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デジタル一眼カメラ α7SIII「ILCE-7SM3」に超大型の本体ソフトウェアアップデート配信開始。電源OFF時シャッター開閉、DCI 4K 24.00p、ブリージング補正、Creators’ Appに対応。

α7SIII 「ILCE-7SM3」に、Ver.3.00 の本体ソフトウェアアップデートを配信開始。

α7SIII は、一番最初にBIONZ XRを搭載したモデルのわりに、ソフトウェアの成熟が進んでいなかった。

けれど、今回のアップデートによってようやく最新モデルと同等の使い勝手になるまでに向上。

主要なアップデートは、「Creators’ App」、「電源OFF時のシャッター開閉」、「ブリージング補正」、「DCI 4K(4096×2160)24.00p記録」や、クラウドアップロード機能や、カスタムグリッドライン機能(後日・一部地域・有償)対応など。

・デジタル一眼カメラアップデート情報などお知らせ一覧

・α7S III | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

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●α7SIIIアップデート内容

1. モバイルアプリケーションへの対応
・Creators’ Appに対応しました。
・Monitor & Controlに対応しました。

2. 撮影・再生機能の追加
・メディア間でのリレー再生ができるようになりました。
・ブリージング補正に対応しました。
・DCI 4K(4096×2160)と24.00p記録に対応しました。
・FTP転送状態などの複数の条件を使って再生する画像を絞り込むことができるようになりました。
・1つのフォルダー番号に記録できる画像が最大9,999枚になりました。
・マルチ/マイクロUSB端子経由でのタイムコード入力に対応しました。タイムコード供給源となる機器などと本機を接続して、タイムコードを合わせることができます。
・複数のIPTC Presetの登録/切替に対応しました。
・C2PAフォーマットに対応しました。(ライセンスの提供時期は未定です)
・任意のカスタム・グリッドラインを表示できるようになりました。

3. FTP転送・ネットワーク機能の追加
・カメラの画像を直接Creators’ Cloudにアップロードできるようになりました。
・プロテクトした動画・静止画を自動でFTP転送予約できるようになりました。
・FTP転送で転送した動画/静止画に自動でプロテクトができるようになりました。
・FTP転送において、指定した画像を優先的に転送できるようになりました。
・セキュアプロトコルにSFTPを追加しました。
・ワイヤレスLANのセキュリティがWPA3-SAEに対応しました。
・Creators’ AppやImaging Edge Desktopからのリモート撮影や画像転送の接続時に、よりセキュリティを向上する機能を追加しました。

4. その他
・電源のOFF/ONでタイムコードが保持されない場合がある事象を改善しました。
・動画撮影時の拡張ISOでの露出安定性を改善しました。
・機能と動作安定性の向上をおこないました。

※アップデート画像はα1のもの

α1、α7SIIIは、PC(Windows/Mac)に接続してアップデート。アップデート工程は、2回行う必要がある。

注意点として、”アップデートを行うと、カメラの設定が初期値にリセットされる”ということ。

今回のアップデートで、機能追加と大幅な仕様変更を行っている。

そのため、アップデート後にカメラの設定は全て初期化されるため、必要であれば前もってアメラの設定値をあらかじめメモしておこう。

アップデート内容には記載されていない項目

最新UIに更新


α7SIII がVer.3.00になったことで、メニューに「メイン画面」が新たに追加されている。

細かいところでは、バッテリーアイコンも刷新されるなど、最新モデルと同様の使い勝手で操作できるようになった。

カスタムキー/ダイヤルの設定可能箇所が追加

また、前ダイヤルと後ダイヤルのカスタマイズが可能になった。

「露出補正ダイヤル」については、カスタマイズできないけれど、ほぼ最新モデルと同等の操作系になった。

電源OFF時のシャッター開閉(アンチダスト機能)

から「セットアップ」を開くと、新規で「アンチダスト機能」という項目が追加されている。

イメージセンサーにゴミやほこりがついたさいのイメージセンサーをクリーニング(クリーニングモード)に加えて、ゴミやほこりがイメージセンサーに付着しにくくなるように、カメラの電源を切ったときにシャッターを閉じるかどうかという設定(電源OFF時のシャッター)が可能になった。


実際に電源を「OFF」にすると、およそ数秒後にシャッターが閉じる。

レンズ交換の時などに、センサーがむき出しになった状態が少しのあいだでも続く以上は、ゴミやほこりが入る可能性があることを考えると、これはかなり有用な機能と言える。

ただし、シャッター自体はもともと外部のダメージから保護するために作られたものではないため、万が一にも太陽光などの強い光源がカメラ内部で焦点を結んで、発煙や火災の原因となる可能性がある。

また、シャッターは思っているほど強度の高いものではないので、閉じているシャッターを指などで触ったり、ブロアーによる清掃を行ったりすると、シャッターが破損する可能性が高くなるのでNG。

