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「VLOGCAM ZV-E10II」は動画撮影をどれくらい続けられる?「連続動画撮影時間」の目安と、消費電力や熱耐性について調べてみた。


APS-C Vlogカメラとしては初めて有効約2600万画素のAPS-C裏面照射型CMOSセンサーExmor R画像処理エンジンBIONZ XRを搭載した、レンズ交換式VLOGカメラ『VLOGCAM ZV-E10 II』(ZV-E10M2)。

前回は、撮影設定によって変わるセンサー使用領域と手ブレ補正機能について解説したけれど、今回は動画性能としてもう一つ気になる熱耐性や発熱についても調べてみた。

『VLOGCAM ZV-E10 II』ZV-E10α6400α6700の熱耐性や消費電力などを比較。

・本格的で多彩な映像表現を簡単操作で実現するAPS-Cミラーレス一眼カメラ『VLOGCAM(TM) ZV-E10 II』発売 | ニュースリリース | ソニー
・VLOGCAM ZV-E10 II | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

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●ZV-E10IIの熱耐性、消費電力(発熱)について


XAVC S HD:60p 50M 4:2:0 8bit、Wi-Fi非接続時、モニター展開時
XAVC S 4K:60p 150M 4:2:0 8bit、Wi-Fi非接続時、モニター展開時
※センサーのほぼ全域を使用する条件で撮影したときの値

上の表は、『VLOGCAM ZV-E10 II』の公式に記載されている連続動画撮影時間の目安。

動画撮影するさいに、自動電源OFF温度の設定を「標準」⇒「高」に変更することで熱停止するまでの限界を引き上げてくれる。
(うっかり低温やけどを防ぐため初期設定では「標準」となっている。)

4K60p撮影では、環境温度が25℃の場合は約30分、40℃の場合は約10分持つとされている。

あくまでもソニー公式のデータのため、撮影環境によっては前後する可能性がある。

重要なのは他のカメラと比べたときの差。

他のカメラと連続動画撮影時間を比較してみた。

『VLOGCAM ZV-E10 II』ZV-E10α6400α6700の4モデルで条件ごとに、確認してみる。(α6400についてはわかる範囲のデータのみ)

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自動温度OFF温度:[標準]、環境温度:25℃フォーマット:HD

・ZV-E10 II、α6700  ・・・ 120分
・ZV-E10、α6400  ・・・ 30分

HD撮影での[標準設定]で、環境温度25℃のときはどのモデルも30分以上撮影できる。

ZV-E10 IIα6700については、最近のカメラのためテストの計測時間も長くなっている。

自動温度OFF温度:[標準]、環境温度:25℃フォーマット:4K

・ZV-E10 II、α6700  ・・・ 5分
・ZV-E10  ・・・ 20分
・α6400  ・・・ 30分

4K撮影での[標準設定]で、環境温度25℃のときはZV-E10 IIα6700はわずか5分と短い。

ZV-E10は20分、α6400は30分。

以前のカメラほど時間が長いのは、消費電力と熱耐性(カメラに使用されている材質)のバランスの違いによるもの。

[標準設定]では長時間の動画撮影は厳しいため、に[高]に設定しておくと良い。

自動温度OFF温度:[標準]、環境温度:40℃、フォーマット:HD

・ZV-E10 II、α6700  ・・・ 120分
・ZV-E10、α6400  ・・・ 30分

HD撮影での[標準設定]で、環境温度40℃でもどのモデルも30分以上撮影できる。

環境温度が25℃でも40℃でも値が変わらないということは、フルHD撮影は環境温度に左右されることなく安定稼働できる。

自動温度OFF温度:[標準]、環境温度:40℃、フォーマット:4K

・ZV-E10 II、α6700  ・・・ 5分
・ZV-E10  ・・・ 20分
・α6400  ・・・ 30分

4K撮影での[標準設定]で、環境温度40℃のときは25℃のときと同じ。

やはり標準設定よりも「高」設定をオススメする。

 

