全域開放F値2 大口径標準ズームレンズGマスター FE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」を、「α SPECIAL EVENT 2024」で 体験してきたレビュー。
ソニーの明るい大口径の標準ズームレンズといえばF2.8通しの 。
初代の から、Ⅱ型になってより小型軽量化してこれが最適解という解釈だった。
そこに、さらに明るいF2通しの焦点距離28 – 70mm の大口径標準ズームレンズGマスター™ FE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」が登場!
どうせデカくて重いんでしょ?と思いつつも興味はつきなくて、「α SPECIAL EVENT 2024」の会場で 「SEL2870GM」を体験してきた。
・FE 28-70mm F2 GM SEL2870GM | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
・α1 II Event Streaming starts at 2024.11.19th (Tue) 23:00 JST | α Universe | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
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目次
●F2通しの焦点距離28 – 70mm の大口径標準ズームレンズの存在。
Canon RF28-70mm F2 L USM
Canon RF28-70mm F2 L USM
発売日:2018年12月20日
価格:オープン価格
外形寸法:約φ103.8×139.8mm
質量:約1430g
まず「SEL2870GM」の実機を触る前に、自身がF2通しの標準ズームレンズの存在を知ったのはCanon RF28-70mm F2 L USM。
フォトウォークで知人が、使っているのを見てそんなレンズがあるのか!と驚いたことを記憶している。
ただ知人も「すごく良いんですけどね、結構重いですよ!」と話していて。
持たせてもらったときになるほどこれは重いなと思ったものの、ズームレンズにもかかわらず単焦点のような開放で明るさや、レンズ交換しないで広角から望遠まで撮れるアドバンテージもあるなとちょっと羨ましさがあった。
ソニーのレンズとしても初のF2通しの標準ズームレンズ、FE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」。
そのデカイ重い大口径レンズでありながらも、最大径92.9mm × 長さ139.8mmというサイズを、質量約918gという重さに押さえられたこのレンズ。
Canon RF28-70mm F2 L USMと比べると、長さは全く同じものの直径は約11mmも短くて重さにいたっては512gも軽い。
約2/3の軽さと考えると結構というかかなりの驚きである。
<FE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」のレンズ構成図>
レンズ構造をみると14群20枚のうち、スーパーEDガラス3枚とED(特殊低分散)ガラス1枚、非球面レンズ3枚、超高度非球面XAレンズ3枚という特殊レンズのオンパレード。
電子補正を前提とせずに最新の光学設計とすることで、より自然で高い光学性能を発揮。
G Masterレンズの要とも言える超高度非球面XAレンズが3枚も使われていたり、軸上色収差や周辺色収差を抑えるためにEDガラスやスーパーEDガラスを採用している。
それは価格が高くなるわけだと。
”F2の標準ズームレンズ=超デカくて超重い”というイメージを払拭してしまった。
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● FE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」
「SEL2870GM」の大きさをF2.8 Gマスターレンズ2本と比較してみた。
開放絞り : F2
レンズ構成 : 14群20枚
フィルター径 : φ86mm
サイズ : 92.9mm × 139.8 mm
重量 : 918 g
開放絞り : F2.8
レンズ構成 : 15群20枚
フィルター径 : φ82mm
サイズ : 87.8 x 119.9 mm
重量 : 695 g
比べてみるとさすがに「SEL2870GM」の大きさのインパクトは凄い。
特にフィルター径が86mmだけあって、直径92.9mmの鏡筒の巨大さが際立っている。
ただ、
重さにしても32gの差しかない。
を考えなければ、F2通しの標準ズームレンズをここまで凝縮してきたのかという驚きすらある。
また、レンズを繰り出した状態で比べると、
が全長が一番長くなる。望遠端でのレンズの繰り出しは、「SEL2870GM」はとても少ない。
相対的に見れば、いかに
がコンパクトで軽いかがわかる。こちらを選択する価値も逆に見いだせてしまったりもする。
参考までに最新の組み合わせとなる、α1 II(バッテリー+メモリー含めて約743g)に「SEL2870GM」を装着した場合の総重量は1,661g。
自分が今まさに使っているα1 (バッテリー+メモリー含めて約737g)に を装着した総重量は1,432g。
ほぼレンズ分の重量が加算される。
あとはこのトータルサイズをいかに運用できるか?
