ソニーが基本的に好き!

VAIO typeZの排熱と、消費電力をチェック。


・VAIO typeZにおもいっきり負荷をかけて発熱具合を調べてみる。
の補足テストと消費電力のチェック。

CPUとグラボをフル稼働させると、
発熱するのはPCの常で、
本体外へ感じる発熱は良いようにとらえれば
うまく排熱されているという事にもなるし、
ノートPCのように触れる機会が多いと逆にその熱が気になったり。

前回のテストでは、
本体のどこの部分がどれだけ熱を持つかというのをやったけど
実際に使ってると個々の熱が気になるというよりも
廃熱ファンから出てくる“熱風”のほうに意識がいく。

旧typeSは、排熱ファンが本体の真後ろにあったから
そんなに気にもならなかったけど、
typeZtypeSは、本体の真横に廃熱口があって、
おもむろに置いてる左手にあったかい風があたって
余計に気になりがち。


そこで
本体の排熱口から出てくる熱風が
フル稼働中にどれだけ飛んでるのかも計ってみた。

排熱口から1cm、
その次からは5cm刻みの位置で、
最大30cmまでの箇所と、
熱風の無関係な箇所の温度を含めた計8箇所。


やり方は、
上から本体のある地面(紙製)に向かって
温度計で計測するという極めて単純なもの。
(見えない風の温度ではない。)

一番の熱を発するであろう
SPEEDモード、
VAIOの電源プランを【高パフォーマンス】にして
3DMarkを走らせて3回目の時に計った温度を比較。

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VAIO typeZ「VGN-Z90S」

CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 1066/2GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)

1.( 1cm)  52.9
2.( 5cm)  46.4
3.(10cm)  43.8
4.(15cm)  40.4
5.(20cm)  38.1
6.(25cm)  35.6
7.(30cm)  33.5
8.(エリア外)  30.9

VAIO typeZ「VGN-Z70B」
CPU:Core 2 Duo P9500(2.53 GHz)
メモリー:2GB(DDR3 1066/2GB×1)
HDD:約200GB(5400回転/分)
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(128MB)

1.( 1cm)  50.4
2.( 5cm)  45.5
3.(10cm)  43.6
4.(15cm)  39.1
5.(20cm)  38.0
6.(25cm)  35.6
7.(30cm)  33.4
8.(エリア外)  30.8

温度分布を図に表すのが難しいけど、
体感上からすると
排熱口から結構熱風が勢いよく飛び出てるのがわかる。

アイドル時や【省電力】設定ならともかく
高負荷がかかってる状態だと、
T9600もP9500も関係なく、温度計測をするまでもなく
横から出てくる風を手で受けると
熱いとかあったかいとは感じる。

VAIO typeS「VGN-SR90NS」

CPU:Core 2 Duo T9400 (2.53 GHz)
メモリー:2GB (DDR2 667/2GB×1)
HDD:約200GB(7200回転/分
グラフィック:ATI Mobility Radeon HD3470(128MB)

1.( 1cm)  51.4
2.( 5cm)  48.4
3.(10cm)  43.8
4.(15cm)  41.6
5.(20cm)  40.1
6.(25cm)  36.7
7.(30cm)  35.6
8.(エリア外)  30.8

それは、typeZに限った事ではなくて、
typeSでも同様で、
CPUやグラフィックの違いがあっても、
似たような熱風を吐き出していた。

VAIO typeS「VGN-SZ94PS」

CPU:Core 2 Duo T9300 (2.50GHz)
メモリー:4GB(DDR2 667/2GBx2)
SSD:32GB(Mtron製「MSD-SATA6025-032」)
SPEED・・・NVIDIA GeForce 8400M GS(64MB)

1.( 1cm)  40.3
2.( 5cm)  42.1
3.(10cm)  38.7
4.(15cm)  37.0
5.(20cm)  36.3
6.(25cm)  35.5
7.(30cm)  34.0
8.(エリア外)  30.5

旧typeSは、後ろに向かって排熱してるため、
使っている本人は、その熱を感じる事がない。
気にしなくていいという事に限っては
旧typeSの後ろ排熱

それと出てくる熱風の温度は、比較的低く
一見CPUやグラフィックの熱がこもらないようになってるのか
逆に廃熱できてないのかは不明。
ただ結果としてこうなったというだけ。

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<消費電力を測ってみる。>


熱の事ばっかりやってもアレなので、
今までの動作をさせている時の
消費電力を計測してみる。


電源をワットチェッカーを介して接続。
(計測技術研究所の2000MS1というのを使用。)

熱温度を計測した時と同様に
SPEEDモード時には、
VAIOの電源プランを
最大限まで引き出す【高パフォーマンス】と、
一般的な設定の【バランス】の2つのパターン、
STAMINAモードにして、【省電力】になった状態の合計3種類の状態で
アイドル時と、3DMarkを走らせて高負荷時の時で
それぞれの消費電力を計測。

当然数値は、アプリケーションの負荷具合によって上下するので、
計測した中で最大の数値を示したものを拾い集めてみた。

VAIO typeZ「VGN-Z90S」

CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 1066/2GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD

    SPEED(高パフォーマンス)| SPEED(標準) | STAMINA(省電力)
       アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
消費電力: 38W  60W |  34W  59W |  23W  28W

VAIO typeZ「VGN-Z70B」

CPU:Core 2 Duo P9500(2.53 GHz)
メモリー:2GB(DDR3 1066/2GB×1)
HDD:約200GB(5400回転/分)
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(128MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD

