Xperia 1 VII(XQ-FS44)SIMフリーモデル ベンチマーク( Antutu、3D Mark、ストレージ性能)レビュー。高温でも Xperia 1 VI を超えるベンチマーク結果。
6月上旬に発売されるスマートフォン「Xperia 1 VII」。
SIMフリーモデルXperia 1 VII(XQ-FS44)の貸出機が届いたので、そのパフォーマンスを知るべくベンチマークを計測してみた。
「Xperia 1 VII」は、最新のQualcomm社製「Snapdragon® 8 Elite Mobile Platform」と、ベイパーチャンバーを採用した放熱性能を高めたスマートフォンとされているため、これまでよりも高いパフォーマンスを発揮してくれるはず。
ベンチマークテストやゲームプレイ時のFPSの変動についてどういった進化があるのか?実使用とは異なる過酷なベンチマークだけれど非常に興味深い。
・Xperia(TM) スマートフォン(SIMフリー) | ソニー
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目次
●Xperia 1 VII の性能をベンチマークテストで比べてみる。(Xperia 1 VI / Xperia 1V)
Xperia 1シリーズ直近の3モデルのスペックはこんな感じ。
「Xperia 1 VII(XQ-FS44)」のSoCは、Qualcomm社製「Snapdragon® 8 Elite Mobile Platform」。
CPUのクロック速度は最大4.32GHz、GPUはAdreno 830。
メモリー(RAM)は12GB。
「Xperia 1 VI(XQ-EC44)」のSoCは、Qualcomm社製「Snapdragon® 8 Gen 3 Mobile Platform」。
CPUのクロック速度は最大3.30GHz、GPUはAdreno 750。
メモリー(RAM)は12GB。
「Xperia 1 V(XQ-DQ44)」のSoCは、Qualcomm社製「Snapdragon® 8 Gen 2 Mobile Platform」。
CPUのクロック速度は最大3.20GHz、GPUはAdreno 740。
メモリー(RAM)は16GB。
まずは「AnTuTu Benchmark」でベンチマークを計測。
「AnTuTu Benchmark」を走らせると、高負荷になるためかスマホ本体の温度によってスコアが変動する傾向にある。
「Antutuベンチマーク」のテスト比較
「Xperia 1 VII(XQ-FS44)」Antutuベンチマーク(V10.4.9)
1回目:1948315 33.8~42.9℃
2回目:1818451(-6.7%)40~43.9℃
3回目:1778868(-2.2%)40.9~45℃
冷却ファンで本体を冷ましながら
スコア:2255922 34.9~37.7℃
3回連続で「Antutuベンチマーク(V10.4.9)」を3回連続で実施した結果がこちら。
1回目が約195万、2回目が約182万、3回目が約178万で、1回目と2回目と3回目では、スコアとして約6.7%⇒約2.2%減少しているとはいえ、どちらも3回目でも170万を超えるスコアとなった。
温度グラフを見ればわかるけれど、徐々に本体温度が上昇していき、スコアも本体温度と反比例して減少していることがわかる。
一般的にスマホで連続してベンチマークテストをすると回数を重ねるごとにスコアが低下するけれど、「Xperia 1 VII」は回数を重ねても比較的高いスコアとなっている。
もちろん、中国メーカーの高スコアを維持する端末と比べると低く見えるかもしれないけれど、「Xperia 1 VII」で実際にゲームをプレイするときに重要となる繰り返しベンチマークを計測したさいのCPU・GPUスコアの減少が最小限に収まっていることのほうが評価できる。
また外部冷却として本体にペルチェ素子の冷却デバイスを当てながらベンチマークを実行すると、約226万というスコアとなった。
「Xperia 1 VI(XQ-EC44)」Antutuベンチマーク(V10.2.5)
1回目:1548140 32~40℃
2回目:1398516(-9.6%)40~41℃
3回目:1349481(-3.5%)41~42℃
冷却ファンで本体を冷ましながら
スコア:1658195 35~34.9℃
Xperia 1 VIのときに3回連続で「Antutuベンチマーク(V10.2.5)」を3回連続で実施した結果がこれ。
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外部冷却をしながらベンチマークを行なったXperia 1 VIよりも、「Xperia 1 VII」がベンチマークを3回実施したときの総合スコアの方が高いという予想外な結果となった。
「Xperia 1 VII」のCPU・GPUについては、高温時でも高いスコアを維持しているため、高負荷なゲームをプレイしていてもXperia 1 VI以上に高いパフォーマンスを維持してくれるだろう。
