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α9III / α1II で、Zバッテリーの残量が突然なくなる?実際にその現象に遭遇する条件とその要因について探ってみた。また、その回避策はあるのか?


”ソニーのデジタル一眼カメラαのバッテリーが突然0%になるんじゃないか?”という内容の話がX(旧Twitter)で見かけるようになって。

もちろんほとんどの人に遭遇するものではないものの、この事象が高い頻度で起きている人もいる様子。

ただ単純にネガティブに捉えるのではなくて、実際にどうしたらその症状が起きてしまうのか?発生するとしたら何が原因なのか?気になって検証してみることにした。

※あくまでも一般人が出来る範囲での検証です。専門家によるものではないのでそのあたりはご了承ください。

・デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

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●α9III α1IIで起こるとされているローバッテリー問題の正体とは?


話題なっているαの電源が不意に起きる現象というのは以下の通り。

α9 IIIα1 IIのようなハイエンドカメラに、CFexpress Type Aメモリーカードを2枚挿して、さらにWi-Fiを有効にした状態で、バッテリーが30~40%以下になると突然バッテリーが0%となるというもの。

これだけを見るとまさか不具合でもあるんじゃ?と思ってしまうけれど、もしかしたら何かしら要因というか法則があるのかもしれない。

と言うことで、実際に検証してみる事にする。

全く同様の条件を意図的に作ってみる。

まずは、CFexpress Type Aメモリーカードを2枚用意。

純正かサードパーティかも気になるところで、今回はSONY製とNextrage製の種類の異なるものを挿してみた。

そして、設定からWi-Fiを[入]にしてネットワークに接続する。

この条件で、Zバッテリー(NP-FZ100)の残量が減って行く過程で症状が再現するのか?

40%あたりになっても全く電源が落ちる気配がない。

こういうのは同様の症状の再現が難しいのよねと、ひたすらシャッターを半押しするなどしてバッテリーを徐々に減らしていく。

これもう出ないんじゃね?とおもった矢先、バッテリー残量36%あたりで、画面右上にあるバッテリーアイコンがオレンジ色の”バッテリーロー”表示に。

来た!ついに来た!という意味不明な喜びが…。

ただいきなり電源がオフになるでもなく、およそ1~2分はこの”バッテリーロー”表示のままで、その後に電源が切れた。

ちなみにこの状態でカメラの電源を入り切りしても”バッテリーロー”表示は変わらない。

ここでいったんCFexpress Type Aメモリーカードを2枚を抜いたうえで、バッテリーを物理的に抜いて戻してみると、またバッテリー表示が復活。

バッテリー残量36%とあるのでまだ十分に残っている。

という事は、バッテリー残量にからむ何かしらトリガーが働いて作動したという事のように思える。

Zバッテリー(リチャージャブルバッテリーパックNP-FZ100)の電圧降下


リチャージャブルバッテリーパック「NP-FZ100」
電圧:7.2V
電力容量:16.4Wh(2,280mAh)
大きさ:約 幅38.7×高さ22.7×奥行51.7mm
質量:約83g

まず調べてみたくなったのは、Zバッテリー(NP-FZ100)について。

Zバッテリーの仕様は、電圧7.2V、電力容量16.4Wh(2,280mAh)。

一般的にバッテリーは、電力の残量に応じて電圧は低下していくので、電圧7.2Vというのもあくまで目安の値。

バッテリーというのは本来電圧が一定ではないので、バッテリーの特性について素人ながら調べてみることにする。

残量に応じて電圧がどの程度変化するのか?バッテリーの左右の端子間の電圧を直接チェックしてみた。


※バッテリー消費に使用したカメラは、VLOGCAM ZV-E10 II

何かわかる手立てがないかと思いついたのが、手元にあった1,000円程度の安いテスターを使って電圧を図ること。

全く正確なものでもなく、こうした測り方もイレギュラーなのであくまでも参考的な傾向として見てもらえると。

グラフにしてみると、Zバッテリー(NP-FZ100)の残量100%のときは電圧8.33Vと高く表示されていた。

そしてバッテリーが減るごとに電圧も下がっていき、およそ残量35%あたりで仕様と同じ7.2Vと近しくなった。

その後、電圧は下がり続けて、残量5%では6.43Vとなっていた。

バッテリー残量0%になると電圧5.61Vと急に下がっているけれど、0%と表示した後も長くカメラの電源が切れなかったので電圧が下がり続けていたのだと思われる。

使っているカメラによっても消費電力も変わるので、よりハイエンドなフルサイズ最新カメラだと、0%表示になってから電源が切れるまでの時間が短くなり、その時の電圧降下もすくなくなり6Vあたりとなっているのではと考えられる。

という事で、バッテリー残量と電圧降下の関係がなんとなくわかった気がする。

おそらくX(旧Twitter)で話題になっている現象も、バッテリーの電圧降下によってカメラの必要とする電力量がまかなえずに電源がオフになった可能性が高い。

バッテリーチャージャー「BC-ZD1」、DCカプラー「DC-C1」の電圧は?


