ウォークマンZXシリーズ最新モデル「NW-ZX900」実機レビュー。WM1シリーズのパーツを惜しげもなく投入して、強烈に魅力的なポータブルオーディオプレーヤーに進化。
ソニーから、ウォークマンWM1シリーズの最新モデル「NW-WM1ZM3」と「NW-WM1AM3」とともに、ZXシリーズの最新モデル「NW-ZX900」が登場。
発売日は3モデルとも2026年11月27日(金)、「NW-ZX900」のソニーストア販売価格は214,500円(税込)。
こちらも「NW-WM1ZM3/WM1AM3」に続いてレビューしてみる。
・NW-ZX900 | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | ソニー
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●WM1シリーズと同時に開発されたZXシリーズの新モデル「NW-ZX900」
NW-ZX900は、2023年に発売されたNW-ZX707以来となるZXシリーズの新モデル。
これまではWM1シリーズとは路線が分かれていたこともあって、登場時期は全く異なっていた。
ところが今回は、WM1シリーズを開発していくうえでZXシリーズにも共通したパーツを落とし込んでいくという流れから、3モデルが同時に開発されている。
位置づけとしてはNW-ZX707の後継モデルで、シンプルに言えば音質のグレードが上がったことで、前モデルのNW-WM1AM2レベルに近い音質のポテンシャルを持っているらしい。
ただ、そのぶん価格も大きく上がって、NW-ZX707が発売時にソニーストアで104,500円(税込)だったのに対して、NW-ZX900は214,500円(税込)と倍以上になってしまった。
とはいえ、今のポータブルオーディオプレーヤーの世界では10万円を超えるモデルがむしろ入門機に近いという状況になっていて、NW-ZX900はハイエンドウォークマンの中ではいちばん手に入れやすいモデルになる。
一回り大きく、重くなったボディ
| NW-ZX707 | NW-ZX900 | |
|---|---|---|
| ソニーストア価格(発売時・税込) | 104,500円 | 214,500円 |
| ディスプレイ | 5.0型(1280×720) | 5.0型(1920×1080) |
| 最大外形寸法(幅×高さ×奥行き) | 約72.5×132.3×16.9mm | 約77.2×139.8×17.5mm |
| 質量 | 約227g | 約345g |
| OS | Android 12 | Android 16 |
| メモリー容量 | 64GB | 64GB |
| 電池持続時間(ダウンロード/ストリーミング)※ | 最大約25時間/最大約21時間 | 最大約40時間/最大約35時間 |
※バランス接続時。ダウンロードはW.ミュージックでMP3(128kbps)を再生、ストリーミングはオフラインモードで再生したとき。
本体は一回り大きくなって、質量は約227gから約345gへと100g以上も増えている。
開発陣も、ハイエンドモデルとはいえ「重くなりすぎていないか」というところにかなり気を遣っていた。
ディスプレイの大きさはNW-ZX707と同じ5.0型のままではあるけれど、解像度が1280×720からフルHD(1920×1080)へとアップしている。
そして画面もNW-ZX707より明るくなった。
画面サイズは同じなのにベゼルが太くなっているのは剛性の高いシャーシを採用したためで、剛性感を上げたことがそのまま音質にもつながっている。
削り出しのアルミボディは、エッジを切り落としたような強烈にシャープな印象の四角いフォルム。
カラーはブラックの1色のみ。
背面はラバーで覆われて、中央に金色に輝くウォークマンロゴが入る。
手で掴むとそれこそ持ちやすさとは無縁の、カドが指に刺さる感覚で、これがまた所有欲がブチ上がる。
さすがに普段からWM1シリーズを持ち歩いている人なら気にならない重さとは言え、前モデル(ZX707)から買い替える人だと重くなった感はあるかもしれない。
NW-WM1AM3と同じ工程で作られた、無酸素銅のリアシャーシ
「NW-ZX900」のメインシャーシはNW-ZX707と同じアルミの削り出しで、アルミのブロックから削り出したあとにコーティング処理を施している。
大きく変わったのはリアシャーシで、NW-ZX707はアルミのリアパネルだったものから、金メッキを施した無酸素銅のリアシャーシ(プレス成型)へと変更されている。
