「VAIO Pro 13/11」、「VAIO Duo13」のパフォーマンスをチェックしてみる。(前編)
Intel製の第4世代Coreプロセッサー「Haswell」を搭載した
「VAIO Pro 13/11」と、「VAIO Duo 13」のパフォーマンスを持っているかどうか、
そのスペックやベンチマークソフトで確認。
そもそも、モバイルの特化したモデルだという事もあって
通常電圧番ではなくて低電圧版のプロセッサーを採用していたり、
外部GPUは搭載していないものの、
第4世代Coreプロセッサーとして進化してきた部分と、
VAIOが持つポテンシャルを上げる措置を加味して
どこまでのパフォーマンスが出せるかとても興味があるので、
いろいろ計測してみた結果を貼り付けてみる。
「VAIO Pro 13/11」と、「VAIO Duo 13」、そして、「VAIO Duo 11」、
さらに、参考比較として、
2012年6月に登場した「VAIO Tシリーズ13/11」と、
2011年8月に登場したVAIO Zシリーズを一緒に掲載して、それも含めてチェックしてみよう。
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今回ベンチマークテストで使用したマシンとそのスペック。
●VAIO Pro 13/11
VAIO Pro 13「SVP1321A1J」
OS : Windows 8 64ビット
CPU : Core i7-4500U(1.80GHz)
メモリー : 8GB
ストレージ : ハイスピードSSD (PCIe 20Gb/s) 約256GB
グラフィック : Intel HD Graphics 4400
ディスプレイ:13.3型ワイド(1920×1080)
VAIO Pro 11「SVP1121A1J」
OS : Windows 8 64ビット
CPU : Core i7-4500U(1.80GHz)
メモリー : 4GB
ストレージ : SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)
グラフィック : Intel HD Graphics 4400
ディスプレイ:11.6型ワイド(1920×1080)
VAIO Pro 13とPro11は、
第4世代Core iシリーズ(Haswell)の低電圧版CPUで、
今回のモデルでは、同じ動作周波数のため
おそらくはパフォーマンスは同等。
メモリーが8GBと4GBの違いがあるので、ここでの差がどう出るか。
そして、Pro13では、SSDがPCIe接続となっている事で
さらなる高速アクセスが可能になっている点に注目。
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●VAIO Duo 13/11
VAIO Duo 13「SVD1321A1J」
OS : Windows 8 64ビット
CPU : Core i7-4500U(1.80GHz)
メモリー : 8GB
ストレージ : SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)
グラフィック : Intel HD Graphics 4400
ディスプレイ:13.3型ワイド(1920×1080)
VAIO Duo 11「SVD1123AJ」
OS : Windows 8 64ビット
CPU : Core i7-3687U(2.1GHz)
メモリー : 8GB
ストレージ : SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)
グラフィック : Intel HD Graphics 4000
ディスプレイ:11.6型ワイド(1920×1080)
VAIO Duo 13も、
第4世代Core iシリーズ(Haswell)の低電圧版CPUで
上記モデルのPro13/11と同じ動作周波数のCPUながら、
VAIO Duoだけに秘められた冷却性能を活かした
cTDPやターボブーストによるパフォーマンスアップが期待。
Duo11は、第3世代Core iシリーズ(ivybridge)の
低電圧版プロセッサーでも最上位のプロセッサーで
同じく、cTDPやターボブーストの効果が最大限まで得られるため
第4世代とどこまで渡り歩けるか。
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●VAIO Tシリーズ 13/11
VAIO Tシリーズ13「SVT1312AJ」
OS : Windows 8 64ビット
CPU : Core i5-3317U(1.50GHz)
メモリー : 4GB
ストレージ : HDD 約320GB(+ SSD 約32GB)
グラフィック : Intel HD Graphics 4000
ディスプレイ:13.3型ワイド(1366×768)
VAIO Tシリーズ11「SVT1111AJ」
OS : Windows 7 Home Premium 64ビット (SP1)
CPU : Core i7-3517U(1.90GHz)
メモリー : 4GB
ストレージ : SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)
グラフィック : Intel HD Graphics 4000
ディスプレイ:11.6型ワイド(1366×768)
VAIO Tシリーズ 13/11は、
