VAIO typeT「TT&TZシリーズ」とtypeZのベンチマーク比較。
VAIO typeT(TTシリーズ)のパフォーマンスが、
薄さを犠牲にしてまでどこまで上がったのか?
TZシリーズとの差はあるのか?
をいろんなベンチマークテストで数値化して比較。
メインは、この2機種の比較だけど
それに加えて、
同じモバイルVAIOという領域にあって
サイズと重量が近いVAIO typeZのSSDモデルのベンチマークを出して
一緒に比べてみる事にした。
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<2世代違うTTシリーズとTZシリーズ>
VAIO typeT(TTシリーズ)と、TZシリーズは、
基本的にチップセットの世代が2つも離れているので
パフォーマンス的には、
当然新型のTTシリーズに期待できる。
TZシリーズは、
自分の持っているVGN-TZ91SのSSDモデルを使用。
どちらも、最大のパフォーマンスが発揮できるように、
【高パフォーマンス】に設定。
1)
VAIO typeT「VGN-TT90S」
OS:Windows Home Premium(SP1)
CPU:Core 2 Duo SU9400(1.40 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 800/2GB×2)
ストレージ:SSD 約256GB(約128GB×2 RAID 0)
ディスプレイ:11.1型ワイド(1366×768)
チップセット:モバイル インテル GS45 Express
グラフィック:Intel GMA 4500MHD
2)
VAIO typeT「VGN-TZ91S」
OS:Windows Home Premium(SP1)
CPU:Core 2 Duo U7600(1.20 GHz)
メモリー:2GB(DDR2 533/2GB×1)
ストレージ:SSD 約48GB(Ultra ATA)
ディスプレイ:11.1型ワイド(1366×768)
チップセット:モバイル インテル 945GMS Express
グラフィック:Intel GMA 950
VAIO typeZは、
グラフィックで違いのでるベンチマークに関しては、
専用のグラフィック(SPEEDモード)と、
内蔵グラフィック(STAMINAモード)の両方の数値を掲載。
3)
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
OS:Windows Vista Home Premium(SP1)
CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 1066/2GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
ディスプレイ:13.1型ワイド(1600×900)クリアソリッド液晶
チップセット:モバイル Intel GM45 Express
グラフィック:
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
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<SSDやメモリーの転送速度>
ストレージにSSDを採用して高速化を図るモバイルPC。
単純に転送速度を計測するために、
CrystalDiskMark 2.2で計測。
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
【SSD RAID 0(Sirial ATA)】 【SSD(Ultra ATA)】
知らなきゃよかったTTシリーズのSSD RAID 0とTZ91SのSSDの差。
おそらく、
SSD自体の転送速度の向上した事、
接続コネクタがシリアルATAになって帯域が大きくなって、
そしてストライピング構成になった事でこの性能差。
読み込みで約3倍、書き込みで約4~5倍の数値差がついている。
確かに、いろんなベンチマークを計る時でも、
アプリケーションを立ち上げる速度は、TTシリーズのほうが
はるかに速かったし、
十数MB程度のデータをSBメモリーから本体のSSDに移す時でも
顕著に違いが現れた。
おそらくストライピングによる恩恵が非常に大きいと思われる。
一応、負け惜しみを言うと
TZ91Sを単体で普通にブラウザとか軽いアプリを扱ってる分には、
SSDだけに十分に速くて体感上での不満はない。
typeZ「VGN-Z90S」
【SSD RAID 0(Sirial ATA)】
VAIO typeZがさらに速いのは、
SSDに「SLCタイプ」のものを採用してるからだと推測。
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続いてメインメモリーの転送速度も変わっているという事なので、
メインメモリーを仮想ディスク化して、
CrystalDiskMark 2.1で計測してみる。
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
【4GB(DDR3 800/2GB×2)】 【2GB(DDR2 533/2GB×1)】
TZ91Sのメモリーは、
PC2-4200(DDR2 533MHz)なのに対して、
TTシリーズのメモリーは、
PC3-6400(DDR3 800MHz)。
さらに、メモリー1枚挿しから、2枚挿しになった事で
デュアルチャンネル動作までが可能になったので
正直に2.5倍くらいの転送速度の差となる結果が出た。
実際のアプリでこの差をどのタイミングで体感として感じるかどうか?
