G Master マクロレンズ FE 100mm F2.8 Macro GM OSS「SEL100M28GM」レビュー。魅惑の最大撮影倍率1.4倍とテレコン対応、そして高速AFが撮影シーンを大幅に広げてくれる。
ソニーから発表された、Eマウント専用フルサイズ対応レンズ 。
焦点距離100mm、開放F値2.8、最大撮影倍率1.4倍という、Gマスター初のマクロ単焦点レンズとなる。
G Masterレンズならではの高い描写力、高速・高性能AFに加えて、マクロレンズでありながらテレコンバーターに対応することで最大撮影倍率2.8倍の撮影が可能という非常に意欲的なレンズ。
さっそくソニーストア 直営店で実機を触ってきた。
・FE 100mm F2.8 Macro GM OSS | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
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目次
●Eマウントレンズ4本目となるマクロレンズ「SEL100M28GM」
35mmフルサイズ対応 Eマウントレンズとして、開放F値2.8で100mmの中望遠マクロレンズ
が登場。これでソニーのEマウントフルサイズのマクロレンズは、合計で4本となった。
左から順番に左から、 E 30mm F3.5 Macro「SEL30M35」、FE 50mm F2.8 Macro「SEL50M28」、FE 90mm F2.8 Macro G OSS「SEL90M28G」、 。
E 30mm F3.5 Macro「SEL30M35」
APS-C
発売年月:2011年9月
焦点距離:45mm(35mm判換算)
最大撮影倍率:等倍
FE 50mm F2.8 Macro「SEL50M28」
フルサイズ
発売年月:2016年9月
焦点距離:50mm
最大撮影倍率:等倍
FE 90mm F2.8 Macro G OSS「SEL90M28G」
フルサイズ
発売年月:2015年6月
焦点距離:90mm
最大撮影倍率:等倍
フルサイズ
発売年月:2025年11月
焦点距離:100mm
最大撮影倍率:等倍
中望遠マクロレンズとしては、FE 90mm F2.8 Macro G OSS「SEL90M28G」以来なので約10年ぶりの投入。
特にこれ以上の伸びしろはないと思っていたら、高速・高性能AFに加えて、最大撮影倍率1.4倍の高いマクロ撮影性能を備えたGMaster シリーズとして出てくるとは。
焦点距離100mmとなったことで、よりぼけ味を活かした表現や、被写体を浮かび上がらせた印象的な描写ができる。
FE 90mm F2.8 Macro G OSS「SEL90M28G」
焦点距離イメージ(mm):90 / 135 mm(APS-Cサイズ時)
開放絞り : F2.8
最小絞り : F22
レンズ構成 : 11群15枚
絞り羽根 : 9枚
円形絞り : ○
最短撮影距離:0.28 m
最大撮影倍率:x1
フィルター径 : φ62mm
サイズ : 79x 130.5 mm
重量 : 602 g
焦点距離イメージ(mm):100 / 150 mm(APS-Cサイズ時)
開放絞り : F2.8
最小絞り : F22
レンズ構成 : 13群17枚
絞り羽根 : 11枚
円形絞り : ○
最短撮影距離:0.26 m
最大撮影倍率:x1.4
フィルター径 : φ67mm
サイズ : 81.4 x 147.9 mm
重量 : 646 g
サイズとしては、全長約147.9mm、質量約646gとほぼ「SEL90M28G」と変わらない小型・軽量サイズ。
鏡筒の全長は のほうが長いものの、レンズフードを装着した状態であればほぼ取り回しは違わない。
参考までに、SEL90M28G」、ハーフマクロに対応する「 」を図にして比較。 と、中望遠マクロレンズである「
最新のレンズだけあって、AFには最新のXDリニアモーター、Gマスターレンズのため絞り羽根も11枚、最大撮影倍率も1.4倍とあらゆる面で凌駕。
さらに、テレコンバーターを装着することで最大撮影倍率は2.8倍まで大きくすることができるのは驚き。
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● のハード周りをチェックする。
