コンパクトながらも高いカメラ性能を持つデジタル一眼カメラ「NEX-7」(その2)
・コンパクトながらも高いカメラ性能を持つデジタル一眼カメラ「NEX-7」(その1)
の続き。
「NEX-7」の革新は、その性能だけではなくて、
思った時にサクっといじれるオペレーション性能にもある。
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●ちょっと設定いじりたいにすぐ反応できるNEX-7の操作感
初代NEX-5が登場した時は、こんな小さなボディに
デジタル一眼カメラ(Aマウント)と同じAPS-Cサイズのセンサーが入っている上に、
本体背面にあるコントロールホイールをクルクルまわして
UIメニューを操作するというシンプル操作は、それこそ普通のコンデジからステップアップした人でも
これなら迷わずに使えるよねと思わせられた。
ただ、だんだんと慣れて来て、撮影中に細かく設定をしたいと思い始めると
その誰でもわかりやすい操作が故に、一つの設定にたどりつくのにステップが増えてしまって
逆にそれがまどろっこしく感じてしまうとか、
もともとカメラに慣れた人にとっても思った時にすぐにいじれないイライラというか
そういった悩ましさがあった。
(後にファームアップで、カスタムキーの設定が出来るようになってからは随分と楽にはなったけど。)
一方で、Aマウントのデジタル一眼カメラには、余力のあるボディに
ダイレクトに操作できるボタン類が多く備わっていて、
それが一つのアドバンテージでもあるのだけれど、
Eマウントの小型タイプのNEXシリーズにはそんなにたくさんのボタンを配置するスペースもないし
そもそもの手軽にシンプルな操作感というコンセプトからは遠のいてしまう。
それを解消してくれるべく採用されたのが、NEX-7に備わった
「Tri-Dial Navi(トライ ダイヤル ナビ)」と呼ばれる画期的なインターフェース。
<NEX-7の操作のキモは、3つのコントロールダイヤルと1つのナビゲーションボタン>
背面にある「コントロールホイール」はそのままにに、
加えて本体上部に2つの「コントロールダイヤル(L/R)」を配置してあって
この3つのダイヤルをいじる事で
パラメーターをダイレクトにかつ素早く調整できるようになっている。
一番最初、その機能の説明をサラっと聞いた時は、
その場ではなんとなくわかったようでイマイチ自分の中で消化しきれてない感覚があったのだけれど、
実際に手元に来て、いじくり倒していると、
何というか、これは自分の脳内でやりたいと思った事を
反射的にすぐに実行に移せるオペレーションというか
直感と動作のタイムラグがここまで縮められるものかと猛烈に感動してしまった。
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●3つのコントロールダイヤルが直感的に思いどおりに設定させる。
文章で伝えられるかは微妙だけれど、
一応そのオペレーションの雰囲気だけでも伝わるように実際にやってみよう。
まず、一番の基本となるのが、シャッターボタンの横にある「ナビゲーションボタン」。
デフォルトの設定では、それを押すごとに
以下のように『ファンクション』が入れ替わりながらぐるぐるとローテーションする。
『露出設定セット』(ホーム)
⇓
『フォーカスセット』
⇓
『ホワイトバランスセット』
⇓
『Dレンジセット』
⇓
『クリエイティブスタイルセット』
↻元に戻る。
ここで1つの基本というべきか、いつも元に戻るべき状態が、『露出設定セット』の場所で、
例えば電源を入れた時や、ファンクションを弄ってる途中でもシャッターを半押しするなどした時など
全て『露出設定セット』がホームになる。
そのいつものホーム画面とも言うべき『露出設定セット』で、
既に3つのダイヤルがシンプルに即機能する。
一応、撮影モード(P,A,S,M)によって若干の振る舞いは異なるものの
3つダイヤルで、3つの項目を即座にダイレクトに調整出来るのがミソ。
例えば、【Pモード】であれば、
「コントロールダイヤル(L)」をまわすとプログラムシフト、
「コントロールダイヤル(R)」をまわすと露出補正、
「コントロールホイール」をまわすとISO感度
をクルクルと回して調整できる。
撮影モードを、【Aモード】にすれば絞りを、
【Sモード】にすればシャッター速度を「コントロールダイヤル(L)」をクルクル回して調整できる。
(他2つのコントロールは同じまま。)