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Xperia 1 V(XQ-DQ44)
Antutuベンチマーク(V10.0.1-OB1)
1回目:1324153
2回目:1075779(-18.8%)
参考のために、Xperia 1 Vのときのベンチマーク結果も掲載。
Xperia 1 Vの「Snapdragon® 8 Gen 2 Mobile Platform」でも十分性能が高いと感じていたが、2世代SoCが変わるとここまで違うのかと実感できる違いがある。
SoC「Snapdragon® 8 Elite」の性能はもちろん、ベイパーチャンバーなどの熱対策が効果を発揮して、性能面で重要なCPU・GPUについて長い時間パフォーマンスを維持できている。
3DMark Benchmark
長時間ゲームプレイをした場合でのパフォーマンスの変化を知るため、ベンチマークテスト「3DMark」の最も負荷の高い「Wild Life Extreme」を20回連続でまわし続ける「Wild Life Extreme Stress Test」での負荷を試みた。
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「Xperia 1 VII(XQ-FS44)」スコア推移
6665、5896、5897、5007、4632、4364、4214、4215、4212、4215
4215、4216、4216、4217、4210、4216、4210、4214、4214、4133
平均:4569
「Xperia 1 VI(XQ-EC44)」スコア推移
4433、3489、3492、3414、3112、2800、2972、2584、2825、2430
2591、2500、2240、2614、2192、2280、2495、2056、2374、2285
平均:2758
「Xperia 1 V(XQ-DQ44)」スコア推移
3680、3685、3430、2998、2998、2634、2661、2459、2321、2056
1947、2120、1818、1689、1749、1936、1613、1555、1810、1443
平均:2330
Xperia 1 VIのときは、最低値(本体が熱くなり本来のパフォーマンスが出せない状態)でもスコア2000超えて平均値400でアップしている事は大きな進化だった。
ところが、「Xperia 1 VII」では、これまでのXperiaのスコアが霞むほどの結果となった。
最高6000超え、最低でも4000超えしていて、本体が熱くなりパフォーマンスが低下している状態でもXperia 1 VIの最高スコアとほぼ同等の性能を出すことが可能。
平均スコアは1800程度向上していて別次元と言っていい。
なにより本体が高温になった後のスコアの推移がこれまでのXperiaと違い安定している点も注目。
7回目のループ以降はほとんどスコアに変動がなく、高負荷時でも安定したパフォーマンスを維持できることを示している。
参考までに「Xperia 1 V」のスコアと比較してみても、「Snapdragon® 8 Elite」は本当に進化したと言える。
![]() Xperia 1 VII |
![]() Xperia 1 VI |
![]() Xperia 1 V |
スコア以外にも、20回計測中の「バッテリー消費」、「本体温度」、「フレームレート」の3項目の推移も見て取れる。
「Xperia 1 VII(XQ-FS44)」
バッテリー:75%から63%へ減少(約12%減少)
本体内温度:26℃~48℃
フレームレート:16FPS~48FPS
「Xperia 1 VI(XQ-EC44)」
バッテリー:82%から74%へ減少(約8%減少)
本体内温度:31℃~45℃
フレームレート:5FPS~33FPS
「Xperia 1 V(XQ-DQ44)」
バッテリー:93%から85%へ減少(約8%減少)
本体内温度:30℃~46℃
フレームレート:3 FPS~27FPS
最高フレームレートは「Xperia 1 VII」がダントツに高い。
長時間、高パフォーマンスを維持しているため、バッテリーの消費はXperia 1 VIと違い1.5倍程度増加している。
バッテリー消費が多いということは、それだけ処理を頑張っているということなので悪いことではない。
本体内温度については制限が緩和されたのか最大48℃まで上昇。
フレームレートについては、最低値が16FPS、最高値が48FPSとなっていて、Xperia 1 VI以前と比べて大幅に改善していることがわかる。
「Xperia 1 VII」と「Xperia 1 VI」「Xperia 1 V」内部ストレージの違い。
次にストレージでも「Xperia 1 VII」、と「Xperia 1 VI」、「Xperia 1 V」でアクセススピードの違いがあるのか?