に備わるハードウェア機構は、マクロ撮影に特化。
特に、スライド式の「フォーカスリング」は、「SEL90M28G」の機構とも異なっている。
「フォーカスリング」が前方にあるときが「AF/MF」モードで、カメラ側に引くと「FULL MFモード」。
「AF/MF」モード時は、通常のGMasterレンズと同じ挙動で、フォーカスモードスイッチで、AFとMFを切り替え。
AFのピント位置のままMFに切り替わる。
また、「フルタイムDMFスイッチ」を有効にしていると、AF使用時でもフォーカスリングを回転させるだけで瞬時にマニュアルフォーカスが可能になる。
「フォーカスリング」をカメラ側に引くと「FULL MFモード」になり、距離指標と倍率指標を活用して撮影できる。
このとき、フォーカスリングは最短撮影距離と無限遠で止まる。
カメラ本体のメニューからカスタマイズして、好みの機能を割り当てて使うことができる「フォーカスホールドボタン」は、レンズの左横と真上に2つ。
レンズ手を添えた延長上として左手で操作できるボタンになるだけに、縦位置にかまえたときでも押しやすくて使い勝手がとても良い。
「絞りリング」は、右手でグリップしながら、レンズにそえた左手でF値を意のままに操れる。
また、「アイリスロックスイッチ」を備えて、撮影中に不用意に絞り値がかわらないようにロックすることもできる。
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「絞りリング」は、F値を変化させたときにカチカチと触感として配分がわかるので、目視することなく撮影により集中できる。
クリックはオンオフ可能で、動画撮影時にクリック音が邪魔になるようであればOFFにしてシームレスに可変もできる。
フォーカスリングにはリニア・レスポンスMFを採用して、リング回転角度にリニアなフォーカス移動する機構になっていて、微妙なニュアンスをダイレクトに反映してくれるおかげで、精緻なピント合わせができる。
フィルター径は67mm。
ボタンやリングまわりは密閉されていてアウトドアでも気軽に撮影が楽しめる防塵・防滴に配慮した設計。
レンズ最前面にはフッ素コーティングも施されていて、汚れ成分の付着を防止してくれる。
そして最先端のレンズコーティング技術である「ナノARコーティング II」が施されているというのも最新のG Masterレンズならでは。
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●G Master 100 mm F2.8 中望遠マクロレンズの等倍をこえるマクロ撮影。
のレンズ構成を見ると、超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ2枚、ED(特殊低分散)ガラス2枚を再用意した最新のレンズ技術で設計された光学系により、画像の隅々まで緻密に描写する。
その最新のレンズ設計に加えて、製造時に球面収差など諸収差への調整をすることで理想的な解像度とぼけのバランスをもつGMasterを名乗るにふさわしいレンズとなっている。
レンズのコントラスト再現性を示すレンズ性能評価となるMTF曲線を見てもわかるとおり、中央は当然として周辺部についても被写体を忠実に再現しているかがわかる。
さて実際に、
をαボディに装着して撮影してみた。小さな被写体を大きく写せるレンズがマクロレンズ。
植物についた水滴や、機械式時計のムーブメントなど、繊細で緻密な被写体をマクロレンズで撮影するとと、肉眼で見るのとは違った世界が見えてくる。
ちょうどソニーストアの店内には、まさにマクロ撮影するにふさわしい被写体がここぞとばかりにたくさん展示してあって、撮影対象に困らない。
※以下、画像をクリックすると別ウインドウで開きます。(便宜上、2000x1333に縮小しています。)
被写体をどのくらい大きく写せるかの指標になるのが最大撮影倍率。
最大撮影倍率は、最短撮影距離で被写体が一番大きく写るときの撮影倍率で、「イメージセンサー上に投影される被写体の大きさ/被写体の実際の大きさ」を比率で表したもの。
「SEL90M28G」の等倍(1/1)の場合、実際の被写体の大きさがイメージセンサーに投影された被写体の大きさが等しくなる。
の最大撮影倍率は等倍を超えた1.4倍は、どれくらいの違いがあるのか?
