ゲーミングモニター「INZONE M10S」(27インチ/QHD 2560×1440/480Hz/有機EL )開封レビュー。強烈なスペックと有機ELモニターの美麗映像の恩恵。
27インチQHD(2560×1440)480Hzの有機ELゲーミングモニターINZONE M10S(SDM-27Q10S)が遂に発売。
高性能有機ELパネルを備えて、本体デザインも今までと大きく変化。
早速開封して組み立てからPCとの接続してみる。
<ソニーストア実機レビュー>
・ソニー、27インチWQHD(2560×1440)480Hz 有機EL ゲーミングモニター「INZONE M10S」(SDM-27Q10S)をソニーストアで触ってきたレビュー。全方位で進化したINZONEゲーミングモニター第2世代。
・INZONE M10S(SDM-27Q10S)[有機EL QHD 480Hz] | ゲーミングギア INZONE(インゾーン) | ソニー
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目次
●ゲーミングモニター(QHD 480Hz)「INZONE M10S」を開封して中身をチェック。
INZONEのゲーミングモニター「INZONE M10S」の外箱。
シンプルな外装で、「INZONE」のロゴと「M10S」という文字が大きく記載されている。
外装デザインは従来のINZONEと大きくは変わらないものの、有機ELモデルについては箱を横に倒した状態で開封する。
INZONE M9のパッケージ |
以前のモデルでは箱をとめるテープがわざわざINZONE ロゴ入りだったけれど、「INZONE M10S」は一般的な透明のテープに。
パッケージの大きさは一人で持って運んでも余裕がある程度のサイズ感で、重さも約11.0kg程度でテレビと違い一人で移動も設置もできる。
「INZONE M10S」の箱を開封すると、付属品関係が現れる。
モニターはこの箱の下にあり、付属品はまとまって上面に保管されていてわかりやすい。
上の段ボールを取り出すと、下には、モニター本体と、モニタースタンドが収納されている。
付属しているのは、モニター本体、モニタースタンド、パームレスト(スタンド部分)、ACアダプター、DisplayPortケーブル(DP2.1)、説明書類、INZONEステッカー。
梱包については、発泡スチロールを一切使用していないシンプルなもの。
収納は簡易化されていてわかりやすい。
おそらくeスポーツ大会などで利用されることを考慮して開封も梱包もよりカンタンな設計にしているのだろう。
「INZONE M10S」に付属しているケーブル類のDisplayPortケーブル(DP2.1)、電源ケーブル、ACアダプター。
USB 3.0 Type Bのケーブルは付属していないので、USBハブ機能やINZONE HubでPCからモニターの設定変更を利用したい場合は別途購入する必要がある。
INZONE M9は、ACアダプターが巨大すぎる事と、コンセントにつなぐ側の電源ケーブルが短いという不満があった。
・Amazonベーシック USB3.0ケーブル 1.8m (タイプAオス – タイプBオス)
・エレコム USBケーブル 【B】 USB3.0 (USB A オス to USB B オス) スタンダード 3m ブラック USB3-AB30BK
その反省点を受けて、ACアダプターが120Wに省電力化されて以前の巨大ACアダプターよりもふたまわりくらい小さくなっている。
電源ケーブルも、およそ1.5mの長いタイプに変更になっている。
DisplayPortケーブルも、本体仕様に合わせてDP2.1対応。
「INZONE M10S」の仕様はDisplayPort(Ver2.1 UHBR10)のため最大伝送速度は40Gbpsなので、これに合わせてDisplayPortケーブルもDP2.1 DP40(40Gbps)対応のものとなっている。
厳密に言えば、DP2.1の最大帯域80Gbpsに対応しているタイプではないので、DP1.4(最大帯域25.92Gbps)との性能の違いを感じるのは難しいかもしれない。
とは言え、あえて上位のゲーブルが付属してくれるというのは嬉しい。
INZONE M10Sに付属するステッカー |
INZONE M9に付属するステッカー |
ゲーミングブランドっぽくステッカーが今回も付属。
以前のモデルに付属していたステッカーと異なり、本体カラーと同じ黒を基調としたものに変更。
メモリのついたステッカーもあってよりゲーミングメーカーとしての意識が高まった感じ。
本体の組み立ては、モニタースタンドを、箱に入ったままゲーミングモニターの背面にツメ部分を引っ掛けて押し込むだけ。
カチっとカンタンにロックして取り付けられる。
スタンド底面パーツの取り付けも、手回しで固定できるカンタンさ。
INZONE M9ではネジ止めするためにわざわざドライバーを用意する必要があっただけに、このあたりの手間も随分改善されている。
取り付けが終われば、そのままスタンドを持ち上げて本体を持ち上げて自立させれば完成。
