インプレス AV Watch「4K120p入力で解像度半分になっちゃう問題。TVメーカー5社に聞いた」記事内での、ソニーの回答の何がまずいのか?
インプレス AV Watchに、「4K120p入力で解像度半分になっちゃう問題。TVメーカー5社に聞いた」という記事が、2021年1月12日にアップされた。
このTVメーカー5社の中で、ソニーの回答が唯一曖昧であり、他社の回答と比較すると一層際立ってしまっている。
これの何が問題なのか?、説明不足な部分も含めてまとめてみる。
ただし、実際の仕様はソニーが細かく公開しているわけではなく、あくまでも推定の範疇になる点には留意して欲しい。
<参照元>
・4K120p入力で解像度半分になっちゃう問題。TVメーカー5社に聞いた(AV Watch)
<SONY 公式ページ>
・テレビ ブラビア | ソニー
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目次
●”4K120p入力で解像度半分になっちゃう問題”とは?
4K120p入力で解像度半分になっちゃう問題。TVメーカー5社に聞いた https://t.co/gLzNp7BH4v #HDMI21 #4K120p pic.twitter.com/7PZjQXZdjL
— AV Watch (@avwatch) January 11, 2022
インプレス AV Watchの記事内では、国内の口コミや海外フォーラムなどで、4K120p入力時に垂直解像度が半分になってしまうテレビの指摘があることについて、TVメーカー5社に質問を行なっている。
(出典:AV WATCH「4K120p入力で解像度半分になっちゃう問題。TVメーカー5社に聞いた」)
ソニー、パナソニック、シャープ、レグザ、LGの各5社の回答で特に不誠実に映ってしまったのが、ソニーの回答。
※ソニーの回答は、記事内容を読んでご確認ください。
まず、1度目の回答では、技術的な回答を控えてしまっている。
さらに4K120p信号入力時に、「滑らかでちらつきが少ない映像を体験頂くために、最適な映像処理を行なっています。」という言葉で濁している。
ユーザーとしては、「最適な映像処理」がどういった内容か知りたいのが本音のところ。
あまりに回答が不明瞭だったため、再度問い合わせを受けている。
そこでの回答がこれまた非常にまずい。
「X85Jシリーズ」においては、ユーザーからの指摘があることを認識しているけれど、「最適な映像処理を行なっています。」+アップデートの予定はないと締めくくっている。
ここでも実際に半分になるかどうかは明言していない。
これではユーザー視点では、「症状はあるけれどソニーとしては問題ないと考えている」、と思われても仕方がない。
最後の回答は「X85Jシリーズ」に限定して言及されているものの、「X85Jシリーズ」は2021年モデルのうちの1機種。
この記事を読んだ人の多くは(BRAVIAの型番と性能を詳細に把握していなければ)、「X85Jシリーズ」の回答イコール2021年モデルのBRAVIA全体がそういった問題を持っていると思うのが自然。
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●「BRAVIA XR」搭載モデルと、そうではないモデルの分かれ目。
このままではBRAVIA全てのモデルにおいて誤解や勘違いされる可能性も高い。
そこで、今回の回答でモデル名があがっている「X85Jシリーズ」について、他のモデルとの違いを確認しておこう。
「X85Jシリーズ」は、2021年モデルのハイエンドモデルとはプロセッサーから異なる。
上位のモデルは最新となる認知特性プロセッサー「XR™」を搭載しているのに対して、「X85Jシリーズ」は「HDR X1」という下位のプロセッサーを搭載。
プロセッサーがそのまま性能全体に直結するわけではないけれど、「X85Jシリーズ」はハードウェア的には2020年モデル相当のスペック。
明言はされていないものの、BRAVIA初の4K120p対応となった2020年モデル「X900Hシリーズ」とほぼ同じ構成。(日本では未発売。)
まだ世の中が4K60p対応が大半だったタイミングで、ようやく登場した4K120pに対応したモデルであり、とするとやはりハード性能が映像処理的に厳しい場合もあり、その一番のネックとなるのがHDMIの通信速度。
先んじて4K120p対応を行なっていたLGついても、2020年にHDMI2.1のフルスペックである48Gbpsの帯域幅ではなく、40Gbpsのモデルが後から出てきて話題になった。
