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Atom Z550(2GHz)を搭載したVAIO typePのパフォーマンスをチェックする。

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・VAIO typePの限定カラー「パイライトゴールドxダークブラウン」
・VAIO typePのWindows XPモデルを触ってみた。
の続き。

VAIO typePiconの夏モデルの
スペック的な進化点は、
最上位のCPUが、、
Atom Z540(1.86GHz)からAtom Z550(2GHz)へと
クロックアップされた事。

これがそのままパフォーマンスアップにつながってるのか?と、
もうひとつは発熱は大丈夫なのか?
という点が気になるので、
この
OS:Windows XP Home Edition 32bit(SP3)
CPU:Atom Z550 (2.00 GHz)
メモリー:1GB(1GB×1(オンボード))
ストレージ:HDD 約60GB
という
スペックでのベンチマークなどを調べてみる。

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<Atom Z550(2GHz)のパフォーマンス>


VAIO typePiconのように、
ほぼ中身が完成されてしまっている場合、
VAIOオーナーメードでカスタマイズしてパフォーマンスをアップできるのは、
CPUとストレージの2箇所だけ。

まず、VAIOオーナーメードで選べる
3つのCPUの性能を単純に比較

製品名    動作クロック  TDP
 Atom Z550  2.00GHz   2.4W ・・夏モデルで追加
 Atom Z540  1.86GHz   2.4W ・・春モデルで終了
 Atom Z530  1.60GHz    2W
 Atom Z520  1.33GHz    2W

FSBは533MHz、
2次キャッシュは512KB、
マルチスレッド対応(HTテクノロジー)なので、
OSからは、2つのコアがあるように見える。

とは言いながらも
あくまでもCore2Duoではなく、Atomなので
ウリは超小型&低消費電力であって
パフォーマンスは非常に厳しい。

とすると、
ちょっとした作業でもCPUの処理が追いつかない状況が多くなるので
単純に考えると、
動作周波数が多ければ多いほど
ボトルネックが解消されるので、
Z550(2.00GHz)へちょっとばかり期待してしまう。

また、
上位のZ550(or Z540)のTDPだけが2.4Wになっているけれども
平均消費電力は220mW、アイドル時の消費電力は100mW
というあたりは同程度とされていて、
バッテリーライフへの影響はほとんどないかと推測されている。

ちなみに、
Atom Z5x0シリーズは、64bit非対応なので、
載せられるOSは32bitオンリーとなる。

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<ベンチマークテスト各種>

今までのtypePとあわせてベンチマーク比較。

今までのtypePはWindows Vistaベースで、
今回のtypePはWindows XPベースなので
単純比較できない部分があるかもしれないけれど
ひとまず情報として。

●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。


[Atom Z550 + HDD]


[Atom Z540 + SSD]    [Atom Z520 + HDD] 

[ALU]や[FPU]といったCPU演算評価をみると
動作周波数が上がっている分だけ
スコアの伸びが見てとれる。

それと、
Windows XP下では
メモリーは1GBでもその容量と関係なく[MEM]評価が高く
2D系のグラフィック評価は微増しているのがわかる。
ただ、やっぱり4200回転/分のHDDは遅い。

-・-・-・-・-・-・-・-

●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
PCMark05からマルチコア/スレッドに対応。

PCMark05に関しては、
WindowsベースのtypePでは、
3D系のグラフィックベンチマークで計測エラーが出るため
総トータルでのベンチマーク比較はできなかった。
ただし、
詳細のテスト項目結果は出ていたので比較してみる。


[Atom Z550 + HDD + Windows XP]

[Atom Z540 + SSD + Windows Vista]

[Atom Z520 + HDD+ Windows Vista]

左から上記のZ550、Z540、Z520の内容のベンチマーク結果順。

System Test Suite(PCMarks)    :N/A   1415   883
HDD_XP Startup(MB/s)          : 4.54   31.09   4.42
Physics and 3D(FPS)            :N/A    9.29   9.21
TransParent Windows(Windows/s) :101.53  57.86  53.15
3D_Pixel Shader(FPS)            :N/A    1.67   1.61
Web Page Rendering(Pages/s)     :1.45   0.58   0.47
File Decryption(MB/s)           :18.37  13.84  11.29
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS): 132.4 146.65 152.37
HDD_General Usage(MB/s)        :2.6   25.42   2.47
Audio Compression(kB/s)        : 706.6  474.2  351.2
Video Encoding(KB/s)          : 126.5   134.2   94.2
Text Edit(Pages/s)             : 35.6   27.7   18.3
Image Decompression(MPixeles/s)  :8.27    7.61   5.02
File Compression(MB/s)          :1.94   1.61   1.08
File Encryption(MB/s)            :7.26   6.53   4.59
HDD Virus Scan(MB/s)           : 23.4   36.6   25.6
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s):5.9 5.2 4.7

オレンジ色が、
HDDYSSDのストレージに関与している部分で
グリーン色は、
CPUの動作周波数の影響が大きいと思われる部分。

でも、やはりOSの違いによる変化が多分に盛り込まれてるので
あくまでも参考値としてのみ。

-・-・-・-・-・-・-・-

●Vana’diel Bench3
(FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークテスト3)

