Intel製34nmプロセスSSD「X25-M」をVAIO typeTに載せる。
今回は、
Intelの34nmプロセスになった新型SSD「SSDSA2M080G2GC」。
------------
SSDとしてはMLCタイプで、
従来の50nmプロセスから34nmプロセスへと変更されたのが最大の特徴。
製造ラインに恩恵が及ぶところで
1年前に発売された時点での価格からすれば
最大で60%もコストダウンになったと言われる。
(従来モデルは既に値下がりしているけど。)
容量は、80GBと160GBの2種類で
シーケンシャルの性能としては
読み込み最大250MB/sec、書き込み最大70MB/sec
という点では従来モデルと同じだけど
ランダム性能は向上しているらしい。
ちなみに、
現在、BIOSからHDDパスワードを有効にした後に
パスワードを再度変更、もしくは無効にすると
SSDが使えなくなってしまうという不具合が発覚したために
市場では枯渇状態。
修正され次第復旧する見通しと、
既出モデルに関しては、近日中にファームウェアアップデートで修正予定。
・Intelから34nmプロセスとなった新しいSSD「X25-M、X18-M」発表!
------------------
<32nmプロセス「X25-Mのベンチマークテスト>
まずは、
34nmプロセス「X25-M」の性能を
デスクトップPC(VAIO typeR master)に装着して
データの入っていない空の状態で
HD Tune Proでベンチマークを調べてみる。
●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)
『Read 64K』 『Read 512K』
『Read 8MB』 『Random Access Read』
読み込みにおいては、64Kのみが平均220MB/sで
512KB、8MBでは、255~259MB/sと
公称値どおり非常に高速かつ安定的なグラフとなっている。
ランダムテストは、
もちろんかなり速い結果とはなっているものの
50nmプロセスの1.8インチ「X18-M」と
特に変わらないというか、
それほど突出した性能は見受けられず。
●HD Tune Pro 3.50(書き込みテスト)
『Write 64K』 『Write 512K』
『Write 8MB』 『Random Access Write』
64KB、512KB、8MBともに
76MB/sの書き込みスピードを出していていて
公称値の70MB/sよりも高い値にはなっているけれど、
50MB/sあたりまで落ち込タイミングが
周期的にあったりもする。
ランダムテストでは
512byte、4KBといった小さいブロックは
かなりの高速な書き込み速度だった。
このテストをみる限りでは、
さすがIntel製SSDというべきか、
安定かつ高速な、
公称値にウソのない、とても安心して使えるSSDだとわかる。
ただ、ランダム性能に関しては
このベンチマークからだけでは体感するものは少ない。
------------------
<VAIO typeTに装着してベンチマークテスト>
SATAの2.5インチSSDを
毎度毎度、VAIO typeZに載せるのもどうかと思ったので、
今回は、VAIO typeT(TZシリーズ)に載せてみる事にする。
・VAIO typeT(TZシリーズ)に使えるSSDはどれだ?(前編)
・VAIO typeT(TZシリーズ)に使えるSSDはどれだ?(後編)
VAIO typeT(TZシリーズ)の場合、
VAIO typeS(SZシリーズ)前期型「SZ90~SZ93」を含めて、
一部のSSDとの相性問題があってSSDを認識しないという事例がある。
また、
VAIO typeT(TZシリーズ)の2.5インチ搭載モデルの場合、
SATAコネクタが一世代前の
「Serial ATA150(Ultra SATA/1500)」になるため、
転送速度の最大値が、150MB/s以下に制約されてしまう
という条件が加わる。
それを踏まえて
CrystalDiskMark2.2、HD Tune Pro 3.50、PCMark Vantage
でベンチマークを集計。
-・-・-・-・-・-・-
VAIO typeT(TZシリーズ)に、
34nmプロセス「X25-M」を装着は非常にスムーズで
その後のリカバリーも結論からすれば無事終了。
Intel製SSDを搭載してVAIOノートで認識されなかった事はまずないので
このあたりは非常に安心できる。
