一人のVAIOファンとして、これからの「VAIO株式会社」に期待をよせて。
ソニーから分社化した形で
2014年7月1日から「VAIO株式会社」が誕生。
2月6日の衝撃の発表から約5ヶ月、
見知らぬPCメーカーになってしまうという最悪のシナリオは免れ、
元いた1,000人を超える事業部からすると240人と大幅に縮小してしまった事実はありながらも
会社名も「VAIO」、経営・開発・製造は長野安曇野という
VAIOたるアイデンティティは残る形で、再スタートをきった。
・VAIO株式会社設立会見リアルタイム速報:PC watch
・VAIO株式会社 関取社長に聞いた“本質+α”の真意: 週アスPLUS
・あまりに厳しいVAIOの船出:東洋経済ONLINE
そして7月1日ちょうどからホームページhttp://vaio.com/が立ち上がり、
15時からは、「VAIO株式会社」の設立発表会が行われた。
設立発表会の内容は、webニュースにたくさん詳しく出てるので、
そっちがわかりやすいので見るとして、
厳しい船出と評される記事もたくさんありながらも、
自分勝手に妄想する期待値をこめて書いてみる。
<注意>
週刊アスキーさんに、たくさんのご配慮をいただきました。
以下の内容は、あくまでも私の個人的な見解であり、
一人のVAIOファンとして書いたものです。
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●VAIO株式会社から発せられたメッセージ。
<HPや一部新聞や雑誌媒体に掲載されているVAIO株式会社からのメッセージ>
VAIOは、VAIO株式会社へ。
VAIOはもう終わった、という人がいる。
単なる事業整理だ、という人がいる。
たしかに、メンバーはたったの240人。
大きな集団は、小さなPCメーカーになった。
しかし。いや、だからこそ。
我々の目の前には今、無限の地平が広がっている。
ここには、かつてVAIOの遺伝子だったものがある。
ここには、野心と技術と、確かな熱量だけが息づいている。
我々は、ピュアでひたむきなチャレンジャーだ。
あらゆるものから自由になったいまこそ、思い切った決断ができる。
VAIOの未来に必要なものを見きわめること。
そこにすべての力を集中し、PCにはびこる固定概念を変えること。
このチームなら、それができる。
きっと。
自由だ。変えよう。
VAIO
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新しく「VAIO株式会社」が出来るからといって
手放しに喜んでばかりはいられるわけもなく、
確かに、PCという業界においても、低価格化の波や競合他社との差別化ができるか
タブレットやスマートフォンが勢いを増す中で生き残れるのか
過去の栄光のようにうまくとは限らないとか、
支持している立場でも心の中でよぎった言葉が、そのまま書かれていてドキっとさせられた。
けれど、ここにこうして書いてあるという事は、
そこに気付かないフリをするのではなくて
そこもあえてわかった上で、チャレンジしていこうとする姿勢がここに見て取れる。
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●関取社長のVAIO株式会社について。
・PCは道具としての真価が問われ始めてる。
VAIOはもう一度ユーザーが本当に求めている真価を見きわめていく。
・本質+αのこの+αには、
「本質を追究すること」、「制約に縛られないこと」、「VAIOのDNAを継承すること」。
・240人と小規模になったからこそ、
いままでのしがらみから解放されて、思い切りのいい戦略を進める。
人と人、現場と現場、人とお客さんが向き合う。
・ODMモデルを含めたすべてのモデルの最終仕上げ・品質チェックを安曇野で行う。
これを「安曇野FINISH」と呼ぶ。
・ソニーを離れてやっていけるのかと不安に思われるかもしれないが
だからこそ、本質+αという物作りの原点に立ち返り愛されるブランドになっていきたい。
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何度となく用いられた”本質”という言葉は、
会社理念としてわかったようでわからないというか、自分の理解力のなさもあるけれど、
それでも全体を通して聞いていると
社長自らが、制約に縛られないでやっていこうと、
そして、かつてあったプロダクツを極めて作り上げるという
VAIOの遺伝子を引き継いていこうと、
クオリティを確固たるものにするための「安曇野FINISH」という体制をとる
という、効率低コストとは違うところに志ていることは伝わってきた。
もちろんまだ何も新しい具体策が見えていないことからすると
ちょっと不満もあるというか、
「『安曇野の地下にVAIOが隠してある』とくらい言って下さい!!」
と言いたくなるところだけど、
よくよく考えてみると、VAIO株式会社が出来上がってからすれば
まだたったの3ヶ月という中で
そうそう簡単にポンポンと製品が出来上がるなんて事はないのも理解できる。
というか、むしろ突貫工事で
