ソニーが基本的に好き!

VAIO typeAに存在する「Video edition」と「Photo edition」の違い。


フルモデルチェンジしたVAIO typeA

VAIOノート上ではスペック上フラッグシップとなるために
モバイル性をまるっきり無視した超巨大ボディ。
3.95Kgというもう4Kg近い重さがあって、
毎日持ち運んでたら、さぞマッチョになれそうなドS級マシン。

この大きさと重さを確保できるからこそ
モバイルフラッグシップのVAIO typeZにでさえ搭載できないスペックを盛り込めて
ハイパフォーマンスマシンに仕上げる事が出来る。

とか言ってたら、
明らかにSONY的な戦略をプンプン感じるというか方向の転換というか、
今までだと、スペックやアプリの上下でラインナップが並んでたのに、
今回からは、
より動画向けなマシンとして「Video edition」
より静止画に特化したマシンとして「Photo edition」
という2機種に分断。

いわゆる、あっちにはあって
こっちにはこの機能がないという棲み分けになって
これまためんどうな事をしてくれたなと思ったものの
リテールモデル(一般モデル)とは別に
VAIOオーナーメードは、カスタマイズがフレキシブルに出来るので
特に心配する事はないみたいだった。

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「Video edition」

コンセプト的な分け方として、区別すべき要点は、
外観と、搭載されている液晶の2つ。


・VAIO typeA [ビデオエディション]
「VGN-AW80US・AW80NS・AW80S」
ソニースタイル販売価格:214,800円(税込)~


「Video edition」のボディは、
液晶天板は金属感が漂うチタングレー、
サイドに入るシルバーラインもつや消しの落ち着いた雰囲気。

開いたパームレストやキーボードもシンプルな
フラット感のあるチタングレーに、
キートップがブラックという構成。

液晶画面は、18.4型でアスペクト比16:9の
フルHD(1920×1080)の液晶ディスプレイで、
まさにデジタル放送をドットバイドットで表示。


従来と同様にコントラストの高いクリアブラック液晶を採用していて
暗がりで撮影するとわかるように画面にも光沢があるのがわかる。

リッチカラー(NTSC比104%)という色の鮮やかさを追求した
より動画を綺麗に見せるためのディスプレイを搭載。

VAIOオーナーメードでは、
アプリケーションが全てオプションで選べるようになっている事もあって
PCスペックだけを純粋に欲する場合(例えば3Dゲーム用途)には、
比較的安価で高性能なマシンを作れるのが特徴。

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「Photo edition」


・VAIO typeA [フォトエディション]
「VGN-AW90US・AW90NS・AW90S」
ソニースタイル販売価格:269,800円(税込)~


「Photo edition」は、
従来のフラッグシップとなっていたVAIO typeAと同じ
液晶天板は、艶のあるプレミアムブラック。
触ると当然のように指紋がつくほどの光沢感を持つ。

液晶と本体にのサイドに走る銀色のラインも
光を反射する光輝くシルバーラインとなる。


そして凝っているのが液晶を開けた内側。

デジタル一眼レフカメラ“αシリーズ”を意識した作りになっていて、
パームレスト部分には、
まさに“αシリーズ”のグリップと同じ
エラストマー素材を採用した一枚板が敷いてあったり、
キーボード周りの表面にはシボ加工を施してあったりと
特別感を演出。


そして最も違いとなるのが液晶ディスプレイ。

液晶の大きさや解像度は18.4型の1920×1080という点は同じだけれど
根本的な考え方が違っていて、
写真を編集するにあたって大事な色を正確に見せる
という点に注力したディスプレイになっている。

Video editionでは、綺麗に見せるという事を重視していて
どちらかというと綺麗に見せるという考え方は
人の都合で綺麗と思うものなので、
意図的に色を変えたり強調したりするのが一般的。

Photo editionでは、そうではなくて
画像本来が持っているありのままの色を表現するという
正しい表示が出来るという点にこだわりを持っている。


まずその1つに
「カラーマネジメント」という概念。

例えば、デジタルカメラで撮った画像を液晶モニターで見て
自分で編集したり色調整をどんなにがんばっても
プリンタで印刷すると、色が違ってるという事がよくある。

これは、画像自体が持っている本来の色と、
液晶ディスプレイやプリンタの色が違っているために起きてしまう現象で
思い通りの色を出そうと思ったら
キャリブレーションで調整するか、
もしくは何度も印刷してその結果から予測して調整するかしかなくて
非常に非効率な作業だし、だいいちインクと紙がもったいない。

この色の違いは、
そもそものデバイス毎の色の規格が異なるせいで、
液晶ディスプレイは、R(赤)G(緑)B(青)の3原色で表示、
プリンターは、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(色調)の組み合わせ
といった具合に、それぞれのルールで色を出している事もあって
色を合わせるのが難しいとされる。

そこで、
だったら共通の色規格を持とうという事で
それぞれのデバイスが持つ色を共通規格上で
管理するのが「プロファイル」という概念で、
VAIO typeAのPhoto editionには、
液晶画面の色温度にあったICCプロファイルを
出荷される時点から設定をさせた。


