“ウォークマン”Aシリーズ「NW-A867」ラッシュバイオレットを使ってみた雑感。
2009年4月に“ウォークマン”Xシリーズを買って、
さらにその半年後の2009年10月に“ウォークマン”Aシリーズ「NW-A847」と矢継早に買ったものの
去年(2010年秋)のモデル(A850シリーズ)は、
外観も中身もまるで変わる事なくおもいっきりマイチェンだったのでスルー。
そして、その2年振りにフルモデルチェンジとなる
“ウォークマン”Aシリーズ「NW-A867」は、
Xシリーズと同様のタッチパネルを採用したオペレーションと
Bluetoothを内蔵してワイヤレスリスニングが単独で出来るようになったし
フルデジタルアンプ“S-Master MX”やデジタルノイズキャンセリング機能を搭載していて
格段に進化してるので、ここは迷わず
音楽を純粋に楽しむための音楽プレーヤーとしては心地よさそうなので買ってみた。
本体以外の付属品は、
ノイズキャンセリング用のイヤホン、イヤーピース、
WM-Port⇔USBケーブル、WM-Port用アダプター、
そして、取説を含む小冊子が複数。
自分としては、本体にしか用事がなかったりするのだけど。
早速、本体をチェック。
“ウォークマン”Aシリーズ「NW-A867」のカラーは、
ソニーストア限定となる「ラッシュバイオレット」。
オモテ面からサイドに織り込んだアルミ素材を
手加工で研磨して、鏡面光沢としているので
非常に輝かしいツヤのあるボディに仕上がっている。
背面は、つや消しを施してあって
一段トーンの低いバイオレットとなっていて
この部分は指紋が目立たないので、持っている時のストレスは激減。
ディスプレイサイズは、2.8型(240×400)で、
今回はAシリーズとしては始めてのタッチパネルを搭載。
タッチ感度は非常に良くて、非常にサクサクと動く。
おそらくこのあたりは個人的な感覚の差があるかもしれないけれど
特にAndroidの微妙なオペレーションの遅さに慣れていると
なんで指でちょっとしか触れてないのにこんなに反応するんだ!?
と思うかもしれない。
それと、賢明なのが
本体のサイドにハードウェアボタンを搭載していて、
再生、停止、送り、戻し、音量調整を物理的に操作できるから
手元を見なくても操作できるのがありがたかったり、
HOLDスイッチでカバンに入れてる時などに誤動作を防げるのもいい。
本体の下側に、WM-Portとヘッド本端子、
それからストラップホールがある。
本体サイズは、タテ約96.9mm×横約52.5mm×厚み約9.3mmで、
質量は77g。
“ウォークマン”Aシリーズ「NW-A867」と
2年前の“ウォークマン”Aシリーズ「NW-A847」を比べてみると、
同じディスプレイサイズでもオペレーションキーのありなしで
特に縦方向が短くなっている。
「NW-A847」も当時のソニースタイル限定のカラーで
「アークティックバイオレット」というカラーだったけれど、
こうして見ると、「NW-A867」の「ラッシュバイオレット」とよく似ている。
背面の処理が光沢からマットになった事もあって
指紋が目立たなくなったのは使用上のメンテナンスは楽になった。
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ホーム画面に、おすすめチャンネル、FM、ちょい聴きmora、
フォト、ミュージック、ビデオ、
ノイズキャンセル、ポッドキャスト、Bluetooth、
設定、録音、音楽再生画面へ、
の12個のアイコンが並んでいて、ここから
やりたい事を選んでいくというのは今も昔もウォークマンの使い方としては同じ。
