開放 F値1.4 の大口径単焦点レンズ GMaster FE 50 mm F1.4 GM 「SEL50F14GM」を、CP+ソニーブース で触ってきたレビュー。
焦点距離50mmの最高峰レンズといえば、F1.2というソニーα史上最高の明るさをもった大口径レンズ
。これはこれで唯一無二であるかわりに超高価なレンズで、なかなか手の届かない存在。
そこに現れたのが、大口径レンズと機動性を備えた
「SEL24F14GM」に近いコンパクトな佇まいで、バランスの取れて魅力的な やG Masterレンズ。
---------------------
目次
● の絶妙なサイズ感。
G Masterレンズ=デカイ重い”を払拭した や「SEL24F14GM」に近いサイズ感。 は、”
開放絞りF1.4の大口径単焦点レンズでありながらも、小型・軽量で、実サイズは、最大径80.6mm、長さ96mm、質量は約516g。
自分のような大人の男性の手であれば、片手で余裕で持てるサイズ感。
世の中にはもっとコンパクトな単焦点レンズはたくさんあるけれど、日頃ヘビー級なG Masterレンズばかりを目にして慣れきっていただけに、反動で小さいし、軽いと思える。
<参考>
・持ち出したい意欲を後押ししてくれる、写真を撮るのが純粋に楽しくなる、開放F1.4の大口径広角単焦点レンズ Gマスター FE 24mm F1.4 GM 「SEL24F14GM」。
F1.2の
と比べると全体的にコンパクトにまとまっているのがよくわかる。
焦点距離イメージ:50mm フィルター径:φ72mm
開放絞り : F1.2
レンズ構成 : 10群14枚
絞り羽根 : 11枚
大きさ: 最大径φ87 mm、全長108 mm 質量:約778g
<参考>
焦点距離イメージ:35mm フィルター径:φ67mm
開放絞り : F1.4
レンズ構成 : 10群14枚
絞り羽根 : 11枚
大きさ: 最大径φ76 mm、全長96 mm 質量:約524g
実際、F1.2とF1.4のレンズ差はというと、1/2段分の明るさ。
F1.2の魅力はあるとして、
はボディに装着した状態でカメラバッグの専有してしまう悩ましさを払拭してくれる。F1.4の明るさをもって小型かつ軽量な機動性の高さというのはまた大きな魅力的である。
---------------------
● のハード周りをチェック。
レ ンズに備わる物理スイッチは、AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)の切り替える[フォーカスモードスイッチ]と、コンティニュアスAF時にピント位置を固定できる「フォーカスホールドボタン」が2つ。
上部についた「フォーカスホールドボタン」は、縦位置で構えたとき、横にあるボタンを押すよりも自然に押して使えるという利便性がある。
「フォーカスホールドボタン」は、カメラ本体のメニューからカスタマイズして、好みの機能を割り当てて使うことができる。
(例:構図確認のためのグリッドライン表示や、天候や表現に合わせて色調を調整できるホワイトバランスなどを割り振ることが可能。)
コレひとつあるだけで、使い勝手が大きくかわるほど。
「絞りリング」は、右手でグリップしながら、レンズにそえた左手でF値を意のままに操れてとても有用。
フォーカスリングにはリニア・レスポンスMFを採用して、リング回転角度にリニアなフォーカス移動する機構になっていて、微妙なニュアンスをダイレクトに反映してくれるおかげで、精緻なピント合わせができる。
「絞りリング」については、回したときのカチカチというクリックはオンオフ可能。
動画撮影時にクリック音が邪魔になるようであればOFFにしてシームレスに可変もできる。
また、レンズの底の部分に突起となる足がついている。
これはおそらくボディにレンズを装着して置いたときに不意にリングが回らないように付いたものと思われる。
ボタンやリングまわりはしっかり密閉されていてアウトドアでも気軽に撮影が楽しめる防塵・防滴に配慮した設計。
レンズ最前面にはフッ素コーティングも施されていて、汚れ成分の付着を防止してくれる。
そして、最先端のレンズコーティング技術である「ナノARコーティング II」が施されているというのも最新のG Masterレンズならでは。
---------------------
●CP+ソニーブースで、 の撮影をしてみた。
カメラ : α7R IV
レンズ : 焦点距離:35mm
シャッター速度:1/320 絞り値:F1.4 露出補正:±0.0 ISO:100 ホワイトバランス:自動
CP+のソニーブースで、
を試すことができたので使ってみた。自由に持ち出せるわけではなく被写体も限られるため、テストできる事は少ないまでも
すっかり巨大な大口径レンズばかり使って感覚が麻痺してしまっていたせいか、
