ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM6」レビュー(後編)心地良いノイズキャンセリングといつでも良い音が聴ける事を当たり前にした改良点が多すぎる。

・ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM6」レビュー(前編)
装着性や長時間に耐えられる実使用を優先したシンプルなノイズレスデザイン。
の続き。
これが6世代のソニーの完全ワイヤレスのフラッグシップモデル「WF-1000XM6」。
一見すると「WF-1000XM4」にあったマイクユニットの形状を活かした独創的なデザインではなく、とてもシンプル。
ブラックボディに映えるゴールドも幾分か落ち着いたカラーになっている。
初見ではついこの見た目にひっぱられて普通すぎると落胆してしまうかもしれない。
けれど、実際に使ってみてののびしろは相当大きい。
・第6感、揺さぶる~サウンドエンジニアとの共創~ | ヘッドホン | ソニー
---------------------
目次
●装着性の良さと心地よいノイズキャンセリングを両立する技術の進化。
まず、「WF-1000XM6」の心臓部となるのが、「統合プロセッサーV2」と「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3e」。
音質調整を司る「統合プロセッサーV2」は、前モデルと一変わらないのかと思いきや、24ビットから32ビットの音声処理に対応したことで、より繊細で豊かな音表現ができるようになった。
「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3e」は、「WF-1000XM6」専用に開発された最新のもので、前モデルのQN2eと比較すると3倍高速な処理が可能になって、音の解像度をさらに大きく高めている。
![]() |
![]() |
「WF-1000XM6」のドライバーの大きさは8.4mm。
前モデルとドライバーは一緒なのかと。ヘッドホン本体の重さが増えてるのに進化してないなと思うかもしれない。
確かにドライバーサイズは変わっていなけれどドライバーユニットには、エッジに細かな切り込み(ノッチ)を入れることで、共振を分散して制御して伸びのある高域と力強い低域を両立することができるようになっている。
また、オーバヘッドの「WH-1000XM6」と同様に、著名なマスタリングエンジニアとともに開発段階から意見交換を行なったうえでチューニングが施されている。
グラミー賞受賞/ノミネート歴のある4人のサウンドエンジニアのそうそうたるメンバー。
ソニー内にとどまらず広く世界的に活躍するサウンドエンジニアの知見を得ることで、楽曲の表現や魅力を引き出す音質へと昇華している。
物理的にあきらかに変わったとわかるのが、外側にあるマイクが2つに増えたこと。(「WF-1000XM5/M4」は1個)
「WF-1000XM6」は、フィードバックマイクx2個とフィードフォワードx2個の合計4個のセンサー(マイク)をイヤホン筐体の外側と内側に備えている。
マイクの数が増えたことで、ノイズキャンセリングのために必要な情報がたくさん集められるかわりに、そのぶん処理する能力も必要になる。
その集音したデータを「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN3e」でリアルタイムに処理して、今までにないレベルのノイズキャンセリング性能を発揮できる。
「WF-1000XM6」のノイズキャンセリングの性能を試してみた。
もともとソニーのノイズキャンセリングは、過度なノイズキャンセルというよりもどちらかというと自然なノイズキャンセリング傾向にある。
ノイキャン特有の頭が痛くなるような圧迫感はなく、自然とノイズが消失するところがアドバンテージだと思っているけれど、前モデルよりもさらに静けさの深度が深まっているという感じ。
室内の空調や生活音はほぼ消えてなくなるし、外に出ても車の騒音も消えて雑踏と呼ばれるものはかなり排除できる。
わずかにロードノイズが聞こえるもんなんだなーと思ってイヤホンを外すと、びっくりするほど喧騒で煩い世界だと認識する。
人の声についても今までは近くでしゃべる声ははっきりと聞こえていたけれど、ここはかなり改良されている。
まず、周囲の騒音を防ぐ基本として、「ノイズアイソレーションイヤーピース」の密閉率の高さによる外的なノイズを防ぐという恩恵がある。
ここは、「WF-1000XM5」と同じもの。
そしてイヤホンを耳の中に入れた状態で、音の侵入をなくすかというのもノイズキャンセリングとしては重要な要素。
「WF-1000XM6」は、イヤホンの形状として掴みやすく表面もマットな手触りなので滑ることなく、しかも位置ぎめに手間なくかんたんに着けられる。
装着している状態の収まりが良くて、「WF-1000XM4」のように本体が耳の外に大きくはみ出るここともない。
「WF-1000XM5」と比べてもイヤホンの厚みが11%ほどスリムになったことで耳内の突起した部分との干渉も減っているし、内側の形状もちゃんと考えられていてより耳にフィットして落ちにくい安心感もある。
![]() |
![]() |
| 「WF-1000XM5」 | 「WF-1000XM4」 |
耳にフィットする快適さは、今までのような耳にイヤホンが詰まってるという感覚も少し緩和されている。
耳疲れしてしまうのはイヤホンの宿命ではあるけれど、ここが多少なりとも解消されるだけでより長い時間でも苦痛が減っているのは嬉しい。
音を防ぐ事を最優先に考ええれば、ギュウギュウに塞ぐほうが有利なはずなのに、こうした余力を持たせているのにノイズキャンセリングの性能が上がっているのはなぜか?