ムリヤリ中途半端なPCを出してしまったなら、
それはすでに会社理念に反する事にもなるだろう。
だから、”新しい姿の何か”を見るのはもう少しおあずけされても
大人しく待っていたい。
(正直な事をいえば、ついこの前、SONY製VAIOを記念にと買ったばっかりで
サイフの中がピンチだから我慢できるとも言う。)
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●削られたシンプルさの中でも魅力を放つVAIO製VAIO第1号
2014年8月13日からまず発売されるのは、
ライトスリムモバイルPCの「VAIO Pro 11」、「VAIO Pro 13」と、
オールインワンスタンダードPCの「VAIO Fit 15E」 の3機種。
SONY時代のVAIOのリプレースなので、当然見た時の驚きはない。
相違点としては、外観的にVAIOロゴオンリーになった事と、
「ASSIST」ボタンがなくなってFelicaが非搭載となった事など。
プリインストールされるアプリもソニー謹製アプリは全てなくなり非常にシンプルな構成。
と書くと、たんなる引き算ばっかりだと思ってしまうのも事実。
けれど、アプリケーションに関して言えば、
ビジネスにおいてはもちろん、プライベートでも、余計なアプリが入っていないほうがむしろ
ストレージ容量を圧迫されず、かつよりクリーンな状態で使える。
必要なものは後からプラスしていけば良い。
そして、クラムシェル型のノートPCだけに、シンプルかつ素早く使える
「Windows 7」をチョイスできる選択肢。
拡張的な特徴とも言うべきFelicaがなかったり、ASSIST機能がないというところもあるけれど
ズバリ、余計な切り欠きが減って、VAIOというロゴだけになり
新規に入るVAIO製VAIOの象徴となる壁紙を含め
より研ぎ澄まされたデザインと機能を有したVAIO製VAIOとも言える。
現時点では、数では圧倒的に多いSONY製VAIOの中にあって、
初代のVAIO製VAIOを手にできるという、
時間がたつにつれて、ジワジワとVAIOクラスタを刺激するモデルに見えてくる。
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●熱いエンジニアの魂が、僕らをワクワクさせる。
かつてのVAIO Pシリーズを現行スペックで刷新して
タッチパネルになったらどれだけ快適だろう?
VAIO DuoやVAIO Tapの8インチモデルが出てきたらどんなに楽しいだろう?
4K動画や高画素のデジタル一眼の映像を
バリバリに動かせるGPUと、高精細にみえるディスプレイを搭載した
画像編集マシンをハイスペックで出して欲しい。
いまだからこそ、デスクトップを出して欲しい。
PCに限らず、AIBOやQURIOみたいな
ペットロボットや二足歩行ロボットを出してほしい。
なんて、想いは自分だけじゃなくて、みんないろいろな想像と期待がある。
それは、かつてのVAIOを作り上げてきたプロダクトマネージャーの人たちも
安曇野のVAIO株式会社に残り、
僕らの思っていることと同じほどに、いや、それ以上に思いを巡らせているという事。
商品プロデューサーや広報の人たちも、
VAIOユーザーとのコミュニケーションを図るべく
今まで以上に熱い想いを抱いているという事。
実は、一番ワクワクしたのは、
VAIO株式会社の人たちのそういった、野心というべきか、志というものが
たくさん伝わってきた事だった。
確かに、どう考えても
小規模になった会社から、どんどん新モデルが登場!なんてことは
まずムリな事も承知の上だけれど、
何かまた、かつてのVAIOをはじめてみたとき
居ても立ってもいられないようなウズウズしてしまう感覚を味わえるんじゃないかと
全力で待機していたくなる。
例えはうまくないかもしれないけれど、
ワールドカップに出場した日本代表は、4年前も今年も”予選突破”は期待されていなかった。
今回は惜しくも予選突破はならなかったけれど、
4年前は皆の大方の予想を裏切った形で予選を突破した。
これは紙一重かもしれないけれど、
どちらにしても、そのムリだと思われている時でも、
選手たちは、予選突破を信じて練習も試合も打ち込んできたはず。
だから、絶対はないとしても
人をあっと言わせる可能性というのは、
その情熱という下地から生まれるものだと信じている。
そう、僕は今、これからが楽しみで楽しみで仕方がない。
日本における、こんなワクワクする240人のベンチャー企業がここに生まれたのだから。
<追記>
そして、出来るならプロダクツはもちろんの事だけれど、
VAIOの本拠地、安曇野で、VAIO好きが集まって
あーでもないこーでもないと語り合ったりする時がきたり、
コミュニケーションが出来る場がこれからリアルやクラウドにできあがる事も願ってみたりする。
【週アスPLUS】
・ソニーが基本的に好きな人が語るVAIOの想い出:デスクトップ編
・ソニーが基本的に好きな人が語るVAIOの想い出:ノートPC編
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