を持つとものすごく小さく感じてしまう不思議。SIGMAの「50mm F1.4 DG DN | Art」 は全長が111.5mmあるし、重さも660gとするとそれはそれは小さい。
フラットな目でみれば、F1.4のレンズが劇的に小さくなるわけではないことがわかっちゃいるけれど、レンズとボディ含めてのトータルのサイズ感がよくまとまっていて、何しろ取り回しがしやすい。
カメラ : α7R V
レンズ : 焦点距離:50mm
絞り値:F1.4
撮影して実感するのが、オートフォーカスの機敏さ。
もちろんαボディ側の高速性能ありきで、レンズが足をひっぱっていないか?ということ。
最新のG Masterレンズにのみ備わるXD(extreme dynamic)リニアモーターを2基搭載して、大口径フォーカスレンズ郡が大きく移動するような前後に移動したシチュエーションでもレスポンスは良いし、かつ正確。
フォーカス駆動時のモーター音も静かで振動も皆無。
カメラ : α7SIII
レンズ : 焦点距離:50mm
絞り値:F1.4
専用ブースでのテスト撮影という事もあって、焦点距離50mmという画角で、実際に撮影するポジションがほぼ限定されているため、モデルさんとの位置関係が大きく変えられないのは少々不便。
それを踏まえて、何気なくモデルさんの瞳にピントをあわせて、開放絞りF1.4で撮影。
開放でも中央付近が解像するのは当前ながら、ほぼほぼ同じ被写界深度にある衣服のシワやがじつにきめ細かで解像感の高さがわかる。
そして、レンスの周辺部にあたる、上部に映る木の葉の一枚一枚がくっきりはっきりと認識できる。
カメラ : α1
レンズ : 焦点距離:50mm
絞り値:F1.4
目の前にあった花と植物のあえてごちゃごちゃした部分を撮影。
こちらもF1.4の開放。
フォーカス面の枝葉の細々ところの解像感はもとより、大口径レンズならではの前後に大きなボケ味が醍醐味。
複雑に絡み合った境目になると、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA「SEL50F14Z」では色収差が目立ってザワついてしまいがちなのだけれど、 では溶け込み具合が非常に滑らか。
さすがに最新の光学性能をもったG Masterレンズ。
---------------------
● の絞りによるボケ味の変化を確認。
の絞り羽根は、G Masterレンズのほとんどのモデルに備わる11枚羽根の円形絞り。
枚数が多くなることで高い円形比率で、絞った場合でもボケが丸いカタチを保てるのが特徴。
もちろん、球面収差を最適化した光学設計や製造時の球面収差調整が行われていたうえで、やわらかなボケ味ができる。
カメラ : α1
レンズ : 焦点距離:50mm
絞り値:F1.4
ソニーブースには細長いLEDライトも多様されている事もあって点光源のポテンシャルを試すのも一苦労。
左下にピントをあわせて、その背後にあるたくさんの電球のボケ味をいかした点光源をつくってその様子をみてみた。
画像中心にある点光源は真円を描くキレイな丸ボケ。
中央付近を拡大 | 周辺部を拡大 |
その一方で、周辺部にいくにつれて点光源がレモン型になるいわゆる口径食は、大口径レンズの宿命とも言うべきか。
とはいえ、なんとも濁りのない美しい点光源。
少し古いレンズや安価なレンズだと、光源の周囲に色がつくパープルフリンジや、年輪ボケなどがこのレンズでは皆無と言っていい。
絞り値:F1.4 | 絞り値:F1.8 | 絞り値:F2 |
絞り値:F2.8 | 絞り値:F4.0 | 絞り値:F5.6 |
絞り値:F8.0 | 絞り値:F11 | 絞り値:F16 |
点光源の口径食については、F値を絞っていくことで徐々に解消されていく。
およそF2まで絞ると口径食は目立たなくなり丸い玉ボケに近づき、F2.8まで絞ることで端っこにある点光源まで円形になる。
一方で画像中心部にある点光源は、一般的なレンズは絞っていくごとに徐々に多角形になるものの、は、やわらかな玉ボケを維持している。
---------------------
● の近接撮影テスト。
の最短撮影距離はAF時で0.41m(最大撮影倍率:0.16倍)、MF時で0.38m(最大撮影倍率:0.18倍)
参考までに、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA「SEL50F14Z」の最短撮影距離は、0.45m(最大撮影倍率:0.15倍)。
の最短撮影距離は、0.4m(最大撮影倍率:0.17倍)。
カメラ : α1
レンズ : 焦点距離:50mm
最短撮影距離:0.41m 絞り値:F1.4
唯一近くにあった花にフォーカスをあわせて撮影。
他のレンズに比べると、最大撮影倍率は低めではあるものの、ある程度よれることで撮影のバリエーションも広がってくる。
