ソニー BRAVIAとサラウンドシステムで「IMAX Enhanced」サウンドを検証してみる。「Disney+」や「Sony Pictures Core」、「4K Ultra HD Blu-ray」の再生条件は?
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ソニーから発売されている、サウンドバーBRAVIA Theater Bar 9「HT-A9000」、BRAVIA Theater Bar 8「HT-A8000」、ホームシアターシステムBRAVIA Theater Quad「HT-A9M2」は、IMAX Enhancedサウンドに対応している。
前回、「IMAX® Enhanced」を早速体験してみようとしたところ、あまりのハードルの高さに悪戦苦闘してしまった。
という事で改めて、IMAX Enhancedサウンドとはなにか?、どういったテレビ・ホームシアターシステム・メディアの組み合わせで利用できるのかを検証してみた。
今回試してみたのは、BRAVIAにあるアプリ「Disney+」・「Sony Pictures Core」と、Blu-ray Discプレーヤーで再生した場合。
・サウンドバー/ホームシアターシステム | ソニー
・テレビ ブラビア | ソニー
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まず知っておくべきは「IMAX® Enhanced」とは何か?
IMAX EnhancedのサウンドはDTSと密接に関わっている。
DTSとは、音声のデジタル圧縮や再生方式・会社自体の名称のことで、DVDやBDなどに収録されている音声で見かけるDTS-HDマスターオーディオなどもDTSという会社の技術が使われている。
似た名称で、ドルビーラボラトリーズのDolbyという音声技術もあるため、DTSを「ドルビートゥルーサウンド」の略称だと勘違いしてしまいそうになるけれど、全く別の会社。
DTS社の「DTS:X」とドルビーラボラトリーズの「Dolby Atmos」はどちらも立体音響技術でありながら、別の技術でもある。
ドルビーの「Dolby Atmos」に対して、IMAX Enhancedは「DTS:X」というオーディオフォーマットを利用してIMAX Enhancedサウンドを実現している。
ドルビーは、映像として「Dolby Vision」、音声として「Dolby Atmos」を提供。
IMAXは、映像と音声ともに「IMAX Enhanced」を提供している。
どちらが優れているかは映像・音の評価となるので一般には判断が難しいけれど、そもそも再生できなければ比較することもできない。
ストリーミングサービスからIMAX Enhancedサウンドを体験してみる。
まずは、最も手軽で主流の視聴スタイルともいえるストリーミングサービスから。
BRAVIAで利用できるアプリから、IMAX Enhanced作品が豊富な「Disney+」でIMAX Enhancedを試してみた。
セッティングしてみた環境は、以下の通り。
・4K液晶テレビBRAVIA 9「K-75XR90」【75型】(DTS:X対応)
・サウンドバーBRAVIA Theater Bar 9「HT-A9000」
・リアスピーカー「SA-RS5」
・サブウーファー「SA-SW3」
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まず大前提として、「Disney+」アプリでIMAX Enhancedサウンドを有効にするには「対応しているAndroid TVデバイス動画を再生中に機能をONにする」必要がある。(「Disney+」ヘルプセンターより)
しかしここがハードルの1つ。
テレビによって、この機能をオンにできるモデルとそうでないモデルに分かれてしまう。
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例えば、BRAVIA X95K(2022年モデル)では有効にできなかった。
これはX95Kが「DTS:X」に対応していないことが要因になっているらしい。
まさかの2年前のモデルですら対応していないという事実。
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BRAVIA 9(2024年モデル)で「Disney+」アプリを起動したところ、DTS:X対応IMAX Enhancedサウンド設定が出現した。
調べてみると、ソニーのBRAVIAで「DTS:X」に対応するモデルは、最新の2024年モデル(BRAVIA 9、8、7、A95Lシリーズ)からのようだった。
これはソニーの対応が遅いわけではなく、そもそも対応しているモデルも対応メーカーも現時点ではほとんどないというのが現状。
サウンドバーBRAVIA Theater Bar 9「HT-A9000」は、コントロールもアプデートも、スマホアプリ 「BRAVIA Connect」から操作できる。
アップデートすると、アプリの設定に「IMAX Enhanced Mode」という項目が追加される。
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「IMAX Enhanced Mode」は、リアスピーカーやサブウーファーを接続できているときのみ有効にできる。
接続が切れていたり、機器がない場合は項目がグレーアウトしてオンにできない点には注意。
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「IMAX Enhanced Mode」を有効にするとBRAVIA 9からの音声出力が「IMAX DTS:X」となりIMAX Enhancedサウンドを楽しめるようになった。
