ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」の実機を弄り倒してきたレビュー。(カメラ連携編)スマートフォンにはない豊富な端子とカメラ連携機能が魅力。
・ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」の実機を弄り倒してきたレビュー。お前さん、冷却ファン・HDMI・LAN端子・USB type-Cを備えた Xperiaじゃないのかい!?
の続き
前回は、ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」のガジェットとしてのポテンシャルの高さを紹介したけれど、今回は真面目にカメラ連携機能やカメラと使用する際のメリットについて書いてみる。
・5G対応ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」購入ページ
・高速・低遅延映像伝送を実現する5G対応ポータブルデータトランスミッターを発売 | ニュースリリース | ソニー
・PDT-FP1 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
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目次
●豊富な端子類や独自のカメラ連携機能が魅力的な「PDT-FP1」
ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」の豊富な端子類や独自のカメラ連携機能はとても魅力で、代表的なものとして以下のようなものがある。
・カメラとの接続が超かんたん「カメラ有線接続」設定
・USB端子だけでなく、LAN端子、HDMI端子、充電用USB端子を搭載して、様々な接続に対応
・ヒートシンクと冷却ファンを内蔵、最大40度の環境でも熱遮断を防ぐ
・三脚ねじ穴を搭載して本体の固定が容易
カメラとの接続が超かんたん「カメラ有線接続」設定
例えば、2024年2月の大規模アップデートで、USBの有線接続に対応した「Creatos’ App」を使う場合。
Xperia などのスマートフォンとαをUSBケーブルで接続して、テザー撮影やデータ転送ができる。
<参考記事>
・Creators’ Appの進化がすごい!有線接続対応で簡単にUSBテザー撮影(リモート撮影)や写真高速転送が可能に。Xperia、iPhone、タブレット、ウォークマンなど制限なし。
ただし一般のスマートフォンの場合、「Creatos’ App」アプリを開いて、カメラとUSBケーブルを接続した後に、カメラのアクセスを許可する必要がある。
カメラ側の設定は、あらかじめ「USB接続モード」を「PCリモート」にすることでショートカットできるものの、スマートフォン側の操作は必須。
一方で、ポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」は、設定内に「カメラ有線接続」という機能がある。
これはXperiaシリーズにはない「PDT-FP1」だけの独自機能。
「カメラ有線接続」機能は、カメラと接続したときに、あらかじめ登録していたアプリを自動的に起動して、画像などを転送してくれるというもの。
対応しているアプリは、「Creators’ App」、「Creators’ App for Enterprise」、「Transfer & Tagging」の3つ。
仮に、「Creators’ App」を選んでおくと、USBケーブルを”接続する”アクションだけでアプリが立ち上がってすぐに使える。
先程のスマートフォンに必須の許可をタップするというステップをすっ飛ばせる。
これは、ホーム画面の状態でも、別のアプリを開いているときでもケーブルを接続するだけで自動的に指定したアプリを起動して接続してくれるので、よりストレスから開放される。
最大の威力を発揮するのは、カメラ と PDT-FP1 を有線LANケーブルで接続して、アプリからFTPサーバーにアップロードできる「Transfer & Tagging」アプリ。
このアプリは仕事場にあるサーバー(もしくはレンタルサーバーなど)に、自動的に写真を送り込める効率を一挙に上げてくれるソリューション。
ただし、「PDT-FP1」からのサーバーに画像転送するさいには、当然ながら上りの通信速度に影響してしまう。
モバイル回線の上り速度というのは正直遅くて、データの大きい画像を何枚もアップするのは非常に時間がかかって現実的ではない。
