モビリティとパフォーマンスの高バランスモデルVAIO Sシリーズ
光学ドライブを唯一搭載したモバイルノート、VAIO Sシリーズが
2012年夏モデルとしてモデルチェンジ。
そして今回モデルチェンジするにあたって、
VAIO S(SA)シリーズは、
プレミアムモデルとしてVAIO Sシリーズ13P 「SVS13A1AJ」へ、
VAIO S(SB)シリーズは、
スタンダードモデルとしてVAIO Sシリーズ 「SVS1311AJ」へと
名称変更された。
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●モビリティとパフォーマンスの高バランスモデル
光学ドライブと外部GPUをパワーメディアドックに分離して
持ち運び時の薄さ軽さとハイパフォーマンスを極めたVAIO Zシリーズや、
低価格で光学ドライブレスに割り切ったVAIO Tシリーズとは違い、
従来からあった、光学ドライブや外部GPUとのハイブリッドGPUを持つ
いわゆるSZシリーズからのそのままのギミックを受け継ぐのが、VAIO Sシリーズ。
VAIO Sシリーズは、13.3型ディスプレイというフットプリントを持ちながら
厚みを抑えたフラットボディ洗練されたデザインが特徴。
パームレストにアルミニウム合金、外部筐体にマグネシウム合金を採用して
軽量化させつつも高剛性を持たせている。
特に、
プレミアムモデルVAIO Sシリーズ13Pでは、
液晶天板を、従来のマグネシウム合金からカーボン天板へと変更、
アルミニウムのパームレストにヘアライン加工を施すなどして
プレミアム感を一挙に高めているだけでなく、
本体の重量から薄さにまで手を入れてより軽く薄くを一体型で目指している。
スタンダードモデルVAIO Sシリーズは、
天板含む外装はマグネシウム合金、パームレストはアルミニウム。
<サイズと重量>
VAIO Sシリーズ13P 「SVS13A1AJ」
約 幅331 mm × 高さ22.8 mm × 奥行224.6 mm
質量:約1.53 kg
VAIO Sシリーズ 「SVS1311AJ」
約 幅331 mm×高さ23.9 mm×奥行224.6 mm
質量:約1.69 kg
実質、カーボン天板になった事で、
前モデルのSAシリーズと比べても、23.3mmからすると約0.5mm薄くなり
最軽量時の重量も約1.54kgから約0.01kg(約10g)軽くなるという変化が起きている。
また、13Pのカーボン天板は、例えば「ガンメタリック」では、
カーボンの目が見えるヘアライン加工が施されていて
かつローズゴールドのVAIOロゴが輝いていたり、
アルミのパームレストにもヘアライン加工がされていたりと
明らかに同じSシリーズでは感じられないプレミアム感がある。
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●スロットイン光学ドライブ、シームレスタッチパッド
前モデルから極端に変わった部分というと光学ドライブで、
トレイ式からスロットインタイプに変更。
側面デザインがスッキリとしただけでなく、
トレイという物理的なギミックと隙間がなくなった事もあって
底面がフラットな形状で作られるようになったため本体の剛性もよりアップ。
実質的に、ディスクの取り出しも一つのアクションですむようになったし、
高速ローディング技術によりBD-ROMの認識時間を高速化していて、
より、光学ディスクの扱いも楽になっている。
デザイン上としては、
ヒンジの切れ目の見えないコンシールドヒンジを採用して
パームレスト部のエリアを大きく確保でき、さらにタッチパッドが大型化して
見た目のスタイルに加えて、使いやすさを両立。
今回は、左右クリックボタンを廃して一枚板になっていて
全体のどこを押しても左クリックになったり
右下の一部の面積部分が右クリックという動作になる。
このシームレスなタッチパッドに関しては賛否両論わかれるところがあって
従来のクリック慣れていると、馴染むのに少し時間がかかる。
タッチパッドが大型化した事で確かにマルチジェスチャーで
指だけでスクロールしたり、ズームインズームアウトや
ページ送り戻 しといった動作ができるようになったものの
それが100%快適かと言われるとまだ微妙なところはあるけれど、
どれかピンポイントで使ってみるとだんだんとしっくりとくる使い方ができる。
キーボードに関しては、
キートップがひとつひとつ独立したアイソレーションキーボード。
約19ミリのキーピッチで、
剛性の高いアルミニウム合金の1枚板に支えられてたわみも少なく
キーストロークもある程度深さがあって
モバイルVAIOの中では打鍵感は一番しっかりしている。
バックライトも、AC電源に接続時では常時点灯していて
バッテリー駆動の時には、周囲の暗さを検知して
キー入力が始まると点灯するギミックを持つ。