ただ、操作がタッチに対応してるので
順に送っていく必要がなくて、ダイレクトにポンポンとタッチすれば良いし
例えば、ミュージックアイコンをタップして
その後の全曲やアルバム、アーティスト、ジャンル、リリース年、最近転送したアルバム、
プレイリスト、ブックマーク、フォルダー、録音した曲、(Bluetooth)受信した曲
とつらなる項目でも、指でかるくなぞってスクロールしてタップという操作は
とても直感的に使えて心地良い。
仮に、アーティストやアルバムなどで探す場合でも
「ひらがな」や「アルファベット」の任意に切り替えて指で左右になぞれば
多少指で隠れてその部分が見えなくても
選ばれている文字がきちんと上側シフトして確認できるようになっていたりして
そのタッチ操作時のちょっとした工夫もある。
そして、流したい楽曲の再生を始めた「再生画面」では、
ジャケット画像あたりをタップすれば
曲の送り戻しや一時停止、再生のアイコンが現れるし、
再生時間の進行状況の部分をタッチすれば
イッキに曲を進めたり、戻したりもできる。
それから、画面の一番下に
戻る、検索、アルバムアート検索、オプションメニューの4つのアイコンがあって
それぞれタッチすると利用できる。
アルバムアート検索は、ジャケット写真が上下にスクロールするので
そこから好みのアルバムを見つけて、タップして再生といった使い方も出来る。
実用的かどうかはおいといて、ジャケット写真から曲を探してみるのもおもしろい。
ごく自然にタッチでのオペレーションにが当たり前になる。
そのタッチパネルの操作がいくら簡単だと言いながらも
実際に使う時に、いつも画面を見ながら操作できる状況じゃない場合もある。
そんな時には、ハードウェアボタンがとても役に立つ。
ポケットに入れたままで、音楽を送ったり戻したり停止したり、
音量を上げ下げしたりがごく普通にできる。
それに、HOLDスイッチの効果も「HOLD設定」から変更する事もできて、
「全操作無効」にしておけば、一切の操作を無効にしてしまうだけでなく
「タッチパネルのみ無効」を選ぶと、画面に触れる操作だけを無効にして、
ハードウェアボタンでの操作だけを有効にできる
いわゆる普通のウォークマン状態にする事もできるのはかなり便利。
それから、ウォークマンならではの機能として
楽曲に合わせて歌詞がスクロールする「歌詞ピタ」も健在。
歌詞をONにしておくと、
再生画面でのアルバムジャケットはトーンを落として暗めになり
再生音の進行に合わせて最大3行で歌詞がスクロールしていく。
いつもはただ何となく聞いているだけじゃなく
どういった歌詞なのかをしっかり把握しながらカラオケに行ってるかのように歌うこともできるし
歌詞があるとその曲への感情移入がより深まる。
ただ、この「歌詞ピタ」は、Sonyの楽曲管理ソフト「X-アプリ」の機能の一部で
それはそれは積極的に使いたくなる機能ではあるのだけど
使い勝手はイマイチで、いちいち歌詞を入れたいアルバムから検索するのに、
仮に歌詞が存在してるにもかかわらず検索にひっかからなくて
テキスト情報を変えないと見つからなかったり、
そもそもの歌詞データがなかなか揃ってなかったり(洋楽は今のところなし)、
一回のダウンロードで、1度しか転送できないので、
新しくウォークマンを買ったりすると、
転送したいアルバムを全部一から歌詞データを落としなおさなきゃいけない。
ここだけはお世辞にも使いやすいとは言えなくて
せっかくの有効な楽しい機能なので、改善して欲しい。
・「歌詞ピタ」が2年間使い放題になってウォークマンでカラオケ三昧!
