デジタル一眼カメラα7V「ILCE-7M5」の動体歪みを、α7IV、α1II、α9IIと比較。ハイエンドモデルには及ばないものの、従来モデルから動体歪みは改善。

部分積層型 3,300万画素 35mm フルサイズ Exmor RSセンサーとαとしては初のAIプロセッシングユニットを統合した画像処理エンジンBIONZ XR2を搭載するデジタル一眼カメラα7 V「ILCE-7M5」。
今回は、動体歪みやセンサーの読み出し速度について比較してみた。
・α7 V | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
---------------------
目次
●α7 Vの動体歪みは従来モデルから大きく改善。ただしα1 II / α9 IIIは別次元。
![]() |
![]() |
| 画像は wikipedia より引用 |
αシリーズに備わる電子シャッターについて、メリットも多数あるけれど、画像の撮像面上部の画素から順に読み出す「ローリングシャッター方式」のため、高速な動体を撮影すると歪みが発生してしまう弱点がある。
例えば、高速回転するプロペラや、ゴルフクラブを振ったシャルトが曲がって映し出される。
本来の形とは違う形に歪んでしまうため、こういうシーンに限ってはメカシャッターと使い分けるというのが現状だった。

ただし、α1IIやα9IIIではその歪みを克服する性能を持っている。
新しく部分積層型CMOSイメージセンサーを搭載したα7 V の性能を知るため、いくつかのαシリーズと比較してみた。
検証するモデルとして、α7 V、α7 IV、α1 II、α9 IIIの4機種で試してみた。
それぞれのカメラで、シャッタースピードは1/2000秒で統一、電子シャッター・メカシャッター両方を撮影。
α9 IIIのみメカシャッターを搭載せず電子シャッターのみ。
α7 V「ILCE-7M5」の動体歪み
| α7 V「ILCE-7M5」電子シャッター | α7 V「ILCE-7M5」メカシャッター |
![]() |
![]() |
α7 Vの電子シャッターで撮影した画像を見ると、若干の動体歪みが見える。
ソニー公式では「アンチディストーションシャッター」と謳われてないものの、ファンの羽が認識できる程に動体歪みが抑えられている。
メカシャッターで撮影した場合、動体の歪みは抑えられている。
<電子シャッター>
最高連写速度:約30コマ/秒
AF/AE演算速度:60回/秒
ブラックアウトフリー:◯
シャッター速度最高: 1/16000秒
読み出し速度:速い(α7 IVの4.5倍)
<メカシャッター>
最高連写速度:約10コマ/秒
シャッター速度最高: 1/8000秒
α7 IV「ILCE-7M4」動体歪み
| α7 IV「ILCE-7M4」電子シャッター | α7 IV「ILCE-7M4」メカシャッター |
![]() |
![]() |
α7 IVの電子シャッターで撮影した画像を見るとは羽の像が流れてしまい歪(いびつ)な形状に記録されている。
ローリングシャッター方式の弱点と称されてる画像。
画像の撮像面の上の画素から順に読み出しているうちに、被写体が高速に動いてしまうためにこのような画像になる。
α7 IVの電子シャッターでは、高速な動体の撮影は難しいと言われる所以。
α7 Vでは読み出し速度がα7 IVの約4.5倍に高速化したことで、そのぶんの歪みが減っている。
<電子シャッター>
最高連写速度:約10コマ/秒
AF/AE演算速度:非公開
ブラックアウトフリー:-
シャッター速度最高: 1/8000秒
読み出し速度:遅い
<メカシャッター>
最高連写速度:約10コマ/秒
シャッター速度最高: 1/8000秒
α1 II「ILCE-1M2」動体歪み
| α1 II「ILCE-1M2」電子シャッター | α1 II「ILCE-1M2」メカシャッター |
![]() |
![]() |
フラグシップモデルであるα1 IIの電子シャッターで撮影した画像を見ると、動体歪みを大幅に抑えている。
α1 IIの電子シャッターはローリングシャッター方式でありながら、高速な読み出しを可能にした積層型CMOSセンサーを備えているためほぼ歪みが発生していない。(アンチディストーションシャッター)
<電子シャッター>
最高連写速度:約30コマ/秒
AF/AE演算速度:120回/秒
ブラックアウトフリー:◯
シャッター速度最高: 1/32000秒
読み出し速度:超高速
<メカシャッター>
最高連写速度:約10コマ/秒
シャッター速度最高: 1/8000秒
α9 III「ILCE-9M3」動体歪み
| α9 III「ILCE-9M3」電子シャッター | α9 III「ILCE-9M3」メカシャッターなし |
![]() |
グローバルシャッターに対応するα9 IIIの場合は、電子シャッターのみの撮影となる。
α9 IIIの電子シャッターは、ローリングシャッター方式ではなくて、グローバルシャッター方式。
グローバルシャッター方式は、センサーの全画素を同時に露光・読み出してしまうので、読み込みのズレというものがない。(ゼロディストーション)
α1 IIを超えた動態歪みをゼロにできるため、高速で動く被写体でも動体の歪みが無く見たままの撮影ができるということになる。
<電子シャッター>
最高連写速度:約120コマ/秒
AF/AE演算速度:120回/秒
ブラックアウトフリー:◯
シャッター速度最高: 1/80000秒
読み出し速度:超高速
α7 V / α7 IV / α1 II / α9 III 電子シャッター動体歪み比較

