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デジタル一眼カメラ APS-Cモデル α6700「ILCE-6700」は従来機からどこが進化したのか?ハイブリッド機としてのα6700と動画専用機「FX30」を比較。

ソニーは、デジタル一眼カメラαシリーズEマウントの新モデルとして、有効約2600万画素 APS-CサイズのCMOSイメージセンサーを搭載したレンズ交換式カメラ「α6700(ILCE-6700)」。

最新の画像処理エンジンBIONZ XRを搭載する他、『α7R V』と同じAIプロセッシングユニットを搭載。

「リアルタイム認識AF」が可能なうえ、人物、動物に加えて新たに鳥や昆虫、車や列車、飛行機も認識できる。

さらに動画性能も飛躍的に向上して、4K120p/60p に対応する他、全画素読み出し6K相当のオーバーサンプリングによる4K60p撮影も可能。

・AIによる高精度な被写体認識と最新の静止画・動画性能を小型ボディに凝縮 次世代のAPS-Cミラーレス一眼カメラ『α6700』発売| プレスリリース | ソニー

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●次世代プレミアムAPS-C α6700「ILCE-6700」進化点

どれほどまでにα6700が進化したのか従来モデルと比較してみる。

α6700の圧倒的な性能向上と、機能の大幅追加。

α6700「ILCE-6700」の大きな進化点は、3つ

①有効約2600万画素APS-Cサイズ裏面照射型Exmor R CMOSイメージセンサー
②最新の画像処理エンジンBIONZ XR
③AIプロセッシングユニット

α6700α6600の主な違いは、以下の通り。

イメージセンサー
α6700:有効約2600万画素APS-C裏面照射型Exmor R CMOSセンサー
α6600:有効約2420万画素APS-C Exmor CMOSセンサー

画像処理エンジン
α6700:画像処理エンジン BIONZ XR

α6600:
画像処理エンジンBIONZ X+フロントエンドLSI

AIプロセッシングユニット
α6700:搭載(リアルタイム認識AF、オートホワイトバランス)

α6600:
なし

最新のイメージセンサーを搭載したことで、高感度、低ノイズ性能、広いダイナミックレンジを実現。

α6600比較で約8倍の高速処理能力で、高い階調表現、忠実な再現性能、低ノイズ性能といった高画質化にも貢献している。

加えて、「α7R IVだけにしか備わっていなかった、AI処理に特化したAIプロセッシングユニットα6700にも搭載。

AIプロセッシングユニットがあることで、被写体の骨格情報を利用して動きを精度高く認識するという”姿勢推定技術”をつかって人物を認識。

瞳だけではなくて、人間の胴体や、頭部の位置をより高精度に認識するため、従来のAFとは比べ物にならないほどの精度。

今まででは捉えきれなかった横顔や後ろ姿、顔が認識しにくいサングラスや帽子などを着用していてもしっかりとAFを合わせてくれる。

α6700のAF性能
リアルタイムトラッキング:被写体認識性能が大幅向上
リアルタイム認識AF:人物、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機

α6600は、人物、動物のみ。

静止画・動画を問わず[人物]、[動物]、[鳥]に加えて、[昆虫]、[車/列車]、[飛行機]にも対応。

また、従来搭載されているリアルタイムトラッキングについても、被写体認識性能が大幅向上しているため、従来被写体を認識できない状況でも追尾し続ける。

α6700 AFエリア
静止画撮影時:最大759点の像面位相差AF点、撮像領域約93%
動画撮影時:最大495点の像面位相差AF点、水平方向 約93%、垂直方向 約97%をカバー

α6600 AFエリア
静止画撮影時:最大425点の像面位相差AF点、撮像領域約84%

像面位相差AFの測距点が759点に増加して、カバー率も広範囲の約93%と、どちらもα6600から大幅に向上。

その恩恵により、フレーミングの自由度が圧倒的に上がる。

 

α6700 低照度限界
EV-3

α6600 低照度限界
・EV-2

AF-S、ISO100相当/F2.0レンズ使用時、EV -3 の低輝度でのAF撮影が可能。

「AF時の絞り駆動」設定に、低照度環境下や絞りこんでの撮影に有用な「フォーカス優先」モードを搭載している。

α6700静止画撮影機能追加
HEIFフォーマット、ロスレス圧縮RAW、軽量な画質ライト設定、HLG静止画
・AE AF追随 最大約11コマ/秒の高速連写
 サイレント撮影時AE AF追随 最大約11コマ/秒の高速連写(α6600 最大約8コマ/秒)
フルタイムDMF
フォーカスブラケット
フリッカーレス撮影/高分解シャッター機能

高圧縮効率高画質のHEIF対応や、ロスレス圧縮RAWに対応など、フォーマット・画質設定が充実。

連写性能についても、サイレント撮影時もAE AF追随 最大約11コマ/秒の高速連写が可能になっている。

その他、フルタイムDMF、フォーカスブラケット、フリッカーレス撮影/高分解シャッター機能など、「FX30」では搭載されなかった静止画機能が大幅に追加されていて、静止画撮影性能が爆上がりしている。

