デジタルスチルカメラ「RX100Ⅵ(RX100M6)」を、ソニーストアで触ってきたレビュー(前編)。RX100にもっと望遠が欲しいが叶う、驚きのデジタル一眼カメラ並に超高速なAF。
正式発表前に、次期「RX100Ⅵ」には、24-200mmの高倍率ズームが搭載されるよというリークが流れて情報を見つけたときは、さすがにそれはないだろうと。
あのコンデジボティにいくらなんでもムリがありすぎるしガセネタでしょーと思ってたら本当に載せてきてびっくりの「RX100Ⅵ」。
しかも中身がごっそり今までと違うほどに進化しているようで、どうしても実機を触ってみたくなる。
6月22日の発売を前に、ソニーストア 直営店に先行展示されていたので、速攻いじくりまわしてきたレポートを。
・広角から望遠までの新開発24-200mmズームレンズ、世界最速0.03秒の高速AF搭載『RX100 VI』発売 | プレスリリース | ソニー
・DSC-RX100M6 | デジタルスチルカメラ Cyber-shot サイバーショット | ソニー
・ソニーストアでは、2018年6月12日10時から先行予約販売開始。
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●高倍率ズームを載せても小さいままなのか、RX100Ⅵのボディの外観。
そもそも今までのコンデジの何が辛かったかというと、センサーが小さい事もあって、せっかく撮った画像は絵の具みたいにザラザラで、撮った達成感もなければ思い出としての所有欲もちっとも満たされなかったということ。
そこに、1インチという大きいセンサーに明るいレンズを載せて、デジタル一眼カメラのアドバーンテージである納得のクオリティの画質で撮影ができるがRX100シリーズが登場。
そのRX100シリーズもすっかり5世代続いて、そのたびに進化してきたけど、そろそろやることないくらいなところまで来ていて、贅沢を言えば「RX100V」でせっかく備わった高速AFや連射性能を活かせるように望遠側がもう少し稼げたらいいなと思っていたら、予想を遥かに上回って200mmまで載せてきてしまった。
さて目の前にある「RX100Ⅵ」、本当に今までのRX100シリーズの見た目そのまんま。
本当に収まってるいつものサイズ感にかなり驚き。
手に持ってみると、おや?今までのRX100シリーズよりも少し大きくなってる感覚。
「RX100Ⅵ」(画像左)の本体サイズは、101.6 mm x 58.1 mm x 42.8mm、重量は、バッテリー・メモリーを含めて301g。
「RX100Ⅴ」(画像右)の本体サイズは、101.6 mm x 58.1 mm x 41.0mm、重量は、バッテリー・メモリーを含めて299g。
タテヨコサイズは全く変わっていないものの、奥行きが1.8mmほど増えていて、レンズ鏡筒部分がモリっと厚くなっているのがわかる。
それでも高倍率ズームを載せてきてこのサイズ感というのが凄い。
電源をONにしてズームすると鏡筒が長く伸びて一挙に存在感の増す「RX100Ⅵ」。
「RX100Ⅴ」の鏡筒は2段なのに対して、「RX100Ⅵ」の鏡筒は3段式で、その一つぶんだけより長くなる印象。
電源をONにした直後のワイド端(焦点距離24mmの状態)では、「RX100Ⅵ」の鏡筒の飛び出しのほうが短くて、テレ端(焦点距離200mmの状態)にするとレンズがかなり前にせり出しているのがわかる。
ちなみに、「RX100Ⅴ」では、ワイド端よりもテレ端のほうが短くなる。
気になるアンダーウォーターハウジング「MPK-URX100A」に対応するのか?については、中に収まりそうではあるけれど、ズームした時に内部干渉してしまうので、メーカー非対応。
水中で望遠ズームが使えると面白そうではあるもののそこは叶わないので注意。
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●焦点距離によるレンズの明るさの変化や、ズームスピード調整、最短撮影距離。
センサーは、1インチ約2,010万画素の積層型Exmor RS CMOSセンサーを搭載。