仮にダイレクトに呼び出しできるボタンがあったとしても
一度ボタンを押す、そしてその後にプラスマイナスの調整をするという2ステップかかるものを、
単純に、コントロールダイヤルをクルクルっと回せば
たったの1ステップで調整できてしまうという、強烈にシンプルな操作は
直感的に触れてしまうのだから、否が応でも使いたくなる。
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上記の基本動作がまずあって、
ぶっちゃけ、これだけでもNEX-7を使えてる気分になれるのだけど、
「ナビゲーションボタン」を押して『ファンクション』が入れ替わる事で、
さらに、3つのダイヤルが効果的に活きてくる。
フォーカスセットにすると、
AF(オートフォーカス)モードの場合であれば、
「コントロールダイヤル(L)」をまわすと
AFエリア(マルチ、中央重点、フレキシブルスポット)を切替えられる。
フレキシブルスポットを選んだ場合には、
「コントロールダイヤル(R)」をまわすとフォーカスをヨコに移動、
「コントロールホイール」をまわすとフォーカスをタテに移動。
MF(マニュアルフォーカス)モードであれば、
「コントロールダイヤル(L)」と「コントロールホイール」をまわすと拡大位置をタテに移動、
「コントロールダイヤル(R)」をまわすと拡大位置をヨコに移動
という具合にそれぞれ異なった動きをする。
ホワイトバランスは、「コントロールダイヤル(L)」をまわして、
オート、太陽光、蛍光灯、電球、カスタムとプリセットを変更。
そのプリセットを選んでおいて、
「コントロールダイヤル(R)」をまわすとA(アンバー)とB(ブルー)の調整、
「コントロールホイール」をまわすとG(グリーン)と(マゼンタ)の調整が
グラフ状で目に見ながらホワイトバランスの色合いを微調整する事ができる。
Dレンジセットでは、
「コントロールホイール」をまわしてDROかHDR、もしくはOFFを選択。
「コントロールダイヤル(L)」をまわしてDROやHDRのレベルを調整して、
「コントロールダイヤル(R)」で、その時の露出補正をかける事ができる。
クリエイティブスタイルセットでは、「コントロールダイヤル(L)」をまわして
ビビットや風景、夜景、セピア、ポートレートといった13種類のクリエイティブスタイルを変更。
そして、それぞれの効果がかかっている状態で
コントラストや彩度、シャープネスを「コントロールホイール」で選んで、
「コントロールダイヤル(R)」でその値を調整といった事ができる。
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実は、上記の4つの『ファンクション』は、
あくまでもデフォルトでそういう風に並んでるというだけで
並び順も変更できるし、
他の『ピクチャーエフェクト』や『カスタムセット』といったファンクション入れ替える事もできる。
それに、最大で当てはめられる数が4つとなっているだけで、
無理に4つも必要なければ、「未設定」を当てて、
ローテーションの数を減らす事もできる。
ピクチャーエフェクトは、「コントロールダイヤル(L)」をまわして
ソフトハイキー、パートカラー、レトロフォト、ポスタリゼーション、トイカメラといった
15種類のピクチャーエフェクトを変更。
そして、
その効果のレベルを「コントロールダイヤル(R)」で調整できる。
カスタムセットは、
「露出補正」、「オートフォーカスモード」、「ISO感度」、「測光モード」、「ホワイトバランス」、
「DRO/HDR」、「クリエイティブスタイル」、「ピクチャーエフェクト」、「画質」といった項目を
3つのダイヤルコントロールホイールに好みの設定を割り振ってしまえるというもので、
より多くの項目を呼び出したい時に有効。
ただし、一つのダイヤルに一項目を割り当てて
同時に3つの項目を変更できるという使い方で、
上記に説明して来た3つで1つの項目を詳細にいじるというのとは少し違う。
と、えらく説明的になってしまったけど、
これらが、「Tri-Dial Navi(トライ ダイヤル ナビ)」を利用して出来る操作。
文章にして、逆にややこしそうに感じてしまうかもしれないけれど、
実際に使い出すとこれほどまでに直感的にかつ細かく設定をいじれるオペレーションはない
と言ってもいいくらいで、自分の撮影欲をかきたててくれる。
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●他にもあるNEX-7のダイレクト操作オペレーション
