安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(バッテリーライフ編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(開梱編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(外観編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(パフォーマンス編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(基本ベンチマークテスト編)
・安曇野VAIOの本気、MONSTER PC 「VAIO Z」をいじり倒したい。(3Dグラフィックス系ベンチマークテスト編)
の続き。
MONSTER PC 「VAIO Z」でベンチマークテストをしてるとパフォーマンスの高さは十分わかったのだけど、実際に仕事で使うとなった場合外に持ち出して使うとバッテリーの持ち具合はどうなんだろう?と。
確かにバッテリー駆動で使ってみると、えらく長持ちだなーというアバウトな感覚はあるものの、途中でどうしてもスリープを挟んでしまうので、正確な持ち時間がわからず、だったらちゃんと計測して調べてみよう。
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●ハイパフォーマンスで超高解像度でも安心して使えるバッテリーライフのために。
「VAIO Z」の質量は、1.34kg。これがまたわかりづらい重さというか、軽さを追求したモバイルノートからするとあまり魅力ポイントに映らない。
ちなみに、VAIO Pro 13は、タッチパネル搭載していても質量は、約1.08kg(タッチパネルなしだと940kg)。1kg切るとものすごく軽く感じる。当たり前か。
一つのポイントとしては、TDP 28WのCPUを載せているノートPCとしてはかなり軽量という事。
MacBookを例に出すと、TPD 28WのCPUを載せているMacbook Proは1.57kgで、薄く軽いとされる1.35kgのMacbook Airに採用しているCPUはTDP15Wなので、シンプルにMacbook Airのサイズで、Macbook Proの性能ともとれる。
1.34kgってどのくらいの感覚だろう?と雑誌を何冊か出して測ってみた。手持ち雑誌で試してみると、「電撃HOBBY」2冊分が約1,338g。「週刊アスキー」2冊と「ガンダムA」1冊で約1,318g。だいたいこれくらいの重さ。いや、これもわかりづらいというかちっとも伝わらないか…。
というか重さアピールにしかなってないような気も…。でも、中身をきちんと知れば納得もいく。
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この「VAIO Z」に載っているバッテリーは、58Wh。VAIO Fit 13Aの39Whと比較すると1.5倍にもなる大容量。
そもそも、”高密度実装技術”と”熱冷却設計技術”でせっかくできた内部構造やカーボンボディで軽量化したにもかかわらず、もっと薄型とかもっと軽量といった、見た目にもスペックシートを見てもわかりやすい方向へ持っていけばいいにもかかわらず、どうしてこんなバカデカイバッテリーを詰んだのか。
基本、ノートPCにしても他のガジェットにしても、バッテリーのデカさと重さの占める割合はものすごく大きくて、そこまでしても大容量バッテリーを載せた理由としては、いくらハイパフォーマンスでもモバイルPCとしてバッテリー駆動時間が短いと結局のところ使い勝手が悪くなってしまうから、ただその一点の理由のみ。
しかも、単純に大容量のバッテリーを載せただけではなくて、内部で動作しているデバイスのひとつひとつの省電力化、最も電力を消費してしまうWQHD(2560×1440)ディスプレイにしても新しい超集光バックライトを採用する事によって、画質を保ったまま大きく電力を下げている、という細かい努力が積み重なってさらなるロングバッテリーにも貢献しているという。
一般的に、バッテリーは、樹脂ケースに覆われているけれど、それすらも省いてしまって、そのまま本体に一体化させることで、この大容量バッテリーをギリギリまで詰め込んで入り込めた結果がの大容量。
ちなみに、「VAIO Duo 11」に搭載されていた47Whのバッテリーと比較しても、厚さで0.75mm薄く、重さは25g軽量化しているし、「VAIO Duo 13」に搭載されている52.9Whのバッテリーと比べても、厚さで-0.4mm薄く、重さで-28gも軽くなっている。大容量化してもちゃんとダイエットもしているというのが凄い。
本体内でのバッテリー駆動が本当に長持ちするのであれば、結局、外付けバッテリーやACアダプターを持っていく必要がなくなるから、結果として必要な質量は少なくできているとも言える。
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●バッテリーの持ち時間を実際に測定してみよう。
TDP 28WのCPUのパフォーマンスを持って、しかもバッテリー消費が激しいと言われるWQHDのディスプレイを積んで、JEITA2.0測定条件で15時間というバッテリーライフがあると公式にかかれていて、より条件の厳しいJEITA2.0での持ち時間としてはかなり長い。
けれども、あくまでも公称値であって、よりも実際にどれくらいなのか知らなきゃ気がすまないので、バッテリーのベンチマークを測ってみる事にする。
VAIO Z以外にも、比較対象として先の基本ベンチマークテストと3Dグラフィックス系ベンチマークテストで使用したVAIO Pro 13、VAIO Fit 15Aも一緒に計測。前回使用したVAIO Z (Z21) は、バッテリー駆動するには外部GPUを取り外さなきゃいけない時点で今までのベンチマークテスト結果とリンクしなくなるので除外した。決して、バッテリーテストの超長いテストを1台でも減らしたかったという理由ではない。決して!本当に!