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カメラ :α7R V レンズ : 焦点距離:90mm 最大撮影倍率:等倍 |
カメラ :α7R V レンズ : 焦点距離:100mm 最大撮影倍率:1.4倍 |
ソニーストア店内で限られた時間の中で試したため多少の誤差がある事を前提として写真を見比べてみるとその違いがわかりやすい。
ファインダーをのぞいて見てもこんなに寄れるのか?と思うほど。
コインがたくさん並んでいる中から1つをファインダーごしに見ていて、ふと俯瞰して肉眼で見るとどれがどれだかわからなくなってしまった。
それくらい感覚がバグる。
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マクロ撮影といえば、一番大きく映し出せるのは等倍だと思いこんでいただけに、撮影倍率が1.4倍で撮れる世界観はまた格別。
普段目にしている場所や被写体すらも、今までみたこともないような写真に落とし込めるので、なんとも撮影が楽しくなってくる。
AFで最初に追い込むときには、フォーカスリミットを0.7m-0.26mに設定するとピント合わせが速い。
テレコンバーターに対応、最大撮影倍率2倍や2.8倍の世界が撮れる!
最大撮影倍率1.4倍というだけでも驚きなのに、 はテレコンバーターに対応。
1.4X テレコンバーター「SEL14TC」を装着すると最大撮影倍率が2倍に、2.0X テレコンバーター「SEL20TC」を装着すると最大撮影倍率が2.8倍と、等倍を大きく超えるマクロ撮影ができる。
<「に装着した場合の焦点距離イメージ> 」
2倍の焦点距離イメージ(mm):200 / 300mm(APS-Cサイズ時) ※F値5.6
1.4倍の焦点距離イメージ(mm):140 / 210mm(APS-Cサイズ時) ※F値4
もちろんテレコンバーター装着時でも、Gマスターレンズならではの高い描写性能はそのままに高速なAF性能も発揮できる。
まず単純に手持ちのスマートフォン(Xperia 1 VII)のディスプレイ面(2340×1080ドット)を撮影してみた。
ここで、
はレンズ内光学式手ブレ補正機能を備えているので、手持ち撮影でもブレをかなり抑えてくれる。新しい制御システムになったことで、角度ブレ(Yaw/Pitch)に加えて、シフトブレ(X / Y)、前後方向(Z)のブレにも対応しているおかげで、手持ちでのマクロ撮影でも手ブレはかなり抑えてくれている印象。
スマートフォンにGoogle Chromeで「PC版サイト」を表示しているため、6.5インチという小さなスマホ画面に、非常に微細なホームページが表示されていて。
ピンチアウトして拡大しないと文字すら読めないほどの細かなアイコンや文字。
で撮った写真(最大撮影倍率1.4倍)では文字ははっきり見えるのはもちろんだけれど、白い背景が白ではなく、RGBの色で構成されていることがわかる。
さらにテレコンバーターを装着して撮影すると、RGBのサブピクセルがより具体的に見えてくる。
被写界深度が異常に薄いため、手ブレは防いでくれても、体や手のゆらぎで文字がはっきり見えているところとぼけて見えてしまっているのは自分のせい。
そこで改めて、持参したミニチュアを撮影してみた。
食玩ガンダムアーティファクトのZガンダムの全長はおよそ55mmほど。
超がつくほどミニサイズながら数多くのパーツで構成されていて、非常に精密で緻密なメカディテールが特徴。
これをマクロレンズで撮影するとどのように見えるのか興味津々。
最短撮影距離は26cmではあるものの、フードを外したレンズ前面から被写体までの距離(ワーキングディスタンス)は、およそ9cm前後。
テレコンバーターを装着した状態でこの距離で撮影すると、それぞれの最大撮影倍率で撮れる。
もしくは遠距離からでもマクロ撮影できると考えると、テレコンバーターを活用することで近づくと逃げてしまう昆虫や近づけない位置にある花のアップも撮影しやすくなる。
今度は、被写体とカメラは完全に固定。
よりくっきりと映し出したいので、F16へとそれぞれ絞って撮影。
漠然と精巧なミニチュアだと思っていただけで、実際にはまったく認識できていなかったディティールが手に取るようにわかる。
というか肉眼ではシャープな造形だと思っていても、ここまで見えてしまうとエッジの甘さや素材の粒子感まで見えてしまうとは。
ニッパーで綺麗に切り落としたはずの断面の残りや、かみ合わせしそこなっているパーツや、小さなホコリまで全部わかる。
