旧型モバイルVAIOを復活を期待させる「1.8インチSSD IDE50ピン」(その2)
・旧型モバイルVAIOを復活を期待させる「1.8インチSSD IDE50ピン」(その1)
の続き。
前回、
1.8インチIDE50ピンタイプのSSD
「G-Monster 1.8インチ 50PIN-IDE V2」を
VAIO typeT(TXシリーズ)に装着して
リカバリーを走らせると
途中でエラーが発生してリカバリーが続行できない症状に出くわした。
外箱のファームVerを確認してみても
今の時点で最新ファームと思われる「20090521」と明記してあるし、
ファームアップという策では解決できそうにない。
これは困った・・・
と思っていろいろ調べてみたら、
外箱が最新ファームでも、
もう一回、PhotfastのHPのファームを入れなおすと
うまく動作するようになったという事例もあるようなので、
それしかやる方法がないみたいだしチャレンジしてみる事にする。
----------------
<G-Monster SSDのファームウェアの更新>
SSDのファームの更新の手順といっても
各メーカーでやり方は様々。
OCZは、SSDにジャンパピンをハメて
Windows上から新ファームを走らせる方式だったり、
Intelは、新ファームの入ったISOファイルをCDに焼いて入れる方式だったり。
で、Photfastの1.8インチSSD(ZIF、IDE50ピン)はというと・・・
フ、フロッピーディスク必須!?
いや、かなり狼狽したというか、
どこに置いたっけ?と保管した場所を思い出すのに一苦労。
すっかり使う事のなくなったフロッピーディスクドライブを
倉庫にもぐって、ひさびさに引っ張りだしてきた。
一応、VAIOの周辺機器として
USBフロッピーディスク「VGP-UFD1」は現役。
ファームアップ用のフロッピーディスクを作るには
全く何も起動しないVAIO typeT(TXシリーズ)ではまず無理なので、
とにかく別のPCで作成する必要がある。
-・-・-・-・-・-
まずはPCと接続したフロッピードライブに、
3.5インチフロッピーディスクを挿入。
右クリックしてプロパティを開いたら
フォーマットオプションにある「MS-DOSの起動ディスクを作成する」
にチェックを入れてフォーマットを開始する。
フォーマットが終了したら閉じる。
それから、
次に、PhotfastのHPにあるファームウェアアップデートを
32GB用と64GB用がそれぞれあるので
自分の持ってる容量と同じものをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルはZIP形式で圧縮されてるので
解凍ソフトで展開。
マニュアルに書いているファイル名と
実際に落としてきたファイル名が、
まるで違ってるので混乱しそうになるけど
今回のファーム(20090521)の場合、
落としてきたフォルダ「32G」の中にある6つのファイルを、
最初にMS-DOSの起動ディスクとして作った
フロッピーディスクの中にコピーしてやる。
これで準備は完成。
「G-Monster 1.8インチ 50PIN-IDE V2」の収まった
VAIO typeT(TXシリーズ)とUSBフロッピーディスク「VGP-UFD1」を接続して
準備したファーム更新用のフロッピーディスクを入れて
電源をオン。
すると、
フロッピーを読み込んでMS-DOSが起動するので、
先ほど転送した6つのファイルのうちの
一つとなるファイル名「1832g524.BAT」を入力して
エンターキーを押すと、
ファームウェアの書き込みがスタートする。
待つこと10分強。。
書き込みが正常に終了すると、
「Firemware Revision:09-05-21」
となっている事を確認。
これでファームの更新は終わり。
(もしもさらに最新のファームが出たら同じ要領でやればOK)
----------------
<続・まだあった落とし穴>
と意気揚々と
リカバリーディスクを本体の光学ドライブに収めて
VAIOの電源を投入。
・・・
すると、
なぜか光学ドライブを読み取る気配がなく
画面上には、
「Operating System noto found」と表示された。
そりゃまだリカバリが完了してないから
SSDの中にはOSが入ってないわけで
このメッセージの意味は理解できるものの、
なぜ光学ドライブの読み込みをスルーしたのか?
おっかしいなー?
と思っていったんBIOS画面に入ってみる。
そして
Bootの順番がおかしいのかな?
と思って見てみたら
きちんと[Optical Drive]が一番最初の起動先になってるから
SSDを読みに行く前に間違いなく光学ドライブを読みにいくはずなのに・・・
うーん、おかしい。
と悩むこと数分。。
BIOSの「Advanced」の項目をもう一回確認してみたら、
なんと
[Hard Disk Drive]に装着したSSDの容量が表示されて認識されているのに、
[Optical Drive]がNoneと表示されて、
内蔵の光学ドライブが認識されてない!
だから光学ドライブをスルーしてしまうんだ・・・
慎重に作業してるのに接続端子でも破損したのか!?
と疑ってみたけど
試しにMtron製SSDに差し替えてみると、
なんと、SSDも光学ドライブもBIOS上から認識されているし
リカバリーディスクも読み込まれる事までを確認した。
やっぱり本体側には問題はない。
うーーーーーーーーん
何でだ?
SSDと光学ドライブがBIOS内で
同じIDを取りに行って競合を起こしてしまってるのか??