MONSTER PC “VAIO Z” 「VJZ13A1」
OS : Windows 8.1 Update 64ビット
CPU : Intel Core i7-5557U(3.1GHz) TDP 28W
メモリー : 8GB
ストレージ : 第2世代ハイスピードSSD (PCIe 20Gb/s) 約256GB
グラフィック : Iris Graphics 6100
ディスプレイ:13.3型ワイド(2560×1440)
バッテリー容量:58Wh
JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.2.0) 約15.2 – 15.5時間
JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.1.0) 約19.3 – 20.2時間
VAIO Pro 13「SVP1321A1J」
OS : Windows 8 64ビット
CPU : Core i7-4510U(2.0GHz) TDP 15W
メモリー : 8GB
ストレージ : 第1世代ハイスピードSSD (PCIe 20Gb/s) 約256GB
グラフィック : Intel HD Graphics 4400
ディスプレイ:13.3型ワイド(1920×1080)
バッテリー容量:38Wh
JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.2.0) 約9時間
JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.1.0) 約11時間
VAIO Fit 15A 「SVF15N1A1J」
OS : Windows 8 64ビット
CPU : Core i7-4500(1.80GHz) TDP 15W
メモリー : 8GB
ストレージ : SSD(Serial ATA 6 Gb/s) 約256GB
グラフィック : NVIDIA GeForce GT 735M(ビデオメモリー2GB)
ディスプレイ:15.5型ワイド(2880×1620)
バッテリー容量:49wh
JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.2.0) メーカー未測定
JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.1.0) 約5.5時間
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●バッテリーベンチマークソフト「BBench」である特定の条件で計測。
測定方法としては、あくまでも同じ条件で比較したいので、バッテリーの残量を追っていけるバッテリーベンチマークソフト「BBench 1.01」を利用。
「BBench 1.01」の設定
キーストローク出力 :10秒 (10秒に1回、「123456789」と自動にテキスト入力される。)
web周回 :60秒 (60秒に1回、自動にwebベージを開く)
各VAIOの設定
CPUとファンの動作モード : パフォーマンス優先
電源プラン : バランス
ディスプレイ輝度 :40%(自動調光はオフ)
Wi-Fi接続 :オン(同一アクセスポイント)
Bluetooth接続 :オン
バッテリー駆動時のディスプレイ消灯やスタンバイはすべて「なし」となっていて、バッテリーが切れるまで延々と動作し続けるテスト。同一の条件でテストを2度試してみて、バッテリー残量5%になるまでの時間を計測してみた。
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VAIO Z「VJZ13A1」
1回目:11時間16分
2回目:11時間38分
VAIO Pro 13「SVP1321A1J」
1回目:8時間19分
2回目:8時間43分
VAIO Fit 15A「SVF15N1A1J」
1回目:3時間48分
2回目:3時間30分
JEITA2.0測定条件の公称値までは届かないものの、VAIO Zは、安定して11時間を超える長時間のバッテリーライフとなった。というか結果がでるのに丸一日かかる苦痛っぷり。バッテリー充電もあるので、実際2回計測するだけでまる2日かかる苦痛っぷり。長持ちも考えものだよ(;◔ิд◔ิ)
VAIO Pro 13も8時間を超えているのでかなりのロングバッテリーと言える。VAIO Fit 15Aは大型ディスプレイという事もあってバッテリー容量が大きくてもさすがに消費が早く3時間半がいいところ。
特に今回のテストでは、VAIO Zは、クラムシェル(キーボードモード)で「パフォーマンス優先」のままでテストしたけれど、行う作業があまりにも軽いためファンが回ることもなく、タブレットモードでも試してみたところ、バッテリーの持ちには影響がでるほどではなかったので、今回の計測した数値はほぼブレの少ない値だったと思われる。
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だいたいの大枠がわかったらいいやと思って始めたバッテリーベンチマーク。
確かにディスプレイが常時点灯している状態で、Wi-FiもBluetoothもつながってる状態でこれだけのロングバッテリーは確かに凄いのだけど、もっと負荷が高くなってくるとどうなるんだろう?という好奇心が湧いてきてしまったので、さらに試してみる。(これらのテストだけで4~5日費やしてるのだけど…。)
という事で、バッテリーベンチマークのテストは続く。
・見た目にダマされちゃいけない、MONSTER PCの名を持つ安曇野産「VAIO Z」の真実。
・ワタシ…、名前変わります…。「VAIO Prototype Tablet PC」から「VAIO Z canvas」へ。
・ものすっごい楽しかった「VAIO meeting 2015」のレポート。(新幹線の中で執筆中。)
・「VAIO meeting 2015」の帰りに、ソニーストア大阪に寄り道して、MONSTER PC 「VAIO Z」を触って来たよ(*´Д`)
・MONSTER PC 「VAIO Z」の展示実機、ブラックとシルバーが入荷!
・「My Sony Club」と「週アス(3/3号)」に、新VAIO Zの開発秘話たっぷり。
MONSTER PC “VAIO Z” (13.3型ワイド)
ソニーストア販売価格:189,800円(税別)~