アプリ「CPDT Benchmark」でストレージのアクセススピードを計測してみた。
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Xperia 1 VII | Xperia 1 VI | Xperia 1 V | |
シーケンシャル書込 シーケンシャル読込 ランダム書込 ランダム読込 |
1.37 GB/s 3.11 GB/s 119.3 MB/s 46.6 MB/s |
0.99 GB/s 1.98 GB/s 74.1 MB/s 38.3 MB/s |
891 MB/s 1.56 GB/s 38.9 MB/s 28.4 MB/s |
このベンチマーク結果をみると、「Xperia 1 VII」が非常に高速だとわかる。
次いで高速なのは「Xperia 1 VI」。
とはいえ、「Xperia 1 VII」と比べるとかなり遅く見えると感じてしまう。
「Xperia 1 V」については、発売初期に測定していたベンチマーク結果よりも改善していた。もしかすると、バージョンアップしたAndroid OSの影響があったのかもしれない。
このベンチマーク結果としては、「Xperia 1 VII」が異常に高速に見えてしまうため、他のベンチマークアプリでも比較をしてみた。
アプリ「AnTuTu Benchmark」内のストレージテストで再度テスト。
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Xperia 1 VII | Xperia 1 VI | Xperia 1 V | |
シーケンシャル読込 シーケンシャル書込 ランダム読込 ランダム書込 AI読み込み 合計スコア |
4019 MB/s (39972) 3333 MB/s (38246) 984 MB/s (84851) 904 MB/s 432 MB/s (17280) 180349 |
3348 MB/s (33295) 2605 MB/s (29888) 792 MB/s (40509) 256 MB/s 456 MB/s (18240) 121932 |
1953 MB/s (19425) 1867 MB/s (21420) 744 MB/s (50529) 424 MB/s 256 MB/s (10240) 101614 |
「AnTuTu Benchmark」のストレージテストの結果を見ても、「CPDT Benchmark」の結果と同じ傾向となっていて「Xperia 1 VII」のストレージ性能は高いことがわかる。
こちらのテストでは、ストレージの規格も推測した情報が掲載。
Xperia 1 VがUFS 3.x、Xperia 1 VIがUFS 4.xと評価しているけれど、一方で「Xperia 1 VII」はなぜか規格の情報が出てこなかった。
ここまで変わる要因についてはよくわからないけれど、Qualcomm社製「Snapdragon® 8 Elite Mobile Platform」を搭載しているためストレージに及ぼしているとも考えられる。
実際の体感でそのスピードの差を感じる事はほぼないとはいえ、例えば巨大なデータのゲームのロードする時間や、PCと接続して大きなデータの受け渡しをする場合などのレスポンスに少なからず影響はあるかもしれない。
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Xperia 1 VII(microSDカード) | |||
シーケンシャル書込 シーケンシャル読込 ランダム書込 ランダム読込 |
31.12 MB/s 44.83 MB/s 2.10 MB/s 9.51 MB/s |
ストレージの性能テストの一環で、microSDカードのベンチマークも試してみた。
結果を見ると、大きな書き込み読み込み速度の改善は行なわれていない模様。
とはいえ、2TBまでのmicroSDカードに対応しているため、データ保管用としては必要最低限な速度は確保されている。
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●Xperiaシリーズ過去最高のパフォーマンス。高負荷時も高い性能を発揮する「Xperia 1 VII」
「Xperia 1 VII(XQ-FS44)」のベンチマークテストを実施してみたところ、今までのどのXperiaシリーズよりも高いパフォーマンスなのはもちろん、高温時でも過去モデルよりも高いパフォーマンスを維持することがわかった。
昨年も「Xperia 1 VI」で相当進化したと思っていた性能が、「Xperia 1 VII」では遥かに上回るポテンシャルを持っている。