モニター本体に全く触れずに組み立てできるので、不意にモニターに力を加えて壊してしまうリスクもほとんどない。
「INZONE M10S」のスタイルは、中央の円形のスタンドだけで自立。
パネル面を見ると周囲のベゼルについては、下側が若干広くなっているものの有機ELらしい狭ベゼル。
正面から見ると、SONYロゴや認証シールなども一切ない超シンプルなデザイン。
スタンドを取り外したい場合は、背面の下にある取り外しボタンを押して、スタンドを持ち上げるとかんたんに外すことができる。
モニターの背面には、VESAマウント 100×100mmの穴もあるため、別途モニターアームやスタンドを用意して取り付けることもできる。
スタンド付き質量は約6.2kg、スタンドなし質量は約4.2kg。
モニタースタンドは後方にくびれている形状になっていて、これだけ小さい底面でも重心が安定するようにバランスがとられている。
後ろからみると、スタンド側面に唯一といっていいNVIDIA G-SYNC対応のシールが貼り付けられているのがわかる。
そのかわりモニターの基盤や端子類が集約された背面部はの厚みがある。
内部にはヒートシンクにより、冷却用ファンを使わずに効率よく冷却する構造になっているため、ファンノイズもない。
「INZONE M10S」の本体サイズは、約60.4 x 50.4 x 19.7 cm(幅×高さ×奥行き)。
以前のINZONE M9(約61.5 x 47.9 x 24.8 cm)と比べると随分とコンパクト。
特に奥行きは5cm近く短くなっている。
操作系のジョイスティックは、背面(ディスプレイを正面にすると右奥)にある。
電源ボタンは、ジョイスティック下に配置。
ジョイスティックを押し込むとメニューが表示されて、十字に操作するとメニューをコントロールできる。
本体のみで操作する場合は、このジョイスティックを操作することになる。
モニターの高さは、120mmまで高さの調整ができる。
上下のチルト機構は、チルト角-5°~ 25°まで。
上から見下ろす使い方など、画面を自分の使いやすい位置に動かせる。
ディスプレイをタテに90度回転させる機構はないものの、水平方向に±180°回転のスイーベルすることが出来るようになった。
ケーブルを接続していなければ、無限回転が可能。
接続端子類は、左から、ヘッドホン端子、USB Type-A x2(Downstream)、USB Type-B端子(Upstream)、HDMI2.1端子 x2、DisplayPort端子(DP2.1) x1、DC入力端子、USB Type-A x1(ソフトウェアアップデート専用)。
このうちUSB Type-B端子は、アップストリームに対応して、PCやゲーム機をつなぐことでモニターに接続したUSB機器(キーボードやマウス)を共有して使用することができる。
HDMI・DisplayPortともに、最大QHD(2560 x 1440)/480Hz、VRR(可変リフレッシュレート)に対応。
VRR(可変リフレッシュレート)は、Adaptive-Sync (VESA DP)、 NVIDIA G-Sync Compatible、Variable Refresh Rate (HDMI 2.1)に対応している。
USB Type-C端子やオートKVMスイッチ機能などは今回のモデルからは非搭載。
USB Type-Cを搭載すると電源供給用にACアダプターを大型化する必要があったり、複数のソースとのKVM接続はソフトの設定を分かりづらい要因となっていたので、ゲーミング用途を意識するのであれば不要とも言える。
配線については、スタンドに通し穴が用意されていてまとめて後ろへ逃がすことができる。
ただし、接続ケーブルが多かったり太いケーブルを複数通すのは難しいかもしれない。
●有機ELパネル、DCI-P3カバー率98.5%以上のQHD 480Hzモニター「INZONE M10S」
「INZONE M10S」は、パネルに有機ELを使用し、パネル表面は反射を防ぐノングレア仕様。
画面解像度は、2560 x 1440のQHD解像度に、最大480Hzという非常に高いリフレッシュレートが最大の特徴。
液晶ディスプレイでは難しい0.03ms(GTG)という優れた応答速度も備えている。
有機ELというと輝度ピークが弱いと思われがち。
けれど、LG製の最新の有機ELパネルを採用して、マイクロレンズアレイ+技術によりVESA認定のDisplayHDR True Black 400と最大1300 cd/m2(HDR/3%)のピーク輝度を実現している。
ディスプレイを見ると、有機ELパネルの圧倒的な美麗さのインパクトが凄い。
黒色の表現では全く光を発しないため黒のしまりは液晶モニターの比ではなく、暗がりの光源でフレアやハローといった光漏れもなく、暗がりの表現豊かな階調表現といい見てて気持ちいい。
ズバリ、PCでも映画やHDR動画など視聴するのであれば有機ELモニターが欲しくなる。
色再現性はデジタルシネマ向けの業界標準規格であるDCI-P3のカバー率98.5%以上の高色域表示に対応。
さらに、10bit(10.7億色)の表示にも対応して、グラデーションもよりなめらかに表現できる。