これは、新幹線やホテルなど照明のコントロールが難しい場合には非常に役に立つ。
移動して持ち歩くという事を前提に考えられていて、
HDDを搭載しているモデルでは、
HDDプロテクションは第4世代と進化していて
3次元の落下センサーによる予備動作からHDDのヘッドを退避させるものから
さらに踏み込んで、傾きセンサーから、
デスクに置く時の衝撃を回避するといった機能も加えられている。
それにもまして、様々な耐久試験を行なっていて
「耐久試験 PC open」、「振動試験 PC close」、「衝撃試験」
「開閉試験」、「一点加圧試験」、「落下試験」
といったこういった一定の試験をクリアさせている事からも
ビジネスでも安心して使えるというのも大きなアドバンテージにもなっている。
13.3型ディスプレイは、解像度は
プレミアムモデル13Pが「1600x900」
そして今回はスタンダードモデルでも「1366×768」だけでなく「1600x900」が選べる。
一般的な使い方は1366×768でもいいかもしれないけれど
やっぱりマルチタスクで使うにはちょっと物足りなさを感じずにはいられないので
作業効率を重視するなら1600x900という解像度のほうが扱いやすい。
さらに、液晶パネルには低反射コートを施していて
外に持ち出した時の外光や、室内でも蛍光灯の光などが
ダイレクトに画面への映り込まないように極力抑えられるのは非常にありがたい。
また、液晶ディスプレイ上部に内蔵されるwebカメラは、
“Exmor” CMOS センサー搭載 HDウェブカメラ(有効画素数131万画素)となっていて、
より高画素できめ細かく、さらに暗がりでもしっかりと映し出せるので
例えばSkypeでビデオチャットする時にもより綺麗な映像を相手に届ける事が出来る。
インタフェースは、右側面に集中していて、
メモリースティックスロット、SDカードスロット、D-Sub15ピン出力、
HDMI出力、USB3.0x2、USB2.0x1、有線LANと並ぶ。
USB3.0端子が2コに増えていて、
かつ、USB2.0端子では、本体の電源がオフの状態でも、
本体がACアダプターに接続されていればUSBから電源を供給できる
USBチャージ機能を備えていて、
手持ちのガジェットアイテムを充電できるというのも実用的でありがたい。
そして「Rapid Wake + ECO」は、Sシリーズでも顕在。
画面を閉じる事で、データを保持したままスリープ状態を保っていて
使いたいと思って液晶画面を開くと最速2秒以下ですぐに再開できる高速起動性。
そして、スリープ状態を保っていても消費電力を極力抑える事で
最長約10日間もスリープ状態を保持しつづけるエコ機能を持っている。
(ZやTの90日までは持たない。)
バッテリーは内蔵式で、約15分の充電で1時間使え、
約1.5時間で80%の6.5時間使える急速充電も可能、
フル充電では公称値約8時間のスタミナ性能を発揮する。
別オプションとして用意された拡張バッテリーは、
装着しても本体全体の厚みが極端に大きくなく事なく駆動時間を増加して約16時間に延長、
さらに、充電する時は内蔵バッテリーを優先、
放電する時は拡張バッテリーするといった効率も考えられている。
音質面も向上させる技術として、
音量増強技術により、内蔵スピーカーの音圧を強める「xLOUD」や
デジタル処理で音響特性を補正して、より自然なサウンドにする「Clear Phase」を搭載している。
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●VAIO Zシリーズ同様のハイパフォーマンスを搭載
VAIOオーナーメードのカスタマイズとしては、
CPUに最新アーキテクチャの第3世代インテル Core プロセッサー(Ivy Bridge)を搭載。
選択肢としては、「Core i7-3520M(2.90GHz)」、
「Core i5-3320M(2.60GHz)」、「Core i5-3210M(2.50GHz)」の3つと
スタンダードモデルのみ第2世代の「Core i3-2350M(2.30GHz)」が選択できる。
メインメモリーは、オンボードに4GB搭載がデフォルトになっていて、
そこにプラスして「2GB」、「4GB」、「8GB」を搭載して
最大容量として12GB搭載可能となる。
メンテナンスも簡単で、底面のフタを開ければ、
増設用のメモリースロットがすぐに見えるので
汎用のメモリーは自力でも追加できる。
ストレージは、
スタンダードモデルがHDDでは、1TB~320GB、
プレミアムモデル13PがHDDでは、1TB~500GBで選択可能。
また、13Pに関しては、
ストレージでSSD選択が可能で、ついにVAIO Zシリーズと同じ、
第3世代SSDを採用したSSD RAIDになっているのが大きなトピック!