プロセッサーは、第3世代Core iシリーズ(ivybridge)の低電圧版CPUで、
Tシリーズ11のCPUがTシリーズ13よりも若干上位のCPUで、かつSSD。
OSはWindows 7。
Tシリーズ13は、今回計測したモデルの中で
唯一「ハイブリッドHDD+SSD」。
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●VAIO Zシリーズ
VAIO Zシリーズ「VPCZ21AJ」
OS : Windows 7 Ultimate 64ビット (SP1)
CPU : Core i7-2620M(2.70 GHz)
メモリー : 8GB(4GBx2)
ストレージ : 第3世代 SSD RAID 約256GB(128GBx2)
ディスプレイ:13.1型ワイド(1920×1080ドット)
グラフィック: Intel HD Graphics 3000(内蔵)
AMD Radeon HD 6650M(PowerMediaDock)
2011年当時に計測したものを参考程度に掲載。
VAIO Zシリーズ(Z21)は、
プロセッサーは、第2世代Core iシリーズ(Sandybridge)ながら、
通常電圧版のしかもクアッドコアを搭載。
本体単独での状態と、PowerMediaDockを接続した状態のもので、
GPUが切り替わるという2年前に、
モバイルPCなのにおそろしくハイパフォーマンスなモデルだった。
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<PC基本性能ベンチマークテスト>
ベンチマークを計測する際に、
それぞれの電源設定は高パフォーマンスに。
OS自体に搭載されている
Windows 8および7の「パフォーマンスの評価」から。
もうこれほどアバウトな計測値はない気がするけれども
一応お約束で掲載。
●Windows エクスペリエンス インデックス
VAIO Zシリーズ「VPCZ21AJ」
[本体単独使用時] [PowerMediaDock接続時]
一番手っ取り早くパフォーマンスを知ることの出来る
OSに付属しているベンチマークの「Windows エクスペリエンス インデックス」。
大雑把ながらもだいたいの性能の評価がみてとれる。
CPUの評価は、
動作周波数が高いVAIO Duo 11に搭載している
Core i7-3687M(2.10 GHz)が7.2と高い。
次いで、VAIO Duo 13に搭載している
Core i7-4500U(1.80GHz)が7.1となっていて、
同じCPUながら、Pro13/11は6.9となっている。
メモリー評価は、
VAIO Proを見ると、
4GBでは評価が5.9どまりとなってしまっているけれど、
8GBでは7.6となっている。
プライマリハードディスク評価は、
Serial ATA 6 Gb/sのSSDが8.1なのに対して、
VAIO Pro 13に搭載するPCIe 20Gb/sのSSDでは8.6と0.5ポイント上昇。
グラフィック評価を見ると、
Tシリーズの第3世代Coreプロセッサーと、Proの第4世代Coreプロセッサーをと比較すると
評価が0.3ポイント程度上がっている。
また、VAIO Duo 11は第3世代Coreプロセッサーでも評価は高く、
VAIO Duo 13ではさらにそれよりも高くなっている。
まぁこれで判断するよりは
他のベンチマークアプリのほうがより詳しくわかる。
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●CrystalMark 2004R3
これも参考値ではあるものの、従来からWindows Vista時代まで
よく計測していたベンチマークアプリで、
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できる定番のベンチマークソフト。
VAIO Pro 13「SVP1321A1J」 VAIO Pro 11「SVP1121A1J」
VAIO Duo 13「SVD1321A1J」 VAIO Duo 11「SVD1123AJ」
VAIO Tシリーズ13「SVT1312AJ」 VAIO Tシリーズ11「SVT1111AJ」
VAIO Zシリーズ「VPCZ21AJ」
[本体単独使用時] [PowerMediaDock接続時]
ZシリーズとTシリーズ11はOSが異なるという点を踏まえつつ。
[ALU]や[FPU]といったCPU評価は、
シンプルにDuo 11のCore i7-3687M(2.10 GHz)の動作周波数の高いCPUの評価が高い。
[HDD]評価は
VAIO Pro 13に搭載するPCIe 20Gb/sのSSDの速さはそのまま高評価。
それから、
[GDI]や[D2D]、[OGL]といったグラフィックスは
やはりVAIO Pro 13/11全く同じCPUながらも
VAIO Duo 13だけ明らかに高い評価になっている。
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●CINEBENCH R11.5
CPUの演算能力と、グラフィック性能をそれぞれを
計測するベンチマークソフト。
VAIO Pro 13「SVP1321A1J」 VAIO Pro 11「SVP1121A1J」
「Core i7-4500U(1.80GHz)」 「Core i7-4500U(1.80GHz)」
「Intel HD Graphics 4400」 「Intel HD Graphics 4000」
