デジタルスチルカメラ「RX100VII(RX100M7)」を、ソニーストアで触ってきたレビュー(後編)。メニューをチェックしたらそれは最新のデジタル一眼カメラαとまるで同じレベルまでになっていた。
・デジタルスチルカメラ「RX100VII(RX100M7)」を、ソニーストアで触ってきたレビュー(前編)。コンパクトボディからは想像のつかない超高速AFと連射性能、そして動画撮影まわりも大きく改善。
の続き。
RX100VIIがデジタル一眼カメラα9のようだ!というのは実は高速AFや連写をもってそういうのだけど、それ以外にそもそも中身が最新モデルであるα6400に代表されるデジタル一眼カメラαシリーズの機能をまるごと持っていることだったりする。
・高速・AF性能や強化した動画性能を小型ボディに凝縮。プレミアムコンパクトカメラ『RX100 VII』発売 | プレスリリース | ソニー
・RX100VII(DSC-RX100M7/RX100M7G) | デジタルスチルカメラ Cyber-shot サイバーショット | ソニー
赤文字はRX100Ⅵと共通。青文字はRX100VIIの新機能。
手っ取り早くRX100VIIの新機能を知りたい場合は青文字だけも確認できるかと思います。
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●小さいボディそのままに高倍率ズームを搭載するRX100VII(RX100VIと共通)
RX100VIIは、ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズに、広角24mmから望遠200mm(F2.8~4.5)を搭載。
ここはRX100Ⅵと同じで高倍率ズームを採用して、RX100V以前のRX100シリーズの大きな特徴とも言えた明るいレンズ搭載した路線とは違うのでツボポイントが分かれるところ。
RX100Ⅲ/Ⅳ/Vに備わっている内蔵NDフィルターは非搭載。
サイズもRX100VIIはRX100Ⅵと全く一緒の 101.6 mm x 58.1 mm x 42.8mm。
重量は、バッテリー、メモリーを含めて302g。(「RX100Ⅵ」より1gだけ重くなっている。)
RX100Ⅴの本体サイズは、101.6 mm x 58.1 mm x 41.0mm、重量299g。
タテヨコサイズは変わらずで、奥行きのみRX100Ⅴより1.8mmほど長い。
RX100Ⅴの鏡筒は2段なのに対して、RX100VIIの鏡筒は3段式で一つぶんだけ長くなる。
RX100VIIの焦点距離による開放F値は以下のとおり。
焦点距離 開放F値
24mm F2.8
28mm F3.2
35mm F3.5
50mm~100mm F4.0
135mm~200mm F4.5
厳密には、25mmからF3.2になるので、F2.8で使えるのはワイド端24mmだけ。
焦点距離100mmで開放F値をF4の明るさを保てるので、ポートレート撮影で背景ボケをいかした撮り方もできなくはない。
テレ端(焦点距離200mm)の最短撮影距離はレンズ先端から約100cm。
いわゆる近接撮影、被写体に迫った構図や映像表現はあまり得意ではない。
ここはもうちょっとどうにかなってくれると嬉しいのだけど。
アンダーウォーターハウジング「MPK-URX100A」については、ズームした時におもいっきり内部干渉してしまうので非対応。
望遠ズームに対応したタイプを出して欲しい気もするけれど物理的に難しいかもしれない。
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●ワンアクションで使える電子ビューファインダーとタッチ対応のフレキシブルな液晶ディスプレイ
RX100Ⅲから備わった本体に収納されて、ポップアップして使える0.39型 約235万ドットの「XGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」。
本体横スイッチでポップアップしたあとに、ファインダーの接眼レンズ部分を指でつまんでひっぱる動作が必要だったものから、RX100VIIではスイッチを下げてポップアップして即使えるようになっている。
戻す時もワンプッシュ、今までの2ステップが煩わしかった事を思うと格段に楽。
電子ビューファインダーを収納する時には、電源がオフにならない設定も選べるのもあわせて相当使い勝手がよくなっている。。
外光の映り込みを低減するT*コーティングや、ファインダーの視野率は100%、倍率 約0.59倍は、「RX10Ⅳ」と同じくEVFの表示タイムラグも大幅に改善されている。
ファインダーやモニターの「表示画質」を[標準]・[高画質]から選べるように。
[高画質]モードにすると、ドット感のないより高精細な映像が表示できて、逆にバッテリーの持ちを優先したい場合は[標準]モードがオススメ。
RX100VIIの背面液晶モニターは、3.0型、92万ドットのエクストラファイン液晶。