もちろん、NEXシリーズでの使い勝手もそのまま残っていて、
メニューを開いて、コントロールホイールを回したり、上下左右に押して
画面から項目を選ぶ操作方法は健在。
さらに、コントロールホイールの上下、左を押し込んで
「DISP(画面表示切替)」、「露出補正」、「ドライブモード」を呼び出したり
ソフトキーBを押して、「フォーカスセット」
ソフトキーCを押して、「撮影モード」
を呼び出してダイレクト操作をする事もできるのも今までどおり。
これまた、
ソフトキーB、ソフトキーC、コントロールホイルの右キーの3つに関しては、
設定の「カスタムキー設定」から、露出モードやISO感度といった
好みの機能を割り当てる事もできるので、
さらに自分都合で使いこなしを深める事もできる。
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そしてもう一つ、NEX-7の背面には、
「AF/MF/AEL」の切替レバーとボタンも備わっているのもポイント。
まず、逆光の撮影をする場合などに便利なのがAEロックで、
レバーを「AEL」側にしておけば、
露出を合わせたい場所でピントを合わせてAELボタンを押して、
そのまま撮影したい被写体にピントをあわせて撮影すれば、
背景側や被写体側の思った側で露出を固定して撮影が出来るといった事ができる。
もしくは、このレバーを「AF/MF」側にしておくと、
ボタンを押して、AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)をすぐに切り替えられる。
どっちも、カメラを構えた状態のままで
露出固定したいよとかフォーカス変更したいよと思ったら
ボタンをポチっと押すだけでそれが出来る。
さらに、AF/MFボタンは設定から「MFアシスト」に割り振る事もできる。
「MFアシスト」は、
MF(マニュアルフォーカス)か、DMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)でピントを合わせる時に、
フォーカスリングを回すと一瞬で約5.9倍(約11.7倍)に画面に拡大してくれて
大きい画像から正確にピントを合わせる事ができる。
さらにさらに、「ピーキングレベル」を設定しておけば、
マニュアルでフォーカスした時に、ピントのあった部分の輪郭を色つきで表示してくれるのも
非常にわかりやすい機能。
この「MFアシスト」も「ピーキング」もNEXシリーズにも付いてる機能だけど、
これが、液晶ディスプレイでも、ファインダーでも確認できるし、
マウントアダプター経由でAマウントレンズをくっつけてる時にも使えるし、
ピント合わせがものすっごく楽になる。
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別に、細かいオペレーションがあるよというだけなら、
Aマウントのαシリーズ(α77とかα65)でも十分に出来ることなのだけど、
このNEXシリーズのコンパクトなサイズの中で限られたボタン(ホイール)だけで
いちいち難しく考え無くても「ここをこうしたいかも?」とふと思った時に、
サクサクっといじれるこの操作感に感動する。
仮に、サイバーショットから初めてデジタル一眼カメラを使い始めた人でも
最初は単純にホイールをクルクルとまわしたら
効果が見えるから、それだけでも便利に思えるんじゃないかなと。
それに、カメラを積極的にいじって使いたい人なら
それぞれのボタンやコントロールダイヤルを、自分好みに設定を変えられるから
もう完全に自分のためだけにあるカメラにしてしまう事もできる。
自分の物として使えば使うほどに、このかゆいところに手が届く的な
カスタマイズ性は本当によく出来ているし
思いどおりになるという事が、もう本当に素直に”撮影が楽しい”に直結する。
NEX-7には、
APS-Cサイズのセンサーを持ちながらコンパクトというNEXシリーズの魅力に、
プラスα77に迫る高性能と、さらに即レスポンスの操作性が加わってて
もっともっと連れ出したくなるデジタル一眼カメラになっている。
こんなに長ったらしくなる予定ではなかったけど、
次はレンズやフラッシュ、マイクといったAマウントとのアイテムと共有できる
拡張性について書く予定。
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