実使用では40Gbpsを超える帯域幅が必要な設定はあまり現実的でないため大きな問題にはならなかったものの、おそらくBRAVIA「X900Hシリーズ」や「X85Jシリーズ」はそれよりももっと少ない帯域幅、あるいは膨大なデータを処理する映像処理性能が不足しているのではないか?と推測される。
その一方で、2021年発売の「BRAVIA XRシリーズ」は、認知特性プロセッサー「XR™」を含め最新性能を搭載。
こちらもソニーから技術的な情報が開示されていないため、正確な仕様まではわからない。
もしかすると、「最適化」されている部分や、HDMI2.1の帯域幅がフルスペックでないといった部分があるかもしれないけれども、実用上問題ないレベルまで性能は有していると思われる。
故に、「BRAVIA XRシリーズ」では4K120pのゲーム信号を受けた場合でも、垂直解像度を落とすといった事はないものと考えられる。
<BRAVIA XR レビュー>
・HDMI.2.1 に対応した「BRAVIA XR」。4K液晶テレビ X90Jシリーズ を PlayStation5 / Xbox series X とつないで4K 120fps のゲームをプレイしてみた。
・映像と音の一体感が最高の没入感を味わえる 4K有機ELテレビ「XRJ-65A90J」。 Windows PCとつないで巨大デスクトップPC化、4K 120fps の表示方法とそのなめらかさを検証してみる。
・「BRAVIA XRシリーズ」 4K液晶テレビのフラッグシップモデル「XRJ-75X95J」。 映り込みを劇的に抑えたエックスアンチリフレクションと音に包まれる臨場感を、コンテンツありきで楽しんでみた。
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●今回のソニーの回答は何が問題だったのか?
今回大きな話題となってしまった原因は、ソニーが出した回答が問い合わせに真摯に向き合っていないため。
確実な回答ができない部分を避けるために、オブラートに包み回答してしまっては、かえって自社のテレビ全体の信用を落としかねない。
シャープの「仕様です」という回答のほうがはるかに潔く信用に足る。
しかも、「BRAVIA XRシリーズ」では今回の指摘対象ではないにもかかわらず、曖昧な回答によってBRAVIA全てのモデルに疑念がかかる格好。
販売中のモデルでもあり、実使用上としては問題になりにくい部分でマイナスイメージをつけたくないという気持ちもわからなくはないけれど、SNSで情報が拡散する時代には悪手でしかない。
購入前に知っておきたいと思うのがユーザーであり、そうした気になる部分をあやふやに回答してしまうのは極めて不誠実にうつる。
メーカーは仕様を隠すことなく、ユーザーがきちんと判断できるようにすべきではないか?と思わずにはいられない。
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●(参考)2021年モデルに搭載されるブラビアとPS5の独自連携機能
<ソフトウェアアップデートの対象機種>
・4K有機ELテレビ「A90Jシリーズ」
・4K有機ELテレビ「A80Jシリーズ」
・4K液晶テレビ「X95Jシリーズ」
・4K液晶テレビ「X90Jシリーズ」
・4K液晶テレビ「X85Jシリーズ」
ブラビアに加えてPS5の両方でソフトウェアのアップデートが必要。
それぞれ最新バージョンで、「オートHDRトーンマッピング」と「コンテンツ連動画質モード」の2つの機能が実装される。
1. 「オートHDRトーンマッピング」
PS5が、接続されているブラビアの機種を認識して、そのテレビに最適なHDRの設定値を自動的に入力。
これで、白飛びしてしまいがちな明るい部分や潰れてしまいがちな暗部の階調も、豊かな色彩のまま描き出すという機能。
この機能は、PS5の初期設定時もしくはPS5に新たに対象機種を接続した場合に有効になる。
2. 「コンテンツ連動画質モード」
PS5でゲームや映画などさまざまなコンテンツを楽しむ際に、そのコンテンツに応じて、操作の応答速度が優先される。
ゲームプレイ時には「ゲームモード」に、映画などの視聴時には「スタンダードモード」に、画質モードが自動で切り替わる。
●上位モデル「BRAVIA XR」に備わるPS5との連携機能
3. 「4K/120fps対応」
「BRAVIA XRシリーズ」は、HDMI2.1に規定される4K/120fps に対応。
シューティングやスポーツゲームなど、動きの速いゲームの動きをなめらかに描き出すので快適なゲームプレイを楽しめる。