そして今度は、
色規格のプロファイルの精度を高くするには、
液晶ディスプレイに表示される色の精度も高くなければ意味がない。

そこで、従来の液晶ではsRGBといって
人が見れる色の半分くらいの領域しか見えないものから、
印刷の世界では標準とされているAdobe RGBを基準として
そのカバー率を100%達成。

Adobe RGBのカバー率100%という液晶ディスプレイは、
DTP向けといわれる液晶ディスプレイで、
比較的価格の高価なものが多いけれども
Photo editionの名を冠するVAIO typeAでは、それを実現させた。


物理的にAdobe RGBのカバー率100%を達成するために
一部のBRAVIAでも採用されているLEDバックライトを採用、
「RGB 3チップ LED」といって、
R(赤)G(緑)B(青)の独立した3色のLEDを使って、
色の再現性を極限まで高めている。

カタログで語られてないネタとしては、
3チップとは言いつつも、実は緑のLEDは2個使っていて
RGGBという4つのLEDを組み合わせて
色域のうち特に緑の部分をカバーする事で
Adobe RGBのカバー率100%までこぎつけたと言える。

液晶画面は、
ぎらぎら反射してしまうクリアブラックではなく、
映り込みを拡散してくれるアンチグレアを採用している点も
Video editionとは考え方が違う。

ちなみに、
NTSC比では、なんと137%の達成率を誇る。

それからさらに芸が細かいのが、
液晶の経年変化への対応。

「ビルドインユニフォーミティ機能」で、
ディスプレイに入っている54セットのLEDを
それぞれに経年変化でバラつきが出ないように補正する機能や、
白が正しく白い色と出るように「自動白色点補正機能」を搭載していて
この機能は、
PCが立ち上がるたびに補正機能が働くようになっていて
常に色を正しく表示させる事を念頭に置かれている。


ディスプレイの色温度設定は、
5000K(D50)、6500K(D65)、9300Kという3段階の
色温度調整まで出来るようになっていて、
写真編集用に6500K(D65)、
印刷用に5000K(D50)と切り替えられるのも特徴。

さらに、
写真写真とは言いつつも、
いつもそればっかりを使うわけでもなくて
たまにはハイビジョン動画を見たり、
Blu-Rayディスクを楽しみたいといった場合にも
色温度や輝度をそれぞれに合わせた設定に自動的に切り替わる
「色モード設定」というものまで搭載。

利用するアプリやコンテンツに合わせて
画面の設定が自動的に切り替わってくれて
いつも最良のディスプレイの状態で楽しめる配慮はさすがというべきか。


そしてPhoto editionの象徴とも言えるのが、
別売で用意されたディスプレイフード「VGP-DHA1」

外光が画面に入って本来の正確な色がわかりにくくなるのを
防ぐために非常に役立つ専用フードで
ボタンの留め位置を変更する事で、
天板を0度から30度まで調整する事も出来るようになっている。


さらに、大きいながらも、
綺麗に1枚板にまで折りたたみもできるようになっていて、
専用のキャリングバッグ「VGP-MBA10」に入れれば、
本体と一緒に移動もできる配慮までされている。

本体からアプリケーション、アクセサリーにいたるまで
一環して、映像へのこだわりを貫いているのが
Photo editionという事になる。

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他にもPhoto editionには、
アプリケーションとして
静止画編集のための
「Adobe Photoshop Lightroom 2」
「Adobe Photoshop Elements 6」
をプリインストール。

そういったものを含めてのベース価格での
55,000円の差なので、
液晶のクオリティとアプリケーションの魅力が理解できれば
この価格差はものすごく小さいものだと思える。

PC処理スペックではない部分に
心血を注ぎこまれたVAIO typeAを選択する理由は
こういったところにあるのかもしれない。

長くなりすぎたので、
エディション以外の部分は次回へ続く。

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4件のコメント

  1. けいじゅ より:

    ディスプレイの色温度を変えられるなんて、ちょっと衝撃です・・・!

  2. nyaa より:

    R masterの夢は潰えました
     ソニー、「デスクトップ型」PCは開発打ち切り 「一体型」に完全シフト
    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/16/news035.html
    正直完全自作派の自分としてはどうでもいい事なんですけどね。
    そんな事より、それなりに評価が高かったSONYのモニタが完全に消滅する事の方が残念です。

  3. kunkoku より:

    >けいじゅさん
    なかなかおもしろいというか凝った作りをしてますよねw
    デジタル一眼をプリントアウトする人には結構ウケがいいですねー。

  4. kunkoku より:

    >nyaaさん
    たぶんメーカーとして考えると、これは仕方のない流れみたいですね。
    当然、自作でケースをチョイスして好みのパーツを組み合わせるほうがよっぽど効率のいいものが作れますし、逆にデルのような安価な打ち出しはソニーではしたくないでしょうからねー。
    一体型という形でデスクトップの市場を残すにとどまりそうですね。
    いやほんとうにnyaaさんのおっしゃるとおり、
    たとえば今回のtypeRのディスプレイ部分だけみても相当な魅力があるので、これだけをディスプレイ単体化して発売して欲しいと思ったほどです。。
    せっかく液晶ディスプレイが単なる蛍光管からLEDに変わっていく楽しみな時期だっただけに残念ですね。。