マクロの世界で解像性能を発揮する怖さを知ってしまった。
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●GMasterレンズだからこその美しいボケ味
のレンズの性能を知る上で、フォーカス面だけでなく背景のボケ味についても調べてみた。
開放F2.8で撮影すると、フォーカスした箇所の解像感は高く、大口径レンズならではの背後に大きなぼけ味と、その遷移するにつれてなめらかな溶け込んで被写体が浮かび上がる立体感が凄い。
しかも光源の周囲に色づきも抑えられて非常に綺麗かつ癖のないフラットな点光源となっているのは、GMasterレンズならでは。
絞り羽根は、G Masterレンズのほとんどのモデルに備わる11枚羽根の円形絞り。
枚数が多くなることで高い円形比率で、少し絞った場合でもその丸いカタチを保てるのが特徴。
その絞りの変化を参考までに撮影。
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絞り値:F4 | 絞り値:F5.6 |
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絞り値:F8 | 絞り値:F11 |
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絞り値:F16 | 絞り値:F22 |
開放F2.8から、 F4 / F5.6 / F8 / F11 / F16/F22へと絞ったさいの画像を並べてみた。
開放F2.8では周辺部には大口径レンズの宿命とも言うべき点光源がレモン型に、いわゆる口径食が見てとれるものの、1段しぼる(F4)ことで口径食は解消されている。
徐々に絞っていくとやらわかな丸い玉ぼけを維持しつつ、F8あたりから光芒が出てくる。
11枚羽(奇数)なので、周囲に向かってのびる光芒は22本。
ナノARコーティング IIが施されているため、ゴーストやフレアも抑えてとてもヌケの良い画質になっている。
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●マクロレンズなのに?高速AFを持ったことで幅広い撮影ができる汎用性の高さが魅力。
マクロ撮影は精度を高めるにはマニュアルが当たり前だという認識があったので、AFは遅くても仕方がないのだと割り切っていた。
ところが…、
のAFの速さは爆速で驚いた。試しに、回転台でくるくる回ってるバスケットシューズ(エアジョーダン1)をAFで追いかけながらピント合わせて撮ってみた。
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開放F2.8で撮影したため被写界深度はとても薄くてピント面はごく一部になっているとはいえ強烈に高速かつ正確なAF。
さすがXDリニアモーターを4基搭載して巨大で重いフォーカスレンズ群を高速に駆動することができるだけの事はあって、圧倒的にスムーズかつ静粛なフォーカシングができる事に感動すら覚える。
(「SEL90M28G」比で、最大1.9倍高速。)
デジタル一眼カメラα9 IIIと組み合わせれば最高120コマ/秒のAF追随を行う高速連写もできるとなると、
素早く動く小さな昆虫を高速なAFでマクロ撮影するなんて事もできる。
これは夢が広がる。
いや冗談抜きで、「SEL50M28」や「SEL90M28G」でも単焦点レンズとして使いたくても、オートフォーカスがあまりにも遅すぎてマクロ撮影以外で使いたいとも思えなかった。
ところが、
AFが本気で優秀で、焦点距離100mm の開放F2.8の単焦点レンズとしても活躍してくれる。そこに絶妙な操作性もあいまって、唯一無二のマクロの世界からポートレートやウエディング撮影という振り幅の広さ。
そしてもう一つ驚くべきは、このレンズが20万円前後という、GMasterレンズとは思えないほどのリーズナブルさだということ。
「SEL90M28G」にもう少し追加投資するだけで、この恐ろしく汎用性の高いマクロレンズが手に入る。
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●FE 100mm F2.8 Macro GM OSS「SEL100M28GM」
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