というのは微妙にわかりづらいかもしれないけど
これだけ違うと、全体的にも影響は大きそうだ。
と、それに加えてメモリー容量が4GB載せられるのがうらやましい。
余った1GB弱も仮想メモリー化して使えばさらに高速化できそうだし。
typeZ「VGN-Z90S」
【4GB(DDR3 1066/2GB×2)】
うーん、VAIO typeZは、PC3-8500(DDR3 1066MHz)なので、
TTシリーズのさらに1.5倍の転送速度。
比べちゃいけない気がする・・・
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<PC基本性能ベンチマークテスト>
●パフォーマンスの評価
Windows Vistaの簡易ベンチの「パフォーマンスの評価」
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
プロセッサ:4.6 プロセッサ:4.4
メモリ:4.9 メモリ:4.2
グラフィックス:3.2 グラフィックス:2.2
ゲーム用グラフィックス:3.3 ゲーム用グラフィックス:2.8
プライマリハードディスク:5.9 プライマリハードディスク:5.3
CPUの評価は、
低電圧版ながらデュアルコアの評価。
クロック周波数の差が微妙な数値の差か。
メモリー評価は、
明らかに転送速度が上がった事で大幅に上昇。
グラフィックは、
どっちもあまり高くないものの
950よりは4500MHDのほうが1.0高い評価。
HDD評価は、
SSD単体でも高評価だったけれど
SSD RAID 0は、それを軽く上回る最高値の5.9。
typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
プロセッサ:5.6
メモリ:5.9
グラフィックス:4.4 (4.1)
ゲーム用グラフィックス:5.1 (3.8)
プライマリハードディスク:5.9
標準電圧版CPU、DDR3 1066MHzのメモリ、
内外のグラフィック、SSD RAID 0のストレージ、
どれもTTシリーズの1つ上の評価をたたき出す。
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●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
[ALU]や[FPU]といったCPU演算や
[GDI]や[D2D]、[OGL]といったグラフィックス性能は
特別飛びぬけるほどの違いは出てこない。
やはり、
メモリー評価の[MEM]は、DDR3 800MHzのメモリーの性能、
[HDD]評価は、SSD RAID 0はの威力が大きい。
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
内蔵グラフィックを使用しても、
VAIO typeZのトータル性能は高い。
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●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
PCMark05からマルチコア/スレッドに対応。
左数値)typeT「VGN-TT90S」 右数値)typeT「VGN-TZ91S」
System Test Suite(PCMarks) :4177 2331
HDD_XP Startup(MB/s) : 50.87 13.06
Physics and 3D(FPS) : 68.39 43.87
TransParent Windows(Windows/s) : 1916.01 943.7
3D_Pixel Shader(FPS) :26.87 5.77
Web Page Rendering(Pages/s) : 1.03 0.8
File Decryption(MB/s) : 38.3 30.98
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS) : 352.64 139.07
HDD_General Usage(MB/s) :32.03 11.6
Audio Compression(kB/s) : 966.45 734.84
Video Encoding(KB/s) : 310.08 209.97
Text Edit(Pages/s) : 65.07 46.7
Image Decompression(MPixeles/s) : 18.74 14.25
File Decompression(MB/s) : 3.02 2.33
File Encryption(MB/s) : 16.78 12.82
HDD Virus Scan(MB/s) : 70.22 29.03
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s): 7.69 6.38
詳細のテストでも
特に高い数値に下線をつけてみた。
テスト結果からすると
やはりSSDのRAID 0の恩恵が絶大。
ちなみに、
VAIO typeZの評価数値は、
SPEEDモードで、7848 PCMarks、
STAMINAモードで、7120 PCMarks。
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<3Dゲーム系ベンチスコア>
モバイルPCのVAIO typeTに、
グラフィック性能を期待するほうが間違っているけど
低いなりに参考になると思ったのでテスト結果を出してみた。
●3DMark06、3DMark05
基本的に3Dグラフィック性能を測るベンチマークソフト。
DirectX 9.0c、マルチコアに対応。
TZ91Sで測定不能項目が出てしまったので、
一つ前の3DMark05でも測定してみた。
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
3DMark Score : 649 144
SM 2.0 Score : 195 66
SM 3.0 Score : 261 N/A