VAIO Duo 13「SVD1321A1J」 VAIO Duo 11「SVD1123AJ」
「Core i7-4500U(1.80GHz)」 「Core i7-3687U(2.1GHz)」
「Intel HD Graphics 4400」 「Intel HD Graphics 4000」
VAIO Tシリーズ13「SVT1312AJ」 VAIO Tシリーズ11「SVT1111AJ」
「Core i5-3317U(1.50GHz)」 「Core i7-3517U(1.90GHz)」
「Intel HD Graphics 4000」 「Intel HD Graphics 4000」
VAIO Zシリーズ「VPCZ21AJ」
[本体単独使用時] [PowerMediaDock接続時]
「Core i7-2620M(2.70 GHz)」 「Core i7-2620M(2.70 GHz)」
「Intel HD Graphics 3000」 「AMD Radeon HD 6650M」
CINEBENCHでもおおよそ同じ傾向がわかるけれど、
CPUパフォーマンスは、
VAIO Pro 13/11の「Core i7-4500U(1.80GHz)」では同等、
それが、VAIO Duo 13「Core i7-4500U(1.80GHz)」では1.5倍にもなる。
動作周波数の高いVAIO Duoの「Core i7-3687U(2.1GHz)」や
VAIO Zシリーズ「Core i7-2620M(2.70 GHz)」は
さすがに高い値を示しているけれども
VAIO Duo 13ではほぼそれに近い性能を出しているというのも事実。
グラフィック性能となるOpenGLでは
外部GPUとして動作する「AMD Radeon HD 6650M」が圧倒的。
そこに次ぐのが、CPU内蔵GPUにもかかわらず、
VAIO Duo 13と「Intel HD Graphics 4000」の組み合わせ。
後述するゲームベンチも非常に良好な結果をだしてくれる。
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●CrystalDiskMark3.0(x64 Beta3)
SSDのパフォーマンスを計測。
VAIO Zシリーズに搭載されていた第3世代と呼ばれるSSD RAIDに、
今回新たにPCIe接続となったVAIO Pro13ならではの
ハイスピードSSD (PCIe 20Gb/s)がどれだけ迫れるか。
VAIO Pro 13「SVP1321A1J」
「ハイスピードSSD (PCIe 20Gb/s) 約256GB」
VAIO Pro 11「SVP1121A1J」
「SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)」
VAIO Duo 13「SVD1321A1J」
「SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)」
VAIO Duo 11「SVD1123AJ」
「SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)」
VAIO Tシリーズ13「SVT1312AJ」
「ハイブリッドHDD 約320GB(+ SSD 約32GB)」
VAIO Tシリーズ11「SVT1111AJ」
「SSD 約256GB(Serial ATA 6 Gb/s)」
VAIO Zシリーズ「VPCZ21AJ」
「SSD 約128GB(RAID 64GB x 2) (Serial ATA 6 Gb/s)」
これを見て明らかにわかるのは、
VAIO Pro 13の「ハイスピードSSD (PCIe 20Gb/s)」が
いかに高速かという事。
シーケンシャルリード(大きいデータの読み込み)は、
第3世代SSDのRAID構成というVAIO Zシリーズとほぼ同等の速度で
1000MB/sを越える。
そして驚異的なのが、シーケンシャルライト(大きいデータの書き込み)が
これまたとてつもなく高速だという事。
Zシリーズの大容量モデル(256GB)で500GB/s、(512GB)で700MB/sまで出るものの
それを上回る800GB/sという速度。
さらに、ランダムの読み込みと書き込みが
これもまた非常に速い。
4Kランダムも4K(QB32)もZシリーズのSSD RAIDを超えている。
というか、もはや感覚がマヒしてきていて、
ここに挙げているVAIO Pro 11やDuo 13/11などに搭載される
「SSD(Serial ATA 6 Gb/s)」も体感ではかなり高速。
Pro 13の「SSD (PCIe 20Gb/s)」が異常値なだけ。
こうなると、本来HDDよりも高速とうたわれていた
ハイブリッドHDD+SSD」ですら遅く見えてしまうという恐ろしい罠。
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次は、
モバイルしてまでゲームしたいのか!?
というかもはや興味本位につきるゲームベンチを比較してみる。
続く。
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1件のコメント
こんにちは。
新機種のベンチマークとても参考になります。
PCIEのSSDでHdTune Proのaccess timeがどれくらいになるのか知りたいです。
もしよければHdTune Proを実行してみてもらえないでしょうか。