α7V「ILCE-7M5」の静止画性能をチェック！フラグシップα1 IIと同等の機能や、さらに新しい機能を備えるベーシックモデル。

2025.12.08

α7V「ILCE-7M5」の静止画性能をチェック！フラグシップα1 IIと同等の機能や、さらに新しい機能を備えるベーシックモデル。

デジタル一眼カメラαシリーズのベーシックモデルα7 IVから4年ぶりの新型となるα7 V「ILCE-7M5」。

ソニーストアでα7 Vの実機を早速試したきたので、静止画撮影に関する性能についてまとめてみた。

あまりに進化しているため、静止画撮影に限ったとしても全てを拾いきれないほどに多い。

・α7 V | デジタル一眼カメラα（アルファ） | ソニー
 ・デジタル一眼カメラα（アルファ） | ソニー

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●α7 V「ILCE-7M5」、α7IV、α7RV、α1IIと比較
●α7 V「ILCE-7M5」の静止画性能をくまなく調べてみる。
●αユーザーが次に買い替えたいど真ん中のデジタル一眼カメラ α7V
●塗り替えろ。 Redefine basic α7V「ILCE-7M5」
●「α7 V」におすすめの純正アクセサリー
- 長時間撮影も安心なバッテリー関連
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●α7 V「ILCE-7M5」、α7IV、α7RV、α1IIと比較

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●α7 V「ILCE-7M5」の静止画性能をくまなく調べてみる。

α7 V「ILCE-7M5」搭載イメージセンサー・画像処理エンジン

・部分積層型 3,300万画素 35mm フルサイズ Exmor RSセンサー
・画像処理エンジンBIONZ XR2（AIプロセッシングユニットを統合）

α7 Vは、新開発の受光面の上下に高速回路を配置した部分積層型 有効約3,300万画素35mmフルサイズCMOSセンサー Exmor RSを搭載。

イメージセンサーの受光面上下に高速信号処理回路を部分積層したことで、前モデルα7 IV比約4.5倍の高速な読み出し速度となっているのが大きなトピック。

ベーシックモデルで静止画撮影では最高約30コマ/秒の高速連写、最大1/16,000秒の電子シャッター速度に対応するというのは驚異的。

最高約30コマ/秒の高速連写はα1 IIと同等の性能になる。

ただし部分積層型のため、α1 IIやα9 IIIのCMOSセンサーに搭載されている内蔵メモリーがα7 Vに備わっていない。

そのため、最高シャッター速度や、電子シャッター時の画像の歪みの差になる。

＜最高シャッター速度＞
α7 V：1/16000秒
α7 IV：1/8000秒
α7R V：1/8000秒
α1 II：1/32000秒（アンチディストーションシャッター）
α9 III：1/80000秒（ノンディストーション：歪みなし）【参考】

とはいえ、前モデルα7IV比で考えれば、約4.5倍に高速化した読み出し速度により電子シャッターの歪みは低減されて、動画の歪みについても大幅に改善するはず。

ちなみに、超高速に回転するプロペラ機の翼や、高速な列車の流し撮りはメカシャッターを使うことで歪みは大きく抑えることができる。

画像処理エンジンには、画像処理エンジン「BIONZ XR」とAIプロセッシングユニットを統合した新開発 画像処理エンジン「BIONZ XR2」を初めて搭載。

1チップとなったことで電力効率が改善して、これまで消費電力が増え続けていたデジタル一眼カメラαにおいて、ついにバッテリーの持ちが大幅に改善。

静止画撮影時にはより高精度なAFに加えて、画質や音質、通信機能、操作性などあらゆる面で処理性能を向上している。

・1チップ（BIONZ XR2）となり消費電力が大幅削減
・静止画撮影可能枚数大幅増
・高精度なAI被写体認識が可能に

消費電力・バッテリー持続時間

この表を見るとわかるとおり、α7 Vの消費電力は前モデルα7 IVよりも省電力化。

＜静止画撮影時の消費電力・静止画撮影可能枚数目安（ファインダー）＞
α7 V：約3.1W、約630枚
α7 IV：約3.8W、約520枚
α7R V：約4.5W、約440枚
α1 II：約4.7W、約420枚

画像処理エンジン「BIONZ XR2」は、AIプロセッシングユニットを統合したことで大幅に省電力化。

どんなに高性能なカメラだとしても、バッテリーがすぐになくなっては実際の撮影に支障をきたしかねないため、スタミナ性能はとても重要。

ブラックアウトフリー撮影・最高約30コマ/秒 AF/AE追従高速連写

メカニカルシャッターはα7 IVと変わらず、最高約10コマ/秒のAF/AE追従高速連写。（シャッター速度上限1/8000秒）

α7 Vの進化点は、部分積層型イメージセンサーを搭載した事により電子シャッターでは、最高約30コマ/秒のAF/AE追従高速連写が可能。（シャッター速度上限1/16000秒）