CPU Score : 1162 819
3DMark Score : 911 358
CPU Score : 4753 3112
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
3DMark Score : 2269 1083
SM 2.0 Score : 841 302
SM 3.0 Score : 795 455
CPU Score : 2380 2376
3DMark Score : 3940 1529
CPU Score : 12593 9538
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●Vana’diel Bench3
(FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークテスト3)
DirectX8.1対応止まりだけど定番のベンチマークソフト。
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
・低解像度モード SCORE:平均 2049 平均 1868
・高解像度モード SCORE:平均 1430 平均 1231
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低解像度モード SCORE:平均 7977 平均 3713
・高解像度モード SCORE:平均 4882 平均 1827
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●三國志 Online
ゲーム内の合戦を大量のキャラクターを同時表示して動作を確認。
DirectX 9.0c以上が必須。
低グラフィック、標準、高グラフィックの3段階による計測が可能。
解像度が足りないと高グラフィックの計測はできない。
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
・低グラフィック計測 713“兵卒” 375“兵卒”
・標準計測 430“兵卒” 256“兵卒”
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
・低グラフィック計測 3403“戦神” 900“兵卒”
・標準計測 2028“猛将” 620“兵卒”
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●モンスターハンターフロンティアオンライン
モンスターハンターフロンティアを動作させるための
ハードウェアとソフトウェの性能をはかるベンチマーク。
DirectX 9.0c以上が必須。
解像度は、1280×800設定でテスト。
typeT「VGN-TT90S」 typeT「VGN-TZ91S」
SCORE: 平均 331 計測不可能
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
[SPEEDモード] [STAMINAモード]
SCORE: 平均 937 平均 561
グラフィックボードに依存するので
当然の結果といえばそれまで。
TTシリーズのグラフィック性能は、
TZシリーズよりは幾分かは良くなっているので
ベンチマークスコア上では数値は上昇している。
ただし、
最新の3Dグラフィックのゲームだと、
VAIO typeZの外部グラフィックでさえ難しいくらいなので、
内蔵グラフィックでまともに動かすのは無理がある。
解像度を落として、負荷をかけないなどの工夫をするとか
グラフィックに大きく依存しないゲームであれば問題はないと思うけど。
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なんだか
VAIO typeZのスペックを賞賛するような比較になってしまっているけど、
これが事実現れたベンチマークの結果には違いない。
これはこれで、パフォーマンスの違いはあるとして、
本体のサイズの違いだとか、バッテリーの持ちだとか
使用用途などを全て含めて考えればいいだけの事。
同じVAIO typeTの
TTシリーズとTZシリーズの2つだけを比較してみると、
その2世代変わったチップセットをはじめ、
CPU、メモリー、SSDのトータル的な速さの違いというものは確実にあって、
TTシリーズがかなり高速化している事はベンチマークからも読み取れる。
だからといって個人的には、
今使っているTZシリーズのSSDモデルに大きい不満もないし、
TZシリーズを手放してTTシリーズに買い替えようとは思わない。
おそらく、
それよりも前の、TシリーズだとかTXシリーズのからの買い替えであれば
CPUやストレージの超高速な快適さとか
ストレスのないバッテリー持ちだとか
ハンパじゃなく綺麗になった液晶ディスプレイといった
その進化具合は、ものすごく味わえるんじゃないかと。
という他人事よりも、今回のテストで
自分の持ってるTZ91Sのスペックの低さを再認識されられたので
コイツをどうにかしてやりたいという別の目標が出来てしまった。
・ハイパフォーマンスとハイクオリティを手に入れたVAIO typeT(その1)
・ハイパフォーマンスとハイクオリティを手に入れたVAIO typeT(その2)
・SSDとBDドライブを搭載した新「VAIO typeT」
・VAIO typeZとVAIO typeTの「SSDアップグレードサービス」
・VAIO typeT(TTシリーズ)の本体を分解(前編)
・VAIO typeT(TTシリーズ)の本体を分解(後編)
2件のコメント
同じくTZ91Sの505愛用者です。
新しくTが出たら必ず買い換えてたのですが、今回はそういう気に
なりません。あまりにもこれが気に入っているので・・・。
というわけで「コレをどうにかしてくれる・・・」記事を楽しみに
してまーす!
>ぽん作さん
typeT505Edition、やっぱりお気に入りですよねw
って、このノートっていじれるところがないんですが、ぼちぼち何かやってみたいと思いますw