロックでは
「X18-M」単体のほうがなぜか
「X18-M」x2(RAID 0)よりも速い。

●HD Tune Pro 3.50(書き込みテスト)

・Intel製「X18-M」SSDSA1MH080G101 x1

  『Write 64K』            『Write 512K』

  『Write 8MB』            『Random Access Write』

・Intel製「X18-M」SSDSA1MH080G101 x2(RAID 0)

  『Write 64K』            『Write 512K』

  『Write 8MB』            『Random Access Write』

「X18-M」単体では
グラフは若干乱れるものの
公称値となる70MB/sという速度をきちり発揮。

「X18-M」x2(RAID 0)では
64KBでは約90MB/sと意外と単体時の1.5倍、
512KB、8MBでは、2倍以上となる約130MB/sという
書き込みの速度の向上がみられる。

ランダムテストでは
512byte、4KB、64KBといった小さいブロックでは
どちらもほぼ同程度で
1MBやRANDAMでは「X18-M」x2(RAID 0)のほうが速い結果。

このSSDがブランク状態でのテストでは、
Intel製SSD「X18-M」の公称値に偽りのない
非常に安定した速度が見てとれた。

「X18-M」を2枚でRAID 0にすると、
小さいブロックから大きめのブロックになればなるほど
その高速性を発揮しているのを確認できた。

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<VAIO typeZに装着してベンチマークテスト>

そして、ここからが、
改めてVAIO typeZにIntel製SSD「X25-M」を2枚装着して
RAID 0の状態でリカバリーをして、
Windows Vista上で
各種のベンチマークをテストをしたもの。


「X18-M」の80GBをRAID 0としているので
ディスクの総容量は、1490.5GB。

そのうちリカバリ領域に9.79GBを使用しているので
Cドライブは、139.27GBとなる。

さらに、そこにシステム(Windows Vistaやアプリケーション)が
インストールされるので、
残りの空き容量としては105GBとなっている。

ブランク状態であれば、
上記テストのようなメーカー公称値を発揮する結果がでたけれど、
今回は、データが書き込まれている状態になると
そのパフォーマンスは維持できるのかどうかがキモ。

もともと
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」iconに搭載されている
Samsung製SSD「MMCRE64GFMXP-MVB」x2の
RAID 0も非常に高速なので、比較してみる事にする。

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●CrystalDiskMark2.2

・Z92シリーズへ換装した
Intel製「X18-M」SSDSA1MH080G101 x2(RAID 0)


   『100MB』              『1000MB』

・Z92シリーズ搭載SSD
Samsung製「MMCRE64GFMXP-MVB」x2(RAID 0)


   『100MB』              『1000MB』

シーケンシャルの最大読み込みスピードは
どちらも300MB/sを超え。
読み込みのランダムアクセスも
512K、4Kともにほぼ同じくらいでどちらも非常に高速。

また、シーケンシャルの最大の書き込みは
Samsung製SSD(RAID 0)のほうが速い。
唯一、ランダム4Kの書き込みだけは
Intel製SSD「X18-M」(RAID 0)の数値が高い。

CrystalMarkの結果を見る限りでは
どちらも激速には変わりなく
ほぼ同じ速さという事になる。

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●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)

・Z92シリーズへ換装した
Intel製「X18-M」SSDSA1MH080G101 x2(RAID 0)


  『Read 64K』            『Read 512K』

  『Read 8MB』            『Random Access Read』

  『File Benchmark』

・Z92シリーズ搭載SSD
Samsung製「MMCRE64GFMXP-MVB」x2(RAID 0)


  『Read 64K』            『Read 512K』

  『Read 8MB』            『Random Access Read』

  『File Benchmark』

HD Tune Proでの読み込みベンチマークでは、
Intel製SSD「X18-M」(RAID 0)の平均値が、
64KBで約163MB/s、512KBで286MB/s、8MBで314MB/s、
Samsung製SSD(RAID 0)の平均値が
64Kで175MB/s、512Kで289MB/s、8MBで303MB/s、
という非常に似通った結果で
どのエリアにおいてもグラフは非常に安定的。

ランダムアクセスのテストは
どちらも高速ながら
微妙にSamsung製SSD(RAID 0)のほうが良好。

ファイルベンチマークのテストは
リード性能は同じものの
ライト性能ではSamsung製SSD(RAID 0)のほうがかなり良い結果となっている。

HD Tune Proでは、
Samsung製SSD(RAID 0)に軍配が上がる。

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●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
マルチコア/スレッドに対応。

VAIO typeZ「VGN-Z92JS」icon

左)Samsung製SSD(RAID 0) 右)Intel製「X18-M」(RAID 0)

System Test Suite(PCMarks)    :8790   8962
HDD_XP Startup(MB/s)          : 94.81   126.78
Physics and 3D(FPS)            :237.69    184.8
TransParent Windows(Windows/s) :5453.97  5672.85
3D_Pixel Shader(FPS)            :64.1    64.05
Web Page Rendering(Pages/s)     :3.33   3.03
File Decryption(MB/s)           :82.4  79.33
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS): 891.78 795.22
HDD_General Usage(MB/s)        :49.52   59.41
Audio Compression(kB/s)        : 2038.16  2045.64
Video Encoding(KB/s)           : 677.73   721.32
Text Edit(Pages/s)             : 116.52   157.68
Image Decompression(MPixeles/s)  :32.68    42.06
File Compression(MB/s)          :8.09   7.01
File Encryption(MB/s)            :35.35   38.63
HDD Virus Scan(MB/s)           : 83.54   64.28
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s):9.82 9.75