対応するホームシアター一式(サウンドバー「HT-A9000」+リアスピーカー「SA-RS5」+サブウーファー「SA-SW3」)と、「Disney+」アプリからDTS:X対応IMAX Enhancedサウンドの設定を表示できるBRAVIA 9(Android TVデバイス)を用意して初めてここにたどり着ける。
次にソニーのストリーミングサービス「Sony Pictures Core」アプリで試してみた。
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「Sony Pictures Core」アプリの配信では、音声については「Dolby Atmos」の他に、「DTS HD 5.1ch」で配信されている。
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サウンドバー「HT-A9000」の「IMAX Enhanced Mode」を有効にした状態で、「Sony Pictures Core」の音声として「DTS HD」を選択。
すると「IMAX DTS」と表示され、IMAX Enhancedの音声が出力された。
ここで気になるのは、「Disney+」では「IMAX DTS:X」だったのに対して、「Sony Pictures Cor」eでは「IMAX DTS」と出力されている方式が異なること。
補足情報をみると、「Sony Pictures Core」の「IMAX DTS」は、5.1chでの音声出力となっているため、どちらかというと「Disney+」の方が音声規格としては上位という事になるのかもしれない。
「Sony Pictures Core」では、「Dolby Atmos」でも音声配信されていたるので、「IMAX DTS(5.1ch)」とどちらを利用するかは悩みどころ。
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他にも「IMAX Enhanced」に対応していVODサービスがあるか探してみると、「楽天TV」も該当するらしい。(そのほかは中華系サービス。)
ブラビアで利用するのであれば「Disney+」や「Sony Pictures Core」で楽しむのが近道。
結論として、テレビからアプリでIMAX Enhancedサウンドを体験するには、DTS:X対応テレビを導入するという条件がハードルになる。
ディスクメディアからIMAX Enhancedサウンドを体験する。
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昔からの王道となるディスクメディアをプレーヤーで再生する場合はどうだろう?
こっちの問題は、IMAX Enhancedを収録した作品が異常に少ないこと。
日本では発見するのすら困難。(ほぼ公式に発表されておらず、ユーザーやメディア関係が発信する情報でその有無を知れる程度。)
例えば、ソニー・ピクチャーズ エンターテインメントでも「IMAX Enhanced」版の4K Ultra HD Blu-rayの販売やストリーミング配信を予定はしているものの、今のところほぼ皆無に等しい。
さて、ディスクメディアを再生してIMAX Enhancedのサウンドを出力するには、何か条件はあるのか?
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ひとまず、「IMAX Enhanced」に対応している4K Ultra HD Blu-ray Discを購入してみたの実際に試してみる。
これらのディスクは、IMAX Enhancedに対応しているものから、DTS のみ対応しているものまで様々。
IMAX Enhancedに対応していないコンテンツも再生することで、正しく音声を出力できているかもわかる。
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他にも、一般に販売されている4K Ultra HD Blu-ray Discも用意してみた。
こちらの音声フォーマットをみるとDTS HD やDolby Atmos で収録されているため、「IMAX Enhanced」サウンドは対応していない事はわかってはいるものの比較参考のため。
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セッティングしてみた環境は、以下の通り。
・4K液晶テレビ「XRJ-75X95K」【75型】(DTS:X非対応)
・PlayStation 5
・ホームシアターシステムBRAVIA Theater Quad「HT-A9M2」
・サブウーファー「SA-SW5」
ホームシアターシステムとサブウーファーの組み合わせにより、IMAX Enhancedサウンドの再生が可能な状態。
ちなみに、テレビはDTS:Xに対応していない4K液晶テレビ「XRJ-75X95K」(2022年モデル)のため、テレビ内のアプリからではIMAX Enhancedサウンドを出力することは出来ない。
今回は、プレーヤーとしてのPlayStation 5 にディスクを挿入して再生してみる。
ちなみに、PlayStation 5は映像面のDolby Visionには対応していない、Dolby Visionが収録されているディスクを利用する場合は、別途対応プレーヤーを購入することも検討しよう。
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「テネット」
・DTS HD 5.1ch(英語)
・Dolby Audio 5.1ch(日本語)