総容量80GBの内訳は、
リカバリ領域を差し引いたCドライブが約66.8GBで、
OSとアプリケーション以外の容量は約36.8GB。
そして、
以下がSerial ATA150の転送速度制限下でのベンチマーク結果となる。
-・-・-・-・-・-
●CrystalDiskMark2.2
『100MB』 『1000MB』
シーケンシャルの最大読み込みスピードは、
Serial ATA150の制限のために随分と頭を抑えられている感じで
逆に最大書き込みスピードは、
公称値の70MB/sがしっかりと出ている。
そして、
512Kのランダムアクセスに関しては
シーケンシャルと同等の数値を保っていて、
4Kのランダムアクセスでは、
VAIO typeT(TZシリーズ)に載せたMLCタイプのSSDとしては
最高の数値を叩き出している。
●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)
『Read 64K』 『Read 512K』
『Read 8MB』 『Random Access Read』
『File Benchmark』
HD Tune Proでの読み込みベンチマークでは、
Serial ATA150の制限のために
先に計測した本来の速度が半分以下に落ちているのがわかる。
まぁこれは本体側の規格なのでしかたがないとして
グラフ的にはとても安定しているので動作には申し分なし。
それに
ランダムアクセスのテストにはちっとも影響がないほどに高速で
よほど大きなデータ移動をする以外では
その差は感じる事はないかもしれない。
●PCMark Vantage(HDD Suite)
HDD Test Suite: 14705.0
実動作に近いベンチマークとしても
PCMark Vantage(HDD Suite)で
14000というスコアを出していて、
この数値は、VAIO typeT(TZシリーズ)搭載時としては
SLCタイプの「X25-E」の次に良い成績となった。
------------------
【おまけのWindowsの起動と終了、休止と復帰】
Windowsの起動や終了、休止と復帰の
速度をストップウォッチで計測。
『Windows Vista起動』
Windows Vistaロゴ表示 ・・・約31秒
画面切り替わり壁紙出現 ・・・約42秒
サイドバーガジェット表示 ・・・約51秒
IE8に「Yahoo!Japan」を表示 ・・・約60秒
『終了』・・・約35秒
『休止』・・・約25秒
『復帰』・・・約25秒
ほぼ、
WindowsVistaでの起動や終了、休止や復旧で
出せる速さは出ているようで優秀。
------------------
2008年の秋にIntel製SSDが初めて登場した時は
その性能の高さにも驚かされたけど
飛びぬけて高い値段にも驚かされた。
あれから1年が経過して
各社のSSDも随分と改良が進んできたために
ほぼ拮抗するまでに性能が並んできてはいるけれど、
それでも、
ランダム性能の良さと、VAIOノートとの相性の良さという面では
Intel製SSDの信頼性は高い。
それに、
本当に高くて手の出しづらかった価格設定が
随分とこなれた事もあって、
このIntel製SSDを選びやすくなったというのが
実は今までと一番違うところかもしれない。
34nmプロセス「X25-M」では、
Windows7の登場にあわせて、
Trim機能に対応した最新のファームウェアや
Windows XPやVista上でSSDの性能を最適化するツールも
Intelから用意される予定があるそうなので、
それもまた楽しみ。
【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】
2件のコメント
ランダム4kがうひひな感じですね
いらいらする要素は無さそうですし、アナログでもまだ十分やってける感じ
旧IntelはTrim対応しないみたいな話もありますけど、どうなんでしょう
なんせうらやましすぎて・・・・
>nyaaさん
シーケンシャルはどうしても頭打ちしちゃってますが、実際にはそんなに大きいデータを読み書きする事も少ないですし、これだけのスピードが出てれば、それが気になるというほどでもないですからねー。
それよりもランダム性能が持ち上がるのが素直にうれしいですねw
Trimコマンドは、こっちの34nmプロセスからみたいな事をニュースで見ましたが、これはファームアップにかかってると思いますから、少し様子をみてみたほうが良いかもしれませんね。。