最大60回/秒のAF/AE演算で複雑な動きを追随しながらブラックアウトフリーで高速連写が可能となっている。

ソニーのブラックアウトフリーは、α1やα9シリーズにのみ搭載されてきた機能。

ファインダー像の途切れがなく、被写体を常に見続けながら撮影することができるため、一瞬の動きも見逃さない。

「プリ撮影機能」・「連写速度ブースト」に対応

シャッターボタンを半押ししながら被写体を捉えた後に全押しすると、半押ししていたシャッターを押す前の瞬間を最大1秒前まで遡って記録できる「プリ撮影機能」に対応、

シャッターを押す瞬間が遅れてしまっても遡って記録されているという、高速な被写体撮影に対して特に強烈な機能。

プリ撮影機能の対応時間は、0.03秒〜1秒まで設定できる。

設定できる時間は、0.005秒から0.09秒まで0.01秒単位、0.1秒から1.0秒まで0.1秒単位で、全20段階から決められる。

そこで「プリ撮影」で考えないといけないのは、1秒あたりのコマ数によって設定する時間。

α7 V 最高約30コマ/秒時連続撮影可能枚数
JPEG Lサイズファイン: 185枚
RAW: 95枚
RAW+JPEG: 85枚
RAW (圧縮 (画質優先)): 35枚
RAW (圧縮 (画質優先))+JPEG: 35枚
RAW (ロスレス圧縮): 35枚
RAW (ロスレス圧縮)+JPEG: 35枚

これはα7 V が連続撮影できる枚数。

例えば、「RAW (ロスレス圧縮)」で最高約30コマ/秒の場合、「プリ撮影」を1秒にしていると、シャッターを切る以前にバッファに30枚撮影した映像がストックされていて、シャッターを切った後からはたったの5枚程度しか撮れないという事になる。

※バッファ切れの後は、メモリーカードへ書き込むスピードに落ちる。

この設定では、シャッターをきった後の写真が思うよに撮れないという事になりかねない。

「プリ撮影」の記録時間はどのくらいがいいのか？

このあたりは撮影者自身の反射神経に左右される。

それであれば、インターネットにある反射神経テストなどを利用して、自分の反応速度を計測してみると良い。

・反応速度測定 / 反射神経テスト【外部サイト】

例えばテスト結果、平均値が280ms（均0.28秒）、一番遅い322ms（均0.32）という値が出たとする。

これを参考にして「プリ撮影」の記録時間を0.3秒としても良い、もう少し保険をかけて0.4秒や0.5秒に設定することで、一瞬の撮り逃しをなくすことができる。

高速連写になるほど「プリ撮影」の記録時間が影響するため、自分に最適な設定を見つけるととても効果的。

また、α7 Vは、一時的に連続撮影速度を変えて撮影できる機能「連写速度ブースト」も使用できる。

α1 II、α9 IIIのようにボディ前面のカスタムボタン（C5）は備えていないため、カスタム設定からα7 Vに備わるどこかのボタンに割り当てる必要がある。

α7 Vの最大約30コマ/秒の高速連写はすごいけれど、バッファをすぐに使い切ってしまい、その後はメモリーの書き込み速度に依存する撮影速度になる。

それでは最大のシャッターチャンスを逃すかもしれない。

そんなときに活躍するのが「連写速度ブースト」。

通常時では「10コマ/秒」や「5コマ/秒」で使いながら、カスタムキーに「押す間連写速度ブースト」設定入れておけば、ボタンを押した時だけ「30コマ/秒」にして撮ることができる。

