ホームシアターシステム「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)レビュー(その1) スタンドタイプと壁掛けの2通りの設置スタイル、スマホアプリの簡単設定。
4体のスピーカーで没入感と広大な音場による「360立体音響」体験を実現するホームシアターシステム「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)。
前モデルのホームシアターシステム「HT-A9」からの大きな変更点として、スピーカー部にミッドレンジスピーカーを新たに追加して、デザインも円柱状のものから四角くて薄い形状になった。
サウンドバータイプよりも、音に包まれている立体音響を味わえる事は「HT-A9」で実証済み。
果たして「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)は、どう進化したのか?開封してセッティング、そしてスタートアップまでを順をおって解説する。
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目次
●ホームシアターシステム「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)の構成。
ホームシアターシステム「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)のパッケージとその中身。
梱包材は薄くて高さ方向のある大きなパッケージ。
開封すると、スピーカーx4とコントロールボックス、付属品として、ワイヤレスリモコン、HDMIケーブル(8K/4K 120対応、1.5m)、テレビセンタースピーカーモードケーブル(2m)、単4形乾電池×2、ACコード×5、ACアダプター、あとはスタンド/壁掛け用のベースや脚、ネジなどがある。
以前のホームシアターシステム「HT-A9」は、カラーのパッケージに入っていたので、最近はサステナビリティに即したものになっている。
また付属品の数もスタンドが別体となったことで点数が多くなっているため、「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)は設置するまでに組立などで時間がかかる。
スピーカーのサイズは、横幅が289mm、高さが275mm、奥行きが55mm。
スピーカーの色は、ブラックではなくライトグレーのみ。
前モデルの外装はパンチングメタルで覆われた円柱形だったものから、今回はファブリック素材を使った布製になっているので全くデザインが異なる。
その柔らかい素材ゆえ、指などで必要以上に押し込むと内部のスピーカー部を破損するおそれがあるので注意。
スピーカーの構成は、ウーファーとミッドレンジスピーカー、トゥイーターとの3WAY構造と、上方向に音を出すイネーブルドスピーカーを内蔵。
トータル12個のスピーカーユニットだった「HT-A9」と比べると、「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)の方がミッドレンジスピーカーが追加されトータル16個のスピーカーユニットに増加している。
これによって、より深みのある低音から広い指向性、および高解像度オーディオを再生することができるようになっている。
アンプには「S-Master HX」を内蔵して、実用最大出力は504W。
「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)のスピーカー本体形状が単体では自立しないため、スタンドタイプか、壁掛けタイプかを選択して設置する。
スタンドタイプ、壁掛けタイプでそれぞれスピーカー1ユニットあたり以下の付属している部品を利用する。
壁掛けする場合、壁に固定するためのネジについては別途用意する必要がある。
<スタンドタイプ> ・スピーカー×1 ・電源コード×1 ・兼用ベース×1 ・テーブルスタンド脚×2 ・テーブルスタンドネジ×2 |
<壁掛けタイプ> ・スピーカー×1 ・電源コード×1 ・兼用ベース×1 ・壁掛けフック×1 ・壁掛け金具(左・右)×各1 ・金具用ネジ×2 ・壁掛け用ネジ×4(別売) |
スタンドタイプの組み立て
まずはスタンドタイプで組み立ててみる。
兼用ベースにテーブルスタンド脚を2つを取り付ける。
そして、組み立てたスタンドを、スピーカー底面に取り付けてる。
組み込むときにガイド穴があるので、取り付けに迷うこともない。
テーブルスタンドをネジで固定。
組み立て自体はとても簡単。
左右にネジを取り付けて完了、電源ケーブルも底面に取り付ける。
電源ケーブルを取り付けるとこのようになる。
ケーブルホルダーに引っ掛けることで、電源ケーブルを引っ張ってしまって抜けてしまうことを防ぐことができる。
電源ケーブルは、眼鏡型の形状で先がL字になっているため、設置しても底面に当たって負荷がかかることはない。
壁掛けタイプ組み立て方法
壁掛けタイプの組み立ては、まずスピーカー背面にあるネジを外して壁掛け用フックを取り付ける。
さらに兼用ベース、壁掛け金具(左・右)を組み合わせて壁掛け用のベースを作る。
今回は設置イメージとして組み上げてみる。
まず先に壁掛け用ベースを固定する。この時、4つの穴を壁に開けることになる。
そして、スピーカーをベースに引っ掛ける。
スピーカーは、左右の底面金具、壁掛けフックで支えられている。
フックを引っ掛けた後に、外れてしまわないように底面のねじ止めして作業は完了。
壁掛けする場合は、電源ケーブルを壁の中で確保できるようにするのか?そのまま壁から配線をするのかという事まで考えて設置する必要がある。
スピーカーを壁掛けするには、事前に準備をしておかないと後悔することになるので注意しよう。
コントロールボックスは従来モデルから少し大型化
「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)の4つのワイヤレススピーカーを制御するコントロールボックスは、前モデル「HT-A9」から少し大型化。
縦横が160mm、高さが約56mmの小さなボックスの形状。
4つのワイヤレススピーカーとの通信をする役割と、Bluetooth接続に対応する。
背面にあるのは、LAN端子(100BASE)、HDMI出力、HDMI入力、電源端子、アップデート用のUSB端子(シールで隠れている)、Sセンター出力端子。
物理の電源ボタンも背面にある。
HDMI端子は入出力が1系統のみであり、AVアンプのようなセレクターの機能はない。
では、PS5やBDレコーダー、他たくさんある機器をどうやって接続するのか?