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自動温度OFF温度:[]、環境温度:25℃フォーマット:HD

・ZV-E10 II、α6700  ・・・ 120分
・ZV-E10  ・・・ 60分

HD撮影での[高]で、環境温度25℃のときはどのモデルも長時間の撮影が可能。

ZV-E10は30分から60分に改善。

α6400のデータは掲載されていないもののおおよそZV-E10と同等と思われる。

自動温度OFF温度:[]、環境温度:25℃フォーマット:4K

・ZV-E10 II、ZV-E10、α6700  ・・・ 30分

4K撮影での[高]で、環境温度25℃のときはすべてのモデルで30分程度の撮影が可能。

α6400のデータは掲載されていないけれどこちらも同等と思われる。

ただしどのモデルも30分までということは、4K撮影自体が発熱しやすいという事がわかる。

自動温度OFF温度:[]、環境温度:40℃、フォーマット:HD

・ZV-E10 II、α6700  ・・・ 120分
・ZV-E10  ・・・ 60分

HD撮影での[高]で、環境温度40℃のときは25℃時と同様にどのモデルも長時間の撮影が可能。

ZV-E10は30分から60分に改善。

α6400のデータは掲載されていないもののおおよそZV-E10と同等と思われる。

自動温度OFF温度:[]、環境温度:40℃、フォーマット:4K

・ZV-E10 II、α6700  ・・・ 10分
・ZV-E10  ・・・ 30分

4K撮影での[高]で、環境温度40℃のときZV-E10 IIα6700は少し改善して10分程度の撮影が可能になっている。

ZV-E10については30分となっているものの、撮影条件が異なるため単純にZV-E10が優れているわけではない。

40℃という高温環境では、自動温度OFF温度を[高]にしてもかなり厳しい暑さのため、冷却手段を用意するべき状況だと言える。

 

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●4K・フルHD撮影設定別の消費電力の違い

熱耐性を比較してみると、フルHDと4Kでは連続動画撮影時間に大きな差がある。

連続動画撮影時間が長くなるということは、発熱が少ない=消費電力が少ないということ。

今回比較したカメラの消費電力は、以下のようになる。

動画撮影時の消費電力(モニター)
ZV-E10 II:約5.0W

ZV-E10:約3.5W
α6400:約3.5W相当?(ZV-E10と同等)
α6700:約5.3W

ZV-E10 IIα6700は、有効約2600万画素のAPS-C裏面照射型CMOSセンサーExmor R画像処理エンジンBIONZ XRといった最新性能を備えているため消費電力が5Wと高い。

α6700の消費電力のほうが僅かに高いのは、おそらくAIプロセッシングユニットも加わっているため消費電力が増えていると思われる。

どういった撮影条件(フルHD or 4K)で動画撮影時の消費電力がかかるのか?

それを調べるため、USBケーブルを介してカメラとモバイルバッテリーを接続して、給電に使われている電力を確認してみた。

執筆時点ではZV-E10 IIはまだ発売されていないため、α6700ZV-E10の2モデルで消費電力をチェックしてみる。

4K時の消費電力とフルHDの消費電力をカメラごとに、モバイルバッテリーに表示される消費電力を比較する。

α6700の撮影条件別消費電力

まずは、α6700

4K撮影時の給電では給電のために6W、フルHD撮影時では4Wの出力を確認。


α6700(4K撮影設定)消費電力

α6700(フルHD撮影設定)消費電力

 

この数値は給電時のロスなども含まれているので、4K撮影時の給電のために6W出力されているという数値は、概ね仕様にある約5.3Wに近く仕様通りの消費電力であることがわかる。

ここでわかるのは、フルHDよりも4K撮影時のほうが約1.5倍も消費電力が多いこと。

フルHDと4Kでは連続動画撮影時間に大きな差があるのは、この消費電力の差=発熱の差が要因というのはほぼ間違いない。


α6700(4K撮影設定)消費電力
手ブレ補正アクティブモード
 

 