単なる指標としてのお約束ベンチマークソフト。


[Atom Z550 + HDD + Windows XP]
・低解像度モード SCORE:平均 687
・高解像度モード SCORE:平均 358


[Atom Z540 + SSD + Windows Vista]
・低解像度モード SCORE:平均 628
・高解像度モード SCORE:平均 354


[Atom Z520 + HDD + Windows Vista]
・低解像度モード SCORE:平均 586
・高解像度モード SCORE:平均 353

ベンチマーク計測中のデモ画面も
画面がコマ送りのような動きしかしなくて
今回のa:[Atom Z550 + HDD + Windows XP]では、
特に横にノイズが入ったような挙動だった。

スコアはほとんど変わらず。

-・-・-・-・-・-・-・-

それから今一度
HDDとSSDの転送速度の違いを
「CrystalDiskMark 2.2」と「HD Tune」で計測してみる。


[Atom Z550 + HDD]


[Atom Z540 + SSD]    [Atom Z520 + HDD]


[Atom Z550 + HDD]


[Atom Z540 + SSD]    [Atom Z520 + HDD]

60GBのHDDは、
1.8インチサイズ、5mm厚の東芝製の「MK6028GAL」で
回転数は4200回転/分、キャッシュが2MB、平均シークタイムが15ms
という代物で、
上記の2つのHDDは同じ物のはずなのに
今回のHDDのパフォーマンスはあまりよくない。

「HD Tune」で見ても外周に向かうにつれて放物線を描くのは
HDDの特性だけれど、
途中途中でガクっと落ち込む部分があるのが気になる。

SSDは、
インターフェースはシリアルATAから
変換コネクタを経由してパラレルATAに変換されて
マザーボードと接続されてるために
本来の能力が発揮されないにもかかわらず、
それでも、
HDDよりは随分と早い転送速度と
ランダムの読み書きの速さがみてとれる。

やはりtypePのような機体になると、
CPUだけがんばっても無理があるので、
ストレージをSSDにする事で
少しでも快適なマシンにしたほうが良さそうではある。

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<一般動作の挙動の差>

実動作での差があるかどうかを
OSの違いはありながらも
Windowsの起動や終了、
休止から復帰をストップウォッチで計測。


[Atom Z550 + HDD + Windows XP]


[Atom Z540 + SSD + Windows Vista]


[Atom Z520 + HDD+ Windows Vista]

左から上記のZ550、Z540、Z520の内容の計測順。

Windows起動
 ・Vistaロゴ        : -    約40秒  約47秒
 ・画面切り替わり    :約47秒  約69秒  約79秒
 ・インターネット接続  :約89秒  約158秒  約216秒 

終了(シャットダウン) :約33秒 約36秒 約29秒

休止状態      :約22秒  約58秒  約59秒
復帰         :約30秒  約49秒 約69秒

Windowsの起動に関しては、
起動する常駐アプリの違いもあって
HDD搭載モデルでさえもWindows XPのほうが立ち上がりが早いし、
休止や復帰もWindows XPのほうが時間的に早い。

ここが、
Windows VistaよりもWindows XPのほうが
早いと思われる点の1つではある。

ただし、実際に起動してから触る分には、
OSの違いからくる差がものすごく大きいというほどでもなく
それ以降の
ウィンドウを開く、アプリの起動や動作に関しては
Atom CPUの処理能力に影響するし、
ストレージの違いでもまた体感速度というのは変わってくる。

上記の数値は、
あくまでも設定を変えてない場合での比較であって
OSをメンテナンスする事でも
随分とそのレスポンスも変わってくる。


それに、
実際に使うとなると、
VAIO typePiconの液晶画面を閉じて
例えば休止状態へ移行している最中でも
すぐにカバンにしまいこんで動き出せるSSDのほうが
結果的に使い勝手は良いと感じたりもする。

--------------------

<Atom Z550(2GHz)の発熱は大丈夫か?>


VAIO typePには、
積極的に冷却する装置(ファン)が付いておらず
本体から熱を伝えて外部に放熱をする仕組みなので
しばらく使ってると、
Atom CPUが収まっている左の底面あたりが
確実にあったかくなってくる。

それが、
Z550(2.00GHz)になると
動作周波数がさらに上がっているから
パフォーマンスが上がるにしてもその熱のほうも気になる。

以前にもAtom Z520(1.33GHz)で
どのくらいの熱を持つのかというテストをしたことがあったので
それと比較してみる。

「CoreTemp」でCPUの温度を調べてみると、
アイドリング中の温度(18℃~20℃)や
ブラウザ閲覧中(26℃~28℃)といった温度は、
動作周波数での違いは特に見当たらなかった。

一番CPUに負荷のかかる状態として
Yahoo動画とニコニコ動画(高画質モード)を
同時閲覧しながら30分以上動かしっぱなしにして、
最大ピークとなったのは66℃で、
これ以上上がるような気配はなかった。

