ネットブック「VAIO Wシリーズ」のパフォーマンスを知る。
ネットブック「VAIO Wシリーズ」の実機サンプルと、
アクセサリーキット「VGP-AKW1」が到着。
前回のレビューで、
外観を含め一通りのスペックは把握しているものの
その時点では触りきれなかった部分を含めて
もう一度チェックしてみる。
まず、これが「VAIO Wシリーズ」のパッケージ。
ブラックのカラーに統一されていて
本体が小さく薄い事にあわせて、パッケージもよりいっそう小型化。
箱を開けて、さらに内側にあるアクセサリーの入った箱は、
Wシリーズのタッチパッドや壁紙と同じ模様にコーディネートされている。
中身はとてもシンプルで、
本体以外には、バッテリー、ACアダプタと
冊子関係が入っているだけ。
アクセサリーキット「VGP-AKW1」は、
USB光学マウスとキャリングポーチがセットになったもので、
Wシリーズにあわせて、
ブラウン、シルバー、ピンクの3色が存在する。
Wシリーズのホワイトには、ホワイトではなくて
シルバーとして用意されているのは、
ホワイトだと、ぶっちゃけ汚れが目立ってしまうので
それを考慮して、
あえてタッチパッドやキーボードのカラーにあわせた
シルバーカラーとしたそうだ。
キャリングケースは、
途中の口をエイっと開けて、Wシリーズを突っ込んだら
中に収まるというなかなかに大胆なケース。
素材は、フニャフニャのやわらかい生地で出来ていて
まずこれに入れておけば、本体を傷から守る事はできそうだ。
USB光学マウスは、
単体で販売されている「VGP-UMS30」と全く同じもの。
ただし、このカラーは単体販売されているものには存在しなくて
このセットでのみ、手に入るカラーになる。
その他の外観レビューは以下。
・1366×768の広い解像度を持った手軽なNetBook「VAIO Wシリーズ」
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<VAIO Wシリーズのパフォーマンスをチェック>
次に、
「VAIO Wシリーズ」がネットブックとしてどれだけのパフォーマンスを持っているのかを調べて見る。
「VAIO Wシリーズ」
CPU:Intel Atom N280(1.66GHz)、
チップセット:Intel 945GME Express
グラフィック:Intel Graphics Media Accelerator 950
メモリー:1GB(1GB×1)
HDD:約160GB(Serial ATA、5400回転/分)
同じAtom系のCPUを扱うVAIO typePとの違いは、
低消費電力で発熱の少ないAtom Z5x0シリーズではなく、
冷却ファンを搭載してパフォーマンスを重視した
Atom N2x0シリーズを採用している事と、
HDDが1.8インチのIDE接続ではなく、
高速転送が期待されるSerial ATAとなっている点。
そういった意味では
そのまま比べてしまうのは酷ではあるのだけど、
参考までにVAIO typePのWindows XPモデルと比較しながら
ベンチマークを掲載してみる。
VAIO typeP [XPモデル]
CPU:Intel Atom Z550(2.0GHz)
チップセット:Intel US15W
グラフィック:Intel Graphics Media Accelerator 500
メモリー:1GB(1GB×1)
HDD:約60GB(Ultra ATA、4200回転/分)
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●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。
・VAIO Wシリーズ ・VAIO typeP [XPモデル]
VAIO typePに搭載されたCPUは、
Atom Z5x0シリーズとはいえ、2GHzにもなると
さすがに[ALU]や[FPU]といった演算処理評価では、
N280(1.66GHz)を上回る高いスコアになっている。
(とは言ってもそもそものスコアがどっちも低いのだけど。)
メモリーは同等。
HDDは、さすがにSerial ATA接続かつ5400回転/分の
2.5インチHDDのほうが、
IDE接続で4200回転/分の1.8インチHDDよりも随分と速い。
グラフィック系の評価でも
随分とWシリーズが良いのがわかる。
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●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
PCMark05からマルチコア/スレッドに対応。
PCMark05に関しては、
WindowsXPベースのtypePでは、
一部の計測エラーがあるものの
わかる部分もあるので一応比較。
・VAIO Wシリーズ ・VAIO typeP [XPモデル]
System Test Suite(PCMarks) :1324 N/A
HDD_XP Startup(MB/s) : 6.36 4.54
Physics and 3D(FPS) :29.97 N/A
TransParent Windows(Windows/s) :64.18 101.53
3D_Pixel Shader(FPS) :8.77 N/A
Web Page Rendering(Pages/s) :0.89 1.45
File Decryption(MB/s) :15.28 18.37
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS): 61.37 132.4
HDD_General Usage(MB/s) :4.12 2.6
Audio Compression(kB/s) : 618.95 706.6
Video Encoding(KB/s) : 100.68 126.5
Text Edit(Pages/s) : 30.86 35.6
Image Decompression(MPixeles/s) :6.84 8.27
File Compression(MB/s) :2.81 1.94
File Encryption(MB/s) :4.5 7.26
HDD Virus Scan(MB/s) : 24.78 23.4
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s):5.43 5.9
オレンジ色が、
HDDのスピードに関与している部分で
グリーン色は、
CPUの動作周波数の影響が大きいと思われる部分。
グラフィックは比較できていない。
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●Vana’diel Bench3
(FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークテスト3)
単なる指標としてのお約束ベンチマークソフト。
・VAIO typeP [XPモデル]
・低解像度モード SCORE:平均 687
・高解像度モード SCORE:平均 358
・VAIO Wシリーズ
・低解像度モード SCORE:平均 1433
・高解像度モード SCORE:平均 1025
VAIO tyePのチップセット内蔵のGMA500では
グラフィック系がかなり苦しかったけれど、
VAIO Wシリーズのチップセット内蔵のGMA950だと
随分とがんばって動いてくれてるようで、
これなら
外出先でログインしてもそこそこの事が出来る。
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それから
HDDのそれぞれの転送速度の違いを
「CrystalDiskMark 2.2」と「HD Tune Pro」で計測してみる。
●CrystalDiskMark 2.2
・VAIO Wシリーズ ・VAIO typeP [XPモデル]
VAIO typePのHDDは、
1.8インチサイズ、5mm厚の東芝製の「MK6028GAL」で
回転数は4200回転/分、キャッシュが2MB、平均シークタイムが15ms
という代物で、
シーケンシャルの読み書きからしてあまり高速ではない。
VAIO WシリーズのHDDは、
2.5インチサイズ、9mm厚の日立製の「HTS543216L9SA00」、
回転数は5400回転/分で
インターフェースがSerial ATAとなっている事もあって
1.8インチのHDDよりは随分とマシになる。
「HD Tune」のグラフが放物線を描いているのは、
外周から内周に行くにつれて遅くなるのがHDDの特性。
それ以外でも途中に極端に落ち込むところも見受けられる。
また、
ランダムアクセスはお話にならないほどに遅く、
いったんSSDの速さを知ってしまうと
この結果に愕然とする事もある。
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<一般動作の挙動の差>
実動作での速度を
Windowsの起動と終了、
休止、復帰をストップウォッチで計測。
・VAIO Wシリーズ ・VAIO typeP [XPモデル]
Windows起動
・画面切り替わり :約39秒 約47秒
・インターネット接続 :約77秒 約89秒
終了(シャットダウン) :約20秒 約33秒
休止状態 :約20秒 約22秒
復帰 :約28秒 約30秒
HDDの速度の差がそのまま
起動や終了に反映した形となっている。
そもそもWindows XPだと
このあたりの挙動はWinsows Vistaよりも速く
体感的に早く感じられる部分。
ただ、実際にアクティブに使おうと思うと、
HDDのアクセスランプがピカピカ光ってると
HDDに傷をつけちゃいけないという恐怖観念が働いてしまうので、
そういった事を気にしないでいいSSDのほうが
いいなと思ったりもする。
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OSがWindows XPだという事もあって、
極端にひっかかるような挙動もないし
大きなストレスを感じる事もないので
普段使いにネットブラウズしたりには十分。
それに
手に持ってもとてもコンパクトだし
ディスプレイを開いてもそんなに圧迫感もないのに、
画面解像度は、しっかりと1366×768もあるので、
インターネットしてもとても気持ちが良い。
唯一、気になったのは、
廃熱ファンの音で、
VAIO typePはとっても静かだっただけに、
VAIO Wシリーズをはりきって使ってると
横からファンがブーンと回り出して
あー、なんだかうるさい。と思う事もあった。
まぁこれは
Atom N280(1.66GHz)を載せてしまった宿命と思うしかないわけで、
VAIO typePは良いなと思いつつも
ちょっとあの激烈に細かい解像度は厳しいかも?
もうちょっとイージーにインターネットが出来ればいいかな?
という感覚があるのならば
「VAIO Wシリーズ」はジャストフィットかもしれない。
【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】
4件のコメント
私も、予約出来る状態から、すぐにポチッとして、今日、届きました。
VAIO W と VGP-BMS10
充電してから、動作確認して、リカバリディスク作成後、2.5インチSSD128GB(MMCRE28G5MXP-0VB)とメモリを2GBに交換。
裏の蓋は、外す時、ちょっと勇気が、いりますね。
インソールして、使用可能状態になりました。
パソコンの起動時間38秒、終了時間18秒でした。
手計測なので、誤差は、あります。
(セキュリティソフト未インソール)
お久しぶりです。
SZ以来、楽しく拝見させていただいております(^o^)
あれから、家のSZ君は順調です?(たまにIE8の初回(立ち上げてすぐの起動)がかなり遅く、イラッと来ています・・・。最終的には、強制終了させなければならなくなるのですが・・・。)
以前からTypeW は気になっていたのですが、この記事を見てますますTypeW が欲しくなってきました。
TypeP の存在も知ってはいましたが、どうも好きになれず、物欲も起こりませんでした。
ですが、TypeW は本当に欲しくなってきました。
当初は、SZ君もいるしWindows7(64bit)搭載機が出たら、最高スペックで楽しもうと思っていたのですが・・・。
私の物欲は止まりません・・・(T_T)
P.S.こんな私が意見するのも何ですが、<一般動作の挙動の差>の記事で写真か、文字かどちらかがひっくり返っていませんか?もし、私が間違えていたらすいません。
少し気になりましたので・・・。
>マッキーさん
おお!速攻Wシリーズが手元の届いて、メモリー&SSD換装ですねw
バラすのはかなり簡単で、かつかなーり体感速度が上がるので、Atomでも相当快適に動きますねw
>SZ欲しい!! さん
いつもありがとうございますm(__)m
SZ君が快調でなによりです。
IE8は、たぶんIE8のせいですね(汗
こういった時、GoogleClomeやFirefoxと併用して使うといいかもしれませんよw
Wシリーズですが、ものすっごい普通のネットブックなんですが、コンパクトなくせに画面解像度がなかなか広くて、さらにはSSDに換装しようものなら、かなーり快適マシンになるので、期待以上に使えるノートPCになりますねw
それと、
お知らせありがとうございますm(__)m
おっしゃっていただいたとおり、おもいっきり間違えてました(滝汗
そのままだと誤解を招いてしまいそうな部分でしたので、ご指摘いただいてとても助かりました。
本当にありがとうございます。
ぜひぜひこれからもよろしくお願いいたしますm(__)m