VAIO typeZにおもいっきり負荷をかけて発熱具合を調べてみる。
ベンチマークを計ってて思ったのが、
CPUとかグラボを全開にすると
どんなノートPCでも廃熱が結構大変だという事。
それはそれは3Dゲーム系のベンチマークなんかを
繰り返してたら、
廃熱ファンが必死になってブルンブルン回りだす。
そうすると
知りたくなるのが、アイドル時とフルパワー時との熱の持ち方。
特にtypeZに搭載する
特にCPUのTDPが35WのCore 2 Duo T9600 (2.80 GHz)と、
25WのCore 2 Duo P9500(2.53 GHz)との
2種類の発熱量の違いとか、
HDDとSSD RAIDのからの熱の伝わり方はどうなんだろうか?
とか気になったので
「VGN-Z70B」と「VGN-Z90S」の温度を比べてみる。
グラフィックの切り替えで
「NVIDIA GeForce 9300M GS」と「Intel GMA 4500MHD」との違いも含めて
SPEEDモード時には、
VAIOの電源プランを
最大限まで引き出す【高パフォーマンス】と、
一般的な設定の【バランス】の2つのパターンと、
STAMINAモードにして、
【省電力】になった状態とで、
アイドル状態での温度、3DMarkを30分以上繰り返した状態での温度を比較。
それにもう、めんどくさいついでなので、
typeS「VGN-SR90S」と、前typeS(SZシリーズ)「VGN-SZ94PS(改)」も
含めて参考値として一緒に計測する事にした。
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<CPUとグラフィックの温度>
まずはソフトウェアでの計測。
CPUの温度は「CoreTemp」、
グラフィックの温度は「GPU-Z」を利用。
1)
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
アイドル状態 3DMark動作時
高パフォーマンス: 58℃ 58℃ 68℃ 69℃
バランス : 56℃ 57℃ 64℃ 63℃
省電力 : 40℃ 40℃ 65℃ 66℃
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
アイドル状態 3DMark動作時
高パフォーマンス: 67℃ 80℃
バランス : 66℃ 72℃
2)
VAIO typeZ「VGN-Z70B」
CPU:Core 2 Duo P9500(2.53 GHz)
アイドル状態 3DMark動作時
高パフォーマンス: 45℃ 46℃ 51℃ 54℃
バランス : 43℃ 46℃ 50℃ 51℃
省電力 : 40℃ 43℃ 44℃ 46℃
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(128MB)
アイドル状態 3DMark動作時
高パフォーマンス: 66℃ 77℃
バランス : 65℃ 76℃
CPU:Core 2 Duo T9400 (2.53 GHz)
アイドル状態 3DMark動作時
高パフォーマンス: 41℃ 41℃ 58℃ 57℃
バランス : 38℃ 38℃ 55℃ 56℃
4)
VAIO typeS「VGN-SZ94PS」
CPU:Core 2 Duo T9300 (2.50GHz)
アイドル状態 3DMark動作時
37℃ 37℃ 53℃ 53℃
SPEED・・・NVIDIA GeForce 8400M GS(64MB)
アイドル状態 3DMark動作時
65℃ 75℃
CPUでは、
やはりT9600が突出して温度が高く、
特に高パフォーマンスにすると何をしていなくても
常時温度が高いのでファンも回りっぱなしの傾向がある。
STAMINAモード(省電力)にすると
アイドル時では、かなり制御されてCPU温度は低くなっているけど
3DMarkを動かすと温度はイッキに上昇する。
次に
P9500とT9400の2つを比べると
アイドル時では、
25WのP9500より35WのT9400のほうが温度が少し低くなってしまってるけど
おそらく計測上の誤差の範囲。
3DMark動作時のようにCPUに負荷がかかる場合では
P9500は温度上昇が抑えられている。
グラフィックの9300MGSは、
アイドル時はほぼ平均して66℃前後を保ち、
フルに動作するとそこから+10℃くらい上昇して
負荷がなくなると数分で温度は元にもどっていた。
また、
typeZと旧typeSのチップセット内蔵グラフィックと
typeSのATI Mobility Radeon HD3470は
GPU-Zでは計測不可能だった。
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<実際にVAIOノートの温度を測ってみる。>
今度は、実際にVAIOノート自体の本体が何度くらいになっているか?