α用アクセサリーDCカプラー「DC-C1は、Zバッテリーの代わりにαボディへ電力を供給するアイテム。

参考までに、このZバッテリーの形をした端子からも電圧も測ってみた。

ちなみに、DCカプラー「DC-C1」の電源供給として、USB PD対応ACアダプター(65W以上)が必要とされているけれど、これは瞬間的に大電流が必要になる場合をみこして安定した電力を供給するための高い制限だと思われる。


DCカプラー「DC-C1」のカプラー端子部分の電圧をはかってみると、おおよそ8.17~8.19V

これをZバッテリーのグラフと照らし合わせると、90%~100%付近の電圧と同等。

という事は、SONYの考える安定した電力供給というのは、結構高い電圧なのかなと推測される。

α1 II・α9 III対応 縦位置グリップ「VG-C5」の仕様から読み取れること

あともう一つ、今回と直接的な要因とは関係ないけど、縦位置グリップ「VG-C5」についても仕様を改めて整理。

「VG-C5」は、α1 IIα9 III用専用の縦位置グリップ。

使用するさいの挙動としては
・2コのうち「残量の多い」ほうから使う。
・残量がほぼ同じ場合は、2コ同時に使う。

厳密には、「2個のバッテリーからの並列供給回路による電源供給して、長時間撮影」とあるとおり、片方ずつバッテリーを消費するのではなく2個のバッテリーを並列して使っている。

今回の事象に絡めると、もしも1つづつバッテリー消費をする仕様だったら、1つ目のバッテリーを使い切る前に電圧降下でカメラの電源が切れてしまう可能性がある。

バッテリーを2つ同時に消費するのであれば、少なくとも電圧降下までの時間が単純に2倍になるので、それだけ電源停止までの時間が長くなる。

だとすれば、この仕様を設計している段階で、ソニーは最新のカメラで高負荷な撮影設定にした場合のバッテリーの負荷について把握しているに違いない。

αの進化とともに増えるバッテリー消費量

上図は、αシリーズの消費電力を表にしたもの。

BIONZ XRやAIプロセッシングユニットなど搭載した最新のカメラ(α9 III/α1 II)は、従来のモデルよりも消費電力が約1W高くなっている。

例えば、α9IIとα9 IIIを比較すると約25%も消費電力が増加している。

加えて、ネットワーク機能(Wi-Fi)機能を使うと電力が0.5W~2W必要となる。

メモリーカードについても、SDカードよりもCFexpress Type Aメモリーカードを使うと電力が上がることがわかっている。

結果として必要とするトータル電力が増大した状態で、バッテリーが供給できる電力が足りないという判定になったタイミングで、”バッテリーロー”表示を警告、その後に電源を落とすという挙動になっているのではないかと思われる。

Zバッテリー(NP-FZ100)が登場したのは、2017年にα9が出たタイミングで、この頃はそれ以前のWバッテリーと比べて大容量になった事を素直に喜んでいた。

それほどバッテリーのスタミナ性能が上がったと実感していた。

おそらく当時のαなら十分なZバッテリーも、さらに高性能化が進んだα1II / α9III で高負荷な設定が重ね合わさると、バッテリーの電圧降下のしきい値に到達するタイミングが思いの外早くなってしまっているように思える。

ただ今回いくつか条件を変えて試してみているけれどα9 IIIα1 IIに、CFexpress Type Aメモリーカードx2枚挿して、かつWi-Fiを有効にした状態で、バッテリーが約35%以下になると自動的に電源が落ちるというもの。

条件を、Wi-Fiオンはそのままにメモリーカードを1枚だけSDカードに変えると、バッテリー残量が5%になるまで電源が落ちることはなかった。

CFexpress Type Aメモリーカードx2枚挿した状態でWi-Fiをオフにしてもも同じくバッテリー残量が5%になるまで電源が落ちることはなかった。

つまり条件が揃った場合での事象となるので、今回の仕様を理解しておくと、消費電力を抑える設定にしたり、高負荷設定でもバッテリー残量を意識して使うといった事で、不意の電源が切れる現象を回避することもできるはず。

オマケ:プロ向けの消費電力が大きいα専用バッテリーにも期待。


とはいえ、この条件で使っているプロの人たちにとっては死活問題にもなりかねない。

ユーザーとして期待する事として、消費電力の大きくなったαに対応できるように、高い電圧を維持して電力を長く供給できるプロ向けのバッテリーを新たに発売して欲しいとも思う。

※上図は、用途によって別れた仕様の異なるPanasonicの充電池「エネループ」。

今回の検証はあくまでも素人的に試みたもので、メーカーの見解とは異なるところはあるかもしれないので、そのあたりは留意してもらえると幸いです。

以降、消費電力についても気になる事もあるので、検証を続けてみる予定です。

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・「α SPECIAL EVENT 2024」で α1 II を体験してきたレビュー(その1)欲しい一瞬に遡れる「プリ撮影」、被写体を逃さない「AIプロセッシングユニット」がフラッグシップモデルについに搭載。
・「α SPECIAL EVENT 2024」で α1 II を体験してきたレビュー(その2)深いアイピースカップ、4軸マルチアングル液晶モニター、大型化したグリップ、Aマウントへの回帰か?プロ機としての佇まいを手に入れたボディ。

※アイピースカップ「FDA-EP21」同梱


デジタル一眼カメラα9 III「ILCE-9M3」
ソニーストア販売価格:
935,000円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF

 


α1 II・α9 III対応 縦位置グリップ「VG-C5」
ソニーストア販売価格:51,700円(税込)

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