この銅のリアシャーシは、NW-WM1AM3と同じ製造工程で作られたもので、違うのは質量とサイズだけ。
銅のリアシャーシにしたことで音が一気に良くなって、NW-WM1AM2とほぼ同じくらいの音のバランスに仕上がった。
しかも全面金メッキの無酸素銅リアシャーシはNW-WM1AM2にはなかったもので、こうしたところではある意味ちょっと上回っていたりする。
ただし、基板と各シャーシを別々のビスで締める「ダイレクト締結」はWM1シリーズだけの仕様(金メッキビスはNW-WM1ZM3だけ)という違いはある。
| NW-ZX707 | NW-ZX900 | |
|---|---|---|
| メインシャーシ | アルミ・切削 | アルミ・切削 |
| リアシャーシ | アルミリアパネル | 金メッキ無酸素銅(プレス成型) |
| バッテリー | ZX専用 | WM1シリーズと共通(電源ラインはOFC 22番線) |
| 大容量固体高分子コンデンサー | 1基 | 1基(低ESR) |
| デジタル電源のレギュレータ | 低ノイズLDOレギュレータ | 超低ノイズLDOレギュレータ |
| クロック | 小型低位相ノイズ水晶発振器 | 金蒸着・超低位相ノイズ水晶発振器 |
| 基板 | フィルドビア構造・低誘電率基板 | フィルドビア構造・次世代低誘電率基板 |
| 先読み型ノイズシェーパー | - | ○(タイプは「バランス」のみ) |
WM1シリーズから降りてきたパーツ
「NW-ZX900」の基板を見ると、SoCは3機種共通でQualcommの「QCS6690」。
最大2.9GHzの8コアで、製造プロセスが11nmから4nmに進んだこともあって、仮に同じ処理をするにしてもより少ない電力でこなせる。
さらに、メモリーは8GB(LPDDR5X)へと増えている。
簡単にいえば、従来のAndroidウォークマンの中でも一番まともに動作してくれる処理性能を持っていたNW-ZX707よりもさらに快適に動作するという事になる。
単純に処理性能の高いチップを持ってきたわけではなくて、Androidを動かすのに十分な性能をもたせつつも、電源が安定していて音に良いものを、性能と音質の両面から選んだという事で非常に理にかなっている。
SoCとメモリーについて詳しくは以下記事を参照。
新型ウォークマン「NW-WM1ZM3/NW-WM1AM3/NW-ZX900」の搭載メモリーは8GB!歴代ウォークマンのメモリー約4GBから倍増。
バッテリーは、これまでのZX専用のものから、NW-WM1ZM3 / NW-WM1AM3と同じ大容量のものに変更。
電池の持ちが伸びたのはもちろん、より安定した電源を供給できるようになった。
バッテリーの電源ケーブルにOFC(無酸素銅)を使うのも、ZXシリーズでは初めて。
電源には低ESR(等価直列抵抗の低い)タイプの大容量固体高分子コンデンサーを使って、ノイズを抑えて力強い低音域につなげている。
クロックの水晶発振器も、WM1シリーズと同じ金蒸着の超低位相ノイズ水晶発振器(44.1kHz系と48kHz系の2個)をZXで初めて採用。
電源まわりのICも、これまでのZXには載っていなかったパーツを使っていて、WM1シリーズ譲りの構成になっている。
佐藤さんいわく、新しい3機種の中で電気的にいちばん進化したのは、実はNW-ZX900かもしれないと。
ただ電源まわりの部品をすべてWM1シリーズと同じ大型のものにすると本体も同じ大きさになってしまうため、一部は表面実装の部品にしている。
オーディオブロックのバイパスコンデンサー「FTCAP3」、金を含む高音質はんだ、ヘッドホン端子へのOFCケーブル接続も引き続き採用。
さらに、デジタル部には無酸素銅の削り出しブロックも使われている。
先読み型ノイズシェーパーは「バランス」タイプのみ
フルデジタルアンプ「S-Master HX」には、WM1シリーズと同じく新しく「先読み型ノイズシェーパー」が加わった。
量子化ノイズを先読みして処理することで、急な音の立ち上がりにも追従して、低音の迫力とクリアさを出せるようになっている。
ただし、WM1シリーズが「ライト」「バランス」「ディープ」の3タイプから選べるのに対して、NW-ZX900は「バランス」のみ。
従来の「ノーマル」と「バランス」の2択になる。
「バランス」はWM1シリーズでも開発側がおすすめしているタイプなので、基本はこれを選べば良い。
ストリーミングでもDSDリマスタリング、電池の持ちは大幅アップ