ちなみに、会場では、Ci
さすがにここまでのトータル重量を支えて撮影するとなると、自分自身の腕力と体力の持続力の課題もあるとはいえ、ジンバルに載せても使えるという事実。
レンズの繰り出しも最小限に留まっているので、撮影時の重心変動が少ない安定した操作もできそうではある。
ソニーストアでシネマカメラ「FX3」を触ってきたレビュー。動画機として特化した操作系、冷却ファンやタリーランプを装備。コンパクトかつ拡張性あるボディの吸引力が凄い。
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●FE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」のハード周りをチェック。
カメラ本体のメニューからカスタマイズして、好みの機能を割り当てて使うことができる「フォーカスホールドボタン」は、レンズの左横と真上に2つ。
レンズ手を添えた延長上として左手で操作できるボタンになるだけに、縦位置にかまえたときでも押しやすくて使い勝手がとても良い。
フォーカスリングにはリニア・レスポンスMFを採用して、リング回転角度にリニアなフォーカス移動する機構になっていて、微妙なニュアンスをダイレクトに反映してくれるおかげで、精緻なピント合わせができる。
「絞りリング」は、右手でグリップしながら、レンズにそえた左手でF値を意のままに操れる。
回したときのカチカチというクリックはオンオフ可能。
動画撮影時にオフにすることで、クリック音を消してシームレスに絞りを可変もできる。
「ズーム操作感切り換えスイッチ」でズームリングの重さの調整ができる。
静止画撮影で素早くズームしたい時や、動画撮影時にゆっくり回してズーミングしたいという場合には[Smooth]に、カメラを持ち運んだり、上向きに撮影するときなどで意図せず動いてしまうのを防ぎたいときには[Tight]にしておけばよい。
いざというときには[Tight」でもズームリングは回せるので、「ズームロックスイッチ」だと切り忘れてズームするのが遅れたなんて事もない。
ソニー純正ではフィルターが用意されていないので、使いたい場合はサードパーティ製のものを探すしかない。
ボタンやリングまわりはしっかり密閉されていてアウトドアでも気軽に撮影が楽しめる防塵・防滴に配慮した設計。
レンズ最前面にはフッ素コーティングも施されていて、汚れ成分の付着を防止してくれる。
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●FE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」の撮影をしてみた。
もちろんボディは、α1 II。
ちょうど手前に小さなライトが用意されていたので、その明かりごしに奥にいる被写体にフォーカスをあわせて撮影。
単焦点レンズのような大きく自然なぼけ味
カメラ : α1 II
レンズ :
焦点距離: 70mm
絞り値 : F2
の開放F2で撮影すると、とても大きくてやわらかい自然なぼけ味が表現できる。
色付きもなく、じつに美しい点光源で、もはや単焦点レンズといってもいい。
ただし開放F2では大口径ならではの口径食(レモン型)が撮影表現として気になるかもしれない。
絞り値:F2.8 | 絞り値:F4 |
そこで、1段(F2.8)もしくは2段(F4.0)絞ると、口径食を抑えて丸い玉ボケを作れる。
仮に F2.8のレンズだと、口径食を抑えようとするとそこから1段(F4.0)、2段(F5.6)と絞らないといけない。
そう考えるとF2通しレンズだからこそのアドバンテージがある。
絞り値:F5.6 | 絞り値:F8 |
絞り値:F11 | 絞り値:F16 |
さらに絞って F5.6 / F8 / F11 / F16の画像も掲載。
絞り羽根は、G Masterレンズのほとんどのモデルに備わる11枚羽根の円形絞り。
枚数が多くなることで高い円形比率で、少し絞った場合でもその丸いカタチを保てるのが特徴。
絞っていくとやらわかな丸い玉ぼけを維持しつつ、F5.6からF8あたりから光芒が出てくる。
歪曲補正がなくても自然な表現を楽しめる
歪曲収差とは、像がゆがんで画面上で物体の形が変形する収差のこと。
にはどれほどの歪曲収差があるのか、カメラ側で電子補正をした場合との違いを比べてみた。
α1 II +
焦点距離:28mm(広角端)
歪曲補正:OFF
α1 II +
焦点距離:28mm(広角端)
歪曲補正:ON
28mm(広角端)では、レンズ周辺にゆるやかな樽型の歪曲収差がみられる。
ただ、歪みとしては不自然さはそこまで大きくなくて、格子状のビルのようなな撮影でなければ歪曲補正OFFのままでも生のレンズの写真表現として大いにあり。
焦点距離:70mm(望遠角端) 歪曲補正:OFF |
焦点距離:70mm(望遠角端) 歪曲補正:ON |
望遠端では中央部にいくにつれて糸巻型の歪曲収差がみてとれる。
ただしこちらも同じ用に平面的な正確性を問うような写真を撮るのでなければ歪曲補正OFFでも問題ないように思える。
特に今回はモデルさんを撮影しているという事もあって、歪曲補正ONよりもOFFのほう引き締まってみえるという効果もあって良いんじゃないかという説もある。
巨大でも、高速かつ静粛なAF性能
AF機構については、G Masterレンズに備わるXD(extreme dynamic)リニアモーターを4基搭載。
撮影していても、オートフォーカスの機敏さについてレンズが足をひっぱっている感覚は皆無。
さすがα9 III の最高約120コマ/秒の高速連写にも対応するトラッキング性能を持つAF性能で、フォーカス駆動時のモーター音も静かで振動もない。
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●唯一無二の標準ズームレンズFE 28-70mm F2 GM「SEL2870GM」
F2通しの大口径レンズならではの背後に大きなボケと、その遷移するにつれてなめらかな溶け込み具合はさすがGMasterレンズならでは。
瞳に吸い込まれるようにフォーカスして顔の表情を捉えつつ、髪の質感から衣服の繊維やシワに至るまでをきめ細やかに解像しているのが手に取るようにわかる。
手前のふんわりとした前ボケと、背後の後ボケの奥行き感といい、
ならではの映像が撮れる。の最大の悩ましさは、その大きさと重量に加えて非常に高価だということ。
それなら単焦点レンズを複数チョイスしたほうが良いんじゃないか?とさえ思ってしまう。
ただし、レンズ交換できないシチュエーションとなると話は変わってくる。
例えば乾坤式の撮影がそうであるように、レンズ交換をする余裕のないシーンでの撮影でもならこれ1本でどうにか出来てしまう。
28-70mmのあいだすべて単焦点レンズを一つに集約したレンズと言ってもいい。
CannonのF2通しの標準ズームにあこがれていた身からすると、重さが2/3になっているという事実も余計に欲しさが増す原動力にもなる。
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<レビュー>
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<レビュー>
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