    SPEED(高パフォーマンス)| SPEED(標準) | STAMINA(省電力)
       アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
消費電力: 29W  47W |  27W  46W |  15W  28W

高パフォーマンス、標準設定ともに
CPUのパフォーマンス、TDPに影響して、
T9600のほうがP9500よりも消費電力が高く、
アイドル時から最大で10W近くの差があって、
高負荷になるとさらにその差は開く。

これはデスクトップPCでも同じで
高い周波数になれば
それに比例して消費電力が上がる。

それが、
内蔵グラフィックを使用して、
省電力モードとなる「STAMINAモード」を利用すると
消費電力は大幅に下がる。

パフォーマンスよりも、バッテリー駆動時間を優先したい場合には
この消費電力の落ち方からも
非常に有効な手段だとわかる。

-・-・-・-・-・-・-・-

VAIO typeS「VGN-SR90NS」

CPU:Core 2 Duo T9400 (2.53 GHz)
メモリー:2GB (DDR2 667/2GB×1)
HDD:約200GB(7200回転/分
グラフィック:ATI Mobility Radeon HD3470(128MB)

       高パフォーマンス |    標準     |  省電力
       アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
消費電力: 29W  59W |  30W  59W |  24W  38W

CPUだけの傾向とは限らないまでも
T9400を含めた動向としては
アイドル状態は比較的P9500に近いものの
高負荷時にはT9600と同じくらいまで消費電力が上がる。

省電力設定にしても
外部グラフィック(Radeon HD3470)が常に動作している事もあって
typeZほどの消費電力の低下にならない事にも注目。

typeSは、内蔵グラフィックのモデルを選択も可能だけど、
そうすると消費電力は低めになるかわりに、
パフォーマンスが上がらないので、
どちらが自分に適しているかを判断してを購入時に決めなければいけない。

VAIO typeS「VGN-SZ94PS」

CPU:Core 2 Duo T9300 (2.50GHz)
メモリー:4GB(DDR2 667/2GBx2)
SSD:32GB(Mtron製「MSD-SATA6025-032」)
SPEED・・・NVIDIA GeForce 8400M GS(64MB)
STAMINA・・モバイルIntel GMA X3100

        SPEED      | STAMINA
        アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
消費電力: 24W  54W |  22W  48W 

意外と消費電力を食ってる。
SPEEDモードとSTAMINAモードの消費電力の差が少なめなのは
電源管理の設定が変わってないからで、
純粋にグラフィックの消費電力の差とも言える。

でもやっぱり
グラフィックを切り替えるのに再起動するのはめんどくさい。

-----------------------

消費電力の結果を見ると
typeZは、まさに自宅で電源を確保できる時には、
消費電力量が多くなってでもパフォーマンスを重視させる使い方で、
外出先でバッテリー駆動を優先したい場合には
「STAMINAモード」が非常に有効な手段という事になる。

この切り替えはまさにtypeZの特徴ともいえる
ダイナミック・ハイブリッド・グラフィックスの機能だし、
テストしてても、旧typeSみたいに再起動をしなくてもいいのは
非常に楽。

旧typeSの時は、
ほとんどSPEEDモードだけで使ってたような雰囲気だったけど
切り替えの手軽さもあって、
積極的にSTAMINAモードを使用したくなる。

・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(プロローグ)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(ディスプレイ編)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その1)
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・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その1)
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・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その3)
・VAIO typZの1600×900という解像度や色再現性を比較してみる。
・VAIO typeZの本体を分解してみた。(前編)
・VAIO typeZの本体を分解してみた。(後編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(基本ベンチマーク編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(3Dベンチマーク編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(ストレージ編 前編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(ストレージ編 後編)
・VAIO typeZにおもいっきり負荷をかけて発熱具合を調べてみる。

・typeZ & typeS徹底比較

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4件のコメント

  1. nyaa より:

    もはやどうでもいいかもしれませんけど、Radeon HD4870正式対応で結構良さげなもの発見。
    ttp://www.scythe.co.jp/cooler/musashi.html
    SU9400も発表されましたし、TZの新モデルももうすぐかも知れませんね

  2. kunkoku より:

    >nyaaさん
    いえいえとんでもない!
    ありがとうございますm(__)m
    全体で3.5cmという事は、typeRmasterでも入りそうですね!?
    CPUのネジの干渉が気になりますけど、
    それもうまくやれば回避できるかもしれませんしw
    低電圧版の新CPU、間違いなく新typeTに搭載されてきますよね!
    もうものすっごく気になります。
    と、
    そろそろtypeRmasterも変わりそうな予感がするんですが
    これもデスクトップ向けのアーキテクチャが変わるタイミングでしょうね。

  3. nyaa より:

    SONYのやる気の無さからすると、多分、11月に Core i7が発売されてから新モデルがでると思います。
    個人的には全く期待していないのですが。Core i7。
    付属ファンの大きさとか、ダイサイズのでかさとか、プレスコ的不安要素ばっかりですからね。
    頑張ってください。期待してます。

  4. kunkoku より:

    >nyaaさん
    最近、デスクトップ系はあきらかに後退してしまってますよねー。
    というか、このハイエンドたるデスクトップだけはどうにか残して欲しいと思うんですけどね。
    うーん、なんだかすっかりインテルに振り回される予感たっぷりで、結局落ち着くのは新筐体になってから1年後とかになるんでしょうかねー(汗