PCM音源を11.2MHzのDSDに変換して再生する「DSDリマスタリング」は、NW-ZX707ではW.ミュージックで再生するときだけ使える機能だった。
今回は有線接続時なら、SpotifyやQobuz、Amazon Musicのようなストリーミングアプリの音にも適用できるようになった。
最近はすっかり日常の大半をストリーミングで聴くのが当たり前になってしまったので、ストリーミングでもDSDリマスタリングで高音質に聴けるというのは大きい。
「DSEE Ultimate」も、有線接続ならすべての音楽アプリ、BluetoothならLDACで使える。
W.ミュージック以外の音楽アプリの音は、48kHzに変換して出力される。
ハイレゾストリーミング用の設定をオンにすると192kHz固定になって、音源に合わせてサンプリング周波数が切り替わることはない。
バッテリーがWM1シリーズと共通になったことで、電池の持ちも大きく改善。
ストリーミングサービスのアプリでオフライン再生したときは約21時間から約35時間に、W.ミュージックでMP3(128kbps)を再生したときは約25時間から約40時間に伸びている(いずれもバランス接続時)。
ダウンロード音源の再生時間は、WM1シリーズの約35時間よりNW-ZX900のほうが長い。
操作のレスポンスが機敏になって、ようやく快適に
NW-ZX707は前モデルの中ではまだマシなほうだったけれど、それでも楽曲が増えるほど動きが緩慢になって、ストリーミング系のアプリも重かった。
NW-ZX900は実際に触ってみると明らかに操作のレスポンスが機敏になっていて、好きなコンテンツを思い通りに探せる。
W.ミュージックの再生画面には音量のアイコンがあって、ワンタップでダイヤル型の音量画面を呼び出せる。
スリープからの復帰は、スマートフォンと同じダブルタップにも対応。
電池を少し使うので初期設定はオフで、ジェスチャーの設定からオンにできる。
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Bluetoothは、LDAC、aptX、aptX HD、AACに加えて、aptX Adaptive、LC3(LE Audio)にも対応。
画面まわりでは、再生中の画面をカセットテープ風に表示する「カセットテープUI」や、0から120までの目盛りが付いたダイヤル型の音量画面が、WM1シリーズと同じく用意されている。
本体のストレージは、64GB(実使用可能領域は約33GB)。
価格との折り合いもあるとはいえ、フラッグシップモデルと違って、ストレージの容量はかなり心もとない。
というよりも内蔵ストレージはアプリや将来的なアップデートのための場所と割り切って、楽曲データは外部ストレージ(microSDカード)と考えたほうが良い。
●WM1シリーズのパーツを受け継いで、強烈に魅力的なポータブルオーディオプレーヤーとなったNW-ZX900
NW-ZX900をMDR-Z1Rとバランス接続でつないで試聴してみた。
NW-ZX707でも満足できると思っていたのに、比べると明らかに繊細な音の像が見えてくる再現性の高さが体にしみる。
さすがにNW-WM1ZM3と聴き比べると差はあるものの、この音質で聴けるなら納得どころか満足できるレベルをはるかに超えている。
NW-ZX900は、価格だけを見ればNW-ZX707の2倍以上になってしまった。
けれど中身を見ると、WM1シリーズに投入されているパーツの数々を惜しげもなく投入してくれたおかげで、前モデル(WM1M2)を超えるリッチな音を体感できるプレーヤーとなっている。
もちろんシングルエンドでもバランスでも音を突き詰めたいユーザーには新しいWM1シリーズというお膳立てが整っているとして。
現実的なサイズと重さで、NW-ZX707以上の音の進化と操作の快適さがはっきり感じられて、ストリーミングでの電池の持ちが圧倒的に伸びている。
最もスマートフォンに近い存在でありながら、音に特化したプレーヤーと考えるとこれほど魅力的なポータブルオーディオプレーヤーがあるだろうか!?
今の時代だからこそ、あえて手にしたいウォークマンがここにある。
●ウォークマン ZXシリーズ ラインナップ

ウォークマンZXシリーズ「NW-ZX900」
【64GB】
カラー:ブラック
発売日:2026年11月27日(金)
ソニーストア販売価格:214,500円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
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