「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)は、HDMIの機能である「eARC(Enhanced Audio Return Channel)」に対応している。
「eARC」は、リニアPCM 5.1chや7.1ch、「ドルビーアトモス」や「DTS:X(R)」といった、音声フォーマットの伝送が可能。
eARC対応のテレビ(BRAVIA)にHDMIケーブルで接続することで、テレビ側に接続した機器もすべて音声フォーマットをフルで「HT-A9M2」で再現できるという事になる。
コントロールボックスにあるHDMI端子は、HDMI2.1をサポートして、PlayStation®5の4K/120pにも対応するほか、8K HDR/4K HDR、VRRなどのパススルーにも対応している。
仮にeARC、ARCに対応しないディスプレイ・モニターなどに接続する場合は、PlayStation®5などの映像を入力する機器は「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)のコントロールボックス入力端子に接続する必要がある。
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●ホームシアターシステム「HT-A9M2」の設置と設定。
自宅でホームシアターを楽しもうとした場合、課題となるのはスピーカーの設置や設定にともなう煩わしさ。
「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)の場合、基本的にスピーカーは電源ケーブルを確保するだけで良い。
それぞれ4つのスピーカーの底面に、「FL」フロント左、「FR」フロント右、「RL」リア左、「RR」リア右と置き場所が決まっているので、部屋の4スミに設置する。
前後左右や高さについても厳格なルールはないけれど、スピーカー天面から上方向にも音を出すため、天井に近すぎたり棚の中など音の妨げになるような設置はNG。
また各スピーカー同士の間に大きな障害物は置かないように。
コントロールボックスは、電源を確保してHDMIケーブルでテレビと接続。
BRAVIAに「Sセンタースピーカー」が備わっている場合は、テレビセンタースピーカーモードケーブル(2m)も接続しておく。
コントロールボックスはサイズが小さいため、設置スペースで悩むことはまずないはず。
電波が遮蔽されてしまうような事がなければ、TVラックの中に入れてしまっても大丈夫。
付属のリモコン操作する場合には、完全に見えない場所に設置すると動作しなくなるので注意。
ちなみにリモコンは非常にシンプルなもので、できることも限られている。
細かい設定はどうするのか?というと、スマートフォンの「BRAVIA Connect」アプリを利用することになる。
「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)の初期設定から音量調整、モードの切替に至るまですべてをスマートフォンアプリ「BRAVIA Connect」からできるようになっている。
コントロールボックスとスピーカー4つに電源ケーブルを確保できたら、「BRAVIA Connect」アプリを立ち上げて初期設定をしていく。
アプリの中に、「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)がリストに表示されたら選択。
そして、表示されてる説明通りに設定すすめていくだけ。
このときソニーグループのアカウントでログインしておくと設定がスムーズ。
重要なのは「音場最適化」。
スピーカーが接続されている事を確認して、「音場最適化」を開始すると、4つのスピーカーからそれぞれ測定するための音声が順番に鳴り響く。
それぞれのスピーカーにマイクが内蔵されていて、その音からスピ-カー間の距離と天井までの距離を計測して部屋に合わせた音場空間を自動で生成する。
この時の測定音がそこそこ大きくて、集合住宅などで夜にセットアップすると迷惑になるかもしれないので注意。
また、「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)は、スマートフォンのマイクを使用して、自分の視聴位置にあわせて音場を最適化してくれる機能も追加されている。
スマートフォンのマイクを使用するため、画面の説明も上下反転して表示される。
視聴位置が必ずしもホームシアターシステムの中心というわけではないことも多いため、環境にあわせて簡単に調整してくれるのは良い。
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●自宅のリビングが映画館になるホームシアターシステム「HT-A9M2」
調整が終わると「360 Spatial Sound Mapping」のデモ音源が再生。
森の中で鳥の鳴き声や吹き抜ける風の音が聞こえる。
このとき、「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)の威力を感じられるというか、まるで自分が木々に囲まれていて、周囲に風が吹いていて鳥の鳴き声は頭上からきこえるその立体音響に心が震える。
最近の動画配信サービスは、音質クオリティも高くなってきている。
例えば、Amazon「Prime Video」でも4Kや5.1ch配信をしているし、 NetflixやDisney+ではさらにリッチな音声規格に対応しているので、「HT-A9M2」(BRAVIA Theater Quad)で視聴する楽しみは爆上がりする。
お気に入りの作品であれば、ぜひドルビーアトモスに対応しているUHD BDを買ってでも観るべき。
画質はもちろんのこと、配信で味わうよりも映画館の、というよりも自宅の自分のいる空間で立体音響がこれほどに楽しいものなのかと感動する事は間違いない。
参考までに、「BRAVIA Connect」は、新型BRAVIAでも利用できるアプリで、テレビやホームシアターをまとめて操できる。
設定値が表示されるためリモコンよりも簡単に操作できるし、テレビ側に設定が表示されないので映像の邪魔にもならずにとても使いやすくて今後のメインアプリになることは間違いない。
実際に体験してみたレビューは別途記事化する予定。
<参考:ホームシアターシステム「HT-A9」レビュー>
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●ホームシアターシステムBRAVIA Theater Quad「HT-A9M2」関連製品
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