ちなみに、4K撮影時に手ブレ補正[アクティブモード]を併用したところ、さらに給電電力が増えて7Wとなった。

ロスもあるとして、手ブレ補正[アクティブモード]時は手ブレの処理のためにより多くの電力を消費していると思われる。

そのため、[アクティブモード]を利用するさいには発熱が増えるという点には注意が必要。

ZV-E10の撮影条件別消費電力

次にZV-E10

4K撮影時の給電では5Wの出力、フルHD撮影時では3Wの出力を確認。


ZV-E10(4K撮影設定)消費電力

ZV-E10(フルHD撮影設定)消費電力

 

こちらも給電時のロスなども含まれているため、4K撮影時の給電のために5W出力されているという数値は、概ね仕様にある約3.5Wに近く仕様通りの消費電力であることがわかる。

小数点以下の消費電力が見えていないため誤差は大きいとはいえ、フルHDよりも4K撮影時のほうが約1.7倍も消費電力が多いことになる。

ZV-E10でも動揺にフルHDと4Kでは連続動画撮影時間に大きな差があるのは、消費電力の差=発熱の差が要因となっている。

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●カメラ本体の放熱を補うアクセサリー(冷却ファン)を活用する方法もアリ。

ZV-E10 IIは確かに動画性能が高いとはいえ、長時間の撮影をするには不安が残る。

動画撮影でカメラ本体の発熱を抑えたいという場合、冷却するためのアクセサリーというものも発売されている。

例えば、Ulanzi カメラヒートシンクC072GBB2

これは、カメラの背面モニターを収納する部分に取り付けて、本体を冷却するというもの。

バッテリーを内蔵して取り回しも楽で、USB給電にも対応している。

実際に使ってみたところ効果はあるようで、カメラ本体の熱上昇を抑えて、カメラ単体時よりも長時間の動画撮影ができている。

発熱に対して排熱が追いつけば、バッテリーが続く限り撮影ができるはず。

とはいえ、夏場や日中の暑い環境では冷却ファンを使ったとしても4K撮影は厳しい場合もあることは注意が必要。

もしも4Kで撮影する理由がなければ、消費電力(発熱)の少ないフルHD撮影に設定変更して撮影するほうが安定するという事も頭の片隅においておこう。

単体で冷却機構を備えているプロフェッショナルカムコーダー「FX30」もあるとはいえ価格がネックになる事もある。

手軽にかつリーズナブルに静止画と動画の撮影ができるコンパクト機としてであればZV-E10 IIはおすすめのモデルと言える。

「VLOGCAM ZV-E10II」と「ZV-E10」の動画撮影時のセンサー使用領域と手ブレ性能の違いを比較。「ZV-E10II」の4K30p/4K60pのアクティブ手ブレ補正が強力なワケ。

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●『VLOGCAM™ ZV-E10 II』(ZV-E10M2)関連製品


デジタル一眼カメラ「ZV-E10 II」ボディ
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト
ソニーストア販売価格:152,900円(税込)
発売日:2024年8月2日(金)
予約開始日:2024年7月17日(水)10時

デジタル一眼カメラ「ZV-E10 II」パワーズームレンズキット※SELP16502
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト
ソニーストア販売価格:163,900円(税込)
発売日:2024年8月2日(金)
予約開始日:2024年7月17日(水)10時

デジタル一眼カメラ「ZV-E10 II」ダブルズームレンズキット※SELP16502+SEL55210
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト
ソニーストア販売価格:185,900円(税込)
発売日:2024年8月2日(金)
予約開始日:2024年7月17日(水)10時

E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II「SELP16502」
カラーバリエーション:ブラック

ソニーストア販売価格:35,300円(税込)
発売日:2024年8月2日(金)
予約開始日:2024年7月17日(水)10時

 

 
デジタル一眼カメラ「ZV-E10」ボディ
ソニーストア販売価格:88,000円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF

※ZV-E10は8月1日に値上げ予定

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