他にも、ウォークマンならではといった機能としては、
単純にランダム再生するだけじゃなくて「おまかせチャンネル」を選べば、
「x-アプリ」で12音解析した、その時々のシチュエーションから曲を選んでくれる。
その時も楽曲情報を表示するだけじゃなくて
歌詞ピタのデータがあるものは、歌詞を表示する。
また、「ちょい聴きmora」を使えば、
アーティスト、ジャンル、人気ランキングといった曲をウォークマンに転送して
その試聴曲を最大3回まで試聴したり
気に入った曲をウォークマンで予約しておいて、
PCに接続したタイミングで「mora」から購入といった事もできる。
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付属するイヤホンは、13.5mmドライバを搭載した
密閉型バーティカル・イン・ザ・イヤー方式のヘッドホン「EXヘッドホン」。
イヤホンにマイクの付いているタイプで
デジタルノイズキャンセリング機能を働かせるためには
この専用のイヤホンを使う必要がある。
イヤーピースは、2種類の硬さにわけられたハイブリッドタイプで
装着感がより増した事で音漏れを防ぎながら広い帯域の音質を楽しめる。
それに標準に加えて、耳の大きさにあわせて
大小サイズが用意されているので、これはきちんと耳のサイズに合わせておいたほうが
より外からの音が防げるし、長時間装着する場合でも違ってくる。
このイヤホンを使えば、デジタル化されたノイズキャンセリング機能で
その効果も「バス/電車」、「飛行機」、「室内」の3モードに切り替えができて
適時に選びつつ、周囲の騒音を約98.0%までカットしてくれる。
実際に使ってみると、ノイズキャンセリングの効果は絶大で、
本当に周りの雑踏がなくなるというか、
一挙に縮まるという表現のほうが当てはまっていて
音楽に集中したい時にやはりこれはとても強い武器になる。
それに、アナログのノイズキャンセリングの時にあった
ノイズキャンセリングをONにすると
耳にひっかかるような圧迫感みたいなものがあったのが
それが随分を和らいでいて、そこに違和感を感じずに使えるのも良い。
ノイズキャンセリングの強さもプラスマイナスで15段階での調整もできる。
というか、もちろん強くすればより外界の音を打ち消す事ができるけれど
その分耳にかかる圧力みたいなものがあったりして
自分的にはそれはあんまり心地よいものではないから
無理して強くするものではないかなと。
それから、あえて音楽を聞かない場合でも
今何かをする時に集中したいなと思えば、
「サイレントモード」を使って周囲の騒音だけを抑えたり、
別売の録音ケーブル「WMC-NWR1」を利用して
外部入力の音声にもノイズキャンセルをかけることもできる。
肝心な音に関する印象もさすがにソニー製のイヤホンとも言うべきか、
付属イヤホンでも十分にいい音で楽しめてしまう。
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自分的な使い方からすると、
デジタルノイズキャンセリングの心地よさも理解しながらも、
やっぱりどうしても自分のお気に入りのヘッドホンを使いたいので
いつもこの付属のイヤホンは使わずに、
スタジオモニターヘッドホン「MDR-Z1000」か、
もしくは、「MDR-EX1000」の2つを使い分けて使う事が多い。
と言うか、もうそもそも常時持ち歩くという事から考えると
AndroidとかiPhoneにmp3くらいの音楽データを入れておいたほうが
荷物的にも楽と言うか、よっぽど音楽を聴く機会にはめぐまれているはず。
何かのながら作業で音楽自体をBGMとして考えるのであれば
それでもいいのだけれど、そうじゃない場合があって、
あえてウォークマンを使って音楽を聴きたいと思うのは
それなりにある程度のいい音で聴きたいという欲求があるからだろう。
例えば、自分の耳が良いとは思えないけれど、
リニアPCMで取り込んだ楽曲を、ウォークマンに入れて
手持ちのイヤホンで聴いているのがデフォルトになっていると、
そうじゃないイヤホンで聴いた時、ウォークマン以外の音楽プレーヤーで聴いた時に
ものすごい違和感を感じるというか、
この篭ったような音はなんだ?と耐え難いものを感じる時がある。
なので、どうやらウォークマンとお気に入りのイヤホンじゃないと
ダメなようなのである。
今回もちょうどピッタリのタイミングで、
“ウォークマン”Aシリーズ「NW-A867」の発売とほぼ同時に、
スキマスイッチの「musium」ってアルバムが発売になったから
一番にウォークマンに入れてヘビーローテーションで聴き続けてしまった。
(5周目くらいで思わず寝落ちしてたけど…)
結局、お気に入りのアーティストの歌声がいかに心地よく耳に届くか、
楽器の音がすっきりとクリアに聞こえるか、
その音楽の中に気持よく没入できればそれが自分の満足というか、
そういった欲求に応えてくれるのが重要で、
まず何を差し置いてもきっちりと“イイオト”で聴けるというのが大前提。
この基本ベースがしっかりしてると、
Bluetoothが内蔵されたから、ワイヤレスで使ってみようかなとか、
BDレコーダーに貯まった番組を持ち運んでみようかなとか
そういったまた別の欲求も余裕をもって楽しめる。
続く。
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