もう今となってはゲームをより安定してプレイできる「ゲーミングギアXperia Stream」を活用することはできないけれど、サードパーティ製のコントローラーの中にはペルチェ素子を搭載した冷却しつつゲーミングコントローラーとしても利用できるものもある。
長時間高負荷なゲームを安定してプレイするのであればぜひ利用してみたい。
とは言え本体のみでパフォーマンスを維持してくれるというのが理想であって、そういう意味ではこれまでのXperiaを遥かに凌駕するスペックとなったと言える。
Xperia 1 VIよりもバッテリーの持ちが悪くなったという情報がチラホラ出ていたけれど、高いパフォーマンスを維持するのであれば当然の結果だといえる。
単純にベンチマークだけを他社スマホと比較するとスコアは低いため、本来の「Snapdragon® 8 Elite」のパフォーマンスを全て出し切ってないのでは?という話は間違っていないかもしれない。
ただこのパフォーマンスの持続性をみていると、あえて上限を制御する設定が内部で施されている可能性もある。
今回は、あえて「ゲームエンハンサー」の設定は一切触れていないため、実使用時としてはまだ改善する余地もある。
これだけのパフォーマンスを長く維持できるポテンシャルがあるという事は、カメラを使った動画撮影などでも長時間撮影やライブ配信なども問題なく使えるという事にもつながるはず。
まだ知りたいことはたくさんあるので、随時検証を進めていく予定。
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●Xperia新製品、アクセサリー
Xperia 1 VII(XQ-FS44)
ソニーストア販売価格:
12GB/256GBモデル:204,600円(税込)
12GB/512GBモデル:218,900円(税込)
16GB/512GBモデル:234,300円(税込)
カラー:スレートブラック、モスグリーン、オーキッドパープル
スペック:Snapdragon 8 Elite、メモリ12GB~16GB、ストレージ256GB~512GB、デュアルSIM対応
Style Cover with Stand for Xperia 1 VII「XQZ-CBFS」
ソニーストア販売価格:5,500円(税込)
※リングストラップ付属
・Style Cover with Stand for Xperia 1 VII「XQZ-CBFS」製品ページ
ソニーストアで、 Xperia 1 VII を購入する準備をしよう。キャッシュバック、ラッキー抽選会お買い物券、ケアプランなど。
Xperia 1 VI(XQ-EC44)
ソニーストア販売価格:
12GB/256GBモデル:189,200円(税込)⇒179,300円(税込)(-9,900円)
12GB/512GBモデル:204,600円(税込)⇒ 189,200円(税込)(-15,400円)
16GB/512GBモデル:218,900円(税込)
カラー:ブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン、スカーレット
スペック:Snapdragon 8 Gen 3、メモリ12GB~16GB、ストレージ256GB~512GB、デュアルSIM対応
16GBモデルはブラック、カーキグリーンのみ
・ソニー フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VI 」のことがわかる記事まとめ。実機レビュー、モデル比較、検証や設定チップスなど。
Xperia 1 V(XQ-DQ44)
ソニーストア販売価格:159,500円(税込)⇒144,100円(税込)
カラー:ブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン
36回まで分割払手数料が【0円】
月々の支払い 4,000円(税込)
1回目のみ 4,100円(税込)
スペック:Snapdragon 8 Gen 2、メモリ16GB、ストレージ512GB、デュアルSIM対応
SIMフリーモデル「Xperia 1 V(XQ-DQ44)」レビュー
・(その1)所有欲を満たすボディデザイン、シンプルな中身、メモリ16GB・ストレージ512GB 大容量というSIMフリーモデルの魅力。
・(その2)ベンチマークテストとゲームの挙動を比較。「Xperia 1 V」は前モデルを圧倒!、Xperia Streamを利用すれば高負荷なゲームも長時間安定してプレイ可能。
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