-・-・-・-・-・-

それから、
高負荷をかけ続けた状態で
実際に本体の温度がどのくらいになっているかを
非接触型の温度計でも計測してみた。




測定した箇所は
キーボードのベース部分5ヶ所と、
底面は前面3ヶ所、バッテリー近くの3ヶ所、
サイドにある廃熱口などの合計12ヶ所。

動画再生をしてCPU使用率を常時100%の状態にして
約1時間程度動作させた状態で計測。
 [Atom Z550] [Atom Z520]
1)   35.8    33.0  
2)   30.8    27.3 
3)   35.5    33.0  
4)   39.5    37.6  
5)   31.4    28.3 
6)   42.5    44.3  
7)   37.7    37.9  
8)   33.8    32.0  
9)   35.9    33.0 
10)   30.4    25.5 
11)   30.2    26.1 
12)   41.5    40.3 

[Atom Z520]のほうは2月に計測したもので
今回の[Atom Z550]と全く同条件というわけではないとしても、
高負荷をかけ続けてると
本体底面に左部分には熱を感じるようになる。
(Z540もZ520よりは1~2℃温度が高かった。)

キーボード面には、
実際には指はキートップにしか触れてないので
あたたかみを感じる事はあまりないものの、
夏場になると
発熱部に関しては、もっと上昇する可能性があるので
高負荷をかけるような作業を続ける場合は
CPU温度には注意が必要かもしれない。

-------------------

少しでも動作を良くしようと思えば
最上位のAtom Z550(2GHz)を選択するのが良いだろうし、
多少のモタつきはあっても
発熱を少しでも減らしたいと思えば、
Atom Z530(1.60GHz)という選択肢もある。

後は、
ストレージはSSDを選んだほうが
確実に体感のレスポンスは早くなるという事と、
OSは、
現状のWEB閲覧主体とした使い方をするだけならWindows XPでもいいし
独自アプリを生かした使い方を含めて考えるなら
Windows Vistaというところで。

【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】

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4件のコメント

  1. P初心者 より:

    今晩は。はじめまして。いつもこちらを拝見させて戴いてます。発熱の件で質問があるのですが、Z540の場合やはり冷却クーラーを使用したほうがいいのでしょうか?やはり2時間位ネット接続をしていると左底面がかなり熱くなります。ノートPCは初めてで、発熱がどれくらいになったらクーラーを使用したほうがいいのかよくわかりません。あまりPに合いそうなサイズのクーラーも見つからずどうしようか思案しています。使用した方がいい温度(体感)の目安や、なにかおススメのクーラーがありましたらアドバ
    イス頂けたらと思います。これから夏場にむけて心配です。よろしくお願いいたします。

  2. kunkoku より:

    >P初心者さん
    はじめましてm(__)m
    えとですね、自分もそれぞれのAtomでいろいろ触ってみましたが、結局どれも底面が熱く感じるみたいですねー。
    と、この温度を測ってみたりしてわかったんですが、実際には40度を超えたくらいでは大丈夫みたいなのですが、人間の体温が36度くらいなので、どうしてもそれよりも高いものを触るとものすごく熱く感じてしまうそうなんです。
    だから、ある程度は許容範囲だとわりきればいいのですが、でもこれから夏になると余計に気になりますよね(汗
    かと言って気にしすぎてCPUパワーを設定で落としてしまうと、パフォーマンスが悪くなってしまうし悩みどころではありますね。
    せっかくのちっちゃいtypePにクーラーつけるのも行業しい気がしてしまうので、私は特にクーラーを使おうと思ってなかったので、これだ!というようなものを存じ上げないんです(汗
    すみませんm(__)m
    もしくは、
    例えば冷房の効いた室内で使うとか、扇風機なら自分とtypePに当てるってのもアリかな?と思います。
    実際、デスクトップが熱暴走しそうなときの扇風機はものすごく威力がありますから(^^ゞ
    なんだか、まるっきりお役に立ててないようで大変恐縮です。。

  3. P初心者 より:

    kunkoku様
    アドバイスありがとうございます。お礼が遅くなりまして申し訳ありません。そうですね~、冷え性でめったに冷房をつけないので扇風機作戦がいいかもしれませんね。あまり発熱に神経質にならないで使ってみますね。ビみょーな質問でスミマセンでした。こちらのブログは私のような初心者には「そうなんだ!」とうなづくことばかりで大変頼りにしております。これからもいろいろなレポート楽しみにしています!色々ありがとうございました。

  4. kunkoku より:

    >P初心者さま
    いえいえ、わざわざお返事ありがとうございますm(__)m
    扇風機は超巨大な冷却ファンみたいなものですから自分兼typeP用としてぜひぜひw
    私もまだまだ詳しい方に比べたらまだまだですし、日々勉強ですね(^^ゞ
    たまにしくじる時があるかもしれませんが、その時はサクっと「違うよ!」と突っ込みいれてくださいw
    ではではこれからもよろしくお願いいたしますm(__)m