これはまさに「WF-1000XM6」の技術の進歩というべきで、集音マイクが増えて外部の騒音を打ち消す処理性能が上がった事に加えて、耳の形や装着した微妙なズレも分析してノイズキャンセリング性能を最大限に発揮してくれる恩恵が大きい。
もうひとつ面白いチップスが、イヤホン本体にあるメッシュ状に見える穴。
何の効果があるかというと、イヤホンでありがちなモグモグと口を動かした咀嚼音が頭の中で反響して不快極まりないのだけれど、この通気性のある構造にしてイヤホン本体から耳への通気量が増えたことで、この不快な音が随分と減っている。
イヤホンの一番苦手だと感じていたところだけに、こんなところが改良されてるとは。
---------------------
●ヘッドホンの快適さをアシストするアプリとの連携。

スマホ用アプリ「Sony | Sound Connect」(以下ヘッドホンコネクト)と連携すると、「WF-1000XM6」の性能がより可視化される。
そして痒いところに手が届くほどに細かく自分の好みに設定できる。
![]() |
![]() |
![]() |
「WF-1000XM6」の最大の特長はノイズキャンセリングの精度の高さ。
装着者の耳形状や、外部の騒音や装着状況をリアルタイムで分析して、常に最適なノイズキャンセリングを発揮してくれる。(アダプティブNCオプティマイザー)
その上で、外部の音も取り込みたいという場合も、その取り込み量を自分好みに調整しつつ自動で調整してくれる。
また、片側装着時に「ノイズキャンセリング」の使用のオンオフも追加されている。
![]() |
![]() |
![]() |
「WF-1000XM6」は、リスニングモードとして通常使用の「スタンダード」と、BGMのように遠くから聞こえる「BGM」モードの切り替えもできる。
BGMモードの種類として、「マイルーム」、「リビング」、「カフェ」から音の広がり感の好みで聴こえ方を選択できる。
![]() |
![]() |
「WF-1000XM6」の本体に指でタッチするとスマホいらずで機能を発動できる。
例えば、左側のボディにワンタップすると、「ノイズキャンセリング/外音取り込み」の切り替え、押しつづけると一時的に聴いている音楽の音量が小さくなって周囲の音をひろってヘッドホン内に流れてくる。(クイックアテンションモード)。
右側のボディにタップすると「再生/一時停止」、ダブルタップで「次の曲」、トリプルタップで「前の曲」、長押しで「音声アシスト機能を起動」。
![]() |
![]() |
![]() |
これらの機能もアプリでカスタマイズできる。
音量コントロールについては、設定に関係なく、左側のボディを連続でタップしつづけると音量が下がり、右側のボディを連続でタッチし続けると音量が上がる。
「カスタム」を選べば、あらゆる操作方法を割り当てることができる。
「タップ」、「ダブルタップ」、「トリプルタップ」、「押し続ける」に好みで機能を設定できるので、自由度はかなり高い。
![]() |
![]() |
![]() |
音声コントロールでは、「ハローヘッドホン」の後に音声コマンドでイヤホンの操作ができて、手が離せないシーンでで重宝する。
音声アシスタント機能に切り替えると「Googleアシスタント」や音声・映像対話型AI「Gemini Live」にも対応する。※ iOS版は非対応
音楽を聴く際の操作や、ニュースの確認、スケジュールの管理、調べものなどを音声で操作できて、AIと自然な会話を通じてより高度な質問ができる「Gemini Live」にも対応している。
「Amazon Music Play Now」、「Endel」、「Spotify Tap」、「YouTube Music」は、タップで即起動といった使い方もできる(Quick Access)。
「スピーク・トゥ・チャット」は、自分が話を始めると自動的に音楽を停止して、外の音を取り込んで会話しやすくしてくれる機能。
声の振動を加速度センサーが検知して、自分の声なのか周囲の音なのかも判断してくれるのでかなり正確。
ヘッドセットをつけたままでも、手が離せないときに便利に話せて、話し終わると音楽の再生が自動的に再開される。
ヘッドセットを外すと音楽が自動的に一時停止、元に戻すと音楽が自動的に再開する。(アプリでオンオフ可)
片側を外したまま約5分経過すると自動で外した方のイヤホンの電源がOFFにもなって、うっかりバッテリーの浪費を防げる。