一つ前のファームを入れてみるという手もあるけど
さすがに手探りでやるにはあまりにも時間がかりすぎるので
ここで一旦中断。
ひとまずは、
別の何か解決策が見えたら再開する事にする。。
----------------
<505EXTREMEに1.8インチ 50PIN-IDEV2を載せる>
VAIO typeT(TXシリーズ)で出来なかったので
正直かなりヘコみ気味になりながらも、
もう一台の505EXTREMEにも
「G-Monster 1.8インチ 50PIN-IDE V2」を装着して
使えるかを試してみる。
分解や換装の手順は過去記事を参照。
・505EXTREMEを最新のネットブックと同等レベルの性能にする。(その1)
・505EXTREMEを最新のネットブックと同等レベルの性能にする。(その2)
・505 EXTREMEのHDDをSSDへ換装する!(その1)
・505 EXTREMEのHDDをSSDへ換装する!(その2)
・505 EXTREMEのHDDをSSDへ換装する!(その3)
やっぱり、
そのままダイレクトにIDE50ピン同士で接続できるのはとても楽。
ZIFタイプのSSDだと変換アダプタを利用しないといけなくて、
さらに505EXTREMEまでに極薄のボディになると
変換アダプタの厚さが邪魔して中がキツキツになって
断線するんじゃないか?という不安がよぎる。
けれど、
このIDE50ピンのSSDなら
このストレージスペースにピッタリ収まる。
気をつけるべきは接続の向きで、
表にしても裏にしてもくっついてしまうのだけど
これを間違えるとちっともSSDを認識してくれないので注意。
元通りに組み上げたら、
BIOS画面を立ち上げて[Advanced]をチェックすると
[Hard Disk Drive]に「32019MB」と
装着したSSDの容量が表示されているので接続がうまくいった事を確認。
そしたら、
光学ドライブを505EXTREMEに接続して
リカバリーを開始する。
VAIO typeT(TXシリーズ)ではダメだったのでどうだろう?
と内心ドキドキしながら見守っていると、
最後の3枚目のリカバリーが終わるまで
何のエラーも出ることなく終了。
無事にWindowsの初期設定画面となって
アプリケーションリカバリーも全て滞りなく完了したので
ほっと一安心。
なんだか久しぶりにかなり緊張感があった気がする・・・
----------------
<1.8インチ50PIN-IDEV2のベンチマークテスト>
505EXTREMEは、
WindowsXPベースなので、
先にやった1.8インチZIF V2と
Windows VistaベースのVAIO typeT(TZシリーズ)の組み合わせの結果との違いが気になる。
そして
そのベンチマークテストの結果が以下。
●CrystalDiskMark 2.2
『100MB』 『1000MB』
●HD Tune Pro 3.50
『Read 64K』 『Read 512K』
『Read 8MB』 『Random Access Read』
『File Benchmark』
読み込み速度に関しては
シーケンシャルリードでは
ほぼ70MB/sを上回る数値を両ベンチマークで出しているし、
HD Tuneのグラフもブレもなく安定的で良好な結果で、
ランダムテストも、VistaとZIFの組み合わせの時よりも上回っている。
それに対して
書き込み速度はやはりお世辞にも速いとはいえず
シーケンシャル公称値55MB/sから期待するには
30MB/s台というのは残念だし
ランダムライトもお世辞にも速いとは言えない。
けれど、
VistaとZIFの組み合わせの時の異常な低さに比べたら
全然マシで、それを思えば快適にすら感じる。
-・-・-・-・-・-
Windowsの起動や終了、休止と復帰といった
実際の速度をストップウォッチで計測。
『Windows XP起動』
ようこそが現れる:約17秒
壁紙が現れる :約21秒
インターネット接続:約45秒
アクセスランプ消灯:約50秒
『終了』・・・約15秒
『休止』・・・約15秒
『復帰』・・・約12秒
このあたりの速度は
計測していても非常に良好。
ベンチマークテストを見ると
先に換装して載せていた
Mtron製の1.8インチSSD「MSD-P3018032ZIF」と比べると
若干性能は劣る結果となったものの
起動や終了は、
「G-Monster 1.8インチ 50PIN-IDE V2」のほうが速かった。
実際に使っていると
やはり動作途中に、不意に短いフリーズには
どうしても出くわしてしまうのは、
1.8インチZIFタイプのSSD
「G-Monster 1.8インチZIF V2」と同じ印象。
それでも、
OS的には
Windows Vistaほどのストレージへのアクセスによる負荷は少ないようで、
Windows XPのほうがまだ快適に感じられる。
という結果だった。
----------------
動作すればという前提ではあるけど
SSDを搭載すると、
旧来のHDDのままよりはレスポンス的には向上するだろうし、
SSDの15gという軽さのおかげで
数十gは軽量化できるし、
さらには64GBや128GBという大容量なタイプも載せられるので
一昔前のモバイルPCでも現役化できるというメリットは少なからずある。
505EXTREMEなんて
当時だとHDDが20GBの容量しかなかった事を考えたら
100GBオーバーのSSDになってしまうだけでもすごい事ではないかと。。
一応、
問題をかかえてしまったVAIO typeT(TXシリーズ)は、
今後の宿題という形で保留。
あとは、
INDILINX製のコントローラーと64MBのキャッシュを持った
最大読込100MB/s、最大書込100MB/sという性能をもつ
「G-Monster 1.8インチZIF V3」が
触れればぜひテストしてみたい。
【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】