扱いとしては、イメージセンサーがむき出しの状態よりも、ゴミやほこりの混入について防ぎやすくなったと考えて、大切にあつかうという基本は変わらないスタンスを持って使おう。

動画撮影時にレンズ情報もメタデータとして記録

動画撮影時に装着しているレンズの情報が、メタデータとして記録されるようになる。

これは、α7SIII以外にもα1、α7IVでも対応している。

 

モバイルアプリケーションへの対応(Creators’ App、Monitor & Control)

α7SIII は、今まで以前のアプリ「Imaging Edge Mobile」対応にとどまっていたけれど、最新のスマホアプリ「Creatos’ App」に対応。

「Creatos’ App」は、カメラで撮影した動画・静止画を簡単にクラウドサービスへアップロードするスマートフォン向けアプリ。

USBテザー撮影で高速データ伝送ができるようになって快適さが増している。

・「Creators’ App」アプリが進化!カメラとスマホ間を有線接続して、カンタンにUSBテザー撮影(リモート撮影)や画像の高速転送。Xperia、iPhone、Android タブレット、ウォークマンに対応。

 

アプリ「Monitor & Control」は、カメラとワイヤレス接続して、スマートフォンやタブレット端末で映像モニタリングやリモートコントロールを実現する動画撮影に特化したモバイルアプリケーション。

・α9 IIIも対応のスマートフォン・タブレットをカメラ操作用「Monitor & Control」アプリがアップデート。

撮影・再生機能の追加

ブリージング補正に対応

今回のアップデートにより、α7SIII にも「ブリージング補正」機能を搭載。

「ブリージング補正」対応モデルに掲載されている。

使用可能レンズについても他のモデルとの違いはない。

ブリージング補正」は、フォーカスブリージングというフォーカスを合わせる時に発生する画角変動を抑制する機能。

動画撮影の場合にはフォーカスの変化で画角が変化してしまうことで、画面が揺れ動いてしまって、それでは映像が使い物にならないので、それを防ぐために使用する。

例として、上の動画では「SEL70200GM」の挙動を撮影したもの。

「フォーカスブリージング」が盛大に発生して、周囲がおもいっきり欠けてしまっているのがわかる。

新しいレンズでは、この「フォーカスブリージング」を抑制する設計のレンズもあるが、完全には抑制できないので「ブリージング補正」機能を利用する。

 

「フォーカスブリージング補正」は、上の動画のように、同じレンズを使用しているのにもかかわらず機能をオンにすると、カメラ側で「フォーカスブリージング」の発生を抑制している。

原理としては、あらかじめ画角をクロップすることで「フォーカスブリージング」の変化を吸収している。

並べて確認してみると、「フォーカスブリージング補正」がオフとオンでは、オンの方が若干画角がクロップされている違いがある。

そしてフォーカスが変化した後を確認すると、オフの時に画角の変化が起こり右上に何か黒い物体が映りこんでいる。

一方、オンの時は画角の変化が起こっていないことがわかる。

クロップを前提としているとはいえ、α7SIIIは動画撮影性能が高いという観点からすれば「フォーカスブリージング」を補正する効果はとても大きい。

DCI 4K(4096×2160)24.00p記録対応

α7SIII はVer.3.00になったことで、DCI 4K(4096×2160)と24.00p記録に対応。

ただし、これを使うにはライセンスのインストールが必要。

ライセンスのインストールはPCからライセンスを作成することもできるけれど、新たにスマホアプリ「Creators’ App」からライセンス作成・カメラへのインストールをすることができるようになっている。

アプリのライセンス管理から「DCI4K/24.00p アップグレードライセンス」を入手してインストールすると、スマホからα7SIIIにライセンスを転送。

α7SIIIでライセンスを有効化することで、XAVC S-I DCI 4Kでの撮影ができるようになる。

メニューから記録方式を見ると、「XAVC S-I DCI 4K」の項目が追加されている事を確認。

「記録フレームレート」にTrue 24p(24.00p)も追加。

DCI 4K に切り替える時は、カメラ再起動必須になる。

「記録フレームレート」について、プロフェッショナルカムコーダー「FX3」「FX30」と全く同じになったのかと思ったけれど、表記に微妙な違いがあることを発見。

よく見ると、α7SIIでは「60p、30p、24p、24.00p」という表記なのに対して、「FX3」・「FX30」の場合は「59.94p、29.97p、23.98p、24.00p」という表記になっている。

これは、「DCI 4K(4096×2160)24.00p記録」について、α7SIIIではもともと標準装備されていたものではなくて、今回アップグレードして追加されたためだと思われる。