 

α6700撮影機能追加
・クリエイティブルック

クリエイティブルックが追加され、撮影する静止画・動画を思い通りの雰囲気に仕上げることができる。

SDXC/SDHCメモリーカード UHS-IIに対応するスロットは1つのみ。

フルサイズ機に備わるCFExpressTypeAカードスロットはなし。

とはいえ、α6600ではUHS-Iにしか対応していなかった事からすると書き込み速度は向上。

加えて、BIONZ XRの高速処理、大容量バッファメモリーのかけ合わせにより高速連続撮影が可能になり、JPEGを1000枚以上連続撮影可能になった。

α6700動画撮影機能
4K120p/4K60p フルHD/240p対応、タイムラプス動画
S-Cinetone、ユーザーLUT対応、ブリージング補正、フォーカスマップ表示
オートフレーミング、AFアシスト機能、動画ピーキング表示、光学式手ブレ補正アクティブモード
超解像ズーム/デジタルズーム時のリアルタイム瞳AF、リアルタイムトラッキング、フォーカスエリア設定

α6600は、4K30p/4K24p

静止画機能だけでなく、動画撮影機能も劇的に進化。

採用している有効約2600万画素APS-Cサイズ裏面照射型Exmor R CMOSイメージセンサーは、まさに4K動画撮影にはうってつけ。

α7R V』のような超高解像度な画素センサーで持て余す事もなく、『ZV-E1』のように低画素を極めたセンサーのために画素数の余裕のなさに悩まされることもない。

「オートフレーミング機能」や「超解像ズーム/デジタルズーム時のリアルタイム瞳AF」といった機能を使う場合にも真価を発揮できる。

本体デザインは大きな変化はないものの明らかに使いやすく改良

 

α6700「ILCE-6700」は、中身がごっそりと進化しただけではなく、カメラの使い勝手に大きくかかわる外部ハード部分も大きく変わっている。

α6700
外形寸法:約122.0 x 69.0 x 75.1 mm
質量  :約409g(本体のみ)、約493g(バッテリーとメモリカードを含む)

α6600
外形寸法:約120.0x66.9 x 69.3mm
質量  :約418g(本体のみ)、約503g(バッテリーとメモリカードを含む)

 フルサイズ機のαやFX30に迫る性能を持たせてZバッテリーを採用してもなお本体サイズはα6600とほぼ変わらず、質量については軽量化している。

α6700「ILCE-6700」は見た目にAPS-Cのサイズ感そのままにボディデザインは変わっていないように見えて、α6600からハードボタンやダイヤルなど大幅に使い勝手を強化。

静止画/動画/S&Q切換ダイヤルが追加され、カスタムキーC1と録画ボタンの位置が変更、さらにAF/MF/AELボタン・レバーが、AF-ONボタンに変更されている。

今までと根本的に違うのは、従来モデルは動画は[撮影モードダイヤル]の1つの機能といった扱いだったものから、静止画/動画/S&Q切換ダイヤルが追加されたことで、瞬時に切り替えて動画を撮影できるようになった。

そしてAPS-C機としては初めて、前ダイヤルを搭載。

前ダイヤルには、絞りや露出補正など好みの機能をわりあてできて、圧倒的に操作性がよくなっている。

前ダイヤルが搭載されたこととシャッターボタンの位置が前方にあるため、シャッターボタンに周囲にある電源ダイヤルの向きが変わっている。

これは前ダイヤルを回しているときに、不意に電源が切れないように配慮されたもの。

省かれたものとしてはNFCや、赤外線リモコンが非対応になっている。

本体サイズ(幅 x 高さ x 奥行)を比較。

α6700:約122.0 x 69.0 x 75.1 mm
     約122.0 x 69.0 x 63.6 mm (グリップからモニターまで)

α6600:約120.0 x 66.9 x 69.3 mm
     約120.0 x 66.9 x 59.0 mm (グリップからモニターまで)

幅や高さは約2mm程度の変化にとどまっているものの、奥行(厚み)は約5mm大きくなっている。

ただし、最新性能を搭載しても本体重量は10g軽くなっている。

α6700「ILCE-6700」のグリップは、握ったさいのホールド性を考慮した形状に。

コンパクトなカメラとしてみると大きくなったことがデメリットのように思えるものの、トータルの体積としてはほとんど差はない。

むしろ軽くなっているだけに持ち運びはより有利と言える。

グリップの奥行きが増してホールド性が良くなったことで、APS-Cのコンパクトさを持ちながら、大きなレンズを装着しても安定して撮影できるというメリットのほうが大きい。

最新の画像処理エンジンBIONZ XRや、AIプロセッシングユニットを搭載するなどしていてなお、軽量化されている要因は、おそらくリアカバーがマグネシウム合金ではなくなったためだと思われる。