こうした時には、「Transfer & Tagging」アプリの機能に、転送する画像のデータ量やサイズを変更して、必要最低限のデータにすることでアップロードのレスポスを上げるという事もできる。
ここでまた活躍するのが、「カメラ有線接続」機能。
有線LANケーブルをつないだタイミングで、まずカメラから自動的に「PDT-FP1」に画像を転送、そしてして「PDT-FP1」で適切なサイズに変更した画像データをFTPサーバーまで送り込んでくれる。
要するに、有線LANケーブルをカメラと常時つなぎっぱなしにして使う必要はないということ。
カメラで撮影が終わった後で、「PDT-FP1」に接続すれば、あとは全部自動的にやってくれることになる。
超絶便利。
<参考動画>
USB端子だけでなく、LAN端子、HDMI端子、充電用USB端子を搭載し、様々な同時接続に対応
「PDT-FP1」は、USB Type-C端子(データ転送)、USB Type-C端子(充電)、LAN端子、HDMI Type A入力端子という端子の豊富さが魅力。
スマートフォンはUSB Type-C端子(データ転送/充電)しかないのが一般的。
HDMI端子やLAN端子で接続しようとすると、USB Type-C端子に変換アダプターやハブを接続する必要がある。
そうするとUSBを使ってしまうことで、データ転送や充電ができなくなるし、接続性を重視してハブをつけるとなると嵩張るし不安定にもなる。
「PDT-FP1」単独で、複数の端子を接続した運用ができるので、カメラとUSB接続しながら充電できたり、有線LANケーブルで通信しながらUSBデータ転送ができるといった、拡張性の組み合わせが広い。
そして何よりもなによりHDMI入力端子については、4K(3840 x 2160)のHDR入力できる事につきる。
「外部モニター」アプリで高画質に表示すること以外にも、高画質にキャプチャーできてしまうモバイル機器というのはそう巡り会えるものではない。
ヒートシンクと冷却ファンを内蔵して、最大40度の環境でも熱遮断を防ぐ
中央辺りのスリットから冷たい風を吸気して、発熱の主要部となるSoCが搭載されている部分のヒートシンクを冷却。
わざわざ冷却装置をつけるのと違って、外装部分を冷やすわけじゃなくて内部を直接冷やせるというのがキモ。
SoCを冷却できれば安定した連続通信や駆動ができる。
重要なのは、排熱手段が内蔵という事。
冷却ファンを装着する場合、別途持ち歩かないといけないうえに取り回しもめんどくさい。
屋外で使うとなると直射日光が当たる撮影現場もあったり、真夏のような環境で熱による停止が起こらないようにする必要がある。
そんな時でも冷却ファンを内蔵していると安定して長時間使える安心感は大きい。
参考として、ベンチマークも計測してみた。
その際にファンの音を聴いてみたけれど、動作モードが「オート(バランス)」では一定の音は聞こえるものの爆音ではない。
さすがに動作モードを「冷却優先」にすると気になる事もあるのでそのあたりは要調整。
1回目 冷却ファン動作モード:冷却優先 |
2回目 冷却ファン動作モード:オート(バランス) |
ベンチマークの結果を見ても、「オート(バランス)」でも十分に端末を冷やせていることがわかる。
よほど高負荷な作業を連続してしないのであれば、「静音優先」でも良いかもしれない。
三脚ねじ穴を搭載して本体の固定が容易
「PDT-FP1」には搭載端子、内蔵冷却機構に加えて、三脚ネジ穴がある。
これがあると、本体を固定するのがとても楽。
スマートフォンをカメラに固定しいようとすると、本体を挟み込むクランプが必要でこれが結構システム全体を肥大化・重量化してしまう。
ダイレクトに固定できるとまるまるアタッチメントがいらなくなるので構成もかなりスッキリする。
極端な話、ミニ三脚に固定したり、三脚につけたアームに個性するのも容易になる。
●カメラの連携を考えたすえに考えられたプロダクト「PDT-FP1」
外観はスマートフォンよりも大きくなっているけれど、その理由がはっきりしている。
余裕のある外装は本体冷却できる機構を持つことと、豊富な端子類を持つことで、結果として余計なオプションを必要とせず本体のみで自己完結できる。
そして本筋のカメラと連携して使うガジェットとしてのポテンシャルが高すぎて、スマートフォンを代替えとして使うのではなくて「PDT-FP1」だからこそ使いたいと思わせられる。
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