より実用に近い詳細評価を見ると
ストレージの速さからくるスコア(オレンジ色)では
大きくは変わらないものの
多少なりともIntel製SSD「X18-M」(RAID 0)のほうが
速い数値を出している。

-・-・-・-・-・-・-・-

●PCMark Vantage Advanced Edition
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフトの最新版。
より実用的なベンチマークを細かくチェック。

VAIO typeZ「VGN-Z92JS」icon

左)Samsung製SSD(RAID 0) 右)Intel製「X18-M」(RAID 0)

HDD Test Suite    :23550   23743
HDD Windows Defender(MB/s)        :111.77  109.57
HDD gaming(MB/s)                 :114.19  113.97
HDD importing pictures to(MB/s)      :129.29  91.31
HDD Windows Vista startup(MB/s)     :129.75  143.79
HDD video editing using Windows(MB/s):91.5  105.25
HDD Windows Media(MB/s)           :136.99  141.47
HDD adding music to Windows(MB/s)   :80.72  79.79
HDD application loading(MB/s)        :96.92  115.08

細かなストレージテストをチェックしても
その差は少なく、
写真の取り込みは、Samsung製SSD(RAID 0)が、
Vistaのスタートアップとアプリケーションの読み出しは
Intel製SSD「X18-M」(RAID 0)が
少し良さそうにも見える程度。

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<Windowsの起動と終了、休止と復帰>

iconicon
実際のWindowsの起動や終了、休止と復帰の
速度をストップウォッチで計測したらどんなものかも掲載。

VAIO typeZ「VGN-Z92JS」icon
左)Samsung製SSD(RAID 0) 右)Intel製「X18-M」(RAID 0)

『Windows Vista起動』
Windows Vistaロゴ表示    ・・・約32秒  約33秒
画面切り替わり壁紙出現     ・・・約43秒  約41秒
サイドバーガジェット表示     ・・・約45秒  約45秒
IE8に「Yahoo!Japan」を表示 ・・・約52秒  約54秒

『終了』・・・約12秒  約12秒
『休止』・・・約47秒  約57~80秒
『復帰』・・・約35秒  約33秒

Windowsの起動や終了は非常に早く
ストップウォッチでの押すタイミングの誤差を含むと
その差までは計測できない。

ただし一点だけ気になるとすれば、
Intel製SSD「X18-M」(RAID 0)での休止状態へ移行する場合、
何度やっても時間がかかってしまって、
多用するにはネックになりそうな感じだった。

その点、
Samsung製SSD(RAID 0)は全てにおいて優秀だった。

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実際に使ってみると
Intel製SSD得意のランダムアクセスの高速性はとても感じられて
非常に快適なのは間違いないのだけど、
VAIO typeZ「VGN-Z92JS」iconから搭載してきた
Samsung製SSDが非常に快適なために
全然驚けない結果に終わってしまった。

それに、
VAIOオーナーメードでカスタマイズする
SSDの価格は非常にリーズナブルで、
新たにVAIO typeZを手に入れるのなら
あえて後からの換装を考えずとも
最初からSSD構成を選択したほうが手っ取り早い。

どちらかというと、
それよりも前のモデル
「VGN-Z90シリーズ」「VGN-Z91シリーズ」
SSDを搭載していて、
さらに大容量かつ高速なSSDをと思った場合には、
このIntel製SSD「X18-M」に換装してみる価値があるのかな?
という感じ。

今まで、
1.8インチのSSDが全く流通してなかった頃に比べれば
こうやって手に入るようになった事こそがうれしい事かなと。

【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】

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4件のコメント

  1. nyaa より:

    ランダムの書き込み動作が入るのは苦手みたいですね
    旧型とはいえ、1.8インチのはお目にかかった事がないのでおもしろかったです
    出来ればカバー剥いだ基盤もみてみたい(爆)

  2. kunkoku より:

    >nyaaさん
    もうちょっとがんばってくれるかと思ったんですが、
    現行VAIO typeZに搭載できるSamsung製SSDが優秀すぎて、
    ちっともすごいと思えない結果になっちゃいましたね(^^ゞ
    というか、今回のtypeZのSSDの値段の安さとパフォーマンスの高さは反則です(笑)
    えっと、
    最初は、カバーを剥がしてみる気まんまんだったんですが、
    34nmプロセスのSSDが出るのがわかっちゃったので、
    これはおそらく近いうちに手放して、34nm版の「X18-M」に買い換えようとたくらんでいますw
    で、その時にはカバー剥がして、typeZにガッチリ装着できる金具でも作ろうかと思ってますww

  3. JP より:

    TT90NSを所有しています。
    X18-Mに載せ替えようかと考えていました。
    X18-Mはいくらで購入しましたか??

  4. kunkoku より:

    >JPさん
    X18-Mですが、並行輸入のものを購入しました。
    えっと確か1個が4万円ちょっとだったと思います(汗
    高いですよね(^_^;)