大きく変わったのは焦点距離と明るさで、ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズに、広角24mmから望遠200mm(F2.8~4.5)。
RX100シリーズの大きな特徴とも言えた明るいレンズをあえて外してまで、「RX100Ⅵ」には高倍率ズームを載せてきた。
さらに言えばこのサイズを死守するためにRX100Ⅲ/Ⅳ/Vに備わった内蔵NDフィルターも非搭載としているあたりからも相当に頑張った気配がみえる。
物理的なレンズ経とともにレンズ前面ガードのサイズも変わっていて、フィルターアダプター「VFA-49R1」(もともとRX100II・RX100用)あたりも無理矢理に装着するのは難しそう。
このあたりの撮影スタイルの違いが、「RX100Ⅵ」か「RX100Ⅴ」のどちらをチョイスするかが変わってくるところでもある。
「RX100Ⅵ」は、良い方向にとらえればRX100シリーズで望遠ズームが使えるという事でもあるし、その代償としてレンズが暗くなるのは仕方のないところ。
気になるのは、どの焦点距離でどれくらいのF値なのかということで、わかりやすくステップにして焦点距離による開放F値の移り変わりをチェックしてみた。
焦点距離 開放F値
24mm F2.8
28mm F3.2
35mm F3.5
50mm~100mm F4.0
135mm~200mm F4.5
厳密には、25mmからF3.2になるので、F2.8で使えるのはワイド端24mmだけ。
「RX100Ⅴ」は、24-70mm(F1.8-2.8)というレンズの明るさもあって、飯テロを含む物撮りをするときなど、どの焦点距離の範囲でも背景のボケを活かした撮り方が出来るという楽しさがある。
「RX100Ⅵ」は、焦点距離100mmで開放F値をF4の明るさを保てると考えると、ポートレート撮影で背景をぼかしたいとか、高速な被写体撮影時にもシャッター速度を上げてブレを防ぐといった使い方が得意というか向いている。
「RX100Ⅵ」の最短撮影距離は、ワイド端でレンズ先端から約8cm。
「RX100Ⅴ」の最短撮影距離がワイド端で約5cmで、焦点距離24mmで8cmともなるとかなり背景が入り込んでしまって寄れないというのがRX100シリーズのちょっとした弱点ではあったけど、「RX100Ⅵ」は高倍率ズームレンズになったことでより顕著になった感じ。
さらに「RX100Ⅵ」のテレ端(焦点距離200mm)の最短撮影距離はレンズ先端から約100cm。
一方で、「RX10Ⅳ」はマクロ撮影も得意で、ワイド端で約3cm(最大撮影倍率0.42倍)、600mmの超望遠でも約72cm(最大撮影倍率0.49倍)までの近接撮影ができて、離れた位置からでも被写体に迫った構図や映像表現ができるという強みがあったりする。
ちなみに、「RX100Ⅴ」のテレ端(焦点距離70mm)の最短撮影距離はレンズ先端から約30cm。
これは超望遠ズームレンズを搭載した「RX10Ⅳ」にあった機能が「RX100Ⅵ」にも採用されたということ。
電動ズームって、いざ被写体をみつけてズームしたい時に時間がかかるのが嫌なのよねというのを払拭してくれる機能。
指がかりの突起部分が凹凸形状になって滑りにくく確実にレバーを倒し込める。
「標準」にしても「高速」にしても、ズームレバーを倒し込む際のズームスピードは2段階あって、レバーを完全に倒し込んだ場合と、少し倒した場合とでスピードを調整できる。
「標準」でも24mmから200mmに到達するスピードは早くて十分に使い物になりそうだったけれど、「高速」にするとさらにズームするスピードは早くなるので、撮影現場で被写体をすぐに捉えたいというときにはとても有効。
ズームレバーをゆっくり倒してのスローズームは動画撮影時に役立つ。
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●今までのRXシリーズとは完璧にベツモノ、超高速&追従っぷりが凄いAFと連射性能。
高倍率ズームだけが「RX100Ⅵ」の特徴なのかというとそうじゃない。恐ろしくオートフォーカスが強化されてしまっていて、このときコンパクトデジタルカメラ(RX100シリーズ)なのに、デジタル一眼カメラとの既視感がものすごい。