PlayStation®5を、48Gbps HDMIケーブルで「BRAVIA XRシリーズ」に接続。
「映像出力情報」から、4K出力時の周波数に120Hzと表示されているのを確認。
PlayStation®5の設定「セーブデータとゲーム/アプリ設定」→「ゲームプリセット」へと進み、「パフォーマンス優先と画質優先」から、「パフォーマンス優先」を選択。
これで、4K 120fps のゲームタイトルをプレイできる。
4. 「ゲームモード搭載」
「BRAVIA XRシリーズ」は、HDMIケーブルを接続するだけで自動的にゲームモードに切り替わる。
ゲームに最適な高画質処理を行いながら、4K/120fps入力時に、最短8.5msまで入力遅延を短縮する。
一瞬のボタンのタイミングで勝敗が決まるゲームでも、快適に思うがままにプレイすることが可能。
5. 「BRAVIA XRの高画質・高音質機能」
「BRAVIA XRシリーズ」では、ゲームの映像を、色鮮やか かつ 高コントラストに描くことができる。
明るいシーンから暗いシーンまで、高コントラストに描いて、まるで自分がその世界に入り込んだかのようなゲーム体験が可能。
ソニー独自のアコースティック技術と、認知特性プロセッサー「XR」の音の処理で、まるで映像から音が出ているかのような、クリアで定位感のある音響を実現する。
ゲームのシーンやアクションと音が一体となり、臨場感のあるゲームプレイが可能になる。
6.ホームシアターシステムとの連動機能
迫力の立体音響が楽しめるホームシアターシステム「HT-A9」や、密度の濃いサラウンド音場を実現するサウンドバー「HT-A7000」を経由してPS5とブラビアを接続した場合でも、「オートHDRトーンマッピング」と「コンテンツ連動画質モード」をパススルーに対応。
ゲームに最適な映像で楽しめる。
こちらについては、2022年春公開予定のサウンドバーのソフトウェアアップデートにて対応予定となっている。
・「ブラビア×ゲーム」より快適に、より美しくプレイしたいあなたに ゲームをするならブラビア
<ホームシアターシステムレビュー>
音に包まれる没入感に感動!ホームシアターシステム「HT-A9」
・ホームシアターシステム「HT-A9」レビュー(その1)。適当に設置した4つのスピーカーで、まさかの音に包まれる没入感が凄かった。
・ホームシアターシステム「HT-A9」レビュー(その2)。「BRAVIA XRシリーズ」にS-センタースピーカーを接続、サブウーファーも追加して本気モードで視聴。これは自宅でできる最高の体験。
サラウンドとクオリティ異常に高い満足感サウンドバー「HT-A7000」
・サウンドバーの最上位モデル「HT-A7000」レビュー(その1)インターフェースを確認、設置と接続・設定。バースピーカーの概念がひっくりかえる迫力と臨場感。
・サウンドバーの最上位モデル「HT-A7000」レビュー(その2)バースピーカー1本で部屋を満たす立体音響体験と、スピーカーとしてのクオリティの高さ両方に満足。
・そろそろBRAVIAが欲しい、ソニーストアでブラビアを購入したらどんなメリットがあるのか?をチェックしてみる。
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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入の際、ショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。
ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
街の中心にある銀座四丁目交差点に面したGINZA PLACE(銀座プレイス)4階~6階。
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」A4出口直結
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 札幌
地下鉄「大通駅」12番出口から徒歩1分。4丁目交差点すぐ
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 名古屋
名古屋市営地下鉄栄駅サカエチカ8番出口。丸栄百貨店南隣
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 大阪
大阪駅/梅田駅から徒歩5分程度。ハービスエント4階
営業時間:11:00~20:00
ソニーストア 福岡天神
西鉄福岡(天神)駅南口から徒歩5分。
営業時間:11:00~19:00