方向性によっては、より高いカバー率をもったモニターもあるものの、超高リフレッシュレートのゲーミングモニターでありながら必要なスペックはしっかり備わっている。
「INZONE M10S」は有機EL を採用して横からでも上下からでも色の変化の影響は極端に少ない。
27インチというパーソナルサイズで斜めから見ることがあるのか?という事もあるけれど、どういった姿勢でも変わらず見えるという事は重要。
PCと接続すると、リフレッシュレート480Hzを表示ができる事を確認。
QHD(2560×1440)解像度で、秒間480フレームというスムーズな動きと高精細な映像を両立できることが「INZONE M10S」の最大の特徴。
お約束の「UFO Test」を試してみた。
この「UFO Test: Multiple Framerates」を試した当初、本来であれば480Hzとなるはずが、430Hz~460Hzしか出ないという減少に遭遇した。
探ってみると、PCに使っていたグラフィックボードが GEFORCE RTX3070(2021年製)だった事が原因の様子。
そこで、最近買ったRadeon RX 7800 XT に付け替えてみたところ、480Hzで安定した。
超高性能なモニターである「INZONE M10S」の性能をフルに引き出そうとすると、高いGPU性能も必要という事だ。
上記画像は、グローバルシャッターを搭載したデジタル一眼カメラα9 IIIで撮影した画像。
それぞれのフレームレート(fps)で左から右へ動くUFOを観察すると、480Hzで動いているUFOだけがわずかに一番戦闘に移動していることがわかる。
この微妙な差が、ゲームプレイにおいての対応にかかわってくる。
さて、「INZONE M10S」のパネル性能をフルに活かせるゲームはないかと探して、ひとまず「VALORANT」を起動してフレームレートを確認してみた。
ちなみに、使っているPCの構成は、CPUが「AMD Ryzen 9 5950X」、グラフィックボード「Radeon RX 7800 XT」という構成。
チュートリアルながら、QHD(2560×1440) 480Hz の設定で、FPSが480Hzで動作していることを確認。
「VALORANT」のチュートリアル画面レベルでは負荷が低いのか、いくら激しくプレイしてもFPSが落ち込むことはなかった。
かといって超美麗グラフィックのゲームは他にたくさんあるし、出口のスペックが高い「INZONE M10S」をせっかく使うのであれば、PC性能(GPU性能)はゴリゴリに上げたくなる。
また、PlayStation®5をHDMI接続で接続した場合には、WQHD(2560 x 1440) 120Hz HDR VRR で動作する。
応答速度は0.03ms GTG対応と非常に高速で、ゲームプレイ中に映像のブレはまずないと言っていい。
有機ELモニターの発色の良さに加えて、残像感のないレスポンスの良さを味わうと他のモニターを使えなくなる。
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●過剰なスペックを備えるために、得られた有機ELパネルの恩恵。
ゲーミングモニター「INZONE M10S」は、QHD(2560×1440)解像度で、かつリフレッシュレート480Hz表示に対応するという、競技性の高いゲームのためにあると言って良いほどのハイスペック。
プロ向けに特化しているだけあって、普段使いのPC用のモニターにするには過剰だと思うかも知れない。
240Hzと480Hzでは違いはわからないんじゃ?と思うかもしれないけれど、マウスカーソルを動かすだけでも違いが分かるもの。
そして、何と言っても性能のために採用した有機ELというデバイスの高品位な映像表現は、液晶モニターをはるかに凌駕する。
コントラストの高さや、黒が黒と表現されることや、ハロー・フレア・残像感のなさは日常的に利用するPCモニターとしてもぜひ欲しいと思える。
これならゲームにとどまらず映画をじっくり堪能したくなる。
唯一気になるところといえば、4Kではないという事。
QHD(2560×1440)なので、例えばPlayStation®5で利用したさいにオートHDRトーンマッピングが利用できないなどといった事がある。
あくまでも「INZONE M10S」は、ディスプレイサイズとゲーミングモニターとしての性能を重視しているモデルであって、ソニーがもっとバリエーション展開してくれたらそれに越したことはない。
とはいえ、27インチでQHD(2560×1440)解像度はサイズ的に粗は目立ちにくいし没入感は最高。
かつてソニーが初めて発売した「XEL-1」を思い出すくらいに美麗な映像が自分のパーソナルエリアにある所有欲はかなり高い。
https://kunkoku.jp/inzone-m9ii-m9
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●ゲーミングギアブランド「INZONE™」新製品ラインナップ
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