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「ボヘミアン・ラプソディ」
・Dolby Atmos(英語)
・DTS HD 2.0ch(英語)
・DTS 5.1ch(日本語)
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「トップガンマーヴェリック」
・Dolby Atmos(英語)
・Dolby Audio 5.1ch(日本語)
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「閃光のハサウェイ」・「ククルス・ドアンの島」
・Dolby Atmos(日本語)
・LPCM 2.0ch(日本語)
手持ちの4K Ultra HD Blu-ray Discの作品では、上位の音声規格としてDolby Atmos や DTS HD を採用しているものが多く、吹き替えや2次音声では汎用性の高いDolby AudioやLPCMに採用しているものばかり。
わかってはいた結果ではあるけれど、「IMAX Enhanced」での音声が出力はされなかった。
これは現時点では、Dolby Vision や Dolby Atmos を採用している作品が多い事が影響しているのだろう。
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次に確実にIMAX EnhancedまたはDTSで音声が収録されているディスクを試してみる。
・Journey To The South Pacific
・IMAX ENHANCED DEMO CONTENT VOLUME 1
・DTS VOLUME 24
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「Journey To The South Pacific」
「IMAX ENHANCED DEMO CONTENT VOLUME 1」
・IMAX DTS:X
・IMAX DTS(一部コンテンツ)
DTSメインで収録されているディスク2枚については、パッケージにもIMAX Enhancedと記載されているとおり、IMAX DTS:XまたはIMAX DTSでの再生ができた。
「IMAX ENHANCED DEMO CONTENT VOLUME 1」の一部シーン「Only the Brave」のみ「IMAX DTS」と表示。
おそらくDTS:Xコンテンツではなく5.1chのDTSコンテンツのためだと思われる。
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「DTS VOLUME 24」
・DTS:X
IMAX Enhanced表記のないディスク「DTS VOLUME 24」では、すべての映像で「DTS:X」で再生。
IMAX Enhancedサウンドではないものの、「DTS:X」コンテンツのためクオリティとしては高品質なものだった。
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IMAX Enhancedサウンドはホームシアターシステムが対応しているだけでなく、作品を再生する媒体の対応にも左右されることがわかった。
特に、テレビのアプリから再生する場合、サービスが対応している事に加えて、テレビ自体がDTS:Xに対応している必要がある。
中には、テレビがDTS:X対応していても、サービスがそのテレビのモデルを対象としていないと利用できないという場合もあるらしい。
最新のソニー2024年モデルのテレビとホームシアターシステムであれば、間違いなく「Disney+」や「Sony Pictures Core」でIMAX Enhancedサウンドを体感することができる。
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一方で、ディスクメディアを利用する場合は、テレビがDTS:Xに対応している必要はないため、敷居が低い。
IMAX Enhancedサウンドに対応しているディスクメディアを用意すれば、最新のホームシアターシステムで楽しむことができる。
(接続方法によってテレビ側にeARCやHDMI2.1対応が必要。)
ただしこちらの問題はIMAX Enhancedサウンドに対応している作品がまだほとんど存在していないこと。
仮に、IMAX 作品だったとしても、IMAX Enhancedで販売されているわけではなく、買って再生してみたらシネスコの横長の画角で音声も一般的なものしか収録していないということも少なくない。
ディスクメディアの売上が少なくなっている昨今では、積極的に高品質なデータを収録しようという動きも鈍くなっているのかもしれない。
ソニー・ピクチャーズ エンターテインメントについては、IMAX Enhanced作品の配信は積極的なようなので、IMAX EnhancedやDTS:Xを収録したディスクの販売をしてくれるかもしれない。
Dolby Atmos については収録されているものも多く、IMAX EnhancedおよびDTS:Xもこれからもっと積極的に展開してほしい。
ソニーのホームシアターシステム・サウンドバー「HT-A9000、HT-A8000、HT-A9M2」にアップデート配信。「IMAX Enhanced」機能が追加されたので、実際に試してみた。
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サウンドバーBRAVIA Theater Bar 9「HT-A9000」
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