を手作業でいろんな箇所の温度を直接測ってみる。
測定した箇所は
それぞれ上記に記した部分で、
主に、ストレージ近くのパームレストと底面、
廃熱ファンや、その周囲にあるキーボードや底面、
メモリーの収まった部分など
気になるところを11箇所。
温度を測る機械はOPTEXの「PT-7LD」。
非接触型の温度計で、
対象物に直接触れずに温度を測れる。
とか言いながら
同じ場所を計測しても温度の上下があって
非常に固定化しにくかったので、
何度か計測したおおよその数値としてるので
あくまでも参考程度という事で。
VAIO typeZ「VGN-Z90S」
CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 1066/2GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
SPEED(高パフォーマンス)| SPEED(標準) | STAMINA(省電力)
アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
1) 32.1 32.0 | 32.6 31.7 | 30.6 31.4
2) 29.3 28.6 | 29.3 28.5 | 29.2 29.4
3) 44.6 53.6 | 42.3 53.2 | 36.8 43.8
4) 29.0 28.5 | 29.9 28.1 | 29.1 29.2
5) 46.3 57.0 | 46.7 57.8 | 40.3 54.9
6) 31.8 31.0 | 30.7 31.0 | 29.3 29.6
7) 29.3 29.5 | 29.4 28.9 | 28.1 28.2
8) 40.5 42.0 | 40.2 44.3 | 35.2 43.2
9) 28.9 29.0 | 29.8 28.7 | 29.0 28.3
10) 34.5 34.3 | 35.0 32.5 | 34.4 35.5
11) 48.8 53.7 | 47.8 50.3 | 45.0 49.8
VAIO typeZ「VGN-Z70B」
CPU:Core 2 Duo P9500(2.53 GHz)
メモリー:2GB(DDR3 1066/2GB×1)
HDD:約200GB(5400回転/分)
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(128MB)
STAMINA・・・Intel GMA 4500MHD
SPEED(高パフォーマンス)| SPEED(標準) | STAMINA(省電力)
アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
1) 33.3 32.6 | 32.6 33.4 | 30.8 31.4
2) 30.0 29.9 | 29.7 30.4 | 29.3 29.1
3) 43.8 48.2 | 40.9 44.0 | 32.0 37.4
4) 29.6 29.8 | 29.0 30.7 | 29.2 29.4
5) 47.2 52.7 | 46.9 53.5 | 38.8 48.1
6) 33.8 31.9 | 30.7 32.8 | 31.4 31.5
7) 29.3 28.5 | 28.5 29.9 | 29.0 28.4
8) 40.3 41.8 | 40.4 42.2 | 35.5 39.1
9) 28.4 27.9 | 29.0 28.4 | 28.4 28.4
10) 33.7 33.9 | 35.4 32.0 | 32.2 33.0
11) 45.0 49.1 | 47.8 48.9 | 43.2 47.8
まさに廃熱ファンの3)が一番熱が高く、
その真上にあるキーボードの金属部分になる5)も
それにともなって熱を持っているのがわかる。
底面で言うと
ファンのある真下の4)も、
負荷がかかるとかなりあったかくなっている。
T9600とP9500を比べると
実質的にファンのあたりの熱をみてもわかるとおり
P9500のほうが廃熱温度が低いように見える。
メモリーの11)は、メモリーのフタをはずして直接計測。
DDR3メモリーの1枚か2枚かという差では
直接メモリーの温度を測れば約2度くらい違っているものの
実際に触れるのはカバーの10)なので
カバーを触れる限りでは熱はあまり感じない。
ストレージの収納されている周囲の温度に関して
HDDとSSDの温度差は、
パームレスト越しでは微量の差しか現れなかった。
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また、以下は、
typeS「VGN-SR90S」と、前typeS(SZシリーズ)「VGN-SZ94PS(改)」を
同じような状況下で計測したもの。
VAIO typeS「VGN-SR90NS」
CPU:Core 2 Duo T9400 (2.53 GHz)
メモリー:2GB (DDR2 667/2GB×1)
HDD:約200GB(7200回転/分)
グラフィック:ATI Mobility Radeon HD3470(128MB)
SPEED(高パフォーマンス)| SPEED(標準)
アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
1) 38.1 41.7 | 36.8 40.6
2) 31.4 32.1 | 31.3 31.1
3) 42.0 50.0 | 40.7 43.2
4) 33.4 33.1 | 32.4 31.9
5) 45.4 55.8 | 43.6 55.6
6) 37.2 37.6 | 36.2 37.7
7) 30.1 30.2 | 30.0 30.1
8) 39.3 43.7 | 37.9 42.5
9) 34.4 34.9 | 33.8 33.8
10) 34.9 35.5 | 34.7 34.1
11) 42.9 42.8 | 42.5 43.0
ほぼtypeZと同じような状態。
ただ、本体の材質の違いなのか構造の違いなのかはわからないけど
typeZと比べると