表記は異なっていても、設定項目自体は同じで60p=59.94p、30p=29.97p、24p=23.98p ということになる。

シャッタースピードについても、1/24、1/48、1/96といった刻みで設定ができるようになっている。

※「記録フレームレートが23.98p もしくは 24.00p の場合のみ。

また、DCI 4K(4096×2160)は17:9のため、新たにアスペクトマーカー「16:9」も追加されていた。

メディア間でのリレー再生対応、FTP転送状態などの複数の条件を使って再生する画像を絞り込みが可能に

2つのスロットに入っているメモリーカードのデータを順番に再生することが可能に。

今までは、一つのスロットを選択して、そのデータしか確認できなかったものの、スロット1のデータの再生が終わるとスロット2のデータを再生することができる。

また、再生時に表示する画像を、FPT転送状況やレーディングプロテクトなどの有無でフィルターすることも可能になった。

1つのフォルダー番号に記録できる画像が最大9,999枚に

今までは、1つの画像フォルダ内に記録される画像の最大枚数が4,000枚までだったものから、9,999枚まで記録できるようになった。

ソニーのカメラはフォルダ容量を超えると、新しくフォルダが作られるため、写真を大量に撮影したときに、フォルダも複数作成されることがあった。

マルチ/マイクロUSB端子経由でのタイムコード入力に対応

タイムコードの出力端子を搭載したビデオカメラなどと本機を接続して、タイムコードを合わせる事が可能に。

タイムコードを合わせるには、以下のアダプターを購入する必要がある。

品名:アダプターケーブル VMC-BNCM1(別売)
番号:A-5051-506-A
全長:0.2m

複数のIPTC Presetの登録/切替に対応

IPTC情報というのは、IPTC(International Press Telecommunications Council)によって策定された、デジタル画像に含まれるメタデータの標準規格のこと。

撮影時の情報をより細かく入力でき、撮影した画像にメタデータとして付加することができる。

この情報をプリセットとして登録することができるが、今までは切り替えすることができなかった。

今回のアップデートで、最大20個のIPTC情報を登録・切り替えが可能になる。

C2PAフォーマットに対応しました。(ライセンス提供時期未定)

ソニーの真正性カメラソリューションとして、C2PAフォーマットに対応。

ただし、アップグレード ライセンスを通じて提供されるほか、現時点では一部の報道機関が利用できるのみ。

任意のカスタム・グリッドラインを表示

・α7 IV「ILCE-7M4」向け「カスタムグリッドライン」機能追加の有償ライセンスを2024年3月に発売すると、海外ソニー公式が発表。PNGファイルでグリッドラインを最大4つまで登録可能。今後多くのカメラで対応予定。α向け有償機能販売が増えていくかも?

カスタムグリッドラインの追加は、単純にグリッドラインの種類が増えるわけではなく、任意に用意したグリッドラインを使用できるようになる。

登録できるのは最大4つまでのカスタムグリッドラインで、電子ファインダー、モニター、HDMIを介した外部モニターでもグリッドラインを表示することができる。

これは以前海外で発表された機能で、現時点では日本でのライセンス販売は確認できていない。

海外の価格は149ドル(約2万2千円)とかなり高額だが、永久ライセンスとなる。

α7SIII以外にもα1・α7IVも対応していて、その他のモデルについても順次対応する模様。

・FTP転送・ネットワーク機能の追加

1.カメラの画像を直接Creators’ Cloudにアップロードできるようになりました。
2.プロテクトした動画・静止画を自動でFTP転送予約できるようになりました。
3.FTP転送で転送した動画/静止画に自動でプロテクトができるようになりました。
4.FTP転送において、指定した画像を優先的に転送できるようになりました。
5.セキュアプロトコルにSFTPを追加しました。
6.ワイヤレスLANのセキュリティがWPA3-SAEに対応しました。
7.Creators’ AppやImaging Edge Desktopからのリモート撮影や画像転送の接続時に、よりセキュリティを向上する機能を追加しました。

FTP転送自体は元々可能だったけれど、さらにセキュリティ的にも安全に利用できるようになった。

さらに直接クラウドにアップしたり、SFTPのようなより簡易に利用しやすいプロトコルにも対応。

使い勝手の面が大きく向上しているけれど、ネットワーク関連の話は非常に説明が大変なので、別の記事で詳しく紹介していく予定。

その他

・電源のOFF/ONでタイムコードが保持されない場合がある事象を改善しました。
・動画撮影時の拡張ISOでの露出安定性を改善しました。
・機能と動作安定性を向上しました。

その他のアップデート内容は、不具合等の修正。

 

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●アップデート対象商品


デジタル一眼カメラ α7SIII 「ILCE-7SM3」
ソニーストア販売価格:504,900円(税込)
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<ソニーストア先行レビュー>
・ソニーストアでデジタル一眼カメラ α7SIII を触ってきたレビュー(その1) これを最新世代と言わずなんと呼ぶ!?全てのαユーザーの羨む機能が物欲を激しく刺激する。
・ソニーストアでデジタル一眼カメラ α7SIII を触ってきたレビュー(その2)4K 120p ハイフレームレート撮影、4:2:2 10bit記録、多彩な動画フォーマットへ対応、知れば知るほど使ってみたくなるポテンシャルの高さ。

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