α7 V、α7 IV、α1 II、α9 IIIそれぞれの電子シャッターで撮影したファンの画像を並べてみたもの。
見ると、アンチディストーションシャッターのα1 II、ゼロディストーションのα9 IIIの画像は明らかに動体の歪みなくよりありのままの写真が撮れる事がわかる。
フラッグシップ級の2モデルと比べると、さすがにα7 Vの画像は動体の歪みがはっきりとわかる。
ただし今までのαシリーズの電子シャッターで撮影した画像はほとんどが、α7 IVの電子シャッターで撮影した画像のように羽が大きく歪んだ画像だった。
それに比べると大きく歪みを抑えているため、今までよりも撮影に耐えられるシーンもより増えると思われる。

ちなみに、メカシャッターを利用すること動体歪みを解決することができる。
ただし、メカシャッターで撮影する場合、最高連写速度が10コマ/秒、最高シャッター速度が 1/8000秒に制限されてしまう点には注意が必要。
改めて比較すると、α9 IIIの電子シャッター(グローバルシャッター)は異次元的な性能だと言う事が改めてわかる。
α1 II、α9 IIIは確かに驚異的な性能ではあるものの、その性能を持つがゆえに100万円近い価格だと考えると、従来の電子シャッターから大きく改善したα7 Vはとても魅力的に見える。
---------------------
●塗り替えろ。 Redefine basic α7V「ILCE-7M5」

デジタル一眼カメラ α7 V「ILCE-7M5」
2025年12月9日(火)10時予約開始
2025年12月19日(金)発売
市場推定価格:420,000円前後(税込)
ソニーストア販売価格:416,900円(税込)
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
・デジタル一眼カメラ α7 V「ILCE-7M5」直接購入ページ
・α7V「ILCE-7M5」新機能① ボディの低消費電力化に加えて、バッテリーの持ちと実用性を兼ね備えた「モニター低輝度」を追加。
・α7V「ILCE-7M5」新機能② 静止画と動画の画面表示をそれぞれカスタマイズ、”ヒストグラム+水準器”同時表示、ファインダー画面下の「フッターカスタマイズ」が可能に。
・α7V「ILCE-7M5」新機能③ 全てのRAWファイルフォーマットで、30コマ/秒の高速連写・14bit RAW 記録ができる。
---------------------
●その他検証モデルラインアップ
![]() デジタル一眼カメラ α7 IV 「ILCE-7M4」 ソニーストア販売価格: ●長期保証<3年ベーシック>付 ●ソニーストア割引クーポン10%OFF ●提携カード決済で3%OFF |
![]() デジタル一眼カメラ α7 IV 「ILCE-7M4K」ズームレンズキット ソニーストア販売価格: ●長期保証<3年ベーシック>付 ●ソニーストア割引クーポン10%OFF ●提携カード決済で3%OFF |
・「α7 IV」( ILCE-7M4 )は、「α7 III」からどれほど進化したのか?仕様を比較。α9ベースのスタンダードモデルと、α1ベースのスタンダードモデルとの違い。
・フルサイズミラーレス一眼カメラ α7 IV ( ILCE-7M4 )の熱耐性能について、海外のソニー公式ページから調べてみる。α7 IV、α7SIII、FX3、α1の動画連続撮影比較。
・フルサイズミラーレス一眼カメラ α7 IV ( ILCE-7M4 )の新機能「フォーカスブリージング補正」と、その対象レンズについて確認してみる。
・「α7 IV」( ILCE-7M4 )は本体内ソフトウェアアップデートが可能!? メモリーカード内に保存したファームウェアデータを使って実行できる様子。PCいらずで、スマートフォンやタブレットだけでもアップデートできる可能性。
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
<レビュー>
・「α SPECIAL EVENT 2024」で α1 II を体験してきたレビュー(その1)欲しい一瞬に遡れる「プリ撮影」、被写体を逃さない「AIプロセッシングユニット」がフラッグシップモデルについに搭載。
・「α SPECIAL EVENT 2024」で α1 II を体験してきたレビュー(その2)深いアイピースカップ、4軸マルチアングル液晶モニター、大型化したグリップ、Aマウントへの回帰か?プロ機としての佇まいを手に入れたボディ。

デジタル一眼カメラα9 III「ILCE-9M3」
●長期保証<3年ベーシック>付
●ソニーストア割引クーポン10%OFF
●提携カード決済で3%OFF
ソニーストアで購入
ソニーストア (web)でご購入のさいに、以下バナーを経由してお買い上げいただくことで、当店の実績となります。
ソニーストア 直営店舗でご購入の場合

※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入のさいに、
スタイリストさんにショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。


