負荷がかかった状態で廃熱をしている状態では
ピーク温度はそこまで高くないものの
本体が全体的にあったかいようにも思える。
VAIO typeS「VGN-SZ94PS」
CPU:Core 2 Duo T9300 (2.50GHz)
メモリー:4GB(DDR2 667/2GBx2)
SSD:32GB(Mtron製「MSD-SATA6025-032」)
SPEED・・・NVIDIA GeForce 8400M GS(64MB)
STAMINA・・モバイルIntel GMA X3100
SPEED | STAMINA
アイドル/高負荷 | アイドル/高負荷
1) 33.6 34.8 | 32.2 34.0
2) 30.1 32.9 | 30.4 31.8
3) 30.9 35.5 | 30.6 33.8
4) 30.3 32.0 | 30.1 29.7
5) 32.3 49.3 | 32.0 47.2
6) 30.2 35.0 | 33.0 34.2
7) 30.4 32.0 | 30.6 30.9
8) 32.0 44.6 | 33.8 42.2
9) 29.5 32.6 | 30.9 32.3
10) 31.0 37.0 | 33.5 35.3
11) 36.8 54.1 | 42.5 52.1
内部構造から外部の材質までが違うので
比較対象にはならないものの、
ストレージのある3)や6)のある部分が
妙にあたたかかったり、
廃熱ファンのある5)やその底面の6)あたりに
集中して熱を持つ特性がある。
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今さらここまでやっといてだけど、
おそらく、普段使いをする分には
こんな高パフォーマンスにして
3DMarkみたいな高負荷をかける事はないかもしれない。
たぶん、普通にバランスにして使っても
十分というかかなり仕事は速いし、
そんなに熱を感じる事に遭遇しない可能性も高い。
ただ条件を比較する上では、
極限まで負荷をかけた限界の状態のほうが
それぞれの差がわかりやすいのでやってみた。
typeZのCPU選択時に
パフォーマンス重視のCore 2 Duo T9600 (2.80 GHz)か、
低発熱のCore 2 Duo P9500(2.53 GHz)か、
を考える時に、
以前にやったベンチマークとともに参考になればと。
またその他にも
いろいろテストしてみる予定。
続く。
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(プロローグ)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(ディスプレイ編)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その1)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その2)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その3)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その1)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その2)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その3)
・VAIO typZの1600×900という解像度や色再現性を比較してみる。
・VAIO typeZの本体を分解してみた。(前編)
・VAIO typeZの本体を分解してみた。(後編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(基本ベンチマーク編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(3Dベンチマーク編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(ストレージ編 前編)
・VAIO typeZのパフォーマンステスト(ストレージ編 後編)
4件のコメント
いつも色々と参考になる情報をありがとうございます。
Type Zに関しても様々な情報を提供してくださり、ありがたく思っておりますが、バッテリに関する検証(T9600とP9500での差など)を行う予定はございますでしょうか。もう1つ、バッテリパック(L)を装着した際にType Zがどのような形になるのかという写真が、公式の微妙な暗さの中での写真しかなく、下方に飛び出したバッテリが本体を浮き上がらせるのか、ちょうどヒンジから床までの隙間に収まり、本体の下面は床に付いたままになるのかがわかりません。
電力関係の情報がございましたら、よろしくお願いいたします。
ご無沙汰です!毎日ご苦労様です。
この前、ソニービルで実機(T9600)を触りましたが、エクスペリエンス・インデックスのスコアを更新しただけでかなり熱かったです。排気口の下が特に熱くて低温やけどは確実だと思います(そもそも膝の上では使わないのかもしれませんが。。。)。
TZやSZと比べても、数値以上に熱く感じないですか?買うなら自分はPを選びそうです笑
>cydocさん
こんにちはw
大型のバッテリーパックを装着した場合の形状というのは確かに気になりますね。
近いうちに載せられたら載せてみたいと思います。
それとバッテリーの持続実験は、どれだけの負荷をかけたらいいものかがわからないのと、まさに長時間作業でそれが他の人と同じほどのものなのかがわかりかねてしまって、参考にならなさそうなので躊躇しています(^^ゞ
いろいろやって、何か良い方法があればまた試してみますねw
またどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
>ヨースケさん
確かに負荷がかかると熱風がブワーっと出てきますね。
そういった意味ではP9500のほうが少しでも負担が少なくていいのかな?って思います。