背面液晶モニターは、2軸チルト機構になっていて、自撮りしやすい上方向に180度から、ハイアングル撮影に使いやすい真下から見えるまでに調整できる下方向に90度まで稼働する。
RX100Ⅴでは下方向は45度までが限界。
チルト機構の可動範囲は自由度が高く、液晶モニターを起こしている場合は、電子ビューファインダーの前に手や体が近づいても電子ビューファインダーに切り替わらなくなっている。
RX100VIIの背面液晶ディスプレイはタッチパネル対応。
撮影時に、液晶モニターをタッチしてフォーカス位置を選択できるタッチフォーカスと、ファインダーをのぞきながらのスムーズなフォーカス位置移動を実現するタッチパッド機能として使える。
ファインダーや背面ディスプレイで状況を確認しつつ、液晶画面をタッチして被写体にピントをあわせながら撮影したい時には有効。
画面に触れるだけで撮影できるタッチシャッターも使える。
と、ここまではRX100Ⅵと同じだけれど、RX100VIIでは新たにタッチフォーカスが動画にも使えるようになった。
さらには、静止画・動画撮影するときに、画面上でフォーカスしたい被写体にタッチすするだけで自動で追尾するタッチトラッキングもRX100VIIから。
しかも画面上で人物の瞳の右目と左目にタッチしてフォーカスということまでできるようになっていて、タッチ操作が劇的に便利になっている。
撮影時のDISPボタンを押して選択できる画面表示モードに「モニター消灯」を追加。
撮影時に常にモニターが消灯して、再生時やMENU操作時のみモニターを使用できるというもので夜間撮影などには必須機能。
「モニター自動OFF」機能で、2秒/5秒/10秒をあらかじめ設定しておくと、その時間が経過すると自動的にモニターが消画。
こまめに消画することでバッテリーの持ち(撮影枚数)を約30%ものばすことができる。
1分/2分/5分/30分の設定でその時間がくるとカメラの電源をオフにする「パワーセーブ」もあるので併用してバッテリーを長持ちさせるといった使い方ができる。
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●RX100VIIのメニューは最新世代デジタル一眼カメラαシリーズと同等。
RX100VIIのメニュー内容を見るともうそのまんま最新のデジタル一眼カメラαシリーズと同じになったと言ってもいい。
「メニュー」は、大きく分けて6つの分類とグループ名も表記される新メニュー。
「ゴミ箱」アイコンをおせば機能の捕捉説明をいつでも確認できたり、Fnボタンでタブ送りもできる。
よく使う機能だけを最大30コまで登録しておける「マイメニュー登録」もあって、多岐にわたるメニュー操作での煩わしさを1ヶ所にまとめて解消。
さらに「マイメニュー表示」を入にしておけば、MENUボタンを押していきなりマイメニューを表示するといった便利機能もかなり役立つ。
JPEGとRAWの同時記録とは別に、JPEGの画質を「エクストラファイン」、「ファイン」、「スタンダード」から選べる。
縦横比に「3:2」、「16:9」、「1:1」、そして「4:3」を追加。
<JPEG画像サイズ>
「3:2」・・・ L:20M、M:10M、S:50M
「4:3」・・・ L:18M、M:10M、S:50M、VGA
「16:9」・・・ L:17M、M:7.5M、S:4.2M
「1:1」・・・ L:13M、M:6.5M、S:3.7M
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●自分好みに設定できるカスタマイズがより細かく、より思い通りに使えるように。
カスタムボタンは、「カスタムキー(撮影)」に加えて、「カスタムキー(動画)」、「カスタムキー(再生)」にも個別に設定。
しかも、カスタムボタンと機能割り当てのメニューがグラフィカルになったことで、どのボタンにどの機能が使えるようになったのかが非常にわかりやすくなった。
コントロールリングと背面にあるC(カスタム)ボタン、中央/左/右ボタンの5つ。
RX100シリーズはコンパクトボディがゆえに、カスタムキーの割当はとても重要。
また新たに、ファンクションのメニューも静止画用と動画用それぞれに設定可能になった「ファンクションメニュー設定」はα7RIVと同時に初搭載。
静止画でよく使う機能、動画でよく使う機能は異なる場合もあるので、これは非常にありがたい。
あらかじめ割り当てておいた機能を呼び出して、コントロールリングとコントロールダイヤルで動かせるようになるというもの。
割り当てられるのは、「スタンダード」、「絞り」、「シャッタースピード」、「露出補正」、「ISO感度」、「ホワイトバランス」、「クリエイティブスタイル」、「ピクチャーエフェクト」、「ズーム」。
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●かゆいところに手が届くようになったフォーカスの詳細設定。
フォーカスエリアの枠の色を変更できるようになったのもα7RIVと同時に初搭載。
撮影シーンや被写体によっては見えにくくい場合などに色を変えられることで視認性アップになる。