![]() |
![]() |
また、過去にあった教訓を元に、長く安心して使えるようにバッテリーに対しての新しい機能も増えている。
「いたわり充電」は、バッテリーを満充電する前に充電を停止し、バッテリーの寿命を延ばすことができる機能。
「オートパワーセーブ」は、バッテリー残量が20%以下になったときに、消費電力を抑えるように設定を自動でオフにしてより長く使用できる。
---------------------
●通話クオリティが劇的に改善。アンテナも前モデル比1.5倍に大型化。
好みの曲をいくつか聴いてみると、ノイズキャンセリングの性能も手伝ってか静寂の中で、ボーカルやその周囲を彩る楽器の音色に包まれる感はやはり心地良い。
繊細な高域については自分聞こえる範囲で余韻まで伝わってきて、迫りくる低音もイヤホンでこれだけの迫力を感じられるのかと。
無理にハイレゾ音源をオフラインで聴くだけが音楽ではなくて、当たり前にサブスクでお気に入りの曲を聴いているとおのずとテンションが上がってくる。
やはりオープンイヤーでは味わえないメリハリのある音を堪能できるイヤホンや絶対に一つは持っておきたいと強く思う。
オーバーヘッドでは持ち出せない、完全ワイヤレスだからこその身に着けて聴ける自由度があって、満足度はかなり高い。
※細かなニュアンスを言葉で紡ぎ出せないのは申し訳ないところで、これについてはひ実機で視聴して欲しい。
これもヘッドホンの外側に配置した片側2つのマイク(センサー)で、口元に指向性を持たせるビームフォーミングマイクがあることで、収音精度が大幅に向上したおかげ。
発した声を骨振動で収集する骨伝導センサーと、片側2つのマイクと骨伝導センサーで収音した声をAIノイズリダクションにより声とそれ以外のノイズを精度高く分離して声だけを抽出してくれる。
WF-1000Xシリーズも世代が変わるごとに会話音声の質は上がっていたけれど、「WF-1000XM6」では自然な声の伝わり方がまるで違う。
スマホにかかってきた電話を、ヘッドホンをつけたまま会話しても違和感なく会話ができる。
周囲がザワザワしていても、こちらの声は相手にちゃんと届いてハンズフリーの次元が格段に上がっていて、実用レベルで使えるなと思える。
![]() |
![]() |
そして「WF-1000XM6」は、アンテナサイズが前モデルから約1.5倍大型化。
「統合プロセッサーV2」と組み合わせて、高い出力の電波で途切れにくく安定して接続を保てるようになっている。
図解をみるとこれだけ大きなアンテナを収めるにも、この形状だからこそ出来たのだと思える。
地方ではでは途切れる心配なんてした事がないけれど、都内に出張したときは圧倒的電波干渉の嵐でそこで耐えうるくらいまでになっていれば嬉しい事はない。
こればかりはまだ試せていないので、改めて試してみたい。
Bluetoothの対応コーデックは、SBC、AAC、 高音質コーデックLDAC、さらに超低遅延な次世代BluetoothオーディオコーデックLC3(LE Audio)に対応。
動画を再生した場合、どのコーデックでもアプリ側の補正もあって特に遅延を感じることなく快適に視聴できる。
ただし、シビアなタイミングを必要とするゲームでは、SBC や LDAC で接続していると一瞬のズレが致命的ミスになりやすい。
そうした時にはLE Audio(LC3)を活用すると良い。

LE Audio(LC3)で接続すれば、低遅延の恩恵でゲームプレイも間違いなく快適になる。
厳密な低遅延のテストは「WF-1000XM5」などで実験済み。
ただし注意点として、[低遅延]を選ぶと以下のような一部の機能が使えなくなる。
<LE Audio中は使えない機能>
・LDACでの音楽再生
・立体音響とヘッドトラッキング
・音声アシスタント
・Quick Accessの機能
・Sound ARの機能
・Scene-based Listeningの一部機能
・BGMエフェクト
[低遅延]にするとリッチな体験が可能な機能が使用できなくなるといった制約があるのは、未だにAndroidで標準的な対応ができていないためなので致し方ないところでもある。
マルチポイント接続は、スマホとPC(Windows)といった複数の機器のつなぐと便利。
例えば、スマホで音楽や動画を視聴していて、PCでオンライン会議したいと思った場合、切り替えるアクションなく自動的に切り替わる。