いざという時のみ超高速撮影を発動できるのでとても効果的。

連写時も14bit RAW撮影・軽量化を実現した新しいRAWファイルフォーマット

α7 Vは、RAWの記録方式を一新して、「ロスレス圧縮」、「圧縮(画質優先)」、「圧縮RAW」の3つに絞られている。

「ロスレス圧縮（L）」は可逆圧縮方式で、画質劣化がなく「非圧縮RAW」と同等画質でファイルサイズを小さくできるため、「ロスレス圧縮」へ統合された。

「圧縮（高画質）」は、軽量なファイルサイズを活かしたまま高解像度化。（70008ｘ4672）

「圧縮RAW」は従来どおり一番軽量なファイル（70008ｘ4672）で連写向き。

参考までに、α7Vとα7IV の「連続撮影可能枚数」と「連続撮影持続時間」を表にしてみた。

α7 IVでは、「RAW（ロスレス圧縮）」や「RAW（非圧縮）」はデータが大きくなるため、連続撮影速度は「Mid：6コマ/秒」に制限されていた。

さらに、［連続撮影］するとき［圧縮RAW］は12bitになるという制約もあった。

α7 Vは、全てのRAWファイルフォーマットで、30コマ/秒の高速連写、かつ14bit RAW 記録ができる。

ただし連続撮影速度が高速になると、ファイル形式やRAW記録方式によって撮影できる枚数や持続時間が短くなる。

『α7 IV』を超える最大16ストップのダイナミックレンジ

α7 Vの特筆すべきは、α7 IVの15ストップから最大16ストップのダイナミックレンジを実現したこと。

ダイナミックレンジの広さを示す単位で、1ストップ違うという事は光の量が2倍になる。

そのため明暗差の大きいシーンでも、暗い部分から明るい部分まで自然で滑らかな階調で表現することができる。

“静止画撮影時かつメカシャッター使用時“にのみこのダイナミックレンジとなる点には注意。

大幅に改善したオートホワイトバランス

α7 Vは、光源の色を推定する処理にAIディープラーニング技術を採用したことで、「オートホワイトバランス」でホワイトバランスの精度をさらに向上させている。

これまで以上に、肌の色や草木の緑、日陰など、α7 IVのAWBでは難しかったシーンでも、より正確で安定したホワイトバランスになっている。

AIを活用した幅広い被写体を認識するリアルタイムトラッキング

撮像エリアのほぼ全域横約94%をカバーする759点の像面位相差検出AFセンサーを搭載。

カバー率はα7IVと変わらないものの被写体認識性能が大幅に進化した。

被写体認識は、前モデルα7IVで対応していたリアルタイム瞳AF（人と動物、鳥に対応）リアルタイムトラッキングから大幅に改善。

「リアルタイム認識AF」を搭載して、認識対象としてオート、人物、動物/鳥、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機を選択できるようになっている。

＜α7IVからα7Vの進化＞
人物：瞳の認識性能が約30%向上（姿勢推定技術で瞳・顔・頭部・胴体を認識）
動物：全体の認識性能が約30%向上（瞳・頭部・胴体を認識）
　鳥：認識性能が約50%向上（瞳・頭部・胴体を認識）
その他：昆虫、車/列車、飛行機を認識

中央最大7.5段、周辺最大6.5段の高性能光学式5軸ボディ内手ブレ補正

高精度な手ぶれ補正ユニットと、高精度なジャイロセンサーに最適化されたアルゴリズムでトータルで進化。

CIPA2024規格準拠で、中央7.5段・周辺6.5段の光学式5軸ボディ内手ブレ補正に対応。

α7 IVの5.5段（CIPA準拠）よりも大幅に手ぶれ補正が強力になった。

また対応するレンズと組み合わせて、より効果的にボティと協調して撮影可能な「手ブレ補正のボディ・レンズ協調制御」にも対応している。

モニター・ファインダーの使い勝手

モニターは、待望とも言うべき3.2型約210万ドットのソニー独自機構の4軸マルチアングル液晶モニターを採用。

通常すたいるでハイアングルからローアングルまで撮影しやすいチルト、動画撮影時や縦位置での撮影時には便利なバリアングルのどちらにも対応できる。

また、元来あった「モニター消灯」、「パワーセーブ」に加えて「モニター低輝度」が追加されている。

「モニター低輝度」は、指定した時間カメラを使わないと、モニターの明るさを抑えてバッテリーの消費を抑えるというもので、しかも被写体認識もリセットされない。

復帰スピードは、「モニター低輝度」＞「モニター消灯」＞「パワーセーブ」の順に早い。

それぞれ好みで時間を指定できるため、自分の使うスタイルで細かく調整できる。

368万ドットの高精細OLEDビューファインダーを搭載。

0.78倍のファインダー倍率、撮影画像の対角視野角約37.3度、23mmのハイアイポイントを備えている。

ファインダー自体は、α7 IVから更新されていないものの、機能は大幅に向上。

画面表示は、静止画と動画、ファインダーとモニターそれぞれにカスタマイズできるようになった。

そしてこれまで要望の多かった、露出値のヒストグラムと水準器を同時表示できるようになった。

さらに静止画のファインダーのみ、フッター（ファインダー右下部分）の表示を自分の好みに設定できる。

カスタムした設定は3つまで記憶できる。

最大で置ける設定は5ブロック。

1ブロックと2ブロック占有するものから組み合わせは自由。

”時計表示”することもできたり、”空欄”も選べる。

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●αユーザーが次に買い替えたいど真ん中のデジタル一眼カメラ α7V

これだけの進化や新機能がありながら、それでもまだα7 Vの全てを網羅しきれていないほどにある。

α7 IVどころか、近年のαシリーズ全てのモデルの性能を塗り替えていると言っていい。

久しくα7IIIやα7RIIIを使い続けていた人にとっても、ついに買い替えるべきカメラが登場したと言ってもいい。

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●塗り替えろ。 Redefine basic α7V「ILCE-7M5」

デジタル一眼カメラ α7 V「ILCE-7M5」
2025年12月9日（火）10時予約開始
2025年12月19日（金）発売
市場推定価格：420,000円前後（税込）
ソニーストア販売価格：未定
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