「RX100Ⅵ」には、AF速度や動体捕捉に優れた位相差検出方式とAF精度の高いコントラスト検出方式を併用するファストハイブリッドAFシステムを搭載。
像面位相差AFセンサーは、撮像エリアの約65%をカバーする範囲に315点配置して、超望遠撮影でも高速で動く被写体をフレーム内に捉えらさえすれば高精度に捕捉。
スペック的には、「RX100Ⅴ」にも備わっているものだけれど、シャッター半押してピントがあうまでのレスポンスは、「RX100Ⅴ」の0.05秒から「RX100Ⅵ」は0.03秒へとさらに超高速AFに。
さらにα6500やRX10Ⅳに備わっている「高密度AF追随テクノロジー」を搭載して、より動体追随性能も大幅に良くなって、複雑な動きをする被写体も粘り強く捉え続けるのは「RX100Ⅵ」から。
検出した瞳に自動的にピントを合わせる瞳AFは、画像処理エンジンBIONZ Xの進化により検出精度・速度・追従従性能が「RX100Ⅴ」の約2倍。
正面からうつ向き顔になった場合や、振り向いた瞬間から、逆光で顔が暗いシーンなど、ピント合わせが難しい状況でも、瞬時に瞳を検出しピントを合わせて追従っぷり。
この↑の動画を見るとその驚異的なAFの性能がよくわかる。
ついでに言えば、瞳AFを機能させながら連写しているにもかかわらず、追従性の落ち込みが少ないところはα9に近い。これは本当に驚いた。
しかも200mmの望遠域では4.0段分の光学式手ブレ補正機能を発揮。
画像処理アルゴリズムが進化したおかげで、望遠時でも暗所時でもガッツリ手ブレを抑えてくれてる。これも凄い。
そして、フロントエンドLSIと画像処理エンジンBIONZ Xの組み合わせでAF・AE追随しながら最高約24コマ/秒の高速連写。
バッファーメモリーが大容量化していて最大撮影枚数は233 枚(JPEG ファイン)の連続撮影までいけてしまう。(「RX100Ⅴ」では最大150枚)
秒数にして約10秒間撮り続けられて、バッファが切れるとその後は2コマ/秒程度に落ちる。
バッファを使い切った後の全回復には約1分程度かかった。
もちろんバッファ回復途中に、再度シャッターチャンスがやって来た場合でも回復したふんだけのバッファを使って連写は可能。
使い方としては、シャッターを押し続けるというよりも、ここぞというというポイントごとに連写を分散して使うと高速な被写体でも欲しい画像が確実に手に入る。
微妙にしか違わない同じような写真が100枚も200枚も画面に並ぶと頭が痛くなってくる。
そういう時に助かるのが、連写した静止画の「グループ表示」。
閲覧性が圧倒的に良くなることと、グループ単位で削除やプロテクトできるので写真の選別にめちゃくちゃ便利。あるとないとでは大違い。
撮影した画像には5段階でレーティングもつけられる。
撮影現場での合間を利用して、セレクトしておくと後々PCでチェックするときに少しでも効率を上げられる。
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RX100シリーズの高画質を望遠でも使えたらいいのになと思っていた人にとっては「RX100Ⅵ」はまさに直撃コース。
しかも、このAFの速さと追従性は、α7III/α7RIII/α9で味わったものと同等で、それを知ると強烈なサブ機に思えて手元にものすごく欲しくなる。
性能に容赦がない。さらにこれだけに終わらず。
「RX100Ⅴ」から1年半という時間がもたらした進化分をモリモリと「RX100Ⅵ」に備えているので、後半はそこをレポートしよう。
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●デジタルスチルカメラ サイバーショット 『RX100Ⅵ』 DSC-RX100M6
デジタルスチルカメラ「DSC-RX100M6」
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ソニーストア販売価格:138,880円+税
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