接続は従来規格(Classic Audio)と次世代規格(LE Audio)のクロス接続にも対応しているため、スマートフォンではLE Audio、WindowsではSBCまたはAAC接続ということもできる。

オマケ的に、防滴性能IPX4に対応しているので、雨も夏に汗をかいても大丈夫。
使う時に極度に気を使わなくていいというのはとても気が楽。
---------------------
●結論としてこれが欲しい!ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM6」
まだ過渡期であった初代や「WF-1000XM3」の頃と違って、「WF-1000XM4」となり「WF-1000XM5」と進化していくうえでほぼ満足できるところまで来ている。
そこに「WF-1000XM6」は、どう進化させてくるのか?
一瞬スペックを見ただけだと、重くなってるのにバッテリーの持ちは変わってないし、前のデザインのほうが良かったのでは?しかも高くなってるし、というネガティブな要素が思い浮かぶ。
でもこれは新モデルが出た時によくある気持ちの現象で、やっぱり実際に使ってみると、あぁこれはやられたなと、ソニーの開発者の手のひらで踊っているにすぎない事を思い知る。
デザインについてはなんだかありきたりだなと思っていても使うと、これいいじゃないかという感情が押し寄せてくる。
ケースからイヤホンを取り出すとき、しっかり掴めて落としそうになる心配はないし、耳に装着するとき迷うことなくポジションを確立できる。
耳に入っている状態も痛くなりにくくて、長く着けていても苦痛度が少ない。
そのうえでノイズキャンセリング性能は格段に良くなっていて、聴いていて楽しいクオリティの音質で楽しめる。
スマートフォンに限らず、ブラビアにつないでアニメや映画を観るときも、オーバヘッドタイプだと寝っ転がるとぶつかってしまってくつろぎきれないときもイヤホンならゴロゴロどんな体制でも視聴できる。
まだまだ課題だと思っていた通話のクオリティもかなり良くなっていて、PCとつないでビデオチャットでもまともに使える。
しかも、お菓子を食べていてもモグモグ音(咀嚼音)に悩まされることもない。
目立たないところも改良点は多い。
本体のタッチ操作もアプリからカスタム仕放題で、ほぼ自分好みの操作が設定できるようにもなっている。
よく不安視されるバッテリーの劣化についても「いたわり充電」もできるようになって末永く愛用できる。
通信が途切れにくくなったアンテナは地味に大切な進化だし、ただ高性能というだけじゃなくてより快適に安心して使えるよという設計思想が見えてくる。
使って初めてわかる事が多いだけに、見た目や価格に躊躇しているならぜひ実機を体験することを超お勧めする。
ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM5」を使ってみたレビュー!(前編)フラッグシップなのにコンパクトかつ軽量化して、長時間使えるフィット感が最高。
---------------------
●1000Xシリーズヘッドホンラインナップ
・完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM6」ソニーストア直接購入リンク

ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WH-1000XM6」
ソニーストア販売価格:59,400円(税込)
カラーバリエーション:ブラック、プラチナシルバー、ミッドナイトブルー、サンドピンク
●長期保証<3年ベーシック>付
・ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WH-1000XM6」ソニーストア直接購入リンク
ソニーストアで購入
ソニーストア (web)でご購入のさいに、以下バナーを経由してお買い上げいただくことで、当店の実績となります。
ソニーストア 直営店舗でご購入の場合

※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入のさいに、
スタイリストさんにショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。













































