安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(外観編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(開梱編)
の続き。
ようやく本体。
まず、自分の大本命は、「VAIO Prototype Tablet PC」として途上した時から心奪われた「VAIO Z canvas」だと思っていて、MONSTER PC 「VAIO Z」がVAIO Fit Aシリーズと同じフリップ機構として出てきたために、デザイン上では目新しさを感じなかった事もあって、それは揺らぎなかった。
ただ、「VAIO meeting 2015」に参加して、開発者の皆さんの話を吸収してくと、 「VAIO Z」の大前提がクラムシェルとしてどれだけ本気で使えるかにあるかという事を知る。
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●パッと見ただけでは、まだその凄さがわからない「VAIO Z」。
まず「VAIO Z」のサイズ。
【VAIO Z(VJZ13A1)】
外形寸法 : 幅324.2 mm x 高さ15.0-16.8 mm x 奥行215.3 mm
質量 : 約1.34kg
【VAIO Pro 13(タッチパネル搭載モデル)】
外形寸法 : 約 幅322 mm x 高さ12.8 mm (最厚部17.2 mm) x 奥行216 mm
質量 : 約1.08kg
クラムシェル型に特化する「VAIO Pro 13」と比べると、フットプリント(タテヨコの面積)はほぼ誤差の範囲で同じで、厚みに関しては、後方から前方にかけての傾斜が「VAIO Pro 13」よりも 「VAIO Z」が緩やかになったという感覚で、ほぼ同じサイズ。
ただし、全体を「UDカーボン」で覆って軽量化に務めた「VAIO Pro 13」とは違って、 「VAIO Z」は数値から見ると、260gほど重い。
今までのVAIOの道筋からすると、”極限の薄さ”とか”さらなる軽量化”を突き詰めていたはずなのに、どうして逆行して重くなってるのか?
もう唯一のネックというか、荷物として持っていくにしても軽いほうがいいに決まってるし、そうすると、クラムシェル型の「VAIO Pro 13」や、さらにコンパクトな「VAIO Pro 11」の圧倒的な軽さは、日常使ううえでも、感じる苦痛は少ない。
というう選択肢がありつつ、 「VAIO Z」はベビーでパワフルなマシンをライトに向けているポジションだという事。
とは言いながら、約1.34kgは重いわけではないし、実際に持ってみても苦痛はない。
よくよく思い返して、11.6型ワイドの「VAIO Tシリーズ11」が約1420gだった事と思うと、どれだけ進化したかがわかる。
「VAIO Z」のカラーバリエーションは、シルバーとブラック。
web画像ではわかりにくいのだけれど、外観から見てとれる質感は非常に高く、所有欲をしっかりと満たしてくれる作り込みがされている。
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●薄さ軽さだけじゃなく、堅牢性とパフォーマンスを支える道具としての質感。
「VAIO Z」のボディは、薄さ、軽さ、堅牢性、パフォーマンス、そして道具としての質感、これらを全て成り立たせるために、アルミニウムとカーボンの組み合わせで作られてる。
先にも書いたけれど、VAIO=カーボンというイメージが強いのだけれど、今回は、カーボンだけでなく、アルミニウムも非常に重要なマテリアル。
例えば、左画像のVAIO Fit 13Aのキーボード面を見ると、キーボード周辺とパームレスト部分がアルミニウム。アイソレーションキーボードを採用しつつ、キーボード部分はベースは樹脂素材。
一方で、右側が 「VAIO Z」のキーボード面。なんとパームレストは周辺のみならず、キーボードの部分にまでアルミ化して一体化。ここだけでも相当な剛性感がある。
天板も同じくアルミニウムが採用されているのは、VAIO Fit 13Aと 「VAIO Z」は共通。ここも一見変わってないように見えて、なんと厚みは薄くなっているにもかかわらず相当に剛性をあげていて、実際に天板の一部を手にして折り曲げるように力を加えてみたところ、VAIO Fit 13Aで使われいるアルミ天板はある程度曲がるのに、 「VAIO Z」で使われるアルミ天板はびくともしないほど硬い。
ブラスト加工されたアルミニウムは、剛性感に加えて、マットで手触りのいいサラサラとした触感で、質感も良くて、パームレストに長く手のひらが触れつづけて経年変化で色剥がれというものも極端に起きにくい。
ボトム素材も、VAIO Fit 13Aでは樹脂素材が使われていたものが、 「VAIO Z」では東レ㈱と共同開発した「UDカーボン」を採用したことで、ここのパーツだけでも約127g程度あったものが83gと大幅に軽量化しながら、剛性は1.5倍にも上がっている。