ここでも絞ることはせずに開放F1.4で撮影してみたところ、フォーカス面の解像度の高さと、大きなボケ味につながるつなぎ目がとても滑らかなことがわかる。
レンズによってはボケ味の境目に極端な境目が出来て不自然に見える事があるだけに、G Masterレンズの前後のトロけ具合は見事。
---------------------
● のコンパクトさは機動性の証。
せっかくのα Eマウントの小型ボディだけに、出来るならレンズも大きすぎないほうがいい。
トップヘビーになってグリップもしづらくなってしまうから。
α7Cに装着しても違和感がない。
は、大口径レンズでもコンパクトに抑えられていて軽いということもあって、仮にガツガツ持ち歩ける最適解と言えるかもしれない。
APS-C ボディに装着しても持ちやすさを維持できつつ、35mm判換算で75mm相当の中望遠単焦点レンズとして使える。
動画撮影でも、レンズをあわせてのトータル重量が大きくなると、長い時間ボディ+レンズを支えるのは苦しいので少しでも軽い方がいい。
フォーカシングも静かで全長変化がないインターナルフォーカシング機構もふまえると、ジンバルに装着してもバランスは取りやすい。
大口径のG Masterレンズなのにコンパクトで軽いし、
実際に撮ってみるとAFの速さといい、フォーカスのレスポンスといいまず使っていてストレスになるものがまずないに等しい。
開放撮った画像を見ても周辺部まで解像しているし、柔らかいボケ味といい、パープルフリンジや年輪ボケのないキレイな点光源の玉ボケもじつに良い。
カメラ : α7SIII
レンズ : 焦点距離:50mm
絞り値:F1.4
このレンズ単体で見てもいいレンズだとわかるのだけど、ツボポイントは他にもある。
先に発売した、「SEL24F14GM」、「 」とサイズと重量がほぼ同等でフィルター径は67mmと揃っていること。
単焦点をカバンに忍ばせるにも揃えやすいし、ジンバルに載せて使うにも重量移動は最小限ですむし、フィルターも共用して付け替えできる。
やたらポテンシャルが高いレンズで、レンズの明るさに納得できれば、「G Masterレンズといえる。
」よりも10万円も価格を抑えられて確実に手の届きやすい
---------------------
●FE 50mm F1.4 GM「SEL50F14GM」 先行予約販売は2月28日(火)10時から。
ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)では2月25日(土)から先行展示を開始。
銀座・札幌は体験するために事前予約が必要。
確実に体験したい場合は、必ず予約を行なってからソニーストアへ向かおう。
・新商品 発売前体験・展示について | ソニーストアについて | ソニー
ソニーストアでの先行予約開始は、2月28日(火)10時から。
焦点距離イメージ(mm):50 / 75 mm(APS-Cサイズ時)
開放絞り : F1.4
最小絞り : F16
レンズ構成 : 11群14枚
絞り羽根 : 11枚
円形絞り : ○
最短撮影距離:0.41 (AF時)、0.38 (MF時)
最大撮影倍率:0.16倍(AF時)、0.18倍(MF時)
フィルター径 : 67mm
サイズ : 80.6 x 96 mm
重量 : 516 g
---------------------
●ソニーストア 直営店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
※ソニーストア直営店(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて購入の際、ショップコード「2024001」を伝えていただくと当店の実績となります。
ご購入される方はよろしければ是非ともお願い致します。
ソニーショールーム / ソニーストア 銀座
街の中心にある銀座四丁目交差点に面したGINZA PLACE(銀座プレイス)4階~6階。
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」A4出口直結
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 札幌
地下鉄「大通駅」12番出口から徒歩1分。4丁目交差点すぐ
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 名古屋
名古屋市中区錦3丁目24-17 日本生命栄ビル 3階
営業時間:11:00~19:00
ソニーストア 大阪
大阪駅/梅田駅から徒歩5分程度。ハービスエント4階
営業時間:11:00~20:00
ソニーストア 福岡天神
西鉄福岡(天神)駅南口から徒歩5分。
営業時間:11:00~19:00