ちなみに、ストレージへのアクセスも、底面から簡単に出来るようになっていて、
例えば、「第3世代 SSD RAID 約256GB」のSSDを確認してみると、
SAMSUNG製の「MZ-RPC256T」だとわかる。
SSD単体の重さは約22gで、
アームを含めても約24gと、やはり2.5インチHDDよりもはるかに軽い。
外部GPUについては、
なんと、「AMD Radeon」だったものから
「 NVIDIA GeForce GT 640M LE GPU」へと変更。
スタンダードモデルなら、
CPU内蔵GPUの「インテルHDグラフィックス」でコストを抑える事もできるし
「NVIDIA GeForce GT 640M LE GPU(専用ビデオメモリー1GB)」も選択できる。
プレミアムモデル13Pは、
「NVIDIA GeForce GT 640M LE GPU」の専用ビデオメモリ-を
「1GB」と「2GB」から選択できる。
「パフォーマンス・スイッチ」を切り替える事で
外部GPUとCPU内蔵GPUのそれぞれに切り替えて
OSの再起動なしに使う用途によって
グラフィックのパフォーマンスを使い分ける事ができるのもSシリーズの特徴。
通信系では、ワイヤレスLAN、Bletoothに加えて
外出先でも利用できるWiMAXも標準搭載。
また、オプションパーツにおもしろアイテムが登場していて、
専用のポートリプリケーターに約500GBのHDDを内蔵。
あらかじめフォルダを指定しておけば、
本体をポートリプリケーターにドッキングさせるだけで、
簡単にデータのバックアップができるというギミックを持っている。
他にも、USB、LAN、HDMI出力、アナログRGBといった端子を備えていて
周辺機器と接続しておけば、本体だけを簡単に取りはずしてといった運用もできる。
もちろんシートバッテリー装着したままでも装着できる。
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今回のSシリーズは、パッとみた感じ
今までのSシリーズと変わらないように見えて
実は猛烈に変化している事がわかる。
ストレートな言い方をすると、普通的な雰囲気しか感じられなかったのに、
カーボンスタイルの「ガンメタリック」を見て手に触れてまるで別物に思えるほどに
スタイリッシュさがアップしていて、今までにない所有欲が沸々を湧き出てくる感覚がある。
それに、あのヘナヘナだったヒンジ部分も
新モデルではしっかりとホールドするようになっていて
多少揺らしたくらいでは液晶ディスプレイの傾きが変わる事もないし
光学ドライブがスロットインなった恩恵もあるのか、ガッチリ感というか
シャキっとした剛性感がなかなか心地良い。
中身はもちろん丸ごと進化していて、
CPUこそクアッドコアは選択できないものの最新CPUを搭載して
メモリーは、MAXで12GBにまで出来ちゃって
さらには、VAIO Zシリーズと同じ第3世代SSD RAIDまで搭載できるかなり強烈仕様。
それに、nVIDIA支持層にはうれしいGPU選択となっていて、
これが今までSシリーズに脈々と引き継がれてきた
GPU切り替えの「ハイブリグラフィックス」が使えちゃうわけで
トータル的なパフォーマンスを見るとかなり魅力的な部分は多い。
欲を言えば、ただひとつ欲を言うなれば、
ディスプレイ解像度にフルHD(1920x1080)を用意して欲しかった!
と思ったのだけど、どうやらそこは、
Sシリーズでは15.5インチモデルに任せているようだ。
いやいやこれは、光学ドライブ一体型としては
かなりいい出来になっている。
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5件のコメント
S13Pは、まさにSZ復活ですね。レポートありがとうございました。
液晶は、プレミアムモデル13Pの「1600x900」は、スタンダードモデルの「1600x900」とは異なり、Zと同じVAIOディスプレイプレミアムですよね。ストレージもいろいろといじれそうですし、アンタッチャブルになり過ぎたZより、なぜかワクワクするのですが・・・、SZやVGN-Zの懐かしさのような・・・・なんだろう。期待してもよいのでしょうか?
>>欲を言えば、ただひとつ欲を言うなれば、ディスプレイ解像度にフルHD(1920x1080)を用意して欲しかった!
本当にその通りですが、それやっちゃうと全部入りになってZを超えちゃうと判断されるおそれ(ハードの材質等は別として)があるからやめたんでしょうかね?
>>欲を言えば、ただひとつ欲を言うなれば、ディスプレイ解像度にフルHD(1920x1080)を用意して欲しかった!
本当にその通りですが、それやっちゃうと全部入りになってZを超えちゃうと判断されるおそれ(ハードの材質等は別として)があるからやめたんでしょうかね?
S13Pには、是非とも、フルHDを採用してもらいたいですね。15インチモデルは、いっそ、MacBooKPro Ritinaと同様の 2880×1800 Retinaディスプレイを搭載してほしい。オンボードメモリもやめて、16GBをフルに載せられればよりSZらしくなる。そんなSZ13、SZ15が出てくるとおもしろいですね。君国さん、何とか、ソニーの人にお願いしていただけませんでしょうか?
S13Pには、是非とも、フルHDを採用してもらいたいですね。15インチモデルは、いっそ、MacBooKPro Ritinaと同様の 2880×1800 Retinaディスプレイを搭載してほしい。オンボードメモリもやめて、16GBをフルに載せられればよりSZらしくなる。そんなSZ13、SZ15が出てくるとおもしろいですね。君国さん、何とか、ソニーの人にお願いしていただけませんでしょうか?