ボトムのカーボンの繊維方向とキーボード面のアルミ裏面の補強リブも全てを最適化して、相乗効果も加わって大幅な堅牢ボディになっている。
実際、パームレストの端っこのカドだけを持ってナナメに持ち上げたときも本当にたわみが感じられないガッチリとした強度が凄い。
ヤワなノートPCでカドだけもって負荷をかけると歪んでる感触が手に伝わってきて、壊れるんじゃないかという不安を煽られるだけに、この安心感は大きい。
「VAIO meeting 2015」のデモンストレーションでは、恐ろしい事に、鉄棒から 「VAIO Z」をぶら下げて、しかも鉄アレイをさらにぶら下げて長時間耐えられるか?的な拷問みたいな実験も繰り広げられていた。
ディスプレイ部と本体部がヒンジのところから引き千切れる事もなく、本体が歪む事もなく、17時間を経過していたのを見せられると、 「VAIO Z」スゲーというよりは、かわいそうというか、開発者の人がヘンタイにしか思えなくなってしまった…。
いや、大真面目にやってることは百も承知だけれども。
ディスプレイをパタンと閉じて持ち運ぶ時にも、調整されたトルクヒンジと、ガラス面とアルミ面が空気の隙間なく合わる時の逃げる空気がクッションになって、柔らかく閉まる心地よさも、全て緻密な設計の賜物。
パームレストには磁石を仕込んでいる事もあって、最後の閉じる瞬間の引き込まれる感覚はもちろん、閉じた状態で持ち運ぶときも、ディスプレイとパームレスト部分が不意に開いてしまう事もなく、一枚の板として持ち運べるそうした作り込みからクオリティを感じられる
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●キータイピングとタッチパッド操作、いかにストレスなく効率よく作業できるか。
「VAIO Z」のキーピッチ(キートップの真ん中とその隣のキートップの真ん中までの距離)は、約19mmと「VAIO Pro 13」と同じモバイルPCとしては広く扱いやすい幅を確保。
タイプしたときの沈み込み(キーストローク)は、約1.2mm。旧VAIO Z(Z21)が1.0mmで、VAIO Pro 13が1.4mmなのでちょうどその中間という感覚。
がしかし、それ以上に本体の剛性が非常に高い事もあってタイピング感覚はかなり良好。
沖電気工業㈱と共同開発したというキーボードは、静音性を突き詰めるために、キーキャップ裏のツメ部分と可動部金型の加工精度を高めて、極限までガタ付きを詰める事で、パシャパシャ鳴るあの耳障りな音を減らしている。
薄型のノートPCは、本体を薄くするためにキーストロークを削らざるをえないけれど、強く打鍵しても、キートップはグラつかないし、本体側がまるっきりたわむ事もなくて、ノートPCでここまでタイピングが心地良いのは本当に珍しい。
パームレスト部は、もう完全に別物といっていいほどに大幅に改善。
タッチパッドの部材を、1.0mmもある厚みの硬度の高いマイカ(雲母方岩)を採用している事もあって、明らかにタッチフィーリングが向上。
今までのタッチパッドの印象というと、クリックするとポインタがズレてしまったとか、ドラッグ・アンド・ドロップしたり、右クリックしようとしても、誤動作する事も多くて、いまひとつ使い勝手がよくなかったけれど、間違いなく使い物になる。
狭い場所でマウスが使えない場合でも、タッチパッドで思い通りに動かせるというのは、当たり前のようで当たり前じゃなかっただけにこれは嬉しい。
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パッと見ただけではわからないけれど、触れば触るほど 「VAIO Z」がどれだけ作り込みがされているかがわかってくる。
それから、クラムシェル型のノートPCとして、昔から変わらず重要なキータイピングとタッチパッドがどれだけ快適に使えることが重要なのか、これも使ってみてはじめてわかる。
いつもは一目惚れ!パターンなVAIOなのに、この付き合ってるとジワジワ良さがわかってきて惹かれていく感覚に名前を付けたい…。
ということで、次回「私、脱いでも凄いんです!」の(VAIO Zパフォーマンス編)に続く。
・見た目にダマされちゃいけない、MONSTER PCの名を持つ安曇野産「VAIO Z」の真実。
・ワタシ…、名前変わります…。「VAIO Prototype Tablet PC」から「VAIO Z canvas」へ。
・ものすっごい楽しかった「VAIO meeting 2015」のレポート。(新幹線の中で執筆中。)
・「VAIO meeting 2015」の帰りに、ソニーストア大阪に寄り道して、MONSTER PC 「VAIO Z」を触って来たよ(*´Д`)
・MONSTER PC 「VAIO Z」の展示実機、ブラックとシルバーが入荷!
・「My Sony Club」と「週アス(3/3号)」に、新VAIO Zの開発秘話たっぷり。
MONSTER PC “VAIO Z” (13.3型ワイド)
ソニーストア販売価格:189,800円(税別)~