α6700「ILCE-6700」は、チルト液晶モニターではなバリアングル液晶になったこともあって、背面側の剛性は十分フォローできるものだという事かもしれない。

トップカバー、フロントカバー、内部フレームはマグネシウム合金で構成されていることもあって、実際に実機を触ってみても剛性に不安はないしチャチさもない。

むしろグリップのホールド性が良くなったことでなんとも握りやすいというか、極端な言い方をすれば片手でもしっかりグリップできる安定感がある。

下部のバッテリー搭載部分には、α6600ではUHS-I対応SDカード/メモリースティックスロットが搭載されていたが、α6700「ILCE-6700」では、α7CZV-E1と同じように、左側面のインターフェース関連の端子が搭載されている位置に移動。

バッテリーも高容量バッテリーのZバッテリー(NP-FZ100)。

USB端子も、ようやくUSB type-C(USB 3.2 Gen1)になったうえに、USB-PDに対応したことで充電スピードも早くなったし、給電しながらも安定して使えるようになった。

従来はチルト液晶モニターだったものから、横開きのバリアングル液晶モニターに。

搭載されているのは、3.0型、アスペクト3:2、約103万ドットの大型タッチパネル液晶。

操作時もメニューもすべてタッチで操作ができるようになって、自撮りの時でもハードキーに頼らずにコントロールできる。

電子ビューファインダーは、倍率約1.07倍(35mm判換算:約0.70倍、50mmレンズ、無限遠、視度-1m-1時)、236万ドット(XGA OLED)の大型0.39型有機ELディスプレイを採用。

α6600と比べるとファインダーの輝度が約2倍向上α7R Vと同等の輝度に。

ちなみに、アイカップも刷新されて大型化(FDA-EP20)

静止画撮影時に多用するEVFの品質は非常に重要で、実機を見た限りではかなり明るくなっているおかげでファインダーの小ささを超えて、明らかに見やすくなっていた。

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●ハイブリッド機としてのα6700か、動画専用機の「FX30」か?

気になるのは、同世代、APS-Cサイズ(スーパー35mm)のCMOSイメージセンサーを採用したCinema Line(シネマライン)「FX30」の存在、

価格を比較すると、「FX30」273,900円(税込)~α6700は、218,900円(税込)

価格は、「FX30」のほうが約5.5万円ほど高くなる。

α6700「FX30」のセンサーは、メーカーとしては好公表されていないものの、おそらく同じものだと思われる。

APS-C センサーの使用領域をみても全く同様で、6K相当の豊富な情報量を凝縮して、高品位な4K映像の撮影ができる。

異なるのは、「FX30」に備わるHDMI RAW出力が、α6700にはないということ。

撮影モードや記録設定などによって、撮影範囲(画角)が変化する。

APS-Cセンサーを静止画撮影では画角を目一杯使うのを基準として、動画撮影時は条件によってクロップされる。

4K60p以下の撮影であれば、ほぼセンサー全域を利用することが可能な一方で、よりセンサーからデータ転送速度が必要になる条件では徐々にクロップされていく。


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こうした条件があるものの、どちらのモデルもAPS-Cレンズを含むEマウントレンズの豊富なレンズ資産を利用できるため、動画用のレンズには軽量コンパクトなAPS-Cレンズを使う選択肢が増える。

そして最も気になるのが、撮影持続時間。

熱耐性の指標となる「連続動画撮影時間」を α6700、α6600/α6400、ZV-E1、FX30、α7 IV、ZV-E10の7機種で比較したものが上の図。

そもそもα6600/α6400では4K30P/24Pしか撮影できなかった事からすると、4K 120p/60p の記録ができるα6700「FX30」は別次元。

それを踏まえて、α6700は、4K 60p記録のさいの撮影持続時間は短く、放熱構造と冷却排熱ファンのある「FX30」が圧倒的に強い。

やはりここは餅は餅屋というか「FX30」の、発熱により撮影が停止する可能性が低いという大きなアドバンテージがある事もわかる。

ただし、「FX30」には静止画撮影にまつわる機能はほとんと省かれている。

α6700は、静止画と動画の両者の性能を兼ね備えているがための性能バランスという事になる。

静止画も撮りたいし動画も撮りたいという使い方であればα6700が良いし、長時間安定して動画を撮り続けたいとなれば「FX30」を選ぶのが良いと思われる。

と、ものすごく控えめに言ってみたけれど、スチルカメラとして考えると『α7R V』の最新性能と最新機能をごっそりAPS-Cに載せたのがα6700と考えるとものすごく魅力的。

短いと言いながらも機動性の高いコンパクトボディで「FX30」と同じクオリティの4K動画が撮れるし、フルHDであれば長時間撮影にも耐えられる。

ネーミングがマイナーチェンジっぽく感じてしまうけれど、α6700は究極のハイブリッド機と言っていい。

 

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α6700購入日~2023年9月25日(月)

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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)


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