ピントの合った部分の輪郭を表示してピントを確認しやすくなる「ピーキング機能」は、RX100Ⅵよりピーキングの精度が向上。
また、「ピーキング色」にレッド・イエロー・ホワイトに加えてブルーを追加。
「フォーカスエリア限定」は、フォーカスエリアを選ぶ時に使いたいものだけをピックアップできる設定。
たくさんあっても、撮影時に使わないものがあるとそのぶん迷いが生じてレスポンスが落ちてしまうものなので、よく使うフォーカスエリアに絞って使えるのは相当利便性があがる。
[ゾーン]、[フレキシブルスポット]、[拡張フレキシブルスポット]のフォーカスエリアの場合に、フォーカス位置を選択するときに、はしっこまで行ったときにそのままキーを押し続けると反対側のフォーカス位置にぐるっと移動してくるというもの。
フォーカス位置を、端から端にすぐに動かしたいというときに便利。
AF時の顔/瞳優先のオンオフ、顔/瞳枠表示オンオフ、マルチ測光時の 顔優先オンオフをそれぞれ個別に設定できる。
検出対象として、人と動物を切り替えたり、人の目の左右どちらかを選んだりといった設定までができて、ポートレート撮影により自分の意思を反映させて、かつ構図に集中して撮影できる。
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●他、RX100VIIに新しく加わった新機能。
「シャッターAWBロック」は、ホワイトバランスが「オート」などでシャッターボタンを押している間にホワイトバランスを固定するかどうかを設定。
シャッターボタンを半押している時や連続撮影時に、意図せずホワイトバランスが変わることを防げる。
また、カスタムホワイトバランスの設定では、ホワイトバランス の取り込み枠の位置を、中央に限らず任意に抽出もできる。
JPEG撮影で、好みに変更できる「クリエイティブスタイル」において、シャープネス設定を±3から±5へと拡張。
リアルタイムに撮影している時に好みの印象に変更できる幅が広がる。
「ISO AUTO」時でも、ISO感度の上限値(と下限値)を決めることができるのはもちろん、ISO感度が変わりはじめるタイミングのシャッタースピードを調整することもできる(ISO AUTO 低速限界設定)。
そして新たに、マニュアルで設定する場合にも、ISO感度の範囲を決められる「ISO感度範囲限定」も追加された。
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見た目がRX100シリーズのままなので、最初は最新型だよねーくらいの感情を維持していたのに使ってみるとコレスゲー!となる。
これだけ中身がデジタル一眼カメラαシリーズに近づくと、そろそろ”サイバーショット”という名前がふさわしいのかすら疑問になってくる。
それくらいに、RX100VIIは性能っぷりと機能までがα化するとことまで来てしまった。
素でレンズ一体型カメラのαシリーズである。
イコールそれは、デジタル一眼カメラαシリーズとの併用を前提として使えるという事でもあるし、もともと交換式カメラを使うのは億劫だけど高性能カメラが欲しいという需要にズバリとハマるのではないかと。
電源オフ時のポケットに入るくらまで小さいサイズ感は、一眼カメラを持ち込むにははばかられるシチュエーションすらも突破する。
そして納得のいく写真や動画のクオリティ。
それはスマホでは絶対に撮れない領域。
持ち歩く苦痛を乗り越えられるコンパクトさと、よりよい写真が欲しいという欲求、その両方を満たすのがRX100VIIじゃないかと。
<参照>
・デジタルスチルカメラDSC-RX100M7 ヘルプガイド(web取扱説明書):SONY
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●デジタルスチルカメラ サイバーショット 「RX100VII」 DSC-RX100M7
デジタルスチルカメラ「DSC-RX100M7」
オープン価格
販売価格:145,000円前後
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
シューティンググリップキット「DSC-RX100M7G」
